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豚子・551のブログ一覧

2023年11月28日 イイね!

バラッドをお前に・9

バラッドをお前に・9





























皆さん、わんばんこ!


月末だろうが、年度末だろうが


月に一週間は、出社しても待機になるので


書類や報告書を作成してるフリをして、ブログ書いてる豚子です





一気に書いたので、長いです


(m´・ω・`)m ごめんね・・









では、バラッドをお前に・・・





豚子は六時間目をバックレて、スカジャンにデニムに着替え、朝校近くにある川猫パーキングにインパルスを走らせた



場所は姉の豚美から聞いてあるし、バイト先から近く、族車が数台停めてあったので直ぐに分かった





ブン!ブォーン♫







川猫パーキングでは、顔見知りの、黒猫のカネゴンとガメラが、単車を弄っていて



インパルスを公園に乗り付けると、二人は単車を弄るのをやめて、鋭い視線で豚子にガン飛ばす




「おう、勝手に停めるてんじゃねーよ、ここが何処だか分かってんのか、クソガキ!」



案の定〜カネゴンが怒鳴りながら、近寄って来た



「うい~す」


ヘルメットを脱ぎ、豚子が挨拶すると



「じぇじぇじぇ!」と、カネゴン



「豚子ちゃん!」ガメラが驚く



「なな、なんでここに?」


カネゴンとガメラは、ビビリながら豚子に尋ねた




「誰が、クソガキやねん!」



豚子がカネゴンに唸り飛ばすと




「いや、豚子ちゃん背が高いから・・・」


カネゴンは、必死で言い訳



「髪の毛で分かるやろうがっ!」




「ごめん、ところで今日は何?」


「アンソンらは?」



豚子はホークⅡを見てたずねると



「そろそろ来るけど」



キーン、コーン、カーンコーン ♪



ガメラが言うと、朝校から下校の鐘がなった


カネゴンとガメラの二人と、世間話しながらタバコを吸っていると



(-。-)y-゜゜゜







予定通り、アンソン、ゼットン、キムコの三人がポケットに手を入れながら、よたって歩いて来て、豚子を見るなり





「じぇじぇじぇ!豚子」



アンソンは、さっきの二人と同じ反応をしたが、キムコとゼットンは真っ青な顔



「なんだよ、こんなとこまで?」


アンソンが豚子に尋ねた



「いや、いや、そっちが、ウチに相談あるんやろ」


豚子が偉そうに、アンソンに応えると




「昨日の事なら、もういいって」



「アンソン君、遠慮すなやー、ウチかて女なんやで~」



豚子は、わざとエロ声を出してみせ、胸を持ち上げてみせる



「どうなってんの?」


キムコが割って入ると



「こら、オドレにはキッチリ説明してもらおうやないか!」


豚子はキムコの襟首を掴み、柔道の技で締め上げた、



「うっ、ヤメテ・・・」



他の川猫メンバーは、豚子の変わりように、呆然と立ち尽くしていると





「いつも、こんな感じなのかな・・」


カネゴンが言うと



「みたいだな・・」



ガメラとゼットンが答える




「さっさと言わんかい!」



豚子が更に、奥襟でキムコを締め上げる




「うっうっ、苦しい〜」



キムコの口から、タラっ~と涎が出てくると





「もう、止めろって、ユンソナの事だろ、俺から話すって」



アンソンが割って入ると、豚子は奥襟を解き、キムコを解放した




ゲッホ、ゲッホ、と涙目で咳きこむキムコ




「まぁ、皆んなには、言わなきゃと思ってたからよ」





アンソンはタバコを取りだし、昨日、ナムルとファミレスで、剣走の極悪双子兄弟の健康兄弟をボコボコにした事を話した。




勿論、康二が言った、ユンソナの事は隠してだが




「健康兄弟だろ、それって、かなりヤバくない?」



アンソンが話し終えると、豚子を除く、全員が口にした




「ラッシャー君が来たら、ちゃんと報告するって」



「家で寝てんじゃね?」


カネゴンが、ニコイチ部落の方を見て言うと



「いや、朝会って、歩いて一緒に行ったから、そろそろ来るって」


ゼットンが答えると












ブオォー!


一台の、Z GPが、川猫パーキングに勢い良く、入って来た


タンクには、横浜剣走のステッカー



「おい!単車で入って来んじゃねーよ」



ゼットンが怒鳴りながら、ZGPの運転手に掴みかかると




「違うんだよ!ユンソナが拉致られた」


同じ朝校の、ナムルのダチのクッパだった



「どいう意味だよっ!」


アンソンの顔が変わり、クッパを問い詰める



「今、無理矢理、車に乗っけられるの見たんだよ」



「何処の者だよ」


「剣汝だよ」



「何で身内に拉致られんだよ?」


ゼットンも興奮して怒鳴る



「分からないよ!ナムル君も朝から来てないんだよ」


クッパは泣き顔で訴える



「双子の健康兄弟の件やろ」


豚子が言うと、皆んな一切に顔を見合わせた




「・・・・」



「健康兄弟って!なんだよ、お前ら何かしたのかよ!」



クッパがアンソンに詰め寄ると



「くっそがっ!」

アンソンはシカトして怒鳴った



「間違いなく、昨日の喧嘩だな・・」

ゼットンが言うと





「だから!何だつーうんだよ、昨日の喧嘩って?」


クッパがアンソンの胸ぐらを掴んだ





「そんなんより、拉致られた、彼女はどうすんのや?」



「助けるに決まってんだろ!おい、場所分かるよな」


アンソンはクッパに掴まれたまま凄む



「そんなの、俺からは言えるワケねーだろ!」



「バカかお前は!ナムルも今日は来てねーんだろ!」




「あっ・・・」



「コラっ!、逆にオドレから拉致して、多摩川に沈めたろか」


豚子が、クッパの手首を掴みおもいっきり、合気道の参教の技をかけた



「ぎゃーっ!痛って~」



クッパは悲鳴をあげた



「オドレが、その剣汝の溜まり場まで、案内せんかい!」


豚子は、さらに手首をテコの角度にして、一瞬で足払いで倒した




「うぉー折れるっつっつ」


のたうちまわり、泣き叫ぶクッパ





「頼む、遠くから案内だけでいい、お前の事は、絶対にチクらない」




手首を極められたまま、足払いで倒されたクッパに、アンソンがしゃがんで、泣き叫ぶクッパに懇願すると





「分かった、案内するし、助けるなら早く追いかけないと」



クッパが答えると



「せやな、早よー追いかけんと」


豚子はクッパの手首を離した



クッパの手首は、既に内出血していて


アンソンとキムコは、去年のステッカー事件を思い出し


改めて、豚子は強いと思い直した










ブン!ブボボボー


黒猫メンバー五人と豚子は、単車に飛び乗りエンジンをかけた







「多いと目立つから、ニケツで行くぞ!」



アンソンが叫び、ゼットンがホークⅡのケツ


カネゴンの下品なケッチのケツにガメラ


豚子のインパルスのケツにキムコの組み合わせが出来ると






「東神奈川のアパートだから、着いて来て!」


クッパが叫ぶ




「部屋だけ教えたら、オマエはバックレろ!」



アンソンがクッパに叫ぶ




「分かった、サンキュー」




「さっさと、行かんかい!」



豚子が怒鳴ると、クッパを先頭に、皆が勢いよく走りだした












・・・L 剣汝・・・






横浜~いや、神奈川県の不良少女が憧れる


湘南大抗争の時代からある、伝統のチームである


おそらく、日本で最初のレディースだろう


母体は剣走だが、剣汝の名前だけでも


普通の、ビーバップなツッパリ高校生はビビって逃げていく





ユンソナは帰りに待ち伏せされた感じで、その剣汝の先輩二人が乗るミラXXに乗せられた



この二人に呼び出された自体で、行き先は自分でも分かった、剣汝の頭、ゆかり先輩のアパートだ



アパートに着くと、ゆかり先輩と男が二人いて、ユンソナは六畳の部屋に正座させられた







「おい、昨日、健康兄弟が、朝校にボコられたの知ってるか?」





剣汝の頭、ゆかりが、シングルベットが置いてある、アパートの六畳間に正座しているユンソナに言った




「いえ、そうなんですか?」



「とぼけんじゃねーよ!」


後ろから、おもいっきり背中を蹴られた


「ガハッ」


いきなり、蹴られ呼吸が止まった




「なんかよ、オマエが原因らしいんだわ」



ゆかりが凄んで言う



「私、何も知らないですけど・・」




「オメーが知らなくても、ボコられた健康兄弟が言ってんだよ」



ゆかりは、ユンソナの髪を掴み、顔面にチョーパン



「ブッホ」




「つーか、先輩、私にこんな事していいんですか、哀川君にいいますよ」



ユンソナは、涙と鼻血が入った口で抵抗した




「バーカ、哀川君はテメーの事なんて、ハナから女だなんて思ってねーんだよ」



更に横から、ミラXXの先輩に蹴られた




「うっ~」


蹴られた脇腹を抑えてると



「オマエの事、拉致れって命令したのも哀川君だしな」



「オラッ!」



更にけり



「そんな・・・」


ユンソナは心の中で悲鳴をあげた






「健康兄弟はよ、俺の後輩なんだわ、だからボコった朝校の奴、教えてくれよ」



隣の部屋で黙って見ていた、パンチパーマの男が、やっと口を開いた






「本当に知らないんです」


ユンソナは泣きながら答えた




「じぁよ、ナムルってウチ奴は知ってるよな」




「はい・・・」



「健康兄弟がいうにはよ、どうやら、もう一人は黒猫らしいんだよ」



「・・・・」




ユンソナは、アンソンだと直感で分かった、健康兄弟にも自分でも身に覚えがある


多分、それが原因・・・・





「私、学校では友達いないんで」





「舐めてんじゃねーぞ!」


一切に、レディースの二人から身体中を蹴られた



「おい、怪我してもあれだから、もう止めろ」



ゆかりが、二人を止めた



ユンソナが、二人の蹴りが収まって、疼くまったままでいると






「もうアレだ、やっちやっていいよ」



ゆかりが、二人の男にいうと


ミラXXの二人に、仰向けに抑えつけられ




「そうだな、女殴っても面白くねーしな」


パンチパーマが言い




「案外、可愛いしな~」

茶髪のオールバックが笑った




「ふざけんなっ!」


ユンソナが、ボコられた身体で泣きながら叫び抵抗すると




「ジタバタすんじゃねーよ!」



ゆかりに、腹をおもっきり踏みつけられ、


パンチパーマに下着を剥ぎとられると



「おらっ!」



「ぎゃっー」



さらに、ゆかりに、上から腹部を蹴られ、痛さで悲鳴をあげ、朦朧となると











カチャカチャとベルトを外す音だけが、聞こえ


電気のような、激痛がカラダにはしった















・・・ウルトラ作戦・・・・










東神奈川の駅を過ぎ、山側に曲がり、少し走ると、クッパはZGPを止めた



「あの角を曲がると、アパートがあるから」



「何で知ってんの?」


キムコがきくと




「知ってる女が剣汝なんだよ」




「どの部屋や?」





「二階の右手の角、ドアにステッカー貼ってあるから、一目で分かるよ」




「サンキュー悪かったな」


アンソンがクッパに言う




「よっしゃ、行ったろうか」



豚子が先頭で歩きだすと、黒猫のアンソン、キムコ、ゼットン、カネゴン、ガメラが続いた



角を曲がると、アパートの前に、ミラXX 丸目ジャパンの前期 赤いKHが停めてあり、直ぐに分かった




「野郎も来てる、ぽっいね」




丸目ジャパンを見て、キムコがいうと




「ウルトラ作戦でいくで~」


豚子が言うと




「なにそれ?」カネゴン




「3分で終わらせたるわ」



「了解す!」と、キムコが答えた




豚子を先頭に、五人が階段を登り角の部屋に行くと



クッパの言う通り、ドアに剣走と剣汝のステッカーが貼ってあり、猿でも分かった






「ぶっ殺してやる!」


アンソンが興奮していうと


豚子は唇に人差し指をたて




「宅急便って言えや」



豚子はチャイムを指して、小声でアンソンに呟いた




ピンポーン、ピンポーン ♪


アンソンが連打で鳴らした





「誰だよ!うるせーな」



中から女の声がして



「すみませーん、宅急便です」




アンソンが言うと、ドアの鍵が中から外され、髪が真っ赤なアフロヘアの女が出て来た瞬間、



豚子がドアを勢いよく引き、女が外に倒れるようになり、




「突っ込めや!」





豚子の合図で、五人が部屋に雪崩れ込んだ


アフロ女を足払いで倒すと、鉄柵に顔をうったので、膝裏に思いっきり蹴りを入れ


更に鉄柵に顔面を打ち付け、豚子も部屋に突っ込んだ





「テメーら!」


ユンソナに覆い被さってるパンチパーマに、アンソンは後頭部に喧嘩キック



呆気に取られてる、もう一人の男をゼットンが殴り倒すと、キムコ達が一切に蹴りまくった



「おらっ!」



「死ねやー!」




黒猫の五人の怒声が、せまいアパートに響く




ミラXXのもう一人の女は、豚子が速攻で、入身投げで壁に叩きつけ、後ろから手をかけて更に後頭部から、床に落とし、踵で顔面を踏み抜く




アンソンは狂ったように、ユンソナの上に乗っていた男を、椅子が壊れるまで殴り続けた




「もう、止めろ!」

ゼットンとキムコがアンソンを止める



「テメーら!黒猫だな」


ベッドに座って呆然としていた、ゆかりが立ち上がり叫んだ




「それが、どうした?」



アンソンが、ゆかりを睨みつけながら返すと



「こんなカチ込みして、戦争だぞ!剣走と浜連が黙っちゃいねーからな、このクソガキ共があぁ!」



ゆかりが、叫ぶと




「何が剣走や、腐った看板ぶら下げて、誰に喧嘩売ってんのじゃ、ボケ!」




「テメーはまさか?浜川崎の・・・」




「人違いやろ~」




豚子は握手でも、するように、ゆかりに歩み寄ると

すっと手首を掴み、関節を極めて、一瞬で反転して顔面から壁に叩きつけた



「ガハッ」


ゆかりの首が上に上がり、鼻血が噴き出る




「これからやで」


手首を極めたまま、更に反転して、隣の壁に



「ドカッ」


「ガッハ」白い壁紙が赤く染まる



「まだ、まだ、イケるなー」



更に反転して、タンスの角に




ドカッ!



「もももう、や,やヤメテ・・・」



鼻と前歯が折れ、額がパックリ割れ、顔面血塗れのユカリが懇願したが



「まだ、喋れるやないか」


手首を極めたまま背中に膝蹴りして、更に反転して、柱に



ドカッ!

ボッキー!!!




骨の折れる音が響き、ゆかりの手首は完全に折れてブラブラになり、




鼻が潰れて、前歯をなくし、額を割り、顔面を真っ赤に染めた、ゆかりは、既に一人では立っていられる状態ではなかった






「ぎっちょでカッコ悪いさかい、こっちの手首も、折っといたるわ」



しゃがみ込んでいる、ゆかりの胸に膝蹴りした後に、豚子が手首を持ち変えると、




「もう、やめなって!」




キムコが後ろから、羽谷締めにして、ゼットンが豚子とゆかりの間に入り、やっと豚子は止まった



アンソンは、ユンソナの横にしゃがみ込み








「ごめん、俺のせいだ・・・」




声を震わせながら、謝ったが








ユンソナは、人形のように仰向けで横たわっているだけで



目から涙だけが、雫のように流れていた












・・・豚子の部屋・・・











インパルスはキムコ一人で乗らして、ユンソナを何とか連れ出しタクシーに乗せ、豚子は、こっそり自分の部屋までユンソナを連れ込んだ





「ほら、狭いけど、今日はウチに泊まり」



人形のように、無表情でふらふらのユンソナをベットに寝かし


豚子は床に座り、煙草に火を点けた



ユンソナは、豚子と黒猫軍団が、剣汝のアパートにカチ込んでから、一言も喋っていなかった




豚子も、無理に話しかけず黙って、タバコの煙を眺めていたが




ユンソナが眠る様子もなく、ただ天井を見ているので






「ウチもな、大阪におった頃、友達いなかったんよ」




ユンソナは、豚子を無視して天井を見続けてる




「最初はいたんやけどな、その子、黙って転校してしもうてな



大阪での中学時代、ウチはずっと一人やった




意地になって、一人でおったけど、結局、オバーが死んだ時に、



オジーに説得され、オジーと二人で、こっちに中三の3学期に来たんや」








ユンソナは起きているけど、一切返事をしない、それでも、豚子は構わず喋り続けた





「転校先では、豊子と同中やったんけどな、高校で一緒になって仲良くなったんや」





豚子が豊子の名前を出すと



ユンソナはベットの上から、初めて、豚子の顔を見た






「豊子の事、知っとるやろ?」




豚子がユンソナに聞くと、ユンソナは無視して、また天井に視線を戻した




「ウチは金土日だけやけど、豊子とキムコと同じ店でバイトしてんねん」






「知ってる・・・」



ユンソナが初めて口を開いた





「意地になって、大阪におったけど、こっちに来てホンマ良かったわ、豊子も黒猫軍団もメッチャオモロイ奴等なんやで、分かるやろ」




豚子もユンソナを無視して、喋り続けると






「何で、土手の皆んなと仲良くなれたの?」




ユンソナが天井を眺めながら呟いた





「大阪の時のままじゃ、アカン思うてな、世の中や、友達つーか、自分の周りにいる人や、環境を変えようとするんじゃなくて





(自分自身を、少しだけ変えてみたんや)





「・・・・」





「まっ、今のは、こっちに来てオトンに張り倒された時に、言われたセリフなんやけどね」






「・・・・」






「それにな、豊子は私より強いねん、そう思うたから、直ぐに仲良く出来たんやと思うわ」





「強い?」




「喧嘩とかじゃなくてな、心みたいな、うーん、上手く言えんけど、ハートや」





豚子が言い終わると





ユンソナは、壁に下がってる、白の特攻服を見て





「豚子ちゃんの、オネーさんが有名な女支部長なの?」




ユンソナがまた、喋った





「有名がどうかは、知らんけど、ウチより喧嘩は強いでー頭は悪いけんどな」



豚子が笑いながらいうと





「豚子ちゃんも、充分強いって」



そう、呟いてから、ユンソナは、寝返りをうち豚子に背を向けた






「久々に暴れたら疲れたわ、ウチも寝よー」



豚子は、無理矢理ベットに上がり、ユンソナの隣に横たわると



ユンソナは、少し身体をずらして豚子のスペースを作ったので、豚子が後ろから手を握ってあげると






「豚子ちゃん・・」




「ん、なんや?」




「ありがとう・・・」




ユンソナは、小さな泣き声で呟き、豚子の手を握り返した


























































次の日の夜、水曜だというのに、京浜地区の横浜連合の全チームと



剣走の全支部が産業道路にある、アンソンがバイトするスタンドを目指し



大師橋を渡り、都内に入って環八を北上して



二子橋を渡って横浜市内に戻った





このルートは、完全に川猫に宣戦布告する意味だと



多摩川沿いの不良は、誰もが確信し



秋が終わり、木枯らしが吹いたというのに、爆音で眠れない夜だった

















まだまだ、続きま~す!

🙇🙇🙇🙇








Posted at 2023/11/28 21:37:05 | トラックバック(0) | 日記
2023年11月26日 イイね!

バラッドをお前に・8

バラッドをお前に・8



















「8番、逃がせ過ぎやろおぉ!」



「アホンダラ!」



興奮して、ブログの下書きが消滅してしまった豚子です


━(;´༎ຶД༎ຶ`)━(;´༎ຶД༎ຶ`)━





ヒシアマゾンのように行かなかった馬娘です


歴史というものは、再現しません・・・


ぼんちゃん&支店長〜


重り分、きっちり離すとこが、イクイノックス凄いですね



やっぱり、競馬は買わない方が、観てて楽しいです



社内の感じ悪~い、オッサン達とも、喫煙所で仲良くなれます


ブヒっつ 🐷
















では、バラッドをお前に








それから、アンソンは、バイトが無い日や


日曜など早番の日は毎回といって良いほど


ユンソナをバイクに乗せてデートをしていた


淋病のせいかも知れないけど、何故かエロイ気持ちになれず


江ノ島や横浜の街で飯食って、家まで送るような健全なデートだった











・・・放課後の川猫パーキング・・・




「なあ、例えば、彼女にレコードをプレゼントするなら、何にする?」



アンソンはキムコとゼットンにたずねた



「誰にプレゼントするの?」


キムコがブラックバスのように食いつく




「例えばって、つってんだろ!」



「来月は、Xmasだしなー」


ゼットンがフォローになってないフォロー




「矢沢だと、ワンパターンだよな」



「確かに」


「やっぱりって感じだよね」




「聖子ちゃんて、ワケにはいかねーだろ」


アンソンが言うと



「シャネルズは?」


ゼットン案




「在日の俺らが、黒人の真似した奴等ってのもな~」




「銀蝿は?」


キムコ案




「川崎なのに、横浜はアウトだろ」




「確かに・・・」




「レコードといえばよ、俺の妹が誕生日にオフコース貰って来たぜ」


中3の妹がいるゼットンが言った




「オフコースか!」


アンソンは閃いた




「誰に貰ったの?」


キムコは違う方に食いつく




「それがさ、笑っちゃうんだよ」


















「なんで?」



「誰にも言うなよ!」



「うん、うん、」



「ぜってぇー言うなよ!」



「言わねーから、早く教えろよっ!」


アンソンが急かすと






「カネゴンだよ・・」






カネゴン・・?




アンソンとキムコは、側に停めてある、緑の下品なKHを見た
























「もしかして、時代遅れのケッチ乗って、集会でてるカネゴン?」


アンソンのクエスチョン




「チャンバーじゃなくて、今時、イモ菅の爆音で特攻服着てるカネゴン?」



キムコのクエスチョン







「そう、この下品なケッチのカネゴンが、オフコースだってよおぉ!」



「よりによって、お前の妹にかよおお!」
























三人で笑い転げてると




ナムルが徒歩でやって来た




「なんだよ、単車は壊れたのか?」


アンソンが聞くと



「ここには、単車つけれねー協定だろ」


「うん、うん、」


「ラッシャー君に見つかったら殺されるな」




ニコイチ部落を見て、キムコとゼットンが言った







「ちょっと、アンソン付き合えよ」



「なんだよ?」



「いいから、話があるから来い」





アンソンは、ここで、話せよ、と言い返そうと思ったが、ユンソナの事だと直感で分かり






「オマエら先に帰ってていいよ」



アンソンは川猫メンバーに言うとナムルの後に続き、二人で歩きだした




「きっと、ユンソナの件だよ」


キムコがゼットンに言った



「マジかよ?」


「豚子ちゃんに見られた」



「じぇじぇじぇ!一番ヤバイ奴だろおぉ」




「でも、豚子ちゃんは、ユンソナの事も知らないし、剣汝の事も話してない」



「どうなるんだ?」



「分からないよー」









アンソンとナムルは近くのファミレスに入り、コーヒーを頼んだ



「なんの話か分かってんな」



ナムルが煙草に火を点けて、アンソンに問う



「ユンソナの件だろ?」



アンソンもタバコに火を点けた



「マジなのか?」



「多分・・・」



「遊びだったら、ヤメとけよ、大火事になるぞ」



「まだ、俺も良く分かんねーんだ」



「じゃあ、ヤメロって!」


ナムルが言うと








「おー!ナムルじゃねーかよ」



同じ顔の、ヤンキー二人が、いきなりアンソンとナムルのテーブルの隣りに腰かけた




「なんだ、健治と康二か」



「そっちは、朝校のダチか?」



「そうだよ」

ナムルは面倒くさそうに返えす






コイツらが、剣走の極悪兄弟の異名を持つ、双子の健康兄弟かっ!


アンソンは直ぐに分かった








「ふーん、朝校は、お友達同士で仲イイねー」



「あーどう意味だよ」


アンソンが言うと





「そうそう、オマエらの学校にユンソナって女いんだろ」




「それがどうした?」


ナムルが答える





「あの女、凄ぇーヤリ○ンでよ」




「はぁー?」




「ほら、俺達って双子じゃん」




「そんなの、見りゃ分かるよ」


ナムルが答える




「だからさ、俺が終わって、兄貴と入れ替わっても気付かねーもんだから、二人合わせて4回もやったよなー」









弟の方が笑いながら言い終わった瞬間に


アンソンは殴りかかっていた



「テメーぶっ殺すぞ!」


兄の健治が後ろから、アンソンに襲いかかったが



後ろから、ナムルが蹴りをいれ援護すると





「誰を、殺すってえぇ!」



アンソンは、テーブルに置いてあった、ガラスの灰皿を掴み、フルスイングでブン殴った



「ひでっぶっ」


ドゴーン!


健治の首が上にのけぞると、ナムルが健治を後ろから掴み、テーブルに顔面を打ち付ける






「おらー!誰がヤリ〇ンか、もう一度言ってみろやー」



弟の康二の顔面にサッカーボールキック



「ぶっは」



「ハマの者が、調子こいてじゃねーぞ!」



ガン!ガン!ガン!


サッカーボールキックの嵐




「すすすびません、でした」



健治は既にノックアウトされていて、康二が鼻血と涙で謝るが、今度は馬乗りになって殴るアンソン




「おい、ヤメロ!もうヤメロって!」



気付くと、健康兄弟の顔面は血塗れで二人とも床に疼くまっていた



抑えつける、ナムルを引き剥がして、最後に一人づつ、股間にサッカーボールキックしてとどめを刺す






「やべーやっちまったよ」



ナムルが後悔しながら、アンソンに言うと




「平気だろ、こんな雑魚」



「いや、コイツら本隊なんだよ」



「マジか!」



「俺は、この件は、バックレるからな」



「ああ、悪かったな」




「でも、流石に俺もムカついたぜ、気にすんな」








「さっきの話だけどよ、俺はマジでユンソナが好きだ!」





そう言って、アンソンは必死で興奮する心臓を抑えて、逃げるようにファミレスを出た














・・・豚猫モータース・・・









どうにも、興奮が収まらないアンソンは、パクちゃんが働く土建会社に行ってみたが


今週から千葉の現場だから、遅いと言われ



気付くと、豚子の実家のバイク屋に着いていた



「すみませーん」


恐る恐る、店内に入ると、









「なんだ、故障か?」





カウンターに座ってる、豚子の父親が、少年ジャンプを読むのを止めて、アンソンを見て言った






「いえ、豚美さん、居ますか?」



「豚美なら、奥で単車イジってっから、自分で呼んで来い」





キムコが、ここでヨンフォアを買ったし、たまにホークⅡの部品も買いに来てたので、豚子の家に来るのは初めてじゃないが、





いつ来ても、ここの親父さんは、優しいのだが、昔の不良オーラ全開で、ビビってしまう





「どうも」





アンソンは、お辞儀して、奥のピットに入って行くと



ツナギを着た、豚美さんと、髪の長いキモい従業員が、CBXをフロントを何やらイジっていた




「今晩は」


「あっ、何だオマエは!」


アンソンが挨拶すると、豚美は大袈裟に驚いた



「何シテルんですか?」



「フロントフォークのオイル交換だよ」


豚美はしゃがみこんで、レンチを持って答える



「フロントフォークってオイル交換すんですか?」



「あたりめーだろ!」




豚美が自分で整備しているのに驚き、しばらく、アンソンは二人の作業を見ていると



「よっし、コレでOK〜」


キモイ従業員が言うと



「ふぅー終わった!終わった!手洗ってくっから店のソファーで待ってろ!」




「うっす!」




アンソンは言われた通り、ファミコンと手帳が無造作に置かれてるソファーに座って待ってると





「なんだよ、買い換えるならオトンに言えよ」



豚美がタオルで手を拭きながら出て来た




「そうなのかっ?」



豚美の父親が、急にカウンターから声をかける





「いや、バイクじゃなくて、豚美さんに相談が」




「嫌だよ、面倒くせー」


豚美は、ドカッとアンソンの反対側に腰をおろす



「そんな!」



焼肉屋の時とは、真逆の反応にアンソンはつい声が大きくなり、困っていると




「ほら」


キモイ従業員が、アンソンに缶コーヒーを2本渡し、豚美を見て頷いた





アンソンは、「あざす」と短くいい


ペコっと頭を下げ、一本をテーブルに置き、豚美に「どうぞ」と差し出すと



豚美がタバコを取り出したので、急いで自分のライターで火を点ける







「簡単に分かりやすく言えよ」


(-。-)y-゜゜゜


豚美はタバコの煙を吐きながら命令




「うっす!」



「よし、聞いてやる」



「豚美さんは、好きな男とデートするとセクスしたくなりますか?」





(;゚;ж;゚;)〜ブッ


豚美は缶コーヒーを逆噴射






「オマエな、あそこには座ってるのは、私のオトンで、ここで聞いてイイ事ってのが、あんだろ!」




豚美の父親と、ロン毛の従業員は、呆然と二人を見ている





「いや、簡単に分かり易くっていうから」



アンソンが言い訳すると




「単刀直入、過ぎんだろー」



ガンっ!


豚美はテーブルを蹴飛ばし、アンソンの膝にあてた


「痛っ!」


アンソンが悲鳴をあげると






「豚美ちゃん、どうなの?」


ロン毛の従業員が質問



「オメーも食い付いてんじゃねーよ!」



豚美は唸りとばす






「ヤラなくても、一緒にいるだけで楽しいって、女がいるのか?」



カウンターから、豚美の父親が、アンソンに助け船をだした





「それっす!そうっす!」


アンソンは立ち上がって、答えた







「やろうって気になんないの?」


豚美が、下から見上げてアンソンに聞いた





「その辺が、いつもと違うんで、悩んでるというか」




「淋病あけだから、ビビってるだけだろ」



「いやいや、そんなじゃなくてですね」



「じゃあ、なんなんだよ」



豚美が煙草を揉み消すと






「六角橋の可愛い子やろ!」



豚子が店の入り口から、大声で叫び、店内を驚かせた



「じぇじぇじぇ!豚子〜」



アンソンは驚嘆の表情







「なんだよ、六角橋の可愛い子って?」


豚美が、豚子とアンソン両方に問いだだす




「誰に聞いたんだよ?」


アンソンが豚子に聞き返すと




「聞いたも何も、ウチはこの目で見てんねん」



「何処で?」



「東神奈川や、ウチに気付かず、二人でニケツして、ラブラブモードで走り過ぎたやんか」




ガビーン!







「ほほほー淋病の次は、童貞物語か」



豚美がニヤニヤ笑いながらいうと






「いや、もういいっす、ありがとう〜ございました」


アンソンはメットを手にとり、帰ろうとしたが






「おい少年!ウチに来る前に、誰かと喧嘩してきたろ」



豚子と豚美の父親が、アンソンを呼び止めた






「えっ・・・」(; ̄O ̄)





「そうなのか?」


豚美が聞くと






「いや、喧嘩なんてしてませんって!」



アンソンは逃げるように慌てて、店を出た





「やっぱり、あいつ喧嘩してきた?」



豚美が父親にきくと





「あのガキ、お前ら二人より、分かりやすかったぞ」


オトンが自信満々で言った




「そうなんですか?」


キモイ従業員が、三人に問うと







「ウチのオトンは、喧嘩に関しては超能力持ってんねん」



「ガキの頃から、私らが外で喧嘩して帰ると、必ず、いい当てるんだよ」


豚子と豚美が説明すると




「不良の感ってやつですね」


ロン毛の従業員が納得





「豚子、あいつから目を離すなよ」


豚美が命令する



「なんでや?」



「パクちゃんや、ラッシャーじゃなく、わざわざ、ウチに相談しに来るぐらいだ、ぜってー女で揉めてんぞ」




「そういえば、キムコも必死で六角橋の女を隠してたわー」




「決まりだな〜」


豚美は満面の笑みで笑うと







「なーんだ、彼は豚子ちゃんの事が、好きなんだと思ったのに」


ロン毛の従業員が言うと




「俺も・・」


豚子の父親も同意




「二人とも、ちょっといいかな〜?」


豚子が従業員と父親に言う



「なに?」

「なんだよ?」

























「なめとんのかっ!」














































また、来週~🙇









Posted at 2023/11/26 19:45:21 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年11月24日 イイね!

バラッドをお前に・7

バラッドをお前に・7




























皆さん、わんばんこ!


今年のジャパンカップは観る予定の豚子です


牝馬大好きなウマ娘です!支店長 3,7倍やで~


当日は下がると、思うけどなああ


ブヒっつ🐷







では、バラッドをお前に・・・







ラストオーダーも完了したので、厨房で、豚子はキムコと賄いのカルビクッパを作くっていた




「なあ~アンソンに淋病を移した女って、どんな感じや?」



豚子は鍋の火加減を見ながら、皿洗いしてるキムコにたずねた




「うーん、ぽっちゃりの茶髪のヤンキーだよ」



「そんな女、どこにでもおるやろうが!」



「かなりの巨乳~」



皿洗いが終わったのか、キムコは振り向き、濡れた手で、胸に山を作りアピールした




「豊子より?」



「カオリは小太りだから、豊子より巨乳だね」




「うーん、アレは違う女かなー?」







豚子は、先日に六角橋で見かけたアンソンのケツに乗ってた女を思い出しながら、呟いた







「なに、どうしたの?」



考え込んだ豚子に、すかさず、キムコが突っ込む




「いや昨日な、アンソンが小柄なほっそい、半ボー被った可愛い女乗せて東神奈川走ってたんよ」






「じぇじぇじぇ!」






「ははあーん、オドレらなんかウチらに隠してるやろー」



包丁を向けて、豚子がゆっくり振り向くと




「いや、その話は、日を改めてゆっくりと」



キムコはビビリながら言い訳を始めた




「なんやて、さっさと言わんかい!」



牛包丁で意味もなく白菜をブッタ斬る、豚子




「いや、必ず教えるから、豊子にも喋んないで!」




「キムコ君、詳しく、今ここで、NOW!はなしてもらおうやないの」




豚子は、牛包丁片手に、キムコに詰め寄ると






「また、二人は喧嘩して!さっさと片付けてて、上がんなっ!」



店主のオバちゃんが、厨房の入り口で叫んだ




「ウイッス!」

「お疲れちゃ~ん」



二人はオバちゃんに挨拶すると







「とにかく、誰にも言わないでよ!」



川崎FMのDJキムコにしては、珍しく念をおした






















店内には、パクちゃん、ラッシャー君、豚美さん、京子さんの全員が来ていて



最後の家族連れが帰り、工員のオッサンだけになると





「豊子ちゃん、暖簾しまっちゃって」






店主のオバちゃんは、私に声をかけて、常連のオッチャンの相手をし始め









「寒っ!」


言われた通り、暖簾をしまいに外にでると、すっかり秋で夜になると寒いと感じる季節に街は変わっていた





暖簾を仕舞い店に戻ると





「ういー!終わった終わった!」






厨房からキムコと豚子が、三人分のカルビクッパが乗ったお盆を抱えながら、叫びながら出て来た




キムコと豚子は、皆んなの、向かいの席に座り、カルビクッパを食べ始め



私は席に座る前に、京子さんから借りた特攻服を取りに行き





「ありがとうございました、クリーニングもしときました」



お礼をして、特攻服が入った紙袋を渡すと






「いやいや、それは豊子ちゃんにあげたんだって」



京子さんは、大袈裟に手を振りながら拒否した





























「いや、こんな大事な物、受け取れませんよ」




「集会の時、また困るでしょ」




「この前は、肝試しの続きで参加しただけなんで、本当の集会は辞退しますって」



丁重に私が断ると




「強制はしないけどさ、私と京子からの誕生日プレゼントだと思って、受けとんなよ」




豚美さんが、生ビールを飲み干して言ってきた






「いや、いや、京子さんからの誕生日プレゼントなら分かるんやけど、何でオネーが噛んでくんのや?」



豚子が助け船してくれると






「バーカ、この上着は私が京子にやった物なんだよ」



枝豆を豚子に投げ付けて、自信満々に言う豚美さん




「食べ物を投げんなや!」




お返しに豚子が、豚足の骨を豚美さんに投げ投げ返すと





「上等だ、このガキー!」



豚美さんが席を立って、豚子に襲いかかろうとした時








「オマエら、家でも飯の時、そーやって喧嘩してんだろ」




パクちゃんが、焼酎を飲みながら冷たく言い放ち、私も含め皆んなで、豚子と豚美さんを呆れた眼差しで、交互に見ると








「・・・・」





「まあ、せっかくだから記念に貰っときなって」


着席して、豚美さんが言うと




「そうよ、集会デビュー記念の誕生日プレゼント!」



京子さんも、そう言いながら私に突き返したので





「では記念品と言う事で、京子さん、豚美さん、ありがとうございます」



(m´・ω・`)m ・・・



私が、納得がいかないまま受け取ると






「コレで、白猫の風神は決定やな〜」




豚子がニヤニヤしながら言ってきたので








「だから、集会には出ないし、風神なんてやらねーって、何度も言ってんだろーがあぁ!」






















私が豚子に唸り飛ばすと












「そうだ!この前、蒲田の西口に三人でスカジャン買いに行った時、京子さんの事、知ってる人に会いましたよ」




キムコがカルビクッパを頬張りながら、話題を変えてくれた




「なに、男?」



京子さんが、グラス片手に嬉しそうに尋ねた




「いや、男みたいな女の人す」




「何だよそれ?」


「蒲田だけに、オカマか?」




豚美さんの凍りつくようなギャグに皆んな黙ったので




「美少年みたいな、凄い美人でしたよ」


私がフォローすると




「ん?誰よ・・・」



「青いヨンフォアやったで」


豚子はカルビクッパを食べながら付け足した






「あー麻衣子ちゃんか!」







(;゚;ж;゚;)〜ブッ


パクちゃんが、吹き出した







「麻衣子?その人、ドラミって言ってましたけど」


キムコが聞き返すと




「ドラミってのは、チーム名だよ」



豚美さんが、タバコに火を点けて、だるそうに言った



(-。-)y-゜゜゜








「なんなん?」



「んー何処から説明すれば良いかなー」



京子さんが、考え込むと



「レディースだよ」


ラッシャー君が、教えてくれた






「女だけの族なん?」



豚子が、キムコの肉を取ろうとしながら、聞く




「簡単に言やそうだけど、あの女の話は面倒くせーよ」



豚美さんは、吐き捨てるように言った









「でも、羽田と蒲田って、ウチの猫支部ありますよね」



キムコは豚子のスプーンを追い払いながら聞き返す







「だから、面倒くせーって言ってんだろよ!」



豚美さんは怒るけど、今日は、まだそんなに飲んでない感じ







「よーするによ、ウチの支部から独立したレディースがドラミだよ」


パクちゃんが説明した






「ドラミの意味って、もしかして?漫画のドラえもんの、妹のドラミちゃんの事なんですか?」



私が質問すると







「ピンポーン♪ 大正解!怒羅美 って書くんだよ~」



京子さんが、注文に使うボールペンをとり、エロ週刊誌の余白に書いた



















「名前は可愛いけど、怒羅美って漢字にすると格好イイなー」



キムコがそれを見て言うと




「ふーん、だからオネーの事も知ってたし、喧嘩にならんかったんや」



豚子が、スカジャンを買いに行った日の出来事を締め括った







「麻衣子ちゃんって、意外と優しかったでしょ!」



京子さんが、笑いながらきいてきたので




「なんか、不思議な感じの人でした」


私が返答すると





「バカ、あの女は狂ってんだよ!」


豚美さんが横ヤリ





「そうなん?」




「元は横浜でよ、川向こうに転校したら、あっという間にシメテ、勝手にレディース作りやがって」





「もしかして、横浜って事は?」


スープを掬いながら、キムコが聞くと




「中三の頃は、豚美さんと、毎週のようにタイマン張ってましたよね」




「じぇじぇじぇ!」




「転校せずに、あのまま浜連のレディースにいたら、とんでもない話だよ」




「もしかして、浜連のレディースって?」



キムコが質問すると




「剣走だよ」


「そのレディースが、剣汝」



豚美さんの後に、京子さんが補足すると




(;゚;ж;゚;)〜ブッ


キムコがクッパのスープを逆噴射させて、咳き込んだ




「何さらすねん!ボケ」


向かいの豚子が怒鳴ると







「そうか、剣走ならデカイし、俺らの学校に少しは来てるしな」


ラッシャー君が言った





「喧嘩にならないの?」



京子さんが、ビックリして質問





「まぁ、そこは昔からの朝校ルールでよ、集会と学校は別って事になってんだよ」






「ふーん、そうなんや・・」



「日本の学校では、考えられないね」



豚子と京子さんが言うと





「そこは在日社会って事でよ」



パクちゃんが補足すると



「お前らの代にも、剣走の奴等いんのか?」


ラッシャー君がキムコにたずねた





「俺の代は、ほとんど居ないっすけど、一つ上のアンソンの学年は何人かいます」






「怒羅美の麻衣子に、浜連の剣走か」


パクちゃんが言うと







「なんだか、嫌な予感するねー」



豚美さんが、いつになく、しんみり呟き、煙草を揉み消した











転校というキーワードで、私より先に転校していった



幼い頃よく遊んだ、土手部落の友達を、私は思い出した








































つづきま~す





Posted at 2023/11/24 22:14:09 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年11月23日 イイね!

バラッドをお前に・6

バラッドをお前に・6
























アンソンは、ホークⅡにユンソナを乗せて、山下公園に行き


二人は大桟橋が見えるベンチに腰を下ろした


ユンソナは自販機で缶コーヒーを買って来ると




「はい、サンドウィッチのお礼」




パキッ!と音をたてて細い指でプルを開け、アンソンに渡した




























女怪獣軍団の豚子や豊子だったら、キムコにパシらせるか、「奢りや」と叫んで豪速球で缶を投げつけくる





そんな、ユンソナの仕草が、アンソンには新鮮で何だか恋人みたいなった気分になった





「サンキュー」



アンソンはプルが空いた、缶コーヒーを一口飲み




「まさか、こんなデートスポットに来るとはなー」



「デートじゃないの?」



ユンソナは首を傾げて、アンソンに聞いた




「えっつ・・・」


(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)






「な~んてね!今のは冗談、あんまり、こっちは遊びに来ないんだ?」



ユンソナは笑うと、紅茶を一口飲み、聞き返す



「横浜なんて、連んで来たら、即、喧嘩だよー」


アンソンが大袈裟に答えると



「そっか~」



「単車に乗ったら、何処にでも行けると思ってたけど、族に入ると逆に行動範囲が狭くなるな」




「川崎は、工場と競馬場と大師しかないし、デートしたり遊ぶとこないね」




「酔っ払いだらけの球場と堀之内もあるぞ」



「そんなの、自慢出来ないでしょ!」


ユンソナは口を尖らせて反論








「まあなーガキの頃みたいに、土手の河原で遊ぶワケにもいかねーしな」



ユンソナも初級までは、土手部落だったので、アンソンが言うと





「ねーなんで、豊子は日本の学校なのに、今でも繋がってるの?」



煙草に火を点け、さっきとは違い、吐き捨てるようにユンソナはアンソンに質問した



「別に、住んでるとこは変わらずに土手だし、そうそうキムコと同じ焼肉屋でバイトしてるんだよ」




「ふ~ん・・・」



アンソンが説明すると、ユンソナは、煙を吐き、納得がいかないような空返事で相槌




「お前は、横浜で仲良い友達いんのか?」




ユンソナのテンションが落ちたのを感じたのと、浜連の集会に出てる噂があったので、ユンソナに話題を逸らすようにきいてみた





「別にいないけど、なんで?」



「オマエ学校で、いつも一人じゃんよ」



「まあね、アンソンは彼女とかは?」



「バイトと族で、そんな暇ないなー」




「そんなに、黒猫の集会って楽しいの?」



「楽しいよ!未だに恐い先輩もいるけどな、でも免疫というか慣れてきた」




「あのバイクって、ちょっと古いよね?」



ユンソナは煙草を踏み消して、紅茶を一口飲み、乗ってきたホークⅡを指差して言った




















「アレは、土手部落に代々引き継がれる伝説の名車なんだぞ」



「なにそれ?」



「俺の前はパクちゃんが乗ってたんだ」



「で、その伝説の名車を何でアンタが乗ってるの?」



「パクちゃんが、今の総長の前の総長からFXを継いでだな、土手に放置されてたのを俺とキムコが直してたのが始まりよ!」






あえて、豚子やパクちゃんにシメられた、ステッカー事件の事は喋らずにアンソンは説明すると








「分かりやすくだと、二代前の総長ってことでしょ」



「それなっ!」



「だったら、アレは土手に放置されてただけで、名車と呼ぶなら二代前の総長から継いだパクちゃんのFXじゃないの?」





「ガビーン!━(;´༎ຶД༎ຶ`)━




「その何年か前の、川猫ってヤバかったらしいね」




「そう、そのパクちゃんにFX譲った二代前の総長は、こっちのヤクザも、都内の族も見ただけで逃げる程だったんだって!」




「今の総長は?」



「一回だけ、チラッと見た事あるけど、喋った事ないよ」



「そうなの?」



「だって、川崎市って縦に広いんだぜー!分かるだろ、東京にも支部あるし」



「そっか、東名高速の向こうも川崎市だしね」



「上流の方の奴等なんて、会った事もないよ」



「この前、凄い台数で鎌倉まで行ったんじゃないの?」





ユンソナは夏の終わりの、極楽寺・集会のことを言い出した







「あん時は、海側だけの支部で行ったんだよ」



「ふーん、極楽寺の幽霊ってホントなの?」




「行ったのか?」




「なんか、私が行った時は、パトカーが何台も待機してて、路駐禁止になってて素通りしただけ」




「まぁ、あれだけ夜中に集まれば、まわり近所から通報されるわな」




「皆んな、川猫が来たせいにしてるけど」




「あっ、その時さ、いや、やっぱりイイや・・」




「なによー!」




アンソンは、極楽寺集会でも、豊子も一緒だった事を、喋ろうと思ったが、なんとなく豊子の話題はヤメた方がいい気がしたので、缶コーヒーで流し込んだ






「まっ、幽霊なんて嘘だからよ」




「そうだよねー」






夕焼けが、横浜の港を燃やすように真っ赤に染まり


大桟橋に船が着き、波が立ったとこに、風が吹いたので



冷たい風がアンソンとユンソナを吹きつけた









「やっぱり、日が暮れてると寒いな、帰ろうぜ」



アンソンは首を縮めて、ポケットに両手を突っ込みユンソナに言うと



「うん、今日はちゃんと送ってね」






この、何気ない(うん)


というユンソナの返事が、アンソンの胸にキュンと突き刺さった




いつもの、女怪獣軍団なら


「モタモタすんな」


「さっさといかんかい!」


「なめてんのか?」


「あたりめーだろ」


「アンタ馬鹿じゃないの」









こんな、会話ばかりで、下手すると朝校より荒れたセリフが通常で、


だから尚更、ユンソナと会話してると、気持ちが穏やかになるのが、自分でも感じていて、心地よかった






「OK〜まかしとけよ」



アンソンは、ユンソナを乗せて、大桟橋を後にした



















・・・ガキの使い・・・





横浜駅の、海側ではなく山側、首都高の西口出口を降りて、曲がると洋服直しのチェリー がある



オカンにガキの使いを頼まれた豚子は、営業時間が夕方は5時までなので、行きは横羽線でカッ飛んで横浜西口で降りてチェリーに行った




























「コンニチハ〜」



閉店間際の洋服直しのチェリーのガラス窓を開けると



三人のおばちゃんが、縦に並ぶミシンの前に座っていて


綺麗に化粧してる、おばちゃんが




「はい、なんでしょ?あらっー豚美ちゃん?」



綺麗な、往年の女優みたいなオバチャンは、豚子を見て、姉と間違えた




「妹の豚子どえーす!」



豚子は臨時収入のせいで、元気良く答えると






「あらっ!ごめんなさい、それにしても背が伸びたわねー」




「大きくなったけど、ガキの使いで来ましたー」





「ホホホ、相変わらず面白いわねー、電話もらってるから、もう出してあるわよ、ハイこれ」




オバチャンは、クリーニングのビニール袋に入った黒い服をカウンターに置いた







「着物とちゃうし、なんなん?」



豚子が首を傾げて、訊ねると



「喪服よ、大阪でお葬式があるんだって」



「そうなん!だから急いでたんかっ」



豚子は、心の中で思わずガッツポーズ




「喪服だから、オネーさん中々取りに来なかったのよー」





この、チェリーのオバちゃんは、豚子の父親の妹で川崎出身なんだが、嫁いで横浜に住んでいる



嫁に来た時は、商店街の洋服屋だったのだが・・・



相次ぐ、デパートやショッピングモールの時代の流れで、街の小さな洋服屋で買う客が絶滅してしまい



元々、裁縫には自信があったので洋服直し専門店に鞍替えしたのだが


裁縫出来る母親も少なくなり、リメイクブームも流行りだし、意外とこれが需要があり、腕も良かったせいか評判になり、今ではパートを二人も雇い、なんとか繁盛していた








「なるほどなーあの女、明日から大阪行くんかー」



・・・(*´艸`)




そう言いながら、リュックを下ろすが、豚子はオカンが居なくなるのでニヤニヤが止まらない







「あの女なんて言って、お母さんでしょ!ほら綺麗に入れてあげるから」



オバチャンは優しく丁寧に、豚子のリュックに入れ終わると



「帰りに、寄り道しちゃ駄目よ」



「分かってるって」


豚子はカウンターにある、飴のカゴから、パインを選び、一つ失敬して口に放り込み




「ほな、帰りますわ」



「バイク気をつけねー」



「ありがとう〜」




日も暮れて、寒くなってきたので、豚子は速攻でチェリーを出て、帰りは下道でインパルスを走らせた





キムコやアンソン達は、横浜に単車で来るのをビビっているが



豚子のインパルスは、バッフルのついでに、三段シートもオトンに奪われてノーマルに戻されていたので、全然平気、余裕のよし子さん






ブン!ブオォー



神奈川区役所の前を通り、東神奈川の駅前で、信号待ちしてると、



ブォォーン〜♪




線路の向こうから、覚えのあるニ気筒の排気音が、豚子の前を横切り六角橋の方に走り抜けた




ん・・・?


今のはアンソンの単車や、後ろの女は誰や?


動体視力のいい豚子は、直ぐにアンソンのホークⅡだと確信し



ん?女って事は、噂の淋病女かい!



豚子は、強引に左折レーンに移動して後を追いたかったが



反対側にパンダが信号待ちしてたんで、素直に諦めたのと



まっ、人の恋路の邪魔は、馬に蹴られるいうからやね



豚子は、ヘルメットの中で一人で呟きシローを演じ





思いがけない臨時収入を得たうえに、明日からオカンが留守になる事を知り、気分上々でインパルスを家路に走らせた











































この時、アンソンと豚子の二人には、横浜連合と全支部を巻き込み大抗争になるなんて、全くの想定外だった・・・









続きまーす🐷













Posted at 2023/11/23 20:56:43 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年11月22日 イイね!

バラッドをお前に・5

バラッドをお前に・5



























朝鮮中級高級学校、それが正式な呼び名で、その名の通り中学と高校が一緒にある



しかし、この時代はまだ、日本の文部省では認可されていないので、卒業しても高卒ではなく、各種学校の扱いになる



焼肉屋にわりと近く、ラッシャー君が住んでるニコイチ部落の公園に、アンソン達はいつも単車を停めて、通学していた




いつも、3〜5台は停められていて、多い時で10台ぐらい



キムコのヨンフォアと、ゼットンのXJも停めてあり


寒くなって来たせいか、今日はアンソンのホークⅡも入れて5台だった


勿論、ここに停めれるのは、ラッシャー君に許可を貰った、川猫メンバーだけで


単車好きのただの不良や、なんちゃって族の、ハッタリ野郎は停められない



そして、浜連の奴等は別の場所に隠して通学していて、朝高校ルールで単車を狙うのは御法度で協定が結ばれていた



元々、校内でも喧嘩はしないのだが、単車置き場だけは、横浜と川崎は、ハッキリと区別していた



アンソンとゼットンは、その川猫パーキングで、一学年下のキムコを待っていた







「なぁーモスラの幼虫に注射された時、どんな気分だった?」



ゼットンがアンソンに聞いた




























「この世の終わりだよ!マジで、ナチスとか古代中国の様な拷問だった」



アンソンが、昨夜の事の様に泣き顔で説明する




「逃げれなかったのか?」



「あっと!言う間に、豚子に関節決められ引き倒されて、豚美さんにマウント取られたたんだぞ!」




「ヒッー!また、あの豚マン姉妹かっ」




「しかも、京子さんと豊子に脚を押さえられて、思い出すだけでも、まだ悪夢が蘇る」




「豊子にも、モスラの幼虫を見られたのかっ?」





ゼットン、キムコ、アンソンは、豊子と同じ土手部落なので、豊子の事も小さい頃からゼットンは知っている




「そうだよー」



「俺は、ゼッテーあの焼肉屋には行かねーようにしよ」


ゼットンが、震えながら言うと



「女怪獣には関わらない方が利口だし、何気に豊子も恐ろしい女だぞ」


アンソンがゼットンに忠告すると




「オマエも苦労してんだな」


ゼットンが煙草をポイ捨てすると、






「何が苦労してんの?」





声がしたので、アンソンとゼットンが振り向くと、チマチョゴリに、青い龍のスカジャン羽織った、ユンソナだった



「何だよオマエ?」




「ふーん、川猫は、この公園がパーキングなんだ」


ユンソナは、ゼットンをシカトして単車を一台一台見て廻り




「ねぇーどっか連れて行ってよ」


ユンソナは、ホークⅡのシートに身体をもたれ、アンソンに言った




「はぁー?なんで俺が」



「この前デートしたじゃん」



「あれは、たまたまだろ」



「何だよ、二人ともデートって?」

ゼットンがアンソンに聞いた




「いやいや、コイツとは、たまたま六角橋で会ったんだよ」


アンソンが、気のない素振りでゼットンに言うと




「今日は送って行って!」



ユンソナがアンソンに食らい付いた



「ははーん、そうい事か、だったら俺に遠慮すんなって、送ってやれよ」


ゼットンがニヤニヤしながら、二人を見て言うと



「そうだ、そうだ!」


ユンソナは口を尖らせて、言った




アンソンには、そのユンソナの仕草が、あまりにも、女怪獣キングギドラより、女っぽく、可愛らしく感じてしまい



「ちっ、しょうがねえな」



渋々のふりをして、ヘルメットを被り、ユンソナを乗せて



「なんか、悪いな」




アンソンは、ゼットンに言って、エンジンをかけ、ユンソナをケツに乗せて、ホークⅡを走らせた




「気にすんなって!」



ブン!ブオォー♪



ゼットンが叫けび、アンソンとユンソナが公園の角を曲がり、見えなくなると、キムコがやっと来た








「ねぇ!今、アンソンのケツに乗って帰った女は誰?」


その、キムコが唾を飛ばして、興奮して、ゼットンに尋ねると



「あーユンソナだよ、直に見ると、凄ぇー可愛いくなってんな」



「マジで!」



「なんか、アンソンって女運あるよな」



「いや、ユンソナには関わるなって、ナムル君が・・・」



キムコがゼットンに心配そうな表情で言うと





「平気だろ、浜連の集会に出てるいっても、(乗っけてちゃん)なんだから




「クラスのバカ女が言ってたけど、ユンソナって、剣走レディースの剣汝らいしんだ」
















「じぇじぇじぇ!」




「嫌な予感しない?」



「やっぱり、アイツの女運に関しては、嫌な予感しかしないかも・・・」










・・・・・・











豚子の父親は、見かけと態度とは違い、新しい物が大好きで


中古屋みたいな、修理屋のバイク屋の来客席ソファーから観るTVには、最近大ブームの任天堂のファミコンがセットされていた



平日は焼肉屋のバイトは無いので、豚子は学校から帰るなり、下敷きしか入らない、ペラペラの皮鞄をソファーにブン投げて、ドラクエに夢中になっていた



ピコ♪ピコ♪ピコ♪





「帰って来てるなら、挨拶ぐらいせんかい!」



珍しく、母親が店に出て来て、豚子に唸り飛ばした



「なんやねん?」



「アンタ、暇やろ〜」


最初とはうって変わり、オカンの声が優しくなった


「メッチャ忙しいねん」


豚子は復活の呪文を間違えたらしく、もう一度、手帳に書かれたメモを一字一句確かめてる




「ゲームしてるだけやな〜い」



「ゲームちゃうねん、ロールプレイングや」



「そんなん、どっちでもエエから、ちょっとバイクで、オカーちゃんのお使い頼まれてくれへん」



「遠慮しときますわ、よっし!復活」



「そんなん言わんで、横浜まで、ひとっ走り行って来てやー」




「ごろ寝しとる、オネーに頼んだらよろしいがな」



「あの子は、夜の仕事やさかい、今からじゃ、頼みにくいんやって」



「ウチは、今忙しいんだすー」



一切、母親の顔を見ずに、ファミコンに没頭して空返事しかしない豚子




「オトーちゃんに買わされたバイク、月賦でナンボ払うてんのや?」




「いちごーや」


ピコ♪ピコ♪ピコ♪



「ほんなら、今月分、ワテが払ったるわ!」


業を煮やした、豚子のオカンは、ファミコンの上に万札2枚放り投げた





「ホンマでっか・・」




豚子は、ファミコンの上に放り投げられた、聖徳太子をまじまじと見ながら、オカンに聞き直す






「残りの五千円は高速代と燃料代、これで文句あるなら、この話は無しや!」





完全に普段の鬼ババに戻ってるオカンに、豚子はゲームをフリーズさせて恐る恐る聞いた








「なんか、ヤバイ物でも受け取りに行かせる気ちゃうの?」









「アホっか!洋服やっ!横浜駅の西口に、洋服直しのチェリーあるやろ、そこで受け取って来るだけや」




「なんや、チェリーのおばさんか」



「その、チェリーのオバさんちに行って、受け取って来るだけのガキの使いや!」



「そのガキの使いに、なんで?こんなぎょうさん小遣いくれんの?」




「明後日、どうしても必要になっただけや!さっさとその銭、拾うて行かんかい!」





「毎度〜」


豚子は、二万円を鷲掴みにして立ち上がると



「シートに縛ったら、服がシワになるさかい、リュック背負って、それに仕舞って帰ってこんとあかんで」



「了解どえーす」





ブン!ブボボボー


二度と直管に出来ないように、オトンにバッフルのネジを潰された、集合菅のインパルスのエンジンを、豚子はかけると




速攻で自分の部屋に行き、デニムに、スカジャンを羽織ると、鏡の前でチェックしながら髪を後ろで縛り


















「よっしゃー!」


思わぬ、臨時収入が入ったので、猪木の様に片手を上げ叫んでから、店に降りて


リュックを背負い、ヘルメットを被り


勢いよく、インパルスで家を出た



































つづきま~す🐷







Posted at 2023/11/22 22:08:13 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記

プロフィール

「@ねこぴ 支店長、
私はモービル1の
4-50と
フューエル1をブチ込んどきゃイイと教わったので😭」
何シテル?   06/13 22:17
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