えっ〜🐷
人間、間違いを言い訳する為に
使う言葉で
「うっかり」
なんて、使いますが
例えば、煮物に塩と砂糖を
間違えたとかね
「なんでぃ!この塩っぱい煮物は、食えたもんじゃね〜」
なんて、稼ぎの悪い夫にどやされて
「うっかり、出来の悪い亭主と一緒になっちまった」
「そりゃ、コッチの台詞だよ、馬鹿野郎〜!なんてね」
つい、土俵から足が出ちまって
「それは うっちゃり」
「じゃあ、こんなのはどうだい?」
「なにさ、言ってごらんよ」
「うっかり、また、金を借りちまった」
「おまえさん、それは、うっかりじゃなくて、ちゃっかり ってゆーんだよ」
まぁ、そんな、うっかりでね
前回アップした、科学忍者隊がッチャマン2のブログが
うっかり、消えちまった
気付くと、消えてたんだから、うっかりって 訳じゃないんだけど
どうにも、私的に納得がいかない
みんカラではなく、もう一度 同じブログをあげるってのが、ど〜も、私には気がすすまない
これが 志ん朝 の古典落語だったら
同じ噺を何遍だって、聞いても構わないし
また 聞きたくなるのが 古典落語の醍醐味なんだが
どうにも、私の 芝浜モドキは、前振りばかりが長過ぎて、オチが弱過ぎる
夜も眠らずに、考えて、考えて昼寝ばかりしてると、なんとな〜く、ぼんやりと、次の 噺 が浮かんできて
微か〜に、次の噺が、揺ら揺らと蜃気楼のように
寝惚け眼に
まぁ、そんな時は 書くに限る
豊子さんが、次男に OGK の赤いメットをプレゼントされるオチは、そっくり同じですが
次の噺が イメージ出来たので、
やっぱり
いや、うっかり 消えちまった
科学暴走隊 がッチャマン 2
は アップしておかなきゃならない
まぁ、そんな理由で、うっかり、また読んでくれれば
死ぬほど 嬉しゅ~ ございまする
死なんけど 笑
では
科学暴走隊 がっチャマン 2
「うおおぉぉ〜なんじゃこりゃあ!」
豊子の叫びに、私達がレジ横の立て済みされてある、棚を見ると
X15の山が
しかも、定価 105000円 のマルケスモデルが 59000円
サイズも XL〜S まで、フルラインナップ
「マジかっ 59000円って!」
「激安安じゃない!」
「なんなん!」
三人で、バナナの叩き売り
いや、特設コーナーの前で 佇んでいると
「SHOEI が在庫抱え過ぎで」
ソバージュの女子店員が、呆れたように疾く
「そうなんや」
「もう、叩き売りですよ〜」
「大丈夫なの?」
豊子が心配そうに、彼女に聞く
「SHOEI のイイ値なんで、問題ないです」
彼女は 即答でこたえる
「前から、思っとったんやけど、メットで10万なんて、銀座やないと、買う奴おらんやろ〜」
「確かに」
「そうよね」
「チャンスですよ!」
ソバージュの女子店員は、今度は豊子をロックオン
「安いよな〜」
キムコが手に持ってゆう
「一度は、欲しかったのよね」
豊子も Sサイズを確認してゆう
「いや、いや、アンタら何をゆーてんねん!」
豚子が豊子の手から、Sサイズの箱を取り上げると
「そ、そうね、ジスペケにマルケスは駄目よね」
豊子も我に返り、諦めかけると
「いやいや、塗り替えて買う、お客様もいらっしゃいますよ」
ここの、女子店員、かなり、でで出来る!
豚子は、心の中で彼女を絶賛
いや 恐怖すると、豊子は
「そっか!塗り替えちゃえばイイのか〜」
「そうですよ、シュワンツとかに!」
「なに、あなたシュワンツ知ってるの?」
「フライング テキサス の ケビン シュワンツですよね!」
「そうよ!凄いわね!」
豊子が 歓喜で返す
「マジかよ、あの子」
「若い おもーとったけど、かなりの海千山千やで」
豚子とキムコは 聞こえないように
後退りしながら相槌をうち
豚子は 豊子を 救うべき 彼女に質問した
「何で、世代やないのに シュワンツ知っとるの?」
「さっき、バリ伝メット を穴が開くほど 見てらしたので」
「そうだったのか・・」
「そんだけやで」
「レイニーとのドッグファイトは WGP でも 歴代の名勝負ですよね!」
「そうなのよ!この二人に何遍 語っても分かってもらえないのよ!
豊子は 豚子とキムコを 赤様に指差して答える
「あなた、バイクは何乗ってるの?」
「刀の400です!」
「イイわねっ!」
盛り上がりまくる、二人から
豚子とキムコは 更に距離をとり
「アカン・・・」
「宗教の勧誘 みてぇになってきたぞ」
「実際、ウチも 59000 円は安う〜おもーてきたし」
「豚子ちゃんの、予算は4万円だろ!あの子に惑わされちゃ駄目だ!」
ビターン!
キムコは豚子の頬を、平手
「なに、さらすねん!」
「あっ、ゴメン、つい」
「まぁええわ、ウチも、今ので、めー覚めよったから、嫁にも、闘魂注入したれや」
「えっ(; ̄O ̄)
「はよ〜いって、旦那らしく、アホな嫁どついてこんかい!」
「う、うん」
キムコは ビビりながら、二人に近付くと
「豊子おぉ〜!」
と、イキナリ叫ぶと
「なによ、大きな声で」
「気合だあぁ〜!」
キムコが張り手を出した瞬間に
「おらっ〜!」
宮田一郎直伝の、豊子のライトクロスが、ジョルトカウンターで炸裂
「ひでっぶっ」
前のめりに 倒れる キムコに
「オラオラオラオラ〜!」
今度は、ジョジョのような連打
「嫁に手を上げるとは、死ねやあぁ〜オラオラオラオラオラオラ〜」
豊子のスタンドである、スタープラチナが発動した
床にうつ伏せで、倒れたキムコは気絶しそうな目で、豚子に助けを求める
「これでトドメだ!」
うつ伏せに倒れた、キムコに両脚を掛け、乗っかり両腕を引っ張る豊子
鼻血まみれの キムコの顔が 反動で引き起こされると
「アカン、吊り天井や!」
すかさず、豚子が UFC のレフリーの如く
豊子にタックルし 試合を止めた
「なにすんのよおおぉ!」
豚子にタックルされ、バランスを崩し倒れた 豊子だが
瞬時に体制を入れ替え 馬乗りになり
豚子からマウントを取った瞬間に
下から、豚子の長い足が
豊子の肩と首に巻き付いた
そう、神奈川県警、術科センターの道場で
師範である ガン鉄に仕掛けた
明治時代に高専柔道が生んだ
世界最高の締め技
ヤワラ直伝の三角締め
極めたら、折れ
締めたら、三秒
ガン鉄の教え通り、豚子は
キッチリ 3秒で豊子を 締め落とした
「ふう〜」
豚子が 大きな深呼吸をすると
キムコが フェイスティッシュを鼻に詰めながら
ヨロヨロと立ち上がり
「マジで殺されると思ったよ〜」
「多分、X15 で興奮して、人格が分裂したんやろ」
「だよね」
「あ、あの〜」
豚子とキムコが、安堵の会話をしていると
ソバージュな店員が 心配そうに寄ってきたので
「堪忍やで〜また来るから」
「あっ、はい」
「ごめんね〜」
キムコも彼女に返すと
「いえ、お買い上げ ありがとうございました」
彼女は深々と二人に頭を下げたので
「そうそう、ウチ、バイク屋から、刀 壊れたら持ってきてや」
豚子が、豚猫モータースの中島の名刺を渡すと
「豚猫って、そうなんですか!」
彼女は驚き
「ウチは焼肉屋だから」
キムコは、店名入りの100円ライターを渡す
「あ、ありがとうございます!是非、近いうちに」
彼女は深々と頭を下げ
二人に、二輪館の自分の名刺を返してくれた
「ほな、またね〜」
キムコと豚子は、失神した 豊子を担ぎ 店を後にした
三日後の土曜〜
豊子は 二輪館で暴れた事は、忘れていたが
何故か、先日買った、メットがないと騒ぎだした
「だから、メットは豚子ちゃんが買ったんだよ!
キムコは 牛タンを捌きながら、豊子に怒鳴る
「豚子が買った?なにいってんの、私が X15 のシュワンツを買ったのよ」
「シュワンツは Arai だろ!どこの世界で、買えんだよおぉぉ〜」
「確かに、そうなんだけど、とにかく、私は X15 が安売りしてて買ったのよ!」
「SHOEI の X15 ならマルケスでしょ、アンタ豚子と飲み過ぎなのよ!」
女中のヤワラにも、豊子は全否定される
「でも、確かに X15 を買ったのよ」
「ラリってんじゃ、ねーよ!」
キムコが怒鳴りつけると
「そう、豚子だよ!豚猫モータースに置き忘れてんだ、そうだよアンタ、豚子と呑んだ 帰りに寄って、私しゃ忘れてきちまったんだよ」
「売上げ三日分の、そんな高ぇーもんを買ってだよ、三日後に、忘れもんに気付くバカがいるかよ!」
牛刀をまな板に叩きつけて、キムコが呆れる
「言われみると、そうだけど、なんか豚猫にありそうな気がしてならないんだよおぉ〜」
豊子が、縋るように言うので
とうとう キムコも 観念して
「寝惚けた要件で、女将さんに、怒られるのがオチだけど、そんなに気になるななら、自分で確認してこい!」
「あの店の女将さんは、怖いけど、気になって 気になって、夜しか 寝れないから、私しゃ、ひと走り行ってくるよ」
ブオンぶぉー♪
「あの野郎〜開店前だってのに、ほんとにいっちまいやがった」
「夜しか、寝れないって、言ってる事 自体、アタオカでしょ」
キムコとヤワラは 呆れて果て
急いで 夜の開店準備を仕出した
夕暮れのカラスが鳴き
工場のサイレンがなると
ブォン!ブォン!
豊子は 慌てて帰ってた
「どうだ、俺の言った通りだろ」
「う、うん・・」
「豚猫の、女将にもドヤされただろ」
「マジで怖かった」
「X15 なんて、ウチに買える金ねーんだよ!」
「やっぱり、オマエさんがゆーとり、あたしゃ 夢でも見てたのかね」
「豚子ちゃんと。飲み過ぎなんだよ、さっさと暖簾出して来い!」
「は、はい・・」
その日は、土曜の給料日なので、店は大忙しで、すっかり X15 の事は忘れ
暖簾をしまい 片付けをしたが
どうにも
気になって
気になって仕方ない
長男が 部活の試合に持っていく 弁当を仕込み終わり
ポツンと厨房に座り
「やっぱり、X15 は夢だったのかね〜」
豊子は呟き、THE MOODS をスマホで聴きながら
レモン割りを作り、一口飲み
「はぁ〜やっぱり夢だったんだね〜」
また、呟くと
「母ちゃん、コレ!」
不意に 息子の声で
厨房の入り口から呼びつけられ
振り向くと
次男が、正方形の箱を 大事そうに 両手で抱えて 立っていた
「なんだい、そりゃ?」
「母の日のプレゼント」
「母の日って、この前は父の日だよ」
「父ちゃんが、母ちゃんに、ヤレって」
次男が正方形の箱を、豊子に押し付ける
「この箱って、まさか!」
この正方形と重さは、間違いなくヘルメット
「夢?やっぱり、夢じゃなかったんだ?」
「母ちゃん、なに言ってんだよ?」
豊子が ヘルメットの箱を開けると、豚子が買った、安売りしていた、OGK の赤いヘルメットが
「ここここれは」
X15 とは、程遠い
29000円の 安いメット
「それが、壊れたら、母ちゃんが好きなの買えってさ」
「父ちゃんが、そう言ったのかい?」
「そうだよ」
「母ちゃんは、コレが一番欲しかったんだよ、ありがとう〜」
豊子はヘルメットを被り、次男を抱き寄せたあと
レモン杯を、流しに捨て
業務用冷蔵庫から コーラの瓶を出し
残った 檸檬だけを コップに移し替え、コーラを注ぎ
「ほら、お前も飲むかい?」
次男に差し出すと
「母ちゃん、なんで?お酒残ってるのに捨てたのさ?」
さっきまで、いつものように焼酎を呑んでた 豊子に首を傾げて、不思議がりながら 次男が 質問すると、豊子は
「父ちゃんからプレゼントされた、このメットも、また 夢になっちまったら 嫌だろ〜」
そう言って、
豊子は コーラを飲み干した
快楽亭 豚子の
「芝浜」
ありがとう〜ございました
続きま〜す !