試乗グレード:S
トランスミッション:CVT/FF
ボディカラー:シルバーメタリック
天気:晴れ
およそ20分の試乗。
試乗グレード:TRD Sportivo
トランスミッション:CVT/FF
ボディカラー:シルバーメタリック
天気:晴れ
およそ30分の試乗
・小さなプリウス?、ヴィッツのHV?
2011年12月、満を持してデビューしたトヨタの新しいコンパクトハイブリッド”アクア”。 燃費は10・15モードのLグレードで40km/L、S以上でも37km/Lと他を圧倒する。
アメリカではプリウスCとして、また欧州でもヤリスハイブリッドとして展開される予定になっている。
今なお注文が多くすでに半年待ち以上となっているアクア。その人気車種に乗ってきた。
・お洒落なデザイン
燃費を追及した結果、全高は1445mmとかなり低くなっている。これは低いという印象でデビューしたデミオよりも30mm(指2本幅)低い。
それでいて全長、全幅はラクティスと同じ3995mm、1695mmとなっているのでシルエットは背が低くスタイリッ シュな印象。
この低いスタイルがこのクルマの最大の武器だと思う、最近のクルマは背が高いのが多いのでその中でハイブ リッド以外の個性になるだろう。もちろんその効果でCd値は0.28を達成している。
フロントビューはプリウス顔と評されることも多いが個人的には台形グリルやライト形状などどことなくフランス車の・・・、シトロエン風の顔をしてる気がする。
リアからみると塊感があり踏ん張りのきいたデザイン。透明感がありアクアのキャラクターをしっかりとだしたデザインになっていると思う。
さらにDOPの豊富さ、TRDやモデリスタなどのエアロもあり非常にカッコいい。
実際に写真を撮ったTRDもデイライトが仕込まれたフロントエアロ等、スポーティーな存在感を主張していてカッコいいですよね。
・低くても工夫された室内空間
現在のコンパクトカーに求められるものの重要なファクターとして室内空間、スペースユーティリティというものが挙げられると思う。
昨今の販売台数を観てもフィットが売れてる一つの理由はそこにあると思う。
しかしこのアクア、フィットはおろかその他のコンパクトに比べてもかなり低いスタイルになっている。その外観からはこの面で不利になると誰もが思うだろう。
しかし乗ってみるとそれほど狭さは感じない、一つ上のクラスだがプリウスとなんら遜色ないパッケージになっている。
たしかにフィットに比べるとヘッド、レッグスペースで劣る点は否めないがそもそもコンパクトなクルマにそこまで必要か?というレベルなので通常のコンパクトの基準(やや古いかもしれないが)からすれば十分にスペースは確保されている。
ラゲッジスペースもなかなか頑張っている、高さはないけど奥行きが比較的あるので使い勝手は悪くないと思う。それに間口も割と広いので比較的大きいものも出し入れしやすい。
ただし気になるのは6:4分割のリアシートを倒した時に床面がフラットにならないことだ、これは他のコンパクトに比べると大きくマイナスと思う。
座りこむとプリウスと同じハイブリッドシステムインジケーターを組み込んだセンターメーターがダッシュボード上におかれる。目線の移動が少ないのが利点だが、アナログな人間の私はやはりアナログメーターを正面に置いてほしいって思ってしまう。
ハイブリッドシステムインジケーターはTFT液晶で見やすくエコレベルやエコジャッジ機能などエコに関することが多い。必要かなと思うものもあるがエコを意識しやすくなるのはいいと思う。
ただしシフトは普通のゲート式、サイドブレーキもレバー式とこのあたりはヴィッツのそれに近い。
なのでコンパクトカー(例えばヴィッツ、ラクティス)から乗り換えてもそれほど操作感に違いはないだろう点は好感がもてる。
エアコンスイッチは少々小さめのボタンだがドライバー側から操作しやすい配置になっていて操作性は良好である。
ただしプラスチッキーな内装の質感は価格を考えるとあまり褒められたものではない。それとインテリアデザイン自体も好みの形ではなかった。
プラスチックなのは仕方ないと思うがもう少しシボの入れ方など工夫して安物感を払拭してほしい。
・低重心HV
実は乗る前から期待していた一台。
重量はヴィッツRS並みの1080kg、それに先代プリウス譲りの1.5L。
システム出力は100psと通常の1.5L並みであるがTHSⅡは2モーターのパワフルさがあるので加速力は並みの1.5Lを上回るのでパワー的にも期待、しかも先代プリウスよりもより低回転で最大トルクを発生するので低速から十分なトルクがある。
ちなみに余談だがアトキンソンサイクルの1NZ-FXE、昨今巷をにぎわせているスカイアクティブデミオの圧縮比14.0に肉薄する13.4とこちらも高圧縮比のエンジンなのである。
それで乗ってみたアクアだが、ノーマルではやはり音と言う面は非常に静かで官能性という言葉は全くない。
これは恐らくHVスポーツを作る上の課題となるだろうが反面音楽を聴きながらドライブを楽しむ場合は音楽がより鮮明に聞こえる魅力もある。
しかしながらTRDverは意外にもいい音が入ってきてビックリした。TRDハイレスポンスマフラーverSを装備しているのでスポーツマフラーを入れるとHVもイイ音がするんだね。
ただし低速はモーターのみなので当然静かです。
アクセルの踏みこみに対しての応答は通常のクルマと同等レベル。
通常の車ってなんですか?って聞かれちゃうと答えに困るのだが、いうなればセリカなんかと比べるとだるい感じであるということ。
決して俊敏ではない。
無論だからと言って悪いわけではない。もともとエコカー(この言葉を使うのってあまり好きではないのだが) として開発されたわけなので万人が乗りやすいようにするのが当然と言える。
低速、特に発進から60km/hまでの加速はさすがパワフルモーターといったところ、はっきりいって自分のセリカよりも速く感じます。
そして一番気になっていたのは軽快なフットワーク。
実際に足回りは少々堅め、バッテリーなど重量物が低く集まり低重心なパッケージングなので思ってる以上にスポーティーに感じる。
TRDはなおのこと堅めに仕上げている。反面リアのばたつきが大きく突き上げ感が気になった。
ステアフィールはとても軽いのだがロックトゥロックが2.5回転のステアリングレスポンスは意外とクイック。エコなコンパクトカーという感覚で乗るといい意味で期待を裏切る走りを見せてくれる。
TRDに至っては2.2回転となる。これは(恐らくだが)ツーリングパッケージが装備されてるのだと思われる。ただし最小回答半径はかなり大きくなるので注意が必要。(5.7mなのでMYセリカと同等)
そして何より気になるのが実用燃費だろう、これに関してはしばらく乗ってみないと分からないのだが
低速からの加速が優れるのでこれに関しては
・価格は意外と
最低グレードのLは169万円から用意するアクアだが、OPなどを付けていくと高くなって駄目だなんて話を聞く。
なので自分好みにエアロとかOPも含めてSを買うと見積もってみたらナビを装備しないで諸費用込み200万円くらい。
思ったよりかは安い。ジャンルが違うがスイフトスポーツと同額くらいだ。
ただしOPが豊富にあるので売れる車とはいえ自分好みに仕上げていくことも可能、TRDのように外装から走りのパーツまでサポートしてくれるものもあれば、モデリスタや純正OPを装備しお洒落なコンパクトとして仕上げるのも楽しいでしょうね。
実際にどちらがいいの?と聞かれたら個人的にはアクアを勧めたい。
だがプリウスのが広さもパワーも余裕があるのは事実、さらにアクアの内装の質感もあまり褒められるものでないのでそのあたりを考慮すると非常に悩ましいのだが。
外観が気に入れば実用性、経済性は良いので買いのクルマだとは思います。