ネジの締め付け強さに付いて復習しました。(ま、いい加減ですけど)
ねじ込み深さはネジの直径の1.5倍(ギョーカイ的に1.5Dとか)という意味に付いてです。
ボルトをギュッと締め付けた時、ボルトがブチンと切れるか、ネジ山がグスッと抜けちゃう場合を考えます。良くネジ穴の有効深さはどのくらいのするのか?なんて考える内容です。
ボルトの引張りで弱い部分は、ネジの谷径(山山の部分の谷の部分)が一番細いのでこの部分から切れると考えられます。
M16のハイテンボルトについて考えて見ます。(チョット太いな 笑)
材質的にはクロモリ、引張り強度は120Kg/mm2とします。(12.9グレード)
谷径は13.8mmですので、この部分の引張り強度は、断面積X引張り強度で16トン位になります。
結構頑張っちゃいますね。
こんどは、メスのネジ穴に付いて考えます。
メス側の材質が弱い場合を考えますと、ボルトをギュウギュウ締めて行くとネジ山を飛ばしちゃう状態が締め付けの強度になります。この場合を考えます。
図の中の赤い線の部分でネジ山が剪断されると考えます。
材料によって剪断強度は違いますので、普通の鉄(SS材)とアルミの鋳物(AC4)で考えてみました。
SS400の場合
引張り強度が40Kg/mm2で、剪断強度をその60%と考えて(24Kg/mm2)、赤の部分(メネジの谷径=ボルトの山径)の円筒部分の剪断面積と剪断強度の積が、ボルトが切れる16トンと同じ強度になる筒の長さ(径は決まっているので長さ=ネジの長さ)を考えると
L=16000/(16X3.14X24)=13.3mm
同じ様にAC4で考えると、引張り強度は17Kg/mm2、剪断強度を60%として10Kg/mm2
L=16000/(16X3.14X10)=31.8mm
ついでにFC材でみると(FC250)引張り強度は25Kg/mm2、剪断強度を60%として15Kg/mm2
L=16000/(16X3.14X15)=21.2mm
ということで、1.5Dネジ穴を取った方が良いと言うのは、どうも鋳物の場合を言っているのだと思います。
昔は、鉄の鋳物が機械のフレームなんかに使われていたので、相場として1.5Dが出てきたのでしょうね。ですから柔らかなアルミの場合は、有効調を長く取る必要が出てくる訳ですな。
また、ネジ山を飛ばした時に使うヘリサートについて考えると、ヘリサートをねじ込んだ分、太いネジが入ると考えられるので、同じネジの深さでも剪断面積が(径が増えるので)増え、強くなる訳ですね。
こんな感じでしょうか?
では、ネジの材質と部品の材質が同じ場合無理するとどんな風に壊れちゃうか?
クイズです。
クランクケースにポジポリーニのボルトを締め込んだ。なんて場合です。
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くるま雑記帳 | クルマ
Posted at
2014/02/22 12:22:32