我がケント、低速の燃調が薄いセッティングとなっている。
ブローバイのインテークリターンを採用している事も大きな理由ではあるのだが(ある意味納得の事なんですけど)もう少しどうにかしたいと考えた。
2000rpm以下であればプログレッション回路の見直しが主体になると思うし、2000rpm位からはメイン回路にテイクオーバーしてくるわけで、エマルジョンチューブのキャラクターをチェックする事が大事になるのだろうと思える。つまり、プログレッションは、アイドルジェットの選択であろうし、もう少し上、メイン回路は、エマルジョンの選択になると思うのだ。
で、エマルジョン、その種類でどんな事が言えるのか?オベンキョしてみました。
メインジェットで計量されたガソリンに空気を混ぜ、「泡泡」な状態にして密度を下げ、インナーベンチュリーのノズルへ流す機能を持っていて、ノズルでアワが破裂するのでガソリンの霧化が良くなるのだそうだ。エマルジョンチューブに開けられたエア穴で泡は作られるので、エア穴の位置(高さ)が大事なる事が判る。また、エマルジョンチューブが収まるボディの深い穴(well )にあるガソリンの液面は負圧により上下する事も判る。
例えば、高い位置に穴が有ると言う事は、ガソリンレベルが高くなる状態(負圧が高い)でエアが混ざる→つまり低速で薄くなるって訳。
写真上はF16、下がF11。良く見るとF11の方が高い位置(左側)に穴がポツポツ開けられていて低速側で薄くなる事が判る。ならばF16に交換し低速側で薄くなることが軽減出来るかも知れない。
少し考えるとこの様な事になるのだろうと思うのだけど、エマルジョンはもっと奥が有ると思うのだなあ。
F11に斜めに開けられた8個の穴(コレクションホール)は液面が低い位置から多量の泡を生み出すだろうし、エマルジョンチューブの外径の違い(F11=φ8、F16=φ8.2)は液面変動のダンピングになるらしいし、そもそも系統立てて作られた感じがしなくなるのだなあ。乱暴に言っちゃうと、その場その場で場当たり的に調整(例えばモンツアでマセラティを走らせた場合とかとか、もちろん一生懸命調整して決めたんだろうけど)した結果なのではと思えるのだなあ。
エマルジョンの井戸は深いな。(笑)
レーシングキャブレターとして三十数年、頂点にいたウェーバー、その奥義はエマルジョンチューブを極める事で会得出来るのかも知れないなあ。
Posted at 2015/10/18 00:38:48 | |
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