前にご紹介したコンパレーター、その中で最も古いモノを紹介したいと思います。
科学計器研究所が1944年に製造したコンパレーターです.防錆油が塗られていましたので、未使用のまま仕舞い込まれていたと思われます。固まっていた油を除去した状態です。
この様なリッパな木箱に入っています。材は樫のような堅い木で作られています。
木箱に貼られたタグ(ファイバー製?)には科学計器研究所と刻印されています。この会社は現存している様です。
目盛りは1μmで45μmのスケールとなっています。
風防はガラス製で、その中に限界指針(リミッター)が入っています。リミッタの調整は扇型の要にあるつまみで行える様になっています。左横に付いている小さなつまみは、文字盤を微少回転させ指針と0点を合わせる様にする為の物。0点に合わせた指針は非常に細く出来ています。
検査表が貼ってありました。
0.2μの精度で納まっている様です。このテのメカはプラスマイナスの動きで生ずるヒシテリシスが問題になると考えますと、結構いい性能だと思います。現在でも動きは軽いです。(おそらく油は動きを考えると付けていないのだと思います)
ボディはアルミの鋳物の様です。ステムは焼きの入ったスチールの様です。径は24mm。少し錆が出ていましたが非常に状態は良いと思います。
測定子(スピンドル)を上げるカンチレバー。クロムめっきされています。1944年7月と言いますと、戦局は結構ヤバい状態になっていたと思われますが、手を抜かず頑張って作ったのだろうなあとシミジミしますね。
さてさて、当時としては非常に高精度な測定器具と思うのですが、どのような場面で使われていたのでしょうかね。
工業製品の模範となるゲージブロックの作成なんかに使われていたのかもしれませんね。
Posted at 2015/12/11 13:25:43 | |
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