クランクシャフト のバランス(オーバーバランス率)について復讐しております。
クランクシャフト のバランスを取ることは、クランクベアリングの偏荷重を減らして寿命を伸ばし、摩擦損失(パワーを食う)を少なくすることに効果があると考えられます。クランクへの曲げ荷重も減るので耐久性にも影響するといえます。
ここで考えているのは、バイクのクランクのように1スロー部分の回転についてです。(
余談ですが、4気筒エンジンのダイナミックバランスは、この先の議論になると言えます。)
クランクシャフト は、コンロッドやピストンと連動して回転するわけですが、ピストンの往復運動で動く質量をどのようにバランスさせるかと言うことが厄介になります。計算で使う質量はそれぞれの重心位置の値では比較にならないのでクランクピンの回転する半径(ストロークの半分)位置に置き換えて計算しておきます。
それで、クランクの質量をM1、クランクピン周りの回転質量をM2、ピストン周りの往復運動質量をM3としますとオーバーバランス率は、(M1ーM2)/M3となります。
この式からわかるように、クランクシャフト の回転部分のバランスは、(当たり前ですが、)まず、クランクの質量M1とクランクピンやコンロッドの回転質量M2のバランスがあり、さらにピストン等が上下する質量M3をクランクの質量でどうバランスを取るかがポイントになるという事になります。(なのでオーバーバランス率と言っている訳だと思います。)
バランス率が100%ということは、M1とM2を同じとしたうえでM3の質量分がM1に余分に乗っかっている事になります。この状態ではピストンの往復運動方向にはバランスがとれるのですが、そこから90度クランクが回転した位置ではクランクの重りに加えたM3により、クランクケースを横に動かす様な振動が出てしまうことになります。
そこで、多くのエンジンはバランス率を50%とかにして振動とベアリングの負荷を按配しているのだと思います。
V90度のエンジンを持つハーレーも50%とする事が多いようですが、90度位置でも、もうひとつのシリンダーのピストンとバランスがとれるので都合がよいようです。(最近ではエンジンを回す人が増えたのか60%ぐらいも多いようですけど)
では、バンク60度付近のVエンジンはどうなのか?(ライラック は66度だし)考えてみました。
よくわかりません・・・・・
ピストンの上下を考えると70%程度がよさそうだし、横方向の振動はそれほど気にしないとすればどうなんでしょうねえ。
ちなみに、オリジナルの場合(ワタスの計算では)オーバーバランス率は38%ぐらい。横方向の振動を嫌っていたのかも知れませんね。(クランクウエブの形をしてシェイプしても38%。これ以上のバランスを取るにはバランスウエイトの追加が必要になりそうです。)
Posted at 2018/07/31 07:50:08 | |
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