
ホントの夏休みのツアー、黒部ダムに行って来ました。
一昨年、長っ尻の台風の影響でダム見物を断念した、そのリベンジです。
しかし、今回も天気が怪しく、家を出るといきなり雨がパラついてきました。
中央道下りは恒例の渋滞で相模湖あたりはノロノロ。
笹子を過ぎ山梨に入ると順調に流れ、雲が切れて薄日が差してきました。
双葉SAで息子リクエストの「桔梗信玄餅」を買い、コーヒーブレイク。
陽が当たり、気温も上がってきて、白桃ソフトを持っていたら、溶け始めてしまいました。
桃の優しい甘味のソフト・・・だけど、ずいぶんスリムだよね・・う~ん。。
いつもの場所から見る八ヶ岳は、半分以上雲の中です。
スマホを持って、一番便利になったのは、外出先でWebチェックができること。
黒部ダムを映すライブカメラは、ガスも無く、ダムがくっきりと見えています。よーし!
中央道から長野道へ進み、いつの間にか安曇野と名前を変えたICで高速を降ります。
前は豊科ICでしたよねぇ。
町村合併で安曇野市ができたので、ICも名前が変わったそうです。
周囲は良い感じの田園風景、稲穂が黄金色に染まり、すっかり頭を垂れてます。
道路ではコンバインが走っていて、収穫の季節。
ダムに乗り込む前に腹ごしらえと、近くのカフェを探して走ると、
目の前に「ラ・カスタ ナチュラルヒーリングガーデン」の看板が。
ちょっと様子を見に駐車場へ入ってみました。
化粧品メーカーの施設、La Casta ってヘアケア商品なら知ってるよ。
いい雰囲気だけど、飲食の施設は無く、苗とおしゃれな園芸用品と、アロマや雑貨を売るショップがありました。
ガーデンは一日100名までの予約制ですが、今日はフリーで入れるみたい。
癒しが目的なので、15名以上の団体さんはお断りなんだそうですよ。
う~ん、きっとここは、おひとり様で来て、まったりした時間を過ごす場所なんでしょうね。。
ランチのカフェを探していたのですが、「今はパスタの気分じゃない」と主人。
「じゃ、やっぱり、蕎麦にしよ!」と、一番近くにある蕎麦屋「つばくろ」へ向かいます。
道路に小さな看板があります、それを見逃したら絶対たどり着けません。
両側が田んぼの細い道を入ると、奥に純和風の家があって、蕎麦ののぼり旗が見えました。
11時半なので、先客が一組だけ。
本当に普通の田舎の大きな家で、民家の間取りのまま営業しています。
私のオーダーの「つばくろそば」は、蕎麦と季節の野菜のてんぷらと、おぼろ豆腐。
画像の一番左は、赤い皮がついた櫛形のリンゴの天ぷら!
リンゴの甘さが楽しかった。
「わらじそば」は、ジャンボ油揚げと、おぼろ豆腐。
厚揚げではなくて、中までしっかり火の通った大きな油揚げは、花がつおとねぎと甘めのタレがついてきます。
手打ち蕎麦は、細く透き通るような繊細な蕎麦ですが、コシが強く、香りがいい。
やっぱ、カフェにしないで正解と、大満足。
美味しいランチの間に、雨が本格的に降ってきました。
黒部アルペンルートの長野側の起点は「扇沢」です。
駐車場まで行くと料金は一日千円・・やば!っとUターンして・・すぐ下の市営の無料駐車場に車を止めました。
こっちは砂利敷きですが、標準車高なんで、問題なし、なし!
ここからトロリーバスでトンネルを走ります。
バスは30分ごとに発車しています。
今年は黒部ダム完成50周年・・・ん?そういえば、前回来た時、25周年だったよ!!
トンネルは、あの有名な石原裕次郎と三船敏郎主演の映画「黒部の太陽」のモデルになった場所です。
実は、この映画、見たことがありません。
石原裕次郎がスクリーンでの上映にこだわったため、近年までTVでも短縮版が一度放映されただけで、映像ソフトの販売が無かったのです。
昨年震災復興支援として、映画館で上映され、今年の春、やっとDVDが発売されたそうです。
一度、見ておいてもいいかなぁ・・・。
トロリーバスの終点は「黒部ダム」です。
ダム方面へ曲がらず、トンネルを先に進み外に出ると、日電歩道という登山道(正確には山は登らないけど)に続いています。
ダムの下から始まる道は、黒部川に沿って進み、峡谷のトロッコ列車の終点「欅平」までの30㎞弱です。
それはまるで、映画「ホビットの冒険」のワンシーンのようです。
一番高い場所で、断崖絶壁の道から川まで200m!
「黒部では怪我人はでない」・・滑落は、あの世行き・・・の言葉が実感できる場所です。
こんなところが日本にあるなんて驚きです。
職場の後輩は、山をやるので、ここも踏破済みだと笑ってました・・・うらやましい。
歩いてみたいけど、今の体力では到底かなわぬ夢ですね。
さて、そんな体力が無い私が、一番危惧していた場所がすぐそこに迫ってきました。
バスの駅からダムの展望台へは220段の階段を登るんです。
20代の頃でさえ、「しんどかった」階段登り。
地下鉄の駅もバリアフリーでエレベーター設置があたりまえなったこの時代、施設改善が行われてるだろうという淡い期待は打ち破られました。
25年前と変わらず、展望台に行くには自力で石段を登るしかありません。
変わっているのは、灰色の打ちっぱなしコンクリートの階段だったのが緑に塗られていることだけ。
途中の踊り場のベンチや、わき水飲み場で休憩をして、登り切った展望台からは
ご褒美の絶景!
ダムが一望です!
あまりに規模が大きくて遠近感がありません。
ダムの上を歩く人の小ささで、ダムの大きさがやっと実感できます。
晴れていればエメラルドグリーンの黒部湖もこの日はカーキグリーン
トンネル工事の最大難所だった「破砕帯」は砕けた岩石と湧水の層だから?この辺りは天然水がたっぷり。
展望台の売店では、湧水で冷やした飲み物が置いてありました。
なんだか、おいしそうに見えますね。
でも、気温14度、暖かい飲み物が嬉しい・・・。
黒部川の下流方面はまるで墨絵のような景色が広がっています。
これを掛け軸にして、床の間に掛けられるかな?・・あ、我が家は和室が無かったわ。
展望台の横には、建設工事に使ったコンクリートを入れるバスケット(?)に、吊り下げたフック、直径10センチのワイヤーなどが展示されています。
外付けの階段を降りた新展望台からは、放水が間近に見えます。
ダムの放水は観光用で、6月下旬から10月中旬まで。
放水を霧状にするのは、毎秒10トンの水の勢いで川底が削れないようにするためだそうです。
山は霧が深くなり…龍が山の間を泳ぐような雲が見えました。
建設当時の地面をコンクリートで固め取ったモニュメントがありました。
24t超トラックのタイヤ痕にキャタピラの跡、作業していた方の足跡など。
50年も前の物とは思えない、工事の臨場感が伝わってきます。
アルペンルートはダムの上を歩いて、トンネルの中にある黒部湖駅からケーブルカーに乗ります。
この日はダムより高い山は雲の中なので、今回はここで引き返します。
団体行動の中国人観光客は、すべて富山県側からやってきます。
ツアーのルートが富山側からと決まっているんでしょうね。
相変わらず、にぎやかです。
ケーブルカー駅の脇のトンネルと洞門を進むと、観光船「ガルべ」の乗り場です。
ガルべって、ドイツ語か?と思ったら、アイヌ語でした。
アイヌ語で魔の川を「ガルッペ」と言い、「黒部」は「ガルッペ」から来てるそうなんです。
水量が多く高い山から一気に下る黒部川は魔の川だったのでしょう。
観光船乗り場の先には、展望台から見えたつり橋がありました。
ここから先は登山道になります。
王道の観光コースから外れているので、人が少なく静かです。
雨はすっかり本降りになりました。
ここは富山県、富山じゃないと買えないお土産と、ダムのレストハウスオリジナルのこんなタオルを息子たちのお土産に購入。
まあ、何かと、いろいろ頑張ってほしいという、親心?え?はた迷惑?
25年前もお参りした、慰霊碑に手を合わせます。
高度成長期の光の時期の陰に彼らの尊い命の犠牲があり、そして今の日本があることを感謝し、冥福を祈ります。
そんな気持ちとともに、いただいたのは・・・黒部ダム限定オリジナルの「やまいちごソフト」!!
やまいちごは、木イチゴのことですね、ラズベリーのような風味の爽やかな味。
もう一度、頑張って展望台への階段を登りました。
団体の観光客はほとんどいなくなってしまいました。
人影のないダムの撮影ができました。
4時半を回ると、展望台も閉鎖されてしまいます。
最終一本前の5時5分発のトロリーバスに乗り、扇沢へ戻ります。
下界は雨が止んでいました。
本日のお宿は扇沢から近い「くろよんロイヤルホテル」
なんとまあ、リーガロイヤルのグループホテルでした。
フロント脇のロビーでリンゴジュースのサービスがあり、荷物はお部屋までベルボーイが運んでくれます。
お部屋は狭いですが、清潔感にあふれていて、快適。
夕食まで時間があったので、早速温泉につかって、階段登りの疲れを癒しました。
夕食は、なんと「吉兆」でございますよ!!
が・・・宿泊セットのコースは、当然ながら一番リーズナブルなお値段のもので。
焼き物・揚げ物が無いコース。
若く食欲旺盛な方には、少々ヘルシーすぎるお料理ですね。
もう少しグレードアップしてもよかったかな。
でも、さすが吉兆、お澄ましのだしをはじめ、どのお料理も心にしみる味でした。
御膳の上は、すっかり秋の季節でした。
日本人でよかったと思うお料理の数々。
ショップでお土産をみつくろい、翌日も雨の予報、さてさて、どこに出かけようかと、ベッドでスマホを持ったまま睡魔に襲われ夢の世界へ・・・。