〜それはドローン操縦者への叱声だったが〜
FaceBook の1月17日付けで眼球治療中の中谷明彦君が元気になって動き出したぞ……思わずそう叫んでそのメッセージに飛びつき、一読する。
《操縦者がこの理論を知っていたらドローン突入は避けられたはずです。》
投稿日: 2020年1月17日 TEXT: 中谷明彦 PHOTO: WEB CARTOP
【同じボンネットの穴でも役割はクルマによってさまざま】レーシングドライバーが解説するダクトの意味とは・・・ただその一文の見出しで、そんなことも知らないでドローンを操縦して、正面からの接近映像を撮ろうとした結果がこれなんだよ! と、シニカルに叱声しているが。
てっきり、北京でのアクシデントのことに言及しているのかな、と身構えたが、どうやら
『Web Cartop』に連載中のレーシングカーメカニズムで、ちょうどドローンを吸い寄せてしまうボンネットの穴についての考察だった。ひとまず読んでみて欲しい。
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●ランエボとインプの「穴」の役割は異なる
三菱のランエボ(ランサー・エボリューション)やスバル車(インプレッサ・WRX)など高性能を標榜するモデルの多くにはボンネットフードに穴が開けられている場合が多い。最新モデルの日産GT-Rニスモ2020モデルではボンネットフードの穴に加え、フロントフェンダーにも穴が開けられた。これらの「穴」が意味するのは一体何なのかを解説しよう。
一言に穴と表現しても実際にはその形状はさまざまだ。そしてその役割も形状や設置場所によって異なっている。大きくわけると「空気を入れる穴」と「空気を出す穴」に区分できる。前出ランエボとスバル車で見るとランエボは空気を出す穴で、この場合は「エアアウトレット」と表現する。一方、スバル車の場合は「空気を取り入れる穴」で「エアインレット」と表現されるものだ。
だが市販車の場合、ことはそれほど単純ではない。一つはボンネットフードに穴を開けることでボンネットフードの剛性不足が生じ、補強をしなければならない。その結果ボンネットフードが重くなり運動性能に悪影響を与えてしまう。
またボンネットフードに補強を加えることでボンネットの変形が抑制され、歩行者が衝突した場合などに頭部損傷のリスクが高まってしまう。さらに雨などがエンジンルームにダイレクトに進入してしまうためエンジンや補機類の腐食など耐久性面にも問題が生じ易くなってしまうのだ。
冬季など外気温度が低い時はエンジンルームから排出された高温の空気がフロントガラスに当たり、ガラスを曇らせて視界を遮ってしまうこともある。そのためにさまざまな対策が必要になってくる。
アクシデントに見舞われ、施療中の彼がこんなに冷静な執筆をするものだろうか。首を捻ってしまった。
そこで、さらに「Webcartop」を深掘りしてみると、同じ日に「試乗記」として中谷君のTEXT「ディーゼル車と気づかないほどの加速フィールや静粛性! メルセデス・ベンツGLE400dに非の打ち所ナシ」まで掲載されている。それで得心がいった。これは年初、北京に旅立つ前に入稿したものだ、と。
中谷君が北京より帰国してから電話をもらったのは、前週の日曜日、わたしが『みんカラ』入稿をアップし終えた15分後の17時20分だった。そうだ、同じ日曜日なら差し支えないだろう。19日の19時30分、中谷君をコールした。すぐに繋がった。
「ご免、状況を窺っていたので、お見舞いに行かなくて‥‥‥」
「いえ、いえ。ご心配をかけして」
「で、どうなの? F BにWEB Cartopで暗にドローン操縦者を叱るレポートを載せていたけど」
「あ、あれは出かける前にあげた連載物なので」
「そうか、えらく冷静な書き方なんで、そうだろうと思っていたけど、病院の方は?」
「あ、新妻先生のクリニックです。ほら、黒澤さんの『新ドライビング・メカニズム』に登場する先生‥‥調べてもらったら、まだ眼球にレンズの破片が残っているみたいで、あと2、3週間はかかるようです」
そうか、安心するのは早過ぎたようだ。元気宣言はもっと先か。
近くお見舞いに伺うことを約束して、電話は終わった。ちょうどN H Kの新しい大河ドラマ『麒麟がくる』のオープニング・シーンがT Vモニターに大写しされたところだった。頃合いを見計らって、浅草・蔵前橋に。お見舞い品は何がいいのかな。
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ベストモータリング同窓会 | 日記
Posted at
2020/01/21 00:37:31