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正岡貞雄のブログ一覧

2017年03月30日 イイね!

「30年前のベスモ映像」にハマり続けた10日間

「30年前のベスモ映像」にハマり続けた10日間〜プレゼント付き『疾れ!スープラ』創刊期の晴れ姿 Part.2〜

 その頃(1984=S59年)の国内ではお目にかかれなかったTOYOTAセリカXX2800GT。さまざまな窮屈きわまる規制や力不足から、貧弱だったこの国のスポーツタイプ車に比べて、なんとも誘惑的なスタイルをもち、一段上のポテンシャルを持っているという噂に、明日への夢を感じとっていた。

 そいつになんとか触れられないものか。
 TOYOTA側に交渉すると、ハワイまで行ってくれれば、お世話できます、という嬉しい返事。ハワイ? いいねえ。



 そこで五木寛之さんを誘惑してハワイへ飛んだ。いい機会だから、ついでに北米仕様のフェアレディZXターボも用意してほしい、という五木さんの注文にも、応えることもできた。

 その時のフィーリング試乗記は、いまでも「なるほど、クルマとの交流レポートとはこうありたいね」と触発されるものが満載されている。改めて、ぜひ読んでいただきたくなる。

 そのセリカXX2800GTが帰国子女よろしく、日本仕様版「A70」スープラ(セリカとしては3代目)として登場するようになったのが’86年6月で、翌’87年1月になって、7M-GTEUに5速MTが設定され、ドアミラーにブリスターフェンダーOKの3ナンバー車が追加されている。「ベスモ」創刊とドンピシャリ、歩調があっていたのだ。



 そこで改めてA70スープラの姿を鑑賞してみようと、VHSから変換しコンパクトな形で保存してあるDVDを引っ張り出した。

最初に「再会」できたのが、イタリア・ミラノ郊外にあるピレリタイヤのテストコースを疾走する白のスープラ3.0GTターボの晴れ姿。が、こちらが捜し求めていたのは、もっと攻撃的な姿で、それが前回BLOGで紹介した『激走対決 トヨタvs.日産』の号で、スープラはその特集の中で『独占試乗 国産最強270ps 最高速253.5km/hをマーク‼︎ スープラ3.0 GT-turbo A全開フルテスト』と、特別な扱いを受けていた。そこからわたしの「30年前のベスモ映像」にハマり続ける10日間がはじまったのである……。

 創刊して11号目に当たる1988年10月号がそれだった。チェカーフラッグをバックに、CONTENTSが軽快なリズムに乗って紹介される。

 1st.CORNER フェラーリF40
(いきなり、真紅のスーパーカーが、水煙を巻き上げて疾走し、コーナーをターンし、下り勾配を駆け下りる姿)
 2nd.CORNER 激走対決 トヨタvs日産 壮烈な戦いを徳大寺有恒が斬る!
 (おお! その特集の中に、やっと捜し求めていた黒のスープラ3.0 GT-turbo Aが全開フルテストを敢行する姿が収録されていた!)
3rd.CORNER HONDAコンチェルトで北へ1000km Report伏木悦郎
……and 
  4th.CORNER BMステーション ゲスト/五木寛之
 (なんという奇縁。五木さんのスープラ試乗からはじまったこのSTORYが、ここで再び交錯していたのか⁉︎ とはいいながら、それがどんな内容であったのか、全く記憶がないとは情けない。しかし、この後の鑑賞が楽しみ、と思えばそれでいいか)

 お決まりの『BEST MOTORing』オープニングCGが流れると、画面は深い霧に包まれ、「7月20日、箱根にモンスターが現れた」と白抜きのテロップが浮かび上がってきた。レーシングカーさながらの後ろ姿。初めて見るF40だった。
 お馴染みのナレーター、荻島正巳さんの声も興奮気味で、いつもより甲高く聴こえた。



「フェラーリが創業40周年に因んで発表されてF40の市販1号車が日本へ上陸した。(中略)リアカウルを跳ね上げる必要もなく、ゼーンブ見えてしまうパワーユニットは、90度のバンク角を持つV83ℓ、ドーンと目立つインタークーラーを見ての通り、ツインターボで最高出力は478馬力、しかしまだまだ余裕があって、過給圧をチョイといじれば650馬力まで出力アップされる(後略)」

 車両価格=4500万円 生産予定台数=600〜1000台。

 この日、F40は40台のオーナーズフェラーリとともに修善寺サイクルセンターでデモンストレーション走行を行った。ドライバーはグループCの経験を持つフェラーリの社員。
 午後6時を過ぎたとき、助手席へ試乗する機会が与えられた。誰に? その頃、ベストカーから転籍したばかりの大井貴之くんだった。そのときの彼の行動と判断は、特筆ものだった。カメラと録画用デッキを強引に自分の体に縛りつけ、手ブレ覚悟であの狭い助手席からの撮影を敢行したことだった。






 外絵の赤いマンモスの走りと、エンジンサウンド、タイヤのスキール音。それに加えて、薄闇の中、にわか仕立ての車載カメラが辛うじて捉えるドライバーの運転ぶりがシンクロする。映像メディアの利点を、このとき、はっきり嗅ぎ取ったのを、思い出させてくれた。尺にしてわずか4分16秒の短い巻頭のコーナーだったが、インパクトは強烈だった。

 さて、次のコーナーは? 喜多郎のむせび泣くようなメロデイに乗って、今度は黒のスポーツカーが、ウォータースクリーンを背後に残しながら、ワインディングを楽しんでいる。ドライビング byジェフ・リース。TOYOTA 3000GT。いま、限界域に独走する……のナレーションがかぶさる。恐ろしくお洒落なNEW SUPRAのCMが、こんなふうに呼応して挿入されていたとは! 広告もまた、時代を映しとる重要な「データ」だと、改めて感じとる……。







 いよいよ目玉の「トヨタvs.日産」の激走対決である。行司は徳さん。この人の喋りはいつ聴いても、見事だな、と感心させられる。まるで文章を綴るように、おのれの論理や感じたことを言葉にできる不思議な才能の持ち主で、もう逢えなくなったのが、なんとも残念でならない。



 特集の最初の舞台は7月24日、真夏の富士スピードウェイ。’88 JAF-GP 全日本富士500マイルレースであった。来日したポルシェ962C(フロムA)に挑むトヨタ88C-VとニッサンR88Cの闘いぶりが注目されていた。

 徳さんが真っ直ぐトヨタと日産、それぞれの両陣営の基地を訪れる。わたしも同行していた。まずトヨタのトムスガレージへ。豊田章一郎社長の姿があった。次に日産の専用テントで当時の久米豊社長にインタビュー。時代はモータースポーツをベースに開発が進み、V84ℓ、大型車時代への移行に焦点が絞られつつあった。
 徳さんのこの解説が、その辺の事情を噛み砕いてくれる。

「トヨタがスープラをベースにグループA仕様の車を出しました。もともとスープラは、年間5000台以上を継続して生産されるクルマとして、グループAのホモロゲーションを受けていて、すでにレースをやっている状況ですが、もう一段強化するためにレース用のレギュレーションでは500台つくると、また相当に、そして大幅に改造できる。
 今回の主な狙いは吸気系らしい。ターボを大きくしたり、インテークマニホールド、バルブ……その辺を改造して、エンジンのパワーUPを図っている。この追加改造された500台は270馬力で、これは相当なものですが、レースに使う車はもっともっとブーストチャージをあげてハイパワーになっている。
 このクルマをテストするにあたって、比較対象として250 馬力エンジンをもつポルシェ944ターボSを谷田部に持ち込んだのですが、大きな差はブレーキですね。時速200キロからのフルブレーキングで、944の方は144m、スープラは183.3m。これはウエイトの差。スポーティカーの場合、これが重要な課題。(竹平テスターも指摘していますが、と前置きして)スープラの場合、素晴らしい性能だがちょっと重い。それがウィークポイントですね」





 最後に、こう締めくくっている。
「グループAのホモロゲーションカーとは、メーカーがレースでそのクルマを鍛えていい成績を上げ、信頼を高めるために送り出されたクルマです。その点、今度のスープラはどうか。豪華で、しかも270馬力でスピードを味合わせてやろうという、そこの一点に絞られているようで、本来、グループAカーというのは、スポーティであるはずなのに、そのことをちょっと忘れているかいな、という気がします」
 徳さんがそう語り終わるのに合わせて、夜闇の中へスローモションで吸い込まれて行くスープラ。《3.0GT turbo A主要装備》がテロップで紹介され、情感たっぷりなピアノの音に乗って、赤いテールランプがフェイドアウトした瞬間、谷田部の高速バンクに切り替わる。遠くから空気の壁を切り裂きながら迫ってくるスープラの気配。それが、轟音とともにあっという間に目の前を過(よ)ぎった。



 ああ、「一人はうまからず」だ。この’88年10月号をベスモ仲間と一緒に、ワイワイガヤガヤやりながら鑑賞できたら、どんなにいいだろうか。

 閃めくものがあった。そうだ! この動画を「もう一度」か「新しく」は別にして、ぜひ見たいと言ってくれる「ベスモDNA」の持ち主に、何らかの方法でDVDに焼き付けたものを、プレゼントする方策はないものか、と。



 この10月号にしても、この後、新設したばかりの『BMステーション』に、五木寛之さんを迎えて、聞き上手の渡辺典子さんとの、弾みっぱなしのトークも用意してある。
「クルマっていうのは、人生の伴侶なんですよ。よくベターハーフというでしょ? 人を愛するようにクルマと付き合ってほしいな」
 こんな五木さんのメッセージを引き出したあのころの渡辺典子さん。何とも明るいお嬢さんだったが……。

 書き出しでも触れたが、この3月に入ってからずっと「スープラの晴れ姿」を求めて、ベストモータリングの創刊時映像にはまり続けている。すっかり記憶から消えてしまっていたが、その前後の主要な企画には、必ずと言っていいほど「70スープラ」が絡んでいたのだ。



 例えば、その前々号の88年8月号では、グループAの世界最強マシンといわれた「シエラRS500」の実走テストでも、グループAスープラを絡ませているし、翌月号の88年11月号では「中谷明彦、スープラ3.0GTターボAを全開で走らせる」を間瀬サーキットで収録しているし、明けて89年2月号では、こんな仕掛けが待っていたのだ。
 
 わたしがベスモ創刊20周年を記念して書き上げた『ベスモ疾風録』の第6話に、こんなくだりが紹介されていたので採録したい。 





−—−—疾走するF40の赤いボディが霧の中に消えていくシーンが「売り」となったこの号を機に「ベスモ」は上昇気流に乗る。創刊1周年と銘打った12月号は『男が疾る!星野一義』で話題を集めた。そのころから編集部に寄せられる声の中に、発売と同時に書店に駆けつけ、いま仲間と一緒に鑑賞会を開いている、という内容が多くなった。
 1989年2月号、新しい金脈となったガンさんの「ドラテク特訓道場」に、その「新しい風」が合流してきた。ガンさんが熱く忠告する。「キミがレーシングドライバーとして、もっと先を目指すのであれば、路面に対してタイヤがどうなっているかを感じとらなくてはダメなんだ。将来、フォーミュラーカーに乗った場合、ドライビングの前に、マシンのセッティングがあって、それが感じとれないとセッティングはできないよ」
 膝に手をおいたまま「はい」と肯く。晴れやかな表情だった。実はこのとき、すでに土屋圭市に「F3に挑戦してみないか」という声がかかっていた。碓氷峠で腕を磨いた、いわば「異端の星」が「メジャ-」から「正統」にシフトチェンジした第1歩が、実はこの瞬間だったのかもしれない。その時の使用車がまた、スープラだったのである。

 この号も、改めてじっくり、みんなと鑑賞できたらいいな。
 そんな風に何かを抱え込んでいると、必ず解決への道筋を教える出来事がやってくるものだ。
 現在、わたしが取り組んでいる電子書籍「疾れ! 逆ハン…」の販売サイト『コンテン堂』から、こんなキャンペーンの連絡がはいった。

春のコンテン堂フェア

コンテン堂モールの電子書籍を購入決済するだけで電子マネー2000円分が当たります。
対象店舗:電子書籍ストア ConTenDo|コンテン堂
     コンテン堂モール内専門書店
     

     応募はこちらから

期間  :2017年3月31日(金)~2017年4月10日(月)23:59
応募口数:期間中の各店舗で購入決済 (「eレンタル版」も対象)を行なった人が対象
     ※各店舗エントリーは共通で一人一口まで
     ※無料コンテンツは対象外
賞品  :2,000円分のWebMoney×100名様
     ※ConTenDo|コンテン堂モール用WebMoney
配布方法:キャンペーン期間終了後に抽選
     抽選時に会員登録いただいているユーザーID(メールアドレス)に

 これを受けて、わたしの肚は決まった。ベストモータリング同窓会のメンバーに限って、先に紹介した 
        
①BM‘88年8月号

②BM‘88年10月号
        
③BM‘88年11 月号
        
④BM‘89年2月号


 この中から①項目だけ希望の月号を選び、わたしの「メッセージ欄」へ、わたしの指定した「キーワード」を添えて、ご連絡いただき、各号、先着5名さままで試作品として該当月号のDVDを送らせていただきます。



「キーワード」は恐縮ですが、一旦、電子書籍『PREMIUM版 疾れ!逆ハンぐれん隊 PART.9』(こちらからどうぞ)を購入いただき、そこへ登場する「セリカXX 2800GT」のボディカラーの色を確認の上、応募いただきたい。その上で、是非、コンテン堂の電子マネーキャンペーンに応募いただき、2000円の幸運を射止めていただくのはどうでしょうか。
 こちらの締め切りは、先着5名とさせていただくが、キャンペーンの方は4月10日いっぱいとなっている。グッド、ラック!
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「交流戦に入っても3連戦の初戦を落としてしまう虎軍団。到頭、4番の大山、守護神であるはずのゲラをサト輝のいる2軍に降格。そんな荒療治ができる岡田を褒めるべきか。これからに注目。といいながらも楽天との第2戦も7回で2-0とリードしていながら近本を筆頭にスカッと行かない。若手に期待!」
何シテル?   06/05 20:30
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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