前回のブログ「
ジュークからの乗り換え(2)」で
CX-5、CX-60、シエンタ、ZR-V、エクストレイルに絞り込まれた妻の愛車乗り換え候補。
今回は実車のチェック、試乗を経ての車種決定までをお伝えします。
3回に分けたにも関わらず文字数が多くなりましたがご容赦ください。
なお、選定においては自分の意見はなるべく控えて妻の意思を尊重する形となっていますが、後で後悔したくないため最上位グレードを勧めています。
妻の希望
・カラーまで含めたエクステリア、インテリアを気に入るかどうか
・ボディサイズが大きすぎないこと
・室内の快適性、収納面重視
・ラゲッジスペースは2列目を倒した際なるべくフラットであること
・高い走行性能は求めていないが柔らかすぎる乗り心地は苦手
・駆動方式にこだわり無し、2WDで十分
■シエンタ
まずはシエンタを見にトヨタディーラーへ。
CMでかわいいわんこ(長十桜くん)
が出てくるため、愛犬家向けなのかな?という親近感がありました。
5人乗りと7人乗りがありますが我が家の用途的に5人乗り一択、グレードは最上位の
HYBRID Z 2WDで検討します。
エクステリアは概ね好評で、ボディカラーはアーバンカーキが良いそうです。「あまり好きじゃないかも」と言っていたドア下部のプロテクション的アクセントは、実物を見たところそこまで気にならない様子。見積もり時に「これは入れたい」と
山吹イエローのサイドエンブレムを付ける辺り、ジュークもそうでしたがやっぱりどこかにワンポイント付けたがるようです(笑)
山吹イエローのアクセント
内装の質感やデザインは5車種の中では最もチープに感じてしまいましたが、お値段的に仕方ありませんし、あえてカジュアルさを意識しているのでしょうから好みの問題ですね。我が家としてはもう少しソフトパッドを増やすような質感に拘りたいという話です。
5車種の中で室内高が最も高いこともあり、5名乗車時の荷室長はやや短いもののラゲッジスペースは高さを含めると十分確保されています。後席背もたれを倒すと広大なフラットスペースが登場し、この状態での容量はシエンタが他車種を圧倒します。
ただし、後席中央に肘掛けが存在せず、さらにスライドドアの特性上ドア側にも肘掛けが存在しません。さらにシートの形状も比較的フラットなため、後席に人を乗せて走る際は体を支えるために踏ん張る必要があり、長距離走行時の疲労が懸念されるのが減点ポイントでした。
1.5Lハイブリッドエンジンは特に文句を付けるところがありませんでした。走りに拘る人であれば色々あるかもしれませんが、普段乗りでパワー不足を感じることが無ければ十分です。
運転席の乗り心地はシート形状がしっかりしているため一般道の試乗ではさほど気になりませんでしたが、先述の通り後席はそれなりにロールを感じ踏ん張りが必要であるため、良い印象を抱くことができませんでした。
運転席と助手席はかなり快適で、乗員を2人+愛犬1匹に限定すれば5車種の中で最適なクルマかもしれません。しかし、たまに後席に妻の両親を乗せる可能性があるため、4名乗車時の快適性も考えると厳しいかなという感想でした。
見積もりは
グレード:HYBRID Z 2WD
ボディカラー:アーバンカーキ
インテリア:フロマージュ
の組み合わせで。
■CX-60
次はCX-5とCX-60を見にマツダディーラーへ。
CX-60の実物を見た瞬間「これは大きすぎる…」と早くも脱落。
CX-5と見比べても確かに大きく感じるのは、全長+200m、全幅+45mmというサイズアップの上に、ボンネットの位置が高いことも影響していそうです。
というわけで、マツダにおいてはCX-5一択となりました。
■CX-5
現行のKF型は登場が2017年と既に6年経過しており、最先端のデザインではありませんが全体的な質感は十分。エクステリアはフロントバンパーや灯火類に変更が入りさほど古さを感じさせません。同じKF型でも初代マツダコネクトから2代目マツダコネクトに切り替わっている点はポイントが高いです。ただし、タッチパネルではないことが妻的にはかなり使い辛そうでした。運転姿勢の維持という点においてはコマンダーコントロールが優れているものの、スマホが当たり前のこの時代、取説を見なくても直感的にすぐ操作できるという点においてはタッチパネルに軍配が上がりますね。
収納面においては、2021年の商品改良でラゲッジボードの高さを2段階調整式へと変更したことで、後席シートを倒した際にほぼフラットにできる点が便利。高い荷物を積む際に邪魔になりがちなトノカバーはラゲッジボード下部へ収納可能です。
試乗車は
XD Field Journey 4WD。2021年の商品改良で追加された、アウトドア走行を意識した特別仕様車のディーゼルエンジン搭載モデルです。
乗り心地は好印象でした。コーナリング時に2列目でもロール感が少なく、また後席のシートは背もたれの高さがしっかりしている上に座面も比較的長めで太腿をホールドしてくれるため、長時間座っても疲労が少なそうな印象でした。
試乗車に搭載されているSKYACTIV-D 2.2は以前乗っていたアクセラで体感しているものの、性能は勿論静粛性が更に向上していました。ただしディーゼルエンジンから切っても切れないのが煤の問題です。他メーカーのようにアドブルーでNOx(窒素酸化物)を浄化するタイプではなくDPF再生でのみ浄化するマツダのディーゼルは、短距離ばかりの使用ではDPF再生の頻度が高くなり燃費にも悪影響です。ちなみにアクセラ22XDはJC08モードで19.6km/lのところ実燃費は14.05km/lでした…。JC08モードより厳しく測定されるWLTCモードの表記はより実燃費に近いとは思いますが、燃費に過度な期待はできそうにありません。
ディーゼルのガラガラ音が気になるようなら2.5Lガソリンを選ぶつもりだったものの、妻曰く「外で聞くとそれなりに気になるけど、乗ってしまえば全然気にならない」とのことで、長距離移動時の走行においてエンジン性能の余裕は快適性に繋がると判断しディーゼルも検討することになりました。そらとの遠出のための乗り換えですし、我が家の場合短距離走行ばかりではなさそうですから何とかなるかなと考えています。
トランスミッションは多段化が進む昨今ではやや古さを感じる6ATですが、特段変速ショックが気になることはありませんでした。トルクに余裕のあるディーゼルだからなのか、低回転からグイグイ引っ張ってくれるため変速頻度が少なく、少段数ATとの相性が良いのかもしれません。
自分は実車を見るまでは全部入りのガソリン車・25S Exclusive Modeを勧めるつもりでした。ところが妻はField Journey専用のライムグリーンの差し色を気に入った様子。しかしこのグレードでは2Lガソリンかディーゼルしか選べません。さらに「Exclusive Modeのディープレッド内装は落ち着きすぎていてちょっと…」と難色を示しています。
ディーラーに展示車が無かったため次回訪問時にExclusive Modeを用意していただき、実車で内装の雰囲気をチェックすることになりました。
数日後、Exclusive Modeの実物内装を見ても結果的に妻の印象は変わらず、やはりField Journeyが良いとのことでした。
Exclusive Modeなら認定中古車も選べて出費を抑えられるのになぁという淡い期待もありましたが、Field Journeyはオプション設定が多く、こちらが希望するオプションが設定された認定中古車がほぼ見つからず、必然的に新車となります。
見積もりは
グレード:XD Field Journey 4WD ※
ボディカラー:ジルコンサンドメタリック
インテリア:グランリュクス(ブラック)+合成皮革(ブラック)※
の組み合わせで。
※Field Journeyは4WDのみ、かつインテリアは選べず
■ZR-V
マツダディーラーへ2度目の訪問直後、CX-5の印象を覚えているうちに比較しようとZR-Vをホンダディーラーで見てきました。
発表自体はだいぶ早かったため既に販売開始しているのかと思いきや、4月21日発売開始だったようでかなりの人気らしく、購入希望の
e:HEV Z 2WDは1年半近く待つことになるとのこと。
しかし、従来のグレードラインナップに加えて長納期の原因となっている「後退出庫サポート」「ブラインドスポットインフォメーション」を省いたモデル(以下「レスモデル」)を設定したようで、こちらであれば半年程度で納車可能のようです。このレスモデル販売前に契約した方の中にも「納期が短くなるなら」とオプションレスモデルに切り替えて注文する方がいて納期が伸びる可能性があり、お早めにご判断いただきたいとのことでした。
展示車兼試乗車はマルーンという深みがかった赤いインテリアカラーで、CX-5のディープレッド内装と似ている色味でしたが妻はこちらは良いとのこと。何が違うんだろうと思いよく見てみると、ZR-Vはシートのステッチの色がオレンジでした。CX-5のディープレッドのステッチは同色のようで、ステッチが違うだけでそんなにイメージが変わるのかという印象です。
メーターフード内に液晶メーターが搭載されているのですが、その左右がプラカバーである点がややチープに感じました。カバーもブラックアウトしてフード内全て液晶メーターのように見せたほうが格好良いと思うのですが…。
後部座席に座るとどことなく違和感を感じました。座面は短く背もたれは高さが不足気味、更に座面に対して床の位置が高いことで体育座りに近い姿勢を強いられ太腿をサポートできず、これでは長距離移動が厳しいのでは…と感じました。CX-5と比べ全高が70mm低いことが影響しているのでしょうか。
ラゲッジは2列目を倒せばCX-5同様ほぼフラットになりスペースは十分。収納面に大きな問題は無さそうです。ラゲッジボード下に収納スペースはほぼありませんでした。
室内を一通り確認したところで試乗開始です。
今回e:HEVに初めて乗りましたが、よく比較される日産e-POWERとの違いは「e-POWERの駆動はモーターのみでエンジンは発電専用だが、e:HEVは高速走行時に効率の良いエンジン駆動となる」とのこと。確かにe-POWERは高速走行を苦手としているため、ホンダの判断は正しいように思えます。
今回の試乗でエンジン駆動は味わえませんでしたが、街中を走っている分には非常に静かで、途中エンジンがモーターを発電していても音はそれほど気にならず、静粛性は非常に高い印象でした。新しいクルマに乗っている感はとても強いですね。
乗り心地は意外と硬めでスポーティといったほうがしっくり来る程。キビキビ走るならCX-5より楽しそうです。
見積もりは
グレード:e:HEV Z 2WD
ボディカラー:ノルディックフォレスト・パール
インテリア:マルーン
の組み合わせで。
■エクストレイル
ホンダの後に最後の検討車種であるエクストレイルを見てきました。
初代から2代目のエクストレイルの印象が強い自分にとっては、「タフギア」から高級なクルマになったんだなぁという感想です。特に内装の質感がかなり高く、ノートやアリアもそうですが最近の日産新型車の内装デザインは非常に良くなっていますよね。ディスプレイは比較車種の中で最も大きくタッチ操作も可能で、メーターパネルは前述のZR-Vとは違いきちんとブラックアウトされていて、格好良い見た目に仕上がっています。
試乗車兼展示車は全部乗せの
G e-4ORCEです。
比較車種の中で最も全長が長くボディ形状がスクエアに近いだけあり、ラゲッジは最も広く感じました。ほぼフルフラット化も可能です。ただし後席の座り心地はCX-5よりZR-Vに近く、座面が短めな印象を受けました。
今回のディーラー巡りは全てアポ無しで伺っていて、ジュークの担当営業マンのの方が不在だったため別の方に試乗にお付き合いいただきました。が、試乗前に「しばらく受注停止になっていて今月再開されたばかりなのに、また受注停止になりそうです。納期は一年以上見てください」と言われてしまい、如何にクルマが良い仕上がりだったとしても長すぎる納期は待てないと判断し、妻だけ運転してもらいました。
助手席からの印象としては意外と乗り心地は硬いんだなという印象です。ZR-Vとの硬さとはまた違い、路面の凹凸に小刻みに足を取られその度に視界が傾くような印象です。以前の無骨なインテリアとの組み合わせならピッタリな印象ですが、高級感さえ漂うインテリアデザインとはアンマッチで、もう少し落ち着きがあっても良さそうに感じました。
試乗から戻るとジュークの担当営業マンの方が戻ってきていたのでG 2WDの見積もりをお願いしましたが、納期が長く妻が希望する2トーンカラーは現在も選択不可な上、価格は3車種の中でダントツに高くなり、値引き交渉もせず諦めの気持ちでディーラーを後にしました。担当営業マンの方もどこか諦め気味の営業で、売れるクルマが出ても売れないのはそれはそれで大変そうですね…。
■キミに決めた!
候補車種全てを乗り終えて妻と話した結果…
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マツダCX-5 XD Field Journey 4WD
に決まりました。
メーカーオプションは
・地上デジタルTVチューナー(フルセグ)
・10.25インチセンターディスプレイ
・225/55R19 99Vタイヤ&19×7Jインチアルミホイール(切削加工:ブラックメタリック塗装)
・ボーズサウンドシステム(AUDIOPILOT2+Centerpoint2)+10スピーカー
・電動スライドガラスサンルーフ(チルトアップ機構付)
・ハンズフリー機能付パワーリフトゲート
・クルージング&トラフィックサポート、ワイヤレス充電(Qi)、外部接続ハブ(USB端子[Type-C:フロント×2/Type-A:リア×2)、ワイヤレス接続機能*Apple CarPlay対応
です。
設定されているメーカーオプションを全て付けたため、結局Exclusive Modeと殆ど変わらない価格になっていると思います…。怖いから比較したくない😭
Field Journeyの標準仕様は17インチオールシーズンタイヤですが、ジャーナリストの方がYouTubeで「乗り心地は19インチサマータイヤの方がいいかも」と仰っているのを目にしました。我が家は雪山に行くことが殆ど無いため、妻がホイールのデザインを気に入った19インチのオプションを選んでいます。
CX-5は総合的に判断しての決定で、その中でも妻が他車種と比較して特に優位と判断した点は
・全体的なデザインの好み
・後部座席の座り心地
・機能に対してのコストパフォーマンス
・納期
でした。
納車は7月下旬から8月上旬になりそうです。
ロードスターの契約時にはまだ存在した紙の契約書が今回は存在せず、ディーラーのタブレットで重要事項などを確認し署名すると、その署名が反映された契約書がマツダが運営する無料会員サービス「CLUB MAZDA」から自身のメールアドレスへ送られるという新しい仕組みに変わっていました。ペーパーレス化が着々と進んでいるんですね。
楽しみに納車を待とうと思います。
それまでの間はジュークを乗ることになるので、こちらも安全運転を心掛けながら、意図しないミサイルに突っ込まれないよう気を付けようと思います。
■こぼれ話
1.下取り価格
今回ジュークを下取りに出しての購入であるため、各ディーラーで下取り査定をお願いしていました。しばらく洗車もしていない汚れた状態のままで出た査定額は以下の通りです。
トヨタ 47万円 2023年10月下取り
マツダ 61万円 2023年7月下取り
ホンダ 34万円 2024年10月下取り
43万円 2023年10月下取り
日 産 60万円 下取り時期不明。この辺りはさすが自社のクルマ。
納車時下取りの関係上現時点での価格で算出できないため、かなりの価格差が生じています。
最高値で「ロードスターもお買い上げいただいていますし、最初から駆け引きなしの上限価格を提示しました」というマツダの価格でも正直な話「こんなに安くなってしまうのか…」とガッカリしていますが、所有し続けた場合更に価値が下がり続けることを考えると、このタイミングの乗り換えで良かったのだろうと思っています。
ジューク購入時に自分ならこっちがいいと思っていたNISMO RSを選んでいたらもう少し高かったのかな…😢
2.営業マンの対応
トヨタ=>ホンダ>マツダ
という印象でした。日産は途中でこちらが購入を諦めたため除外します。
最も大きく感じたのは商品知識で、トヨタとホンダはこちらの質問にしっかり答えを返してくれるのに対して、マツダは分からないで済まそうとすることが何度もありました。分からないで済まさず、他の方に聞くなりメーカーに確認するなりしませんか?と思いましたね。
悪い方ではないのですがどこかフワフワしているところがあり、購入後はサービスの方とやり取りが主になるのでそこまで気にならないかもしれませんが、もう少ししっかりしていただきたいものです。
と言いながらそのマツダからクルマを買うわけですが😂
マツダのクルマ自体は良くなっているもののディーラーの「人のレベルの振れ幅」が大きいと感じています。マツダにはぜひディーラーの社員教育にもっと力を入れていただきたいと思っています。