TPPインタビュー 「経済効果3~10倍に」野村証券金融経済研究所 川崎研一・主席研究員
--内閣府の客員主任研究官として日本のTPP参加の経済効果を試算したが
「関税撤廃による経済効果は10年間で2・4~3・2兆円で、1年間なら国内総生産(GDP)の0・1%に満たない。ただ、規制緩和やサービス自由化でさまざまなビジネスが生まれ、投資環境が整備される結果、その3~10倍の効果も予測されている」
--交渉参加を急ぐべきでは
「現在は得られる情報に限界がある。交渉に参加した以上、一定の責任が生じるが、どうしても国益にかなわなければ最後に署名しないという手段もある。まずは、交渉のテーブルにつくことだ」
--安い農産品が輸入され、震災でダメージを受けた国内農業への影響が心配される
「農家への所得補償などが不可欠だが、食品を安く買えるという消費者のメリットも見逃せない側面だ」
--コメをはじめ、関税撤廃の例外品目が認められる見通しが出てきた
「完全自由化が原則だったが、交渉参加国が増えたことで変わるかもしれない。米国は豪州とのFTA(自由貿易協定)で砂糖などを例外扱いにしており、TPPでもその主張を貫く可能性がある」
--政府に求められることは
「TPPへの参加がプラスかマイナスか、国民が判断できるようにする必要がある。効果分析や情報提供を含め、経済連携を専門に進める態勢強化が急務だ」
産経新聞より
> 規制緩和やサービス自由化でさまざまなビジネスが生まれ、投資環境が整備される結果、その3~10倍の効果も予測されている
そういえば小泉政権時代に竹中平蔵はやたら規制緩和すればなんたらかんたらと言ってましたが、これだけのデフレなのに、さらなる規制緩和など必要なのでしょうか。
身近な例を取り上げますがタクシー業界の規制緩和、特に地方だと規制緩和の結果が顕著でして
規制緩和の波 老舗直撃 新潟タクシー破たん
空車が目立つ繁華街のタクシーの列(新潟市古町)
新潟市中央区の新潟タクシーが営業を停止した二十日、歳末を目前に働く場を失った運転手は「これじゃあ、年を越せない」と悲嘆に暮れた。「客は減り、過当競争に老舗はなかなか対抗できない」というあきらめの声も。十月に自己破産を申請した新潟相互タクシーに続く老舗業者の破たんについて、業界関係者は「国の規制緩和が元凶」と指摘する。
「なぜ破産か」「給料や退職金はどうなる」。同日午後、新潟タクシーで開かれた
社内説明会。従業員によると、飛び交う質問に、上野秀雄社長は何度も「申し訳な
い」と頭を下げたという。
説明を聞いた同市西区の男性運転手(六八)は「老舗は得意先企業の利用に頼ってきたが、それが減った。二十年前は一日六万円は稼げたが、最近は二万円」とため息。関係者によると、新潟タクシーは社会保険料の納付も滞り、金融機関からの融資もストップしたという。
旧新潟市域など新潟交通圏では二00ニ年の規制緩和後、三社が新規参入し、個人タクシーも増えた。以前からタクシー台数が二割程度過剰といわれていたため、老舗業者は減らしたが、全体の台数は増えるばかり。運賃は初乗り七百五十㍍三百円の格安業者も現れる中、新潟タクシーなど老舗は経営安定化のため、1・3㌔五百六十円にとどめざるを得なかった。
県ハイヤー・タクシー協会副会長の高橋良樹・都タクシー社長は「売り上げダウン
の中で燃料のLPガスは二倍。運賃アップも業界でまとまらなかった」と過当競争と
なった現状を悔やむ。
相次ぐ老舗業者の破たんに利用者から惜しむ声も。新潟運輸局によると、同圏では車いす対応の福祉タクシーが十一台で、そのうち一台は新潟タクシーが担ってい
た。
週一回の通院で同社などを利用してきた同市中央区のNPO法人理事長広川キミ子さん(六四)は「うちは夫婦二人とも車いす。福祉タクシーはいつも予約がいっぱいで、頼んでも断られることもある。これから寒くなるし、利用回数も増えるのに」
と顔を曇らせた。
国土交通省北陸信越運輸局によると、新潟市の都市部を中心とする新潟交通圏で
は、2001年度は25社だったタクシー会社が、07年度には28社へ増加。個人タクシーも50以上も増え、地区全体の車両数は01年度比で88台多い1785台となった。一方、不景気による利用者離れで、01年度は約4000万㌔だった業界全体の営業走行距離は、07年度に約3600万㌔へ減少。営業収入も約123億500万円(01年度)から約106億7100万円(07年度)に下がった。
新潟タクシーが営業を停止した問題を受け、県は二十日、未払い賃金や転職について、解雇された従業員からの相談に応じる専用窓口を二十一日から設置すると発表した。
泉田裕彦知事はタクシー業界が過当競争にあるとして「減車ができるように規制す
る必要がある」と述べ、国にタクシーの車両数規制を要請する意向を示した。
窓口は、新潟地域振興局(新潟市中央区川岸町)の新潟労働相談所内に設置し、同社と、十月末に自己破産を申請した新潟相互タクシーの離職者からの相談に無料で応じる。受付時間は平日の午前八時半から午後五時十五分まで。電話でも受け付ける。専用電話番号は025(232)6110。
また、労働局は関係機関と協力して、再就職や失業給付金の申請に関する説明会を二十六日午前八時半から新潟市中央区のガレッソホールで開く。
一九三八年創業と新潟市で最も古いタクシー会社の新潟タクシー(同市中央区、上
野秀雄社長)が二十日、業績不振を理由に営業を停止した。近く新潟地裁に自己破産を申請する予定。百三十七人の従業員は同日付で全員解雇された。負債総額は約三億七千万円に上るとみられる。
台数、運賃の自由化など規制緩和による厳しい競争が続く県内タクシー業界。十月
末に自己破産した新潟相互タクシーに続き、相次いで老舗が破たんに追い込まれ
た。
新潟タクシーと、信用調査会社の帝国データバンク、東京商工リサーチの両新潟支
店によると、新潟タクシーは業界では中堅。新潟市内をエリアにタクシー約七十台
で営業しており、バブル期の最盛期には売上高が年間十億円を超えた。
しかし、過当競争や景気低迷に影響で売上高は減少傾向にあり、二〇〇八年九月期には約四億円に落ち込んだ。さらに、近年の燃料費高騰が追い打ちをかけ、経営環境は厳しさを増していた。
上野社長は同日午後、全従業員に対して営業停止と解雇について説明。約五十社に上る債権者にも通知している。
同社長は新潟日報社の取材に対し「規制緩和以来、新規業者の増え、あまりにも台数が過剰だった。収入が減少し、今回の事態になった。お得意先や従業員には申し訳ない限りだ」と話した。
十月末に自己破産を申請した新潟相互タクシー(新潟市中央区)の運転手ら元従業員は二十日、破たん企業の未払い賃金や退職金を企業に代わって支払う厚生労働省の外郭団体・労働者健康福祉機構に支払い請求を行った。
請求したのは解雇された百四十八人のうち、日程の調整がついた百四十四人。同機構は、元従業員一人当たりの未払い賃金の約八割を支払い、後に事業主や管財人に請求する。同日は、新潟相互タクシーの元従業員が加盟していた全新潟タクシー労働組合が一括して手続きを行った。
同社は十月二十八日、業績不振のため新潟地裁に自己破産を申請。全従業員が同日付で解雇され、退職金や給与の一部が未払いになっていた。
新潟市の新潟相互タクシーに続き、新潟タクシーも自己破産に追い込まれた。両社
とも老舗だ。
新潟は一九三八年創業で新潟市で最も古い。相互はその二年後の四十年だ。
市民の足として戦前から信頼を築き上げてきた会社が行き詰まった。競争激化で経営体質が弱まったところに不況の波が襲った。業界関係者は、両社が破たんしたのは先行きに展望が見いだせなくなったためと指摘する。
規制緩和がもたらす競争で、経営の効率を促す。多様なアイデアを持つ経営者が参入すれば雇用も増える。そんな目的でタクシー業界への参入障壁が取り払われたのは二00二年だ。だが規制緩和でもたらされたのは過当競争であり、低賃金労働だった。
県内のタクシー会社の淘汰は、規制緩和によるものというより、金融危機による景
気後退が引き金となった。裏を返せば過当競争に対しては、各社が賃金抑制などで必死に生き残りを図ってきたことを意味している。
新潟も相互も減車を行った。にもかかわらず、新潟市を中心とする新潟交通圏で
は、〇二年の千六百六十台からこの九月末には千七百八十台に増えた。客の奪い合いになるのも当然だ。
新潟交通圏など県内五地域の営業エリアは七月、国土交通省の「特定特別監視地
域」に指定された。過当競争で労働条件の悪化が懸念される地域とされ、新規参入を厳しくするなどの規制緩和見直しが行われた。
一日一車当たりの乗車距離や営業収入が、規制緩和前の〇一年に比べて減っていることなどが指定要件だった。
新潟圏は乗車距離が〇一年度の七八・三㌔から〇七年度には七一・一㌔に、収入も二万七千円台から二万四千円台に落ち込んでいる。他の地域ではもっと低いところもある。厳しい数字である。タクシー会社の経営破たんはこれからも予想される。
県は国交省にタクシーの安全・安心な運行確保について要望書を出した。相互の破産を受けたものだ。その中で各地域の需給バランスを反映した調整制度を求めている。
タクシー業界は規制緩和から規制強化への流れが強まる一方、都内の大手会社では、再規制に強く反対しているところも出てきた。「新たなサービス展開の障害に
なる」との主張だ。
新潟の従業員は約百三十人、相互には約百五十人いた。新たな職を求めるのは容易ではあるまい。
規制緩和の見直しをめぐっては政府は腰が定まらない。自民党内には路線の対立がある。しかし、景気後退は今後深刻化する。いまは雇用を守ることを最優先に施策を展開するときだ。これはタクシー業界に限らない。
タクシー運転手の独り言様より引用
新潟では老舗のタクシー会社が倒産したことは有名な話だと思いますし、実際長野市でもタクシー会社が増え、客の奪い合い、値段競争、会社間の統合等が起きていたりしております。規制緩和によって空港送迎タクシーができたりしましたが色々なサービスを提供しないと生き残れないというのが現状です。
ものづくりの現場でも、期間工から派遣、そして請負のように非正規雇用が増え、更にデフレに拍車をかけています。
ただでさえデフレであるのに、さらなるデフレ悪化要因等必要なのでしょうか?
> 「現在は得られる情報に限界がある。交渉に参加した以上、一定の責任が生じるが、どうしても国益にかなわなければ最後に署名しないという手段もある。まずは、交渉のテーブルにつくことだ」
まず野田政権の場合、アメリカにこれ以上嫌われたくないという理由で一旦交渉の場についたらズルズルと引きずり込まれるのは火を見るより明らかです。
国益など無視している民主党政権ですから、野田なら確実にそのまま締結するでしょう。
> 「農家への所得補償などが不可欠だが、食品を安く買えるという消費者のメリットも見逃せない側面だ」
なんでここで所得補償が出るんでしょうか?ただでさえ自給率の低い日本の農業、高めるのが本筋であって、低めるのは防衛の観念で見ても自殺行為としか思えません。
それ以前に、放射能汚染されていると言われている日本の農作物、誰が買うのでしょうか。輸入一辺倒になり、安く買える=さらなるデフレということなのですが。
そしたらその所得補償はどう行うのでしょうか?
景気悪化⇛税収減⇛税率アップ⇛更なる安物買い傾向⇛景気悪化⇛以下スパイラル突入
なんですが。
> 「完全自由化が原則だったが、交渉参加国が増えたことで変わるかもしれない。米国は豪州とのFTA(自由貿易協定)で砂糖などを例外扱いにしており、TPPでもその主張を貫く可能性がある」
農業ってコメだけでは無いのですが。酪農や大豆、小麦、あらゆるものがあるんですが。特に大豆とかは安く仕入れるために遺伝子組換え作物が入ってくるのは必至かと。しかも遺伝子組換え作物がどのような影響を人体に与えるのか、未だにろくな検証結果が無いのですから。また、現存の農作物にどのような結果がもたらされるのかもはっきりしていません。
これだけ、経済のド素人であるおいらが考えるだけでもあからさまにおかしいと思うのに、主席研究員という人は余程、凡人には理解出来ない考えがあるんでしょうね。それにTPPで日本経済破滅したとしても、自分は意見を述べただけで、決めたの政府だとか、国民だとかと言って逃げるだけの楽な商売ですな。
ラーメン、オフ会、LEDもいいですが、生活の安定なしにカーライフなどありえませんので。
ちなみに
オバマ大統領、APECでTPP推進表明へ
たかが一ヶ月で議論など出来ますか?しかも次のAPECは11月、ハワイで行わます。しかもハワイはオバマの出身地、こういう要因を考えてもTPPで日本にプラスに成ることなどありえません。
プラスに成るのはアメリカだけですので。