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2020年05月22日 イイね!

4A-GEU vs ZC vs RA168E

4A-GEU vs ZC vs RA168E先々回、先回とマニアックな?エンジン・ネタが続きましたが、ワタクシがエンジンのメカニズムに興味を持った切っ掛けの話をしたいと思います。


ワタクシが学生時代だった頃、車好きの青年にとって、TOYOTA 2000GTやソアラ2800GT,日産 スカイラインGT-Rやフェアレディ Z432,いすゞ 117クーペやジェミニ ZZなど、スポーツカーの象徴だった動弁機構がDOHC(Double OverHead Camshaft)構造のエンジンを搭載した車は憧れでもありました。
そんな憧れもあって、ワタクシが社会人になってから買った最初の車はカローラレビンGT APEX(AE86)でした。 この車が搭載していた1気筒あたり4バルブのDOHCの吸排気弁機構をもつエンジンが4A-GEUです。

4バルブエンジンは2バルブに比べ、動弁系の慣性質量を増大させることなく、バルブの有効開口面積を大きくして流入空気量を増やすことができ、点火プラグを燃焼室の天井中央部に配置できるので、燃焼効率がよいなどのメリットがあるといわれてます。
今でこそ、軽自動車からミニバンに至るまで4バルブのDOHCヘッドとなり、ありがたみがないですが、当時はレーシングカーのみが採用するような高性能なメカニズムで、国産車では過去にスカイラインGT-RとフェアレディZ432に搭載されていたS20型2ℓ直6エンジンのみが採用。当時生産中のエンジンでは、新しくスカイライン2000RSに搭載されたFJ20E型エンジンが採用しているだけでした。

FJ20E型を含めて、それまでのDOHCエンジンはカムシャフト駆動にタイミングチェーン(ローラーチェーン)⛓を使ってましたが、4A-GEUはコスト・騒音・重量・潤滑・タイミング精度に有利といわれていたタイミングベルト(コグドベルト)を使っていた点が目新しいところでもありました。(1981年発売の初代ソアラに搭載された直6・2バルブDOHCの5M-GEU型エンジンもタイミングベルトでした。)
タイミングベルトは1970年代から2000年頃まで、カムシャフト駆動の中心的役割を担っていましたが、タイミングチェーンの改良などにより、耐久性やエンジン全長のスリム化に有利なタイミングチェーンが見直され、今ではタイミングベルト式は殆んど採用されなくなりました。


実際にAE86レビンを所有しての感想は、それまで乗っていたセリカLB 2000STが搭載する18R-U型エンジンと比べると、排気量が小さいので低速トルクはないものの、高回転まで一気に回るシャープな吹き上がりとレスポンスは段違いでした。👍
しかしながら、当時のワタクシはドリフトすることもなく、高回転まで回すことが殆んどなかったので、高回転高出力のDOHCエンジンに乗ることは見栄と自己満足以外に価値がなかったのですが。😅


その翌年の1984年、ホンダから対抗馬として登場したのが、通称「ワンダーシビック(AT型)」や「バラードCR-X(AS型)」の si グレードに搭載されたZC型エンジンです。


ZC型エンジン
排気量が1.6ℓで、タイミングベルトで2本のカムシャフトを駆動する1気筒あたり4バルブのDOHCの吸排気弁機構をもつことも4A-GEUと同じです。
4A-GEUがグロス値(現在使われているネット値の場合は、エンジンを車両搭載状態とほぼ同条件で測定した数値で、グロス値はエンジン単体で測定される為、ネット値より高い数値になります。)で最高出力:130ps/6,600rpm,最大トルク:15.2㎏m/5,200rpmだったのに対し、ZCは135ps/6,500rpm,15.5㎏m/5,000rpm❗。
3年後、通称「グランドシビック(EF3)」の si グレードに搭載されたZCでは、ネット値で130ps/6,800rpm,14.7㎏m/5,700rpmにパワーアップ。ちなみに、4A-GEUはネット値で120ps/6,600rpm,14.5㎏m/5,200rpm。
後出しジャンケンなので、ZCの方が高出力なのは当然として、驚いたのはそのメカニズムでした。

それまでのDOHCエンジンといえば、高回転高出力とするために、カムがバルブリフター(タペット)を直接駆動する方式で、シリンダーはビッグボア・ショートストローク若しくはスクェア(ボアとストロークが同じ)のエンジンであることが常識でした。

一般論としてビッグボア・ショートストロークのメリットとしては、
  • バルブ面積を大きく取れるので、たくさんの空気を取り入れて、スムーズに排出させることが可能になる。
  • ◾長い距離をピストンが往復しなくてすむのでピストン速度が低く、したがって機械損失が小さい。
よって、高回転高出力にしやすい。

反対にデメリットとしては、
  • ◾点火プラグから燃焼室の端までの火炎伝播距離が長いため、燃焼が完了するまでの時間が長く、良い燃焼状態を得にくい。
  • ◾燃焼室の表面積が大きくなるため、冷却損失も大きくなる。
  • ◾ノッキングを起こしやすく、したがって圧縮比を高くしにくい。
    • といった傾向があるといわれてます。

      (余談ですが、86/BRZの「FA20」型エンジンが、ベースとなったスバルのボア×ストロークがφ84.0×90.0㎜の「FB20」型からφ86.0×86.0㎜のボア×ストロークに変更された理由は、リッター100馬力を達成するためには、バルブ面積の拡大と高回転化するのに必要だったということらしいです。)

      カローラレビン GT
      (AE86)
      シビックSi
      (EF3)
      カローラフィールダー
      (NRE161G)
      エンジン型式4A-GEUZC2NR-FKE
      エンジン種類直列4気筒 DOHC直列4気筒 DOHC 直列4気筒 DOHC
      カムシャフト駆動方式コグドベルトコグドベルトチェーン
      バルブ駆動方式直打式ロッカーアームローラーロッカーアーム
      バルブ径 吸気/排気30.5㎜/25.5㎜30㎜/27㎜
      バルブリフト量 吸気/排気7.56㎜/7.56㎜10.3㎜9.0㎜
      バルブ挟み角50°
      VVT / VVL ✖ / ✖ ✖ / ✖In-Ex / ✖
      総排気量(㏄)1,5871,5901,496
      内径×行程(㎜)81.0×77.075.0×90.072.5×90.6
      ストローク/ボア比0.951.201.25
      圧縮比9.4:19.5:113.5:1
      燃料噴射方式ポート噴射ポート噴射ポート噴射
      最高出力(PS/rpm)120/6,600rpm130/6,800rpm109 /6,000rpm
      最大トルク(㎏・m/rpm)14.5/5,200rpm14.7/5,700rpm13.9 /4,400rpm
      シリンダーブロック鋳鉄製
      クローズドデッキ
       
      アルミ合金製
      オープンデッキ
      鋳鉄製シリンダーライナー
      アルミ合金製
      オープン゙デッキ
       
      ボアピッチ87.5㎜?㎜
      平均ピストンスピード(最高出力時)16.9m/秒20.40m/秒18.12m/秒
      平均ピストンスピート(レブリミット)19.76m/秒(7,700rpm)21.00m/秒(7,000rpm)m/秒(rpm)
      エンジン重量123㎏102㎏
      発売日1983年5月1987年9月2015年3月

      ところが、ZC型エンジンはボア・ストローク比が1.2と極端なロングストロークでした。
      4A-GEUは、1.5ℓSOHCの3A-U型エンジン(ボア・ストローク:φ77.5×77.0㎜)のボアだけ3.5㎜拡大して1.6ℓ化できたのに対し、このエンジンのベースは、元々ロングストロークだったシビック/バラード用の1.5ℓSOHCのEW型エンジン(ボア・ストローク:φ74.0×86.5㎜)で、これを1.6ℓにするためにボアで1㎜、ストロークで3.5㎜拡大しています。 EW型をベースとしたのは、新規でゼロからエンジンを開発するには時間とコストが掛かるので、軽量・コンパクトなEW型を元に1.6ℓ化、ボアピッチに余裕がないためにストロークアップせざるを得なかったのが実情?のようです。
      2.8ℓSOHCのL28E型を搭載する日産フェアレディZ280Z(S130)に対抗するため?に、2.0ℓ(ボア・ストローク:φ75.0×75.0㎜)のM型エンジンを2.8ℓDOHCにした初代ソアラの5M-GEU型もボア・ストローク:φ83.0×85.0㎜と、ボアφ83㎜で限界だったのか若干ロングストロークでした。

      ストローク90㎜のエンジンをレッドゾーンの7,000回転まで回すと、平均ピストンスピードは秒速21mに達することになります。当時はレシプロエンジンのピストンスピード限界は20m/秒だと言われており、これには驚きました。
      1988年のF1世界選手権で16戦中15勝したMcLaren Honda MP4/4に搭載されたRA168E型エンジンでさえ、レブリミット12,800rpmでの平均ピストンスピードは21.67m/秒だった事実を考えると驚異的です。

      【1988年ホンダ F1 V6 1.5ℓターボエンジン】
      McLaren Honda MP4/4
      エンジン型式RA168E
      エンジン種類80°V型6気筒 DOHC
      過給機セラミックタービン翼車 ボールベアリングターボ
      過給圧(レギュレーションで規定)2.5Bar
      バルブ駆動方式ロッカーアーム
      バルブ挟み角32°
      総排気量(㏄)1,494
      内径×行程(㎜)79.0×50.8
      ストローク/ボア比0.643
      圧縮比9.4 : 1
      最高出力685PS/12,500rpm
      平均ピストンスピート(最高出力時)21.17m/秒
      許容回転数12,800rpm
      シリンダーブロックダクタイル鋳鉄製
      重量146㎏
      燃料タンク(レギュレーションで規定)150ℓ
      1985年までのホンダ・ターボF1エンジンは、F2用の2ℓ・V6エンジンをベースにしてボアをそのまま流用し、ストロークだけ短縮して1.5ℓに仕立て直したものだったので、ボア・ストローク比でいうと極端なオーバースクェア(φ90.0×39.0㎜)になっていました。
      1984年からレース中に使える燃料の量が段階的に制限されるようになり、出力だけでなく、燃費性能の改善も重要になるようになりました。 高い熱効率を得るためには、コンパクトな燃焼室が得られる諸元選定を行う必要があります。
      この仕様に対し、’85年シーズンの途中からボアを少し縮小した(φ82.0×47.2㎜)エンジンが投入されており、翌’86年シーズンのRA166Eからはさらにボアを縮小したタイプになり、結局このボアストロークがターボ時代の最後(1988年)まで使わられたそうです。
      RA168Eはボア・ストローク比0.643であり、それでも通常のレース用エンジンと比較すると、やや長いストロークだったらしいです。

      1985年のRA165E型エンジンは許容回転数が11,000rpmだったらしいので、平均ピストンスピードは17.31m/秒でしたが、1.5ℓV6ターボ最後の’88年には12,800rpmまで伸び21.67m/秒になっていました。
      2008年の2.4ℓ V型8気筒でレブリミット19,000rpm時代のホンダF1エンジンRA808E型(φ97.0×40.52㎜)の平均ピストンスピードは25.66m/秒になっていましたが、それより20年以上前に、JTC(全日本ツーリングカー選手権)グループAに参戦していたMOTUL 無限 CIVICのZC型エンジンは180ps/7,500rpmでレッドゾーンは8,500rpmからといいますから、平均ピストンスピードは25.50m/秒以上となり、凄い❗といか言えないです。😱


      最近のエンジンのトレンドをみると、ロングストロークのエンジンが多くなったような気がします。昔はZC型や5M-GEU型のようにベースエンジンから排気量アップするためにロングストロークになったケースや、エンジン全長を抑えるためにロングストロークに設計したと思いますが、最近では年々厳しくなる燃費や環境性能規制に対応するために敢えてロングストロークに設計しているように思われます。
      ホンダの軽自動車に搭載されているS07型エンジンやスズキの軽自動車に搭載されているR06型エンジンは、興味深いことに、元々ロングストロークだったのを更にストロークアップさせています。これは明らかに小型化や排気量アップのためでなく、燃焼効率を改善させるためですね。
      こうした傾向は大衆車だけでなく、最近のBMW,メルセデス,アウディなどのモジュラーエンジン(エンジンのもっとも基本となる諸元を共通化し、3,4,5,6,8,10気筒エンジンを容易に実現するようにしたシリーズ的なエンジン。)もロングストロークが多いですし、BMW M4,AMG A45やLamborghini Huracánのようなハイパフォーマンス・カーやスープラやGR ヤリスもロングストロークですね。



      ZC型エンジンがDOHCなのに超ロングストロークであることに驚きましたが、DOHCなのにバルブ駆動方式が直打式ではなく、ロッカーアーム式というのにも驚きました。それまでの一般常識としては、ロッカーアームはアームの剛性不足によるたわみや、その慣性質量により、高回転域でのカムへの追従性が悪くなると言われていて、直打式の方が、高回転高出力に向いていると言われてました。

      ZC型エンジンはショートボアなのでバルブ面積拡大に限りがあり、ハイリフト化で有効開口面積を稼ごうと考えたのか?、内側支点のロッカーアーム(中間に支点がくるシーソー式と区別するためなのか、ホンダはスイングアームと呼んでました)のレバー比を利用してハイリフトを実現させました。 これは、カムシャフトをバルブの内側に配置し、ピボットを支点にしたロッカーアームがバルブを作動させるもので、市販乗用車で世界初の4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドということでした。
      これもホンダのF1エンジン技術を応用したと聞き、興味を持ちました。
      (図面を見ると、ホンダのF1エンジンRA168Eはピボットを支点にしたスイングアーム方式ではなく、ロッカーシャフトを支点としているようです。ピボットを支点にしたスイングアーム方式のDOHCシリンダーヘッドを最初に市販乗用車に採用したのは初代ソアラの5M-GEU型エンジンだったみたいです。この衝撃の事実を知った時、ホンダの嘘つき!と思ったのですが、5M-GEUは2バルブなので、4バルブDOHCではZC型が最初ということになり、嘘ではなかったようですが。)


      小型軽量なアルミ合金製シリンダーブロック・等長インテークマニホールドや4-2-1-2のエキゾーストシステムの採用・カム形状に沿って内部を肉抜きした、異形中空カムシャフトなどの技術を投入している点も4A-GEUとの違いでした。


      そして何より驚いたのは、このエンジンはトップギア5速のまま、時速30㎞からでも普通に加速出来るほどの柔軟性を持ち合わせているということでした。
      それでいて、高回転まで回せば4A-GEUよりパワフルというのですから、4A-GEU乗りとしては心中穏やかではありませんでした。😢


      HONDA PRELUDE 2.0si 4WS (BA5)
      結局、AE86レビンは5年乗って買い替えましたが、次の車は、ZC型エンジンの流れをくんだ直列4気筒ロングストロークDOHCスイングアーム駆動16バルブ・アルミ製シリンダーブロックのB20A型エンジンを搭載したホンダプレリュード2.0si 4WSになりました。😄
      B20A型はアルミ合金製シリンダーブロックなのに、クローズドデッキ構造だった点でも進化してました。


      今あらためてZC型エンジンのスペックを見てみると、タイミングベルト駆動だったり、ローラーロッカーアームでなく、スリッパー式ロッカーアームであること、可変バルブタイミング機構がないこと、ダイレクト・インジェクションコイルではないこと、燃料噴射方式がポート噴射のみなど、古さを感じる点もありますが、現在のエンジンのトレンドとなっている要素(ロッカーアーム駆動・4バルブ・DOHCヘッド,ロングストローク・アルミシリンダーブロック,4-2-1のエキゾーストシステムなど)をもった歴史的に見ても銘エンジンだったことが分かります。

      このように、エンジンスペックを見ていても、かつての常識や一般的だった物が時代の流れや技術革新によって変わって行く様子を見ることができるので面白く思っています。




      関連情報ホームページ:
      トヨタ 【4A-G型】1.6ℓ直4エンジン ファン・トゥ・ドライブのために生まれた1.6ℓツインカム
      昭和の名機(8)】手軽に高性能を味わわせてくれたトヨタの4AーGE型エンジン
      FF小型乗用車「シビック・バラードシリーズ」に新設計DOHC・16バルブエンジン搭載車を追加し発売
      昭和の名機(11)】F1のテクノロジーを導入、ホンダが15年振りに投入したDOHCエンジンが「ZC型」だ

Posted at 2020/05/22 13:48:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | Others | クルマ
2020年05月03日 イイね!

続・エンジン工場見学の旅

“Stay Home”

マニアックな変態・車馬鹿の暇つぶしブログの続編です。😄


前回のブログでご紹介したように、現在のところ量産4気筒2ℓエンジンで最もパワフルであるメルセデスAMGのM139型エンジンは、AMG本社があるドイツ・アファルターバッハの工場で“One man - one engine”という哲学のもと、厳格な品質基準に従って、ひとりのマイスターが一基のエンジン を最初から最後まで責任を持って手作業で組み上げるという生産方式を採用しています。
その様なエンジンは日本車にも存在していて、その一つが日産GT-RVR38DETT型エンジンです。
日産横浜工場に設置された専用のラインで、特別な技術を持つ『匠』と呼ばれるスタッフが一基のエンジンを最後まで手作業で組み立てられます。

◇ 2017 Nissan GT-R: Precision craftsmanship 匠


◾動画0:55秒や2:15秒辺りでシリンダーブロックがクローズドデッキ構造であることが確認できます。
◾動画1:31秒辺りではシリンダーブロックのクランクケース部分がハーフスカート形状になっており、その下に一体型ベアリングビームを持つ「ラダービームロアケース」を組み合わせる構造となっていることが分かります。
この構造はクランクシャフトの支持剛性が高く、レーシングエンジンでよく用いられる構造といわれてます。S2000のF20C型エンジンや後期型カプチーノのK6A型もラダービームでした。😄
◾動画2:31秒辺りでタイミングチェーン取り付け作業が確認できます。タイミングチェーンはローラーチェーンではなく、サイレントチェーンですね。ちなみに、S2000もサイレントチェーンでした。😄
◾動画3:35秒辺りでバルブクリアランスの測定作業が確認できます。
軽自動車を除くと、今時のエンジンはバルブ駆動にローラーロッカーアームを介する方式をとることが多いのですが、VR38DETTのはいまだに直打式で、可変バルブタイミングも吸気側だけで、しかも直噴でなくポート噴射のみ。
直噴はチョイ乗りばかりしていると、煤が溜まりやすい?などのデメリットもあるので、必ずしも良いとは思わないけれども、“技術の日産”なら少なくともフラッグシップモデルにはアッと驚く先進技術を投入して欲しいです。
35GT-Rが800万円をきる価格でポルシェ911ターボにも負けない性能で発売されたとき、驚くとともに日本人として誇りに思えましたが、年次改良で良くなっているとはいえ、メカニズム的には大きく変わっていないのに価格はドンドン高くなっているのには残念です。
しかしながら、三菱のようにランエボ・パジェロ・アイといった先進のブランドイメージをつくっていたモデルを切り捨てることなく、造り続けている点では拍手👏を送りたいです。


関連情報ホームページ:
国産最強エンジン日産GT-R搭載VR38DETT分解REPORT
GT-Rのための専用エンジン──VR38DETT
クリーンルームで組み立てられる珠玉のユニット[VR38DETT]
日産GT-RエンジンVR38DETT開発秘話




日本を代表するハイ パフォーマンス エンジンのスペックを比較してみました。

GT-R NISMONSXLEXUS LFA
エンジン型式VR38DETTJNC1LR-GUE
エンジン種類60°V型6気筒 DOHC +ターボ75°V型6気筒 DOHC +ターボ72°V型10気筒 DOHC
バルブ駆動方式直打式ロッカーアームロッカーアーム
VVT / VVLIn / ✖In-Ex / ✖In-Ex / ✖
総排気量(㏄)3,7993,4924,805
内径×行程(㎜)95.5×88.491.0×89.588.0×79.0
圧縮比9.0 : 110.0 : 112.0: 1
燃料噴射方式ポート噴射筒内直接噴射+ポート噴射ポート噴射
最高出力(kW[PS]/rpm)441[600PS]/6,800rpm373[507PS]/6,500-7,500rpm412 [560PS] /8,700rpm
最大トルク(N・m[㎏・m]/rpm)652[66.5]/3,600-5,600rpm550[56.1]/2,000-6,000rpm480 [48.9] /7,000rpm
シリンダーブロックアルミ合金製
クローズドデッキ
プラズマ溶射シリンダー
アルミ合金製
クローズドデッキ
プラズマ溶射シリンダー
アルミ合金製
クローズドデッキ
 
ボアピッチ108㎜102㎜?㎜
潤滑方式セミ ドライサンプドライサンプドライサンプ



現行NSXの3.5ℓV6ツインターボエンジンは、オハイオ州アンナ工場の専用ステーションで、選抜されたメンバーの手によって1基あたり6時間以上がかけられて組み立てられているそうです。

◇ 2020 Acura (Honda) NSX Engine - DEVELOPMENT PRODUCTION (DOCUMENTARY)


◾動画3:20秒や5;19秒辺りでシリンダーブロックがクローズドデッキ構造であることが確認できます。
◾動画3:20秒辺りでドライサンプのためのオイルポンプユニット(フィードポンプ+スカベンジングポンプ)と、その上部に大きな熱交換器(水冷オイルクーラー)が二つあるのが確認できます。
冷却水は燃焼室、エキゾーストポート上部、下部と3つに分けることで理想的な冷却性能を追求しているそうです。スープラに搭載されているBMWのB型エンジンもエンジンの部位、状況に応じて適切な温度管理を行なっているそうですが、現代のエンジンはただ冷やせばいいと言うような単純なものではないようですね。
◾動画6:16秒辺りにも熱交換器取り付け作業が確認できます。
◾動画3:38秒辺りではクランクシャフトの軸受けはラダーフレーム構造(ラダービームロアケース)であることが分かります。
◾冒頭のサムネイル画像や動画6:36秒辺りでタイミングチェーン取り付け作業が確認できます。タイミングチェーンはS2000のサイレントチェーンとは違い、ローラーチェーンのようですね。
そしてワタクシが注目したのはカムシャフトの色が真っ黒になっていることです。これはDLC(Diamond-Like-Carbon)コーティングされている証拠です。(モーターファン別冊 ニューモデル速報 「新型NSXのすべて」にはDLCコーティングはしていないと記載されていましたが、年次改良されたのかな?)

新型NSX JNC型エンジン
最近のエンジンの多く(ホンダの軽自動車からフェラーリのエンジンまで)は、フリクションロスを低減したり、バルブリフトのハイリフト化やシリンダーヘッドの小型化するために、バルブ駆動方式が直打式でなく、ローラーロッカーアーム式になっていますが、NSXやLEXUS LFA,991.Ⅱ型911 GT3はローラーロッカーではなく、(フローティングタイプではない)スリッパー式のフィンガーフォロワー(ロッカーアーム)になっていて、フリクションロスを低減するためにロッカーアームやカムシャフトをDLCコーティングしています。(991.Ⅰ型GT3は写真を見るかぎりフィンガーフォロワーにはDLCコーティングされているようですが、カムシャフトにはされていない?みたい。Ⅱ型もそうなのかな?)
ローラーロッカーを使わない理由はアームの剛性と動弁系の慣性質量を極限まで減らしたいからのようです。よって、四輪用量産エンジンでこの方式を採用しているのは、ワタクシが知る限り、世界的にみても この3車だけで、F1やWECなどのレーシングエンジンで採用されている技術です。
ドライサンプもレースをするのでなければ、必要ない技術ですよね。

関連情報ホームページ:
NSX専用エンジンは高回転・高出力型のV6ツインターボ[JNC]
NSX 「Hondaエンジンのトップ・オブ・トップ」





1LR-GUE
LFAの「1LR-GUE」型エンジンもヤマハ発動機の工場で、“ひとり完結方式によるエンジンの組み立て”でした。

関連情報ホームページ:
レクサスLFAスーパースポーツエンジン 1LR-GUE こだわり生産
レクサスLFAのV10エンジンはいかにして生み出されたか
驚異の9000回転。レクサスLFAのV10エンジンの設計とは。



実は、個人的に「好きなエンジン・ベスト3を挙げよ」と言われたら、1番🥇に来るのが、LFAの1LR-GUE型で、2番🥈がNSXのJNC型、3番🥉がポルシェ 911(991.Ⅱ型) GT3のPGG型?なのです。(どれも乗ったことないですが。😅)


◾LFAはとにかく音🎶がイイ❗。ポルシェ カレラGTのV10サウンド🎵もイイですが、メカ🔧的にもエンジンはLFAの方が好み💘です。
◾NSXは設計が新しいこともあり、過給機付き直噴+ポート噴射エンジンで今風。😄
でもこれはエンジンの話で、前輪を駆動するモーターなんて要らないから、もっと車重が軽くて、F1も採用するプレチャンバー(副燃焼室)燃焼技術を投入したハイ・チューンのTYEP Rを出して欲しいな。
◾911 GT3は6気筒4.0ℓNAで500馬力は凄い!。9千回転まで回ること自体はS2000(AP1)もそうだったし、LFAのレブリミットは9,500回転らしいので驚かないけど、それでいて、今の厳しい環境性能基準をクリアーしているのですから。

この3車に共通しているのは、バルブ駆動方式と潤滑方式で、まさにレーシングエンジン。
どちらもニュル24時間耐久レースに出るとか高速サーキットを走るのでなければ、全く必要のない技術です。ワタクシのような貧乏で未熟者には、「猫に小判」「豚に真珠」「馬の耳に念仏」、楽器が全く弾けないのに“ストラディバリウス”🎻を所有するようなものです。😅

でも、そんな贅沢をするような身分になってみたい❗と、じっと部屋にこもって妄想するワタクシなのでありました。😄

Posted at 2020/05/03 17:29:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | Others | ニュース

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