近い先日の、週末のこと。
すぐご近所の、少し年上のライダーの旦那さんが、早朝にひとりツーリングに出かけられ、そのまま帰らぬ人となられました。
いつもなら、お休みの日の朝などにはいつもの45度Vツインのエンジン音が聞こえ、「あぁ今日は天気良さそうだし、どこか走りに行かれるのかなぁ。お気をつけて〜」と、家の中からお見送りをしていました。長年されていたお仕事も終え、もう年金生活じゃけえのう、派手には暮らせんわい。などと言いながら、濃いカブヌシになられたり、気がつけば大小数台のバイクに囲まれて、楽しそうに過ごされていました。
が、事故当日。その日は夜も明ける前だったからなのか、ご家族の方も誰も気付かないほど、静かに大通りまで出られたようです。そして、まだ陽も昇らない時間に、東へ向かう高速道路のトンネル出口付近で大型トラックに右横から当てられ、帰らぬ人となられたようです。数時間の通行止め、いろいろと憶測も飛ぶ中、どうにもできない時間が過ぎていきました。
この方について多くはここには書けませんが、本当に町内の多くの方、老若男女にも慕われ、地域の清掃やイベント、子供たちの登下校見守り、そして地域のお祭りの神輿や屋台でも「子供らの嬉しそうな楽しそうな顔をみると、ワシも嬉しいんじゃ。そんだけじゃ」と、率先して動かれていた。そんな姿が、未だ眼に映ります。
このご時世、かつ、急なお別れとなられたこともあり、家族葬での弔いとされましたが、皆、居ても立っても居られず、せめてもの感謝の気持ちを!と、出棺を道端でお見送りする人の列は、町内を出られるまで、搬送車の通り道を囲うようにただ自然と続いていました。慎んでご冥福をお祈りいたします。
そんなこんなでここ最近、家族や自分自身の気持ちの落ち込みもあり、バイクでの遠出は避けていました。
しかし、このままではどうにも気持ちの区切りがつかず、同じ想いであった同世代バイク乗りのこれまたご近所の旦那さんとたまたま休みが合ったこともあり、事故の現場へ弔問してまいりました。
家からは、100kmに満たない距離ですが、高速道路は通らず、したみちから側道へ。
着きました。
あのトンネル、ですね…。
当たり前ですが、現場の跡はすっかり片付いており何もわかりません。
今日も多くのクルマやバイクが、何事も無かったように通過していきます。
時にはかなりの速度に見える車両も。。
自身の過去も振り返り、よくよく反省すると共に、よく今まで無事に過ごせているものだと、あらためて思います。
少し離れた、交通の妨げにならない場所に、お花を添えさせていただき、現地を後にしました。
あらためて、
「絶対にバイクでは死なない。家族には当然、バイク好きなバイク乗りの仲間にも、色々と辛い想いをさせないためにも。」
と、二度目の誓いを立てながら。
………。そう、今回あらためて思い、想うのです。
綺麗ごとのように読めるかも知れませんが、自分に言い聞かせる意味でも、あえて続けます。お目汚しになってしまったら、すみません。
振り返って一度目の誓い。
自動二輪免許を取るために、教習所へ申し込みをした日の夜のことも、あらためて思い返しました。
その日、はやくバイク免許を取りたくて仕方なかった私は、初のバイト初任給(家業以外の)を握りしめて意気揚々と教習所に向かいました。
入校の申し込みを終え、嬉々として帰宅した私に、母からの「あんた、Aくんが、バイク事故で亡くなったそうよ」という悲しい知らせが容赦なく。
「え?この前、そこの店の前でばったり会って、今度免許取ったら一緒に走ろうぜ。じゃあまた連絡するからな!って言ったんだよ?! お母ちゃん、ホントかよ、それ。」
しかし若い私はその時はどこでどうしてよいかもわからず、ましてや家まで押しかけられる状態でもなく、ただ呆然としてしまいました。
そして入校初日に最初に教官から「先日、悲しい事故があった」というひと言目から教習が始まり、小学時代からの友達ですと伝えると「そうか、、、しっかり安全運転を学び、しっかり乗りこなせるように練習しろ。」とだけ言われ、教習は始まりました。そして、無事に中型限定二輪免許を取得。
それからしばらく後になって、彼のお墓の場所をうかがう事が出来たため、手を合わせにお参りに行かせていただきました。
その時の墓前での、私の勝手な誓い。
「おーい。俺も無事バイク免許取ったよ。一緒に走ろうなっていう約束、果たせないかもだけど、お前の分まで俺、できる限りバイク乗って走り続けるからさ。…あと、絶対、バイクでは死なないから!じゃないと、今回教えてくれたお前の命懸けた教訓に、申し訳も立たないからさ。なんか、自分勝手でごめんな、じゃあ、またな!」
誰も居ない墓所で、ひとり静かにしばらくの間、ただ彼の冥福を祈っていました。
蝉の声だけが、賑やかでした。
この先もたぶん、選択肢としてバイクに乗るのか?乗らないのか?と問われれば、今は乗り続けるという選択をするでしょう。家族の気持ちも、友人たちの気持ちも全てわかった上で、それでも自分の人生の選択ですので。
ただ、その、私を想ってくれる人たちのためにも、やはりこれからも「絶対に、バイクでは、死なないから。」の誓いと約束を守っていきたいと思います。
もし、何かあれば、大好きなカミさまに、「この、大嘘つき!!!」呼ばわりされますので、それだけは避けたい。そう思っています。
自分のたぶん生涯で一番好きな趣味を、カミさまの生涯で一番嫌いなものにして欲しくない。
なんか、普段の行動も棚に上げ、なんだかいかにも偉そげに言ってますが、本当にそう思っています。
皆さま、本日も、これからも、引き続き「ご安全に!!!」
追伸
カミさまたちがソロツーリングだと心配するので、お互いを言い訳のネタに許しをもらって走る日が、ここしばらくは続きそうです。
Posted at 2022/11/13 02:22:54 | |
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