EV、次の主役への3つの壁

2020年5月15日

電気自動車

コロナ渦の中で安全な移動手段として注目されている自動車。その中でもメリットが多いといわれているのがEV(電気自動車)です。しかし、世界の自動車保有台数は約13億台と言われている中で、世界でもっとも売れている電気自動車の日産リーフでも、2019年3月現在でグローバルでの累計販売台数が40万台というのが現状でまだまだ少数派なのが現実。そこで今回はEVが次世代の主役になるまでに越えなければいけない壁を3つにまとめました。

Point① もしもの時の充電設備

1つ目の壁は充電設備(インフラ)の充実です。

電気自動車の利用で不安要素の多くは、航続距離にあると言われています。
しかし、実際の自家用のクルマの使われ方を見ると、さほど長距離を移動しているわけではなく、毎日が短い距離を移動しているパターンが多く見られます。

たとえば通勤に使われているクルマで、往復の移動が可能なバッテリー容量ならば、自宅か職場のどちらかに充電器があればほとんどの場合は事足りてしまいます。

ただ、日本では年末年始とお盆の帰省時にクルマを使いたい。
長距離移動のためにクルマを使うという人も多いので、そこをどうクリアできるか?が大きな課題となるでしょう。

また、もしものときのために……という人も多いのが現状です。ミニバンに乗っている人のなかには、大は小を兼ねるという理由で必要以上に乗車定員の多いクルマに乗っている人もいます。

そうした風潮のある日本で、充電設備が少ない、航続距離が短い、充電に時間のかかる電気自動車はどうしても敬遠されがちです。

日産 リーフ使用者の生の声は?(みんカラ内)

Point② 技術の進化

電気自動車

2つ目の壁は電池技術の進化です。

電気自動車が満充電で走れる距離が、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車と同等の距離となり、なおかつエンプティの状態から満充電までの時間が給油時間と同じレベルになれば、何の問題もないでしょう。

そのためのキーとなるのが、全個体リチウムイオン電池と言われるものです。

現在のリチウムイオン電池は液体を使っているのですが、全個体リチウムイオン電池にすることで充放電の時間を大きく短縮できると言われています。

Point③ 最適な「移動手段」を選ぶ意識

3つ目の壁は「移動」に対する人々の意識です。

全個体リチウムイオン電池が登場しても給油時間と同じレベルで充電をするのはなかなか難しいことでしょう。

そこで大切になってくるのが、人々の意識改革です。 今までの長距離もクルマで移動するのが当たり前という考えも捨てる必要があるかもしれません。

つまり、最適な「移動手段」を自分で選択することが必要なのではないでしょうか。

長距離は電車などの公共交通機関で移動、その先でレンタカーやカーシェアを使って移動というのもひとつの選択肢というかパターンになっていくかもしれません。また、フェリーや電車で電気自動車を運びながらの充電というのも増えていくことでしょう。

今まで当たり前だったことではなく、新しいことを受け入れる。


我慢するのではなく、新しいライフスタイルとして受け入れるという意識の変革がもっとも大切ではないのでしょうか


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諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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