KFエンジンのオイル漏れ修理 と タイミングチェーン交換 その⑫ 作業編 5
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自宅の屋根のない青空駐車場での重整備という最悪条件から車上整備とした関係で、タイミングチェーンカバーの装着時は、素早くしかも間違えなくやり遂げなければならないので、しっかりと事前準備をいたします。
こちらの表は我が車の年式に適合した、タイミングチェーンカバーを固定するためのボルト・ナット類を図示したものです。図自体は修理書から抜き取り超拡大コピーして作成したものです。
ウォータポンプを留める4個のボルト部分も含めて、全部で16箇所ものボルト・ナット類を、トルク管理もしながら15分以内に締結していきます。
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先の図表の1番目と2番目に締めるボルト(91552-E1045)は、シールボルトのため再利用できません。必ずあらかじめ新品ボルトを取り寄せておきます。
また年式によっては使用するボルト類が変更になっておりますので、自車に適合する品番を、チェーンカバーを開ける前に必ず確認し用意しておきます。これを失念しますとここで作業がストップします。
私の場合は車上整備ということで条件が相当に悪いので、間違いなく素早く作業できるように、細長い箱に締める順番に並べた新品のボルト・ナット類を用意しておきました。
また使用するすべての工具は一人での作業のため、全て手の届くところに置いておきました。
それからエンジンの装着面と、タイミングチェーンカバーの液体ガスケット塗布面は、ガスケットの残骸を完全に取り除いてから、しっかりと脱脂しておきます。
これを失念しますと再びオイル漏れおこし修理した意味が無いので、特に念入りにしておきます。
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今回は修理書の指示とは違う、速乾性で耐熱・耐油・耐LLCを兼ねたスリーボンド1207F1本で全ての作業をしました。
本来なら修理書に書かれてあるように耐油部分にはスリーボンド1280Eを、ウォータポンプ周りの耐LLCの部分にはスリーボンドの1282Bを使用することになっています。
今回はかなり横着して、すぐに次の作業に移れる1207Fを使いましたが、長期的な耐久性は不明です。
まあ我が車はここにきて、どうやら30万kmを目途にピストン交換をせざろうえなくなったので、また再びこの作業をすることになり、使用した液体ガスケットの長期耐久性などは関係なくなりましたが。
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4月の初めのまだ寒い時期にこの作業をしたので、塗る直前までコタツの中で暖めたものの、粘度が硬くて塗布はかなりやりにくかったです。
いまアップしているこの8月なら、ちょうどいい柔らかさになっていて、ちょうどいい具合の粘度になっており塗るのも楽ですが。
そしてここで絶対に忘れてはならぬのが、カバー内部の中央の上部分にあるボルト通し穴に液ガスを塗るのを忘れないこと、またオイルポンプ排出口の小さなOリングの装着を絶対に忘れないようにすることと、装着時に落下もさせないように注意しなければなりません (赤矢印)。
液体ガスケットの塗り忘れはオイル漏れを誘発しますし、Oリングの未装着は油圧警告灯が点灯しぱなっしになります。つまりエンジンオイルがエンジン内部に十分に届かず、ここで漏れてしまいエンジンが焼き付きます。
またこのOリングは再利用できません。必ず新品部品を用意し装着してください。
ちなみに我が車では29万kmもの走行でこのOリング、劣化でパリパリになっていましてひび割れていました。ここで分解整備しておいて良かったです。
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次に液体ガスケットを塗り終わると、素早くエンジンにチェーンカバーを装着しますが、車上整備のためオイルストレーナーが邪魔して挿入に悪戦苦闘したが、なんとか3分以内に装着完了。
オイルストレーナーなど整備性を考慮し、なんで後付けできるようにしないのか、このエンジンの設計した連中たちは、つくづく学歴だけを有する学校頭しかない連中というのか、バカというのか本当にアホなんだと思いますね。
そしてなんとか3分ほどでチェーンカバーをエンジンに装着後、私の場合はいきなりトルクレンチで締めるのではなく、
手とナットドライバーで、素早く基本となるシールボルトを使う1番目と2番目のボルトを装着して深く仮締結し、チェーンカバーが不用意に動かないようにしてから、ウォータポンプのガスケットを挿入してからウオータポンプを装着後に4本のボルトを手で仮挿入。
手であと残りの10本のボルト・ナット類をすばやく仮装着してから、ナットドライバーで指定の順番に仮締め。最後にトルクレンチで、これまた素早く指定の順番で16本のボルト・ナット類を本締めしたと記憶しています。
ただこの作業をしてからすでに4ヶ月以上経過しもう正確には覚えてないのですが、修理書は先にウォータポンプを仮止めせよと指示してますが、私は先にメインのシールボルト2本を深く仮止めしてから、ウォータポンプのボルト4本を仮止めしたように思います。
ただどちらにしても、このやり方が正しいのかどうかは保証できませんが、なんとか無事にやり遂げ、4か月以上経過した今のところ不具合はないようです。
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こちらは後日に、Oリングの劣化によりオイル漏れを起こしていた、ターボ車専用のメクラ棒 (NA車ならDVVTの油圧ソレノイドが装着される部分) を交換した際に撮影したもので、
後日の撮影なのですでにウォータポンプのプーリーとか装着されていますが、ピカピカのタイミングチェーンカバーとボルト類が装着されているのを撮影したものですが、ここではボルトがナットドライバーで深く仮止めされたとして見てください。
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本締めにはこれ、東日のモータースポーツ用の小型トルクレンチを使って、厳密にトルク管理して修理書の指示の通り、規定トルクで締め付け完了。
一人で素早く作業しなければならないため締結途中の写真撮影は無しです。でもタイミングチェーンカバーに液体ガスケットを塗った写真のみは、エンジンに装着前になんとか素早く撮影しておきました。
小トルク用のトルクレンチ、中華製とかの信頼性の無い物をここで使うと、設定トルク値が意外とデタラメなためねじ山を傷めてしまう確率が高く、最悪高価なシリンダー交換となることから、このような作業をするには、絶対東日などの信頼性の高い物を使ってくださいね。
個人でDIYで使う限り一度買えば、私の年齢ならもう一生もんに近いです。
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タイミングチェーンカバーを装着し作業が終了しました。
その後まず取り外していた右マウントを装着してエンジンと車体とを固定し、エンジン落下を防止してから、すでに当整備手帳でご紹介していますが、これまた液体ガスケットをオイルパンに塗ってから、こちらも素早く装着し締結。
それからタイミングチェーンカバーとエンジン本体の境目2ヶ所にも、必ずスリーボンド1207Fを塗ってから、ヘッドカバーを装着。
あとはターボウォータパイプを新品ガスケットとともに装着。エアークリーナー関係と点火コイルや配線類を組み立て、エンジンオイルをすでに満たした新品のオイルフィルターを装着して整備作業はやっと完了。
この項、非常に長くなったので2分割に。
次へつづく
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