2013年04月14日
雪道 (22)
「雪道」 (22) Copyright (C) 2013 AuO2
国道180号線との分岐に来たわけだが、そのまま181号線を走り続けた。
最初の峠の入口まで来た。電光掲示板もあり、タイヤチェーンが必要である旨の表示がされていた。道路の脇に停まってタイヤチェーンを付けているトラック運転手の姿もあった。すでに装着済みの車もあり、ガリガリと音を鳴らしながら走っていた。
道路は真っ白である。見事に雪の積もった道路である。こんな調子で峠道になるのかと考えるだけでもぞっとする。しかし、この車用のタイヤチェーンを持っていない私はそのまま峠に突入した。
ヘッドライトに照らされる道路は真っ白である。山も白くなっている。時々道路の傍にある竹は雪の重みで車に接触するくらいの高さまで曲がっていた。
峠の道路は当たり前の事ながら、曲がりくねっていた。右にカーブ、左にカーブとひたすら変化する。運転していても落ち着く事が出来なかった。
まだ、峠の上りである。高い場所に近付くほど雪の降り方もきつくなっているように思えた。雪がものすごい吹き降りだったのだ。また、峠の道は平地の道の時より、ガタガタが少なく、比較的走りやすい部分もあった。それだけはほんの少しの救いだった。
実は、実際に走っていた当時、見て読む事の出来た標識と簡単に地図を見ただけの判断で道路を走っていた。普通の時なら、標識もハッキリと見えただろうし、地図を確認する事も比較的容易だっただろう。あいにくカーナビゲーションを持っていないので、地図に頼るしかなかったのだ。
標識は見たくても、雪が表面に張り付いていて、何を書いてあるかわからないものも多かったのだ。
雪のない状況であれば、少し広めにある道路の脇にでも車を停めて、地図を確認する事もしただろう。しかし、道路の端は雪が積もっていて、寄る事自体が出来なかった。明らかに停められるだけの余裕がありそうなところはすでにトラックが停まっていて、運転手が休んでいたり、タイヤチェーンを装着する作業をしていたりということが多かった。そのために私がすんなり車を停める事がやりにくかったのだ。
また、下手な場所に車を寄せて、溝にでも落ちるとやっかいな事になるので、迂闊に出来なかったというのも理由の一つである。
そんな状況下でゆっくり走っていたため、どのくらいの距離を進んだのかという感覚がいつもと違い、判断出来なくなっていた。
もし道を間違っていると、元に戻るのもかなり苦労するだろう。通行量が多い上に雪で道路が狭く、脇に寄る場所もほとんどない。道路の分岐・交差点も少なかった。かなりのところまで行かないと、分岐がないような場所だった。
雪がなければ、時々建っている民家の脇の道路などに入る事も出来たかもしれない。しかし、見かけた範囲ではおよそ車が走った形跡はなく、雪は積もり放題で、道路かどうかすら判りにくいような状態だったのだ。
そんな道路に入って行けようか。
結局、停まる事が出来ず、私は車で走り続けたのだ。
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Posted at
2013/04/14 21:26:24
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