全日本orz協会　その０４

orzかのうくん（仮名）は鬼軍曹の働いているお店でバイトしています
鬼軍曹のトコはタイヤメーカー直系店なのですが
エンジンチューニングパーツとか他のパーツの売上が
タイヤよりも良いというヘンなお店です
スピードショップ・タイヤ○ンと呼ばれています

車検もなんとか通り　バイト上がりのorzかのうくん（仮名）
鬼軍曹にこう言います
「アイドルがバラつくンですよ～見てほしいんですが～」
２１時のコトです
鬼軍曹も”鬼”とは呼ばれていますが　面倒見がとっても良い
ひとから凄く頼りにされている　そんな頼もしい軍曹なのです

「おう　見せなヨ」
この時　鬼軍曹はカレの頼みにカルく応えてしまいました
確かにバラついている　というか
時々１気筒がお休みしている．．　上手くハジけていない
そんなエンジンの挙動が見ただけでワカったそうです

「ナニが原因だと思う」軍曹の問いに
「圧縮ですか？」とカレ
ぱっと見でも点火系の問題でしょう　と軍曹は思ったのですが
ここはカレの好きにさせてみましょう
「ふ　ふ～ん」と冷めた目で頬をヒクヒクさせながら
「じゃあ　圧縮チェックしてみなヨ」と圧縮測定をさせます

なんだか　４発の圧縮が信じられないくらいにバラバラ
（カレのＨＰを参照願います）
それはエンジンがブルブルするでしょうっていう位の
逆にオトコらしさを感じさせてくれるようなバラつきっぷりの値でした

ウォーターポンプが壊れて水が駄々漏れしていたエンジンですから
オーバーヒート→シリンダー油膜切れ→ピストンリングがシリンダー齧る
→シリンダー異常磨耗→圧縮漏れ
そんなストーリーだったのでしょう

お財布が厳しかったので腰下ばらさず　消耗部品交換もしなかったそうです
エンジンをバラす前にコンプレッションは測っておけば良かったのにネ

で　鬼軍曹はあるコト見つけてしまいました
「コレ見てみな　変じゃないか」
カレの目の前に付いていたプラグを差し出します
「？？　あ！」　そうなんです　確かに変です
ロドスタは４気筒なのでプラグも４本ついています
そしてプラグ頭　ハイテンションコードが刺さる部分には
ひょうたん型のキャップがネジ込まれているのが普通の状態なのです
分かりやすく例えると　プールの冷水に浸かった時のちんちん
日常で馴染み深いアレとそっくりな形をしています
（フランソワは乙女なのでまだゲンブツを見たコトないですけど．．）
そのキャップが４本のうちの１本に付いていません
キャップ付ける為のネジが剥き出し状態になっていました
コレでは力強いスパークなど生まれようがありません

「あ　あれ？　キャップが無い！」焦るカレ
「エンジンの中に落ちた！？」来ました！！
来ましたよ　かのう理論　信じられないコト言います
開いた口が塞がらなくなる鬼軍曹　しばし言葉を失いますが．．
カレの理論によればプラグが締まっていてもそのちんちんキャップが
シリンダーの中へと落ちることがあるようです
時空空間がぐいっと捻じ曲がって入ってしまうそうなんです

「ま　まあ」気を取り直す鬼軍曹
「万が一そういうことがあってもエンジン中に入れば
クランキングした時　エンジンロックするだろ？」

なんだかモゴモゴ　言いたそうな言葉を飲み込んだカレ
親切な鬼軍曹は自分の持っていたプラグをカレにあげました
これでエンジンはそれなりにアイドルで振れなくなったようです

「で　次なんですが」屈託のない笑顔で鬼軍曹に頼むカレ
全く懲りていません　超ピュア　天真爛漫です
「ヘンな音するんです～　見て下さい」

「あ　ああ」厄介なことになったと思った鬼軍曹ですが
ひとが良いのでリフトアップしてあげます
確かにヘンな音が出ています　簡単に分かりました
「ドコからだと思う？」とカレに問うと
「クランク？」とＫＯパンチ級の答えが返ってきました
「ク．．　クランク．．ね（トホホ）」肩を落とす鬼軍曹
音の原因はエキマニからの排気漏れ
「ちょっとココ来て聞いてみな」とカレをクルマの下に呼び　音を聞かせます
「やっぱりエンジンから　クランクからですよ～」そう答えるカレ
いつものコトなので分かってはいた筈です
でもやっぱり肩をがっくり落としてしまう鬼軍曹です　悲哀ってヤツですね

「で　その次なんですが～」
カレには”遠慮”という人生においてとても重要な言葉を知らないようです
「あ．．まだあるんだ．．．」鬼軍曹の返事も虚ろな生返事です
”殺意”とでもいうべきモノが芽生えてくる時ってこうなのでしょうね

「後ろのほうでガタガタ鳴るんです～」
下周りをチェックしてゆく鬼軍曹　本当にひとがいいのです
見つけました　原因を　簡単なコトでした
ロドスタのマフラーのタイコは三箇所で吊られています
三箇所からゴムを引っ掛ける為のフックが出ていますから
普通なら三箇所で吊られて　あんまりガタガタ動かないようになっています
でも　でも　でも．．．
カレのクルマのマフラーは一箇所しか留まっていませんでした
ゴムだけは三箇所しっかり付いていましたがフックには引っ掛けてなかったんですね

「ああ　コレだろ」カレの目の前でマフラーを
思いっきり力いっぱいに揺らしてみせる鬼軍曹
ガタガタと盛大な音をマフラーは無常にも奏でるのでした
この時はもう２３時過ぎです
「あれ～　ちゃんと見たんですけどね～　ウツだぁ～」
こんな有様みせられても変わらずにピュア＆ナチュラルなカレ
それがカレの味なのですが
鬼軍曹が仕事の時以上にヘンな重たい疲れを感じ
肩をがくっと落として帰宅したとしても
それはせんなきコトですね

鬼軍曹に乾杯♪　教育は任せます
そうそうカレは今　就職活動に悩んでいるようで
アレコレ動いているようですが
「陸上自衛隊」にはいればイイんじゃないかナって思いました
イロイロな意味でカレには得るものがあるハズですから