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2017年08月18日

【幕張小旅行・詳報-pt.4-】私が好きな「ベンツ」

「Classic Car.jp」さんのブースを後にして、次に訪れたのは、「M's Vantec」さんのブース。
「M's Vantec」さんというと、真っ先に思い浮かぶのは、ロスマンズカラーの962C(しかもナンバー付!!)。その962CがSpecial Cars誌に掲載されて、M's Vantecさんを知りました(後にモーターヘッド誌でもM's Vantecさんの名前が登場します)。

その「M's Vantec」さんのブースに、「ある車」が展示されるという情報を知ったのは、オートモビルカウンシルに行く2週程前。「その車」は、メルセデス・ベンツの車なのですが、自分が好きな「ベンツ」であった車です。その異様なスタイリングは当時中学生だった自分の中の「メルセデス・ベンツ像」を打ち壊すほどのインパクトがありました。それ以来、「その車」が好きなベンツになったことは言うまでもありません。

当日。
「その車」は、カウンタックや308 Gr.4とともに展示されていました。その見た目は、カウンタックや308 Gr.4と違って、「塊感」を感じさせるもので、なぜか安心感を感じてしまいました。
その車とは…

AMG Mercedes 190E 2.5-16 Evo2 DTM

【注】
戦歴の紹介等の都合上、長文となっております。ご了承願いますm(_ _)m

1990年シーズンのDTMに勝利するため、190Eをベースに、1990年シーズンのNürburgring(13-14戦)に投入されたマシンが、190E 2.5-16 Evo2(以下190E Evo2)。通常の190Eと比べて、大きく張り出したエアロが特徴です。
DTMないしはグループAのホモロゲーションを獲得するため(Evoモデルであれば500台以上の生産が必要)に、市販バージョンも502台生産されました(ボディーカラーは、専用のブルーブラックでしたが、2台程シルバーの個体があったという情報もあるとか…)。グループAのホモロゲーションを獲得するという背景もあって、市販バージョンでも、その派手なエアロはそのまま。市販バージョンも専用エンジン(コスワースチューン)や専用サスペンションが搭載されています。限定502台のうち、日本には50台が正規輸入されたと言われています。
因みに、Evo2もあるということは、Evo1もありまして、Evo1は1989年に登場しております。生産台数はEvo2と同じく502台と言われています(理由はEvo2の時と同じ)。また、ボディーカラーはブルーブラックのみとのこと。限定502台のうち、日本には僅か3台が正規輸入されたと言われています。
(参考:http://www.bingosports.co.jp/archive/detail_95.html)

1990年シーズンのNürburgring(13-14戦)に投入された190E Evo2ですが、熟成不足が祟り、1990年シーズンは1勝に終わりました(※1)。
1991年シーズンは6勝(※2)するも、ドライバーズタイトルはAudiのFrank Biela選手の手に渡りました。しかし、Mercedes-Benzはメイクスとチームタイトル(AMG)を獲得しました。
1992年シーズンは、オフシーズンでの改良が実り、24戦中16勝(※3)という圧倒的な強さを見せて、Klaus Ludwig選手がドライバーズタイトルを獲得。更にメイクスとチームタイトル(AMG)も獲得して、Mercedes-Benzが完全制覇しました。
AudiとBMWとOpelが撤退し、DTMの存続すら危ぶまれた中、AlfaRomeoが参戦を表明し、AlfaRomeo対Mercedes-Benzという構図となった1993年シーズン(※Opelも最終戦のHockenheimにCalibraを投入してDTMに復帰しました)。主力チームが190E Evo2をベースにClass1規定に合わせて改良した190E Class1を投入する中、一部チームが190E Evo2を継続投入しました。AlfaRomeoのClass1専用マシンである155V6TIがシーズンを席巻する中、190E Evo2は1勝を獲得しました(※4)。しかし、Mercedes-Benzは全タイトルを失うことになりました。
1994年シーズン。主力チームがC-Classにスイッチする中、一部チームが190E Class1を投入していました。そんな中、Armin Bernhard選手のみが190E Evo2で参戦していました。しかし、最新鋭のClass1マシンとの差は明らかで、190E Evo2は最下位に沈むことになりました。
そして、1994年シーズンを最後に、190EはDTMの舞台から去っていきました。

※1
Diepholzの第1レースにKurt Thiim選手が優勝
※2
Nürburgring(1回目)にてKlaus Ludwig選手が2レースとも制覇。
NorisringにてKurt Thiim選手がレース2を制覇。
Nürburgring(2回目)にてKlaus Ludwig選手が2レースとも制覇。
BrünnにてKlaus Ludwig選手がレース1を制覇。
※3
ZolderにてKurt Thiim選手が2レースとも制覇。
Nürburgring(1回目)にてRoland Asch選手がレース2を制覇。
WunstorfにてJörg van Ommen選手がレース1、Keke Rosberg選手がレース2を制覇。
AvusにてBernd Schneider選手がレース2を制覇。
HockenheimにてEllen Lohr選手がレース1、Roland Asch選手がレース2を制覇。
Nürburgring(2回目)にてKlaus Ludwig選手が2レースとも制覇。
DiepholzにてKlaus Ludwig選手が2レースとも制覇。
SingenにてBernd Schneider選手が2レースとも制覇。
Nürburgring(3回目)にてBernd Schneider選手がレース1、Klaus Ludwig選手がレース2を制覇。
因みに、HockenheimでのEllen Lohr選手の勝利は、DTMにおける女性ドライバー初勝利である。
※4
Nürburgring(1回目。GPコース)にてKlaus Ludwig選手がレース2を制覇。
(こちらの動画の16:40-19:35に詳しいです。)
他に190Eでの勝利はあるが、Evo2での勝利はこのNürburgringでの1勝のみとなる。
(この動画の16:40-19:35に詳しいです。)


(参考:https://www.dtm.com/en/dtm-historie)


自分が190E Evo2を初めて見たのは、写真か漫画でした(「SPEED UP」という漫画か「V8探偵Dick」だった気が…)。正直、どちらが先かは忘れましたが、その見た目が鮮烈に残りました。今まで「重厚で控えめ」という印象があった自分の中の「メルセデス・ベンツのイメージ」が崩れました。
更に、ゲーム「グランツーリスモ」に190E Evo2が収録されまして、ライセンスの先導走行の会でEvo2をプレイする機会がありました。その感想は「軽快」の一言。ここでも自分の中の「メルセデス・ベンツのイメージ」が崩れました。それ以降、登場背景も含めて、190E Evo2に惚れ込んでいきました。
(190E Evo2の他にE500も好きです。その時は「最善か、無か」の時代だったわけで…)


M's Vantecさんのブースに展示されていた190E Evo2は、1990年シーズンにKlaus Ludwig選手が駆ったマシンそのものとのこと。…つまり、現車は正真正銘のDTMマシン。しかも、自分が好きなベンツである190E Evo2であったため、目の前にして、感激しましたし、興奮もしました。
実際見てみますと、「思ったよりもスリム??」といった印象を受けました。実はEvo2のサイズは全長4540mm×全幅1720mm×全高1340mm(※市販バージョンでの値)。全長は現行ゴルフヴァリアント(4575mm)に近い値なのですが、実は全幅はSX4(1730mm)よりも細い程。全長:全幅の比率で考えると、細長く見えるのは不思議ではありません。
細かく見ていくと、Evo2専用のエアロパーツがいかにも「武骨」な感じを醸し出していて、「塊感」と相まって、迫力がありました。ホイールがオリジナルでない所(※5)が惜しまれますが、抜群の迫力です。
(きっと、音もいいだろうな…!!)


内装を覗いてみると、P-LAPが装着されていましたが(スタッフさん曰く「FSWでの実走テストのために装着したもの」とのこと。)、それ以外は正に「戦う人の仕事場」。市販車の面影を残しながらも、シンプルにまとまっていて、好感が持てました。
また、M's Vantecさんのスタッフさんと190E Evo2についてのお話が弾みまして、とても楽しいひと時を過ごせました。

例えば、実車を手に入れようとしても、市販バージョンはプレミアが付くか、「価格応談」の世界。仮に価格が付いたとしても1000万越えは確実。しかも、502台のうち、実在する個体は何台あるのか分かりません…。
そんな中、憧れの190E Evo2のDTM仕様を見ることができるのは滅多に無い機会。そんな機会に巡り合えて、とても嬉しかったです。
(190E Evo2、マジメにカッコよかったです…!!)

M's Vantecさん、ありがとうございましたm(_ _)m
…しかし、4500万円は手が出せません…;-ω-)"

※5
現車が装着していたホイールは、Speedline製。恐らく、155V6TIが装着しているのと似たようなタイプかと思われます。実際にAMGチームが装着していたホイールは、OZ Racing製(色はシルバー)です。


【余談…】
(後日、このブログのために、自分なりに190E Evo2について調査をしましたので、その結果も交えて…。)
M's Vantecさんのスタッフさん曰く「1990年のHockenheimの優勝車」とのことですが、その時の190Eは実はEvo1…。しかも、BSがDTMに参戦するのは、1991年シーズン以降のお話…(1990年シーズンはDLだったのです…)。
…ということは、1990シーズン中盤にEvo2にアップデートして、1991年シーズンにも参戦したものなのか?それとも…。…と考えていくうちに、現車の仕様が分からなくなってしまいました。
そんな中、「一体、このEvo2はどんな運命を辿ってここにやってきたのか??」…と興味が沸いてきたのですが、知る術は全くありません…。
(実は、ここまで詮索してしまってよかったのか、悩みました。あまり細かいことは気にしたくないのですが…。)

…以前の73カレラ(「謎のシャシーNo.」というお話)の時のように、モーターヘッド誌で取り上げてもらえないかな…、なんて思ってしまっている今日この頃でした。
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Posted at 2017/08/18 23:52:18

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この記事へのコメント

2017年8月19日 0:28
4500万💧💧190Eには破格のプライスですね。
お金持ちには買える空間なんですね、、
とんねるずの企画化もして欲しいな(^^♪
時計では無くレーシングカーを買う!! で笑。
ボルボ850に続き素晴らしい所ですね。
コメントへの返答
2017年8月20日 9:36
Evo2自体も今や何千万円の世界…。ましてや現車は本物のDTMマシン…。4500万円はチューニング内容を考慮すると「妥当」とも言えそうな気がします。
仮に、「テクニカルパスポート」(そのマシンの出走記録・車検記録、etc...が記録されている「カルテ」のようなもの)があったとしたら、更に値段が跳ね上がる可能性もありますし、その「テクニカルパスポート」があっての4500万円だとしたら、破格です。
換言すると、そのテクニカルパスポートがあったとしたら、現車の出自も明らかになってしまう、とも言えます…。
(参考:Racing on No.485「DTM/ITC+BTCC」p40)

もし、レーシングカーなんて買ってしまった日には、どこで走らせるのかが肝になってしまいます…。また、スペアパーツや管理費用、etc...の問題もあれば、走らせる人、ライセンス…も出てきてしまう…。
それ故、レーシングカーを持つという事は、相当の覚悟や財力が必要です。現にGT3レースに出場しているジェントルマンドライバーの方は凄いの一言に尽きます(チームを運営されている方も同じです)。
更に、クラシックF1やLMPマシンを所有して、実際にヒストリックカーレースに出場されている方は本当に凄い、とこのコメントを書いていて思いました。

このイベントは様々な年代、様々な種類の車が集まりますし、国産メーカーも力を入れていますので、見どころが多く、楽しめました。

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「…グレイ、戻ってきました。
半年ぶりの黒屋根、バージョンアップして復活しました。

真面目に想像を軽く越えてきた…
次何かゴニョゴニョする時も、(遠いけど)今回の塗装屋さんにお任せしよう!
【尚、塗装関係の弄りは未定。】」
何シテル?   06/21 13:17
カックラ@銀結晶と申しますm(_ _)m 「アオ」こと青いZC72Sスイフトに乗っていました(元家の車→元マイカー。現在は父の相棒。)。 現在は「グレイ...
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