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2014年01月18日 イイね!

メーカーに聞いた,ハイグリップラジアルタイヤの真実 BSとGY編

前回のブログ Sタイヤ開発者に聞いた,ハイグリップラジアルタイヤの真実が想像に反してご好評をいただいているようなので,残りのブリヂストンとグッドイヤーもちゃちゃっと書きます.

真実,というタイトルの割には大した内容でない事を予め断っておきます.(爆)

東京オートサロン2014で仕入れた,ハイグリップタイヤのメーカー側のお話です.


ヨコハマ,トーヨー,ダンロップと回って,次は日本グッドイヤーです.



ブースが大変お忙しそうだったのにもかかわらず,商品企画の開発担当の方とお話しさせて頂きました.


Q スポーツラジアルタイヤは新しくなる度に耐えられるGというのは上がっているのでしょうか?
A ・・・本当は全部教えてあげたいんだけどね(笑)

(笑)
すいません,この一言が強烈すぎてその後の答えを忘れてしまいました(笑)

Q タイヤの慣らし運転は必要でしょうか?
A タイヤにはガラス転移温度(Tg)ってのがあって,その温度より低いとタイヤが壊れてしまうんですよね.


※ガラス転移温度(Tg)とは,簡単に言うと氷が水になる融点と似たような概念です.(正確な情報はWikiを見て下さい.)
水はマイナス何℃という環境では氷ですが,0℃の温度に達したところで溶けだして水に変化しますよね.
それと同じイメージで,ゴムは温度が低いと固いが,ある温度を超えるとやわらかくなる,という性質があり,その境界がTg,というイメージです.

Q というと,サーキットであるタイヤのブロックがはがれたりするのは,熱が入りきっていなく,その温度に達していないからと言う事ですか?
A そうです.あとタンデル(tan δ,多分グラフの傾きか何かでしょう)と***(忘れました)って概念があって,それをうまくやって行くのが難しいんですよね.

Q タイヤサイズが違う,例えば195と285等ではコンパウンドを変えているのでしょうか?
A いや,変えていません.大体市場でメジャーなサイズのタイヤを基準にタイヤを設計して,そこから大きさに合わせて構造を変えています.

Q なるほど!というと,それぞれのサイズで実走試験を行っているのですか?
A いや,実装試験は全部やっていません.

?!

A ただ,全部試験機にはかけています.

Q ローラー試験機のようなものですか?それで耐荷重や速度テストを行っていると?
A そうです.


実際の会話はもっとフランクな感じでしたが,技術的な内容は以上です.

まさか全てのタイヤを実車に取り付けた試験を行っていないとは思わなかったので,個人的にはかなり驚きました.
慣らしに関しては,ここでは「サーキットで本気走行するまでの慣らし」と捉えられたようですが,タイヤは暖めてから走らないとグリップしないだけでなくブロックが飛びやすい等の弊害もあるようなので,しっかり暖めてから全開アタックする事にします.



* * * * * * * * * *  




最後に,天下のブリヂストンです.



技術サービスの方にお話しを伺いました.

Q まず,RE-11A 2.0はイレブンAとどこが異なるのですか?
A 2.0は,レースを想定していますので,ロードノイズ,乗り心地などの快適性を犠牲にして,ラップタイム重視で作っています.

Q そのためにはコンパウンドを変えているのですか?それともワイヤーの構造などもかえているのでしょうか?
A そこまではお伝えする事ができません.

Q ちなみに,自分でタイヤの重さを比較した時にポテンザのタイヤはネオバやディレッツァよりも重かったのですが?
A 剛性を高めようとすると必然的に重くなります.速く走るためには,トレッドのグリップだけでなくタイヤ自体の剛性も重要なため,仮に軽いタイヤを作っても剛性が足りず遅い場合もあります.トータルで見た時に良いと判断すれば,重くなる場合もあります.

Q タイヤサイズによってコンパウンドは変えているのでしょうか?
A 一概には言えません.変えているものもあるかと思います.

Q 全てのタイヤサイズで実走行試験しているのでしょうか?
A 一概には言えません.

Q 先人の伝えで,タイヤは一度熱を入れて一旦冷やしてから,後日サーキットに持ち込んだ方がいいという話があるのですが?
A 1000人のお客様がいたら,1000通りの使い方がありますので,もしかしたらそうなる場合もあるかもしれません.ですが,開発の段階では,ニュータイヤに熱を入れて走らせた際に最適になるように作っていますので,お使いの環境によってはそれを上回る性能を発揮することもあるかも知れません.

Q 自動車に純正で装着されているタイヤと,同じ銘柄で販売されているタイヤは違うのですか?
A 違います.純正で装着されているタイヤは,名前こそ同じでも,メーカーからの要望を全て叶えた専用設計になっています.
(ここで,RE070?050?で例を出していただいたのですが,正確な銘柄を忘れてしまいました.)

A なので,仮に純正装着タイヤから変更された場合,性能が上がる面もあると思いますし,逆に性能が下がってしまう面もあると思います.



* * * * * * * * * *  


今までのシリーズをまとめると,次のようになります.

●タイヤがモデルチェンジしても,極端にグリップ性能が上がるわけではない.

●タイヤの皮むきは必要.新品のタイヤは表面に離形剤というものがかぶっているため,これがはがれるまで本来の性能は発揮できない.

●また,サーキットにおける皮むきも,レース用タイヤと違いシビアではない.

●サーキットで限界走行する際には,タイヤをしっかりあたためてやらないとブロックが飛ぶなどの弊害が起こる.

●タイヤのトレッド面のコンパウンドは基本的に均一であり,溝が減ることでグリップは低下しない. ユーザーが「*部山からグリップが落ちた」というのは,経年劣化によるグリップ低下と勘違いしているものと考えられる.
その証拠に,ワンメイクレースなどではドライ用にわざわざ溝を浅くしたタイヤを使う場合がある.

●メーカーによっては,同じ銘柄のタイヤでもサイズによってゴムのコンパウンドを変えている場合がある.
個人的な見解として,AD08RとRE-11Aが他のハイグリップタイヤと比べて値段が高いのは,そういった作りこみにあるのではないかと思う.

●全てのサイズのタイヤが,車両に取り付けられて試験されているわけではないらしい.タイヤの開発では,メジャーなサイズで主な開発を行い,他のサイズはそれを基準に改良され,試験装置の試験を受けて市販される.

●市販車に装着されているタイヤは,基本的にその車種専用設計となっている.つまり,れっきとした十走行試験が行われ,制動距離などの安全性も確実に確保されていると考えられる.

●以上は「基本的な」内容であって,ユーザーの使用の仕方によって,もっと性能が引き出される可能性はある.



アクセス数が多いようなので、追記します。


●タイヤのトレッド面のコンパウンドは基本的に均一であり,溝が減ることでグリップは低下しない. ユーザーが「*部山からグリップが落ちた」というのは,経年劣化によるグリップ低下と勘違いしているものと考えられる.

の判例としまして、自分自身の経験で

同じ銘柄のタイヤにおいて
・製造から2年経過した、残り溝1.8mm程度での耐えうる横G⇒0.7G程度
・製造から3年経過した、残り溝3mm程度での耐えうる横G⇒1.0G程度

という経験がありました。

この経験に対し、ある東洋ゴム工業の方から「ゴム自体の摩擦係数は一定でも、トレッド部の変形具合が変化し、CP等が落ちる事はある」
というご指摘を受けましたので、必ずしも「溝が減ってもグリップは落ちない」事はなさそうです。


また、タイヤの熱入れに関しては化学的根拠がまだ集められていないので、何が真実かよくわからない、というのが現状です。



最後までお付き合いいただきありがとうございました.

(自分は最近仕入れた205のZ1スタースペックを早く筑波で使ってみたいところです.(笑))

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