
【クリスマス】
それはイエス・キリストの降誕を祝うお祭りの日ずら。
花丸 「ん?」
花丸 「善子ちゃん?」
花丸 「どうしたずら?」
善子 「う~ん・・・」
善子 「イエスキリストの生誕祭の影響により」
善子 「魔界にも影響が出てるのか」
善子 「堕天使ヨハネとしては」
善子 「チカラがでないのよ・・・」
グサッ!
花丸 「これで元気出すずら!」
善子 「!」
善子 「ギラン!」
善子 「堕天使ヨハネ!」
善子 「ここに降臨!」
花丸 「それでは!」
花丸 「マルと♪」
善子 「ヨハネの!」
花丸・善子 「ミッドナイトミステリー☆」
(オープニングテーマ曲 ※PC閲覧推奨)
善子 「ふぅ~」
善子 「危ないところだったわ!」
花丸 「やっぱり善子ちゃんはこうでないとずら」
善子 「ヨハネだってば!」
花丸 「ところで、今日はクリスマスだけど」
花丸 「ヨハネちゃんは楽しんでるずら?」
善子 「楽しいわけないでしょ!」
善子 「堕天使としては何かと気に入らない日よ!」
花丸 「今日はクリスマスでも眠れない皆さまへ」
花丸 「クリスマスにまつわるミステリーが届いているずら」
花丸 「ミステリーネーム」
花丸 「macさんから」
善子 「もうついに本名で来てるじゃない!」
善子 「ネームネタがなくなったんじゃないの!?」
花丸 「もしかしたら仮名の仮名かもずら」
善子 「そもそも一般投稿募集してないでしょ!」
善子 「コホン」
善子 「さて、リトルデーモンの皆さん」
善子 「ここにあるひとつの夜話をご紹介します」
【クリスマスナイト】
これは~
去年のクリスマスの夜に起こった出来事です。
クリスマスといえば色とりどりの輝くネオンにクリスマスソングが鳴り響き、街や世間が楽しそうな雰囲気になっていることは肌でも感じることができます。
もうこの歳になってからは特別なクリスマスという一日をしばらく過ごすこともありませんでしたが、とくに去年は母が亡くなったことで街の雰囲気とは違った1日を過ごすことになりました。
この日は特別な日でも特別な料理を食べるわけでもなく僕はひとりいつも通りの外食で済ませようといたしました。
とはいえこの日はどこもたくさんの人です。
近所には雰囲気だけで大しておいしくもなく値段だけはそこそこの中華料理店があるのですが、平日はいつも空席が目立つこともあってここなら他のお客さんも少ないだろうと見込み、そこで夕飯を取ることを決めた。
しかし、やはりこの時期のためか思っていた以上にお客さんは多く、並ぶことはなかったものの平日に比べると驚くほどの客数でした。
なんとか席には座ることができたのでいつもの定食を注文する。
料理が来るまで店内を見渡すと、仕事納めなのだろうか団体のサラリーマン風のお客さんやら恋人同士、家族連れに老夫婦と様々だ。
そこで、ちょうど僕の席から正面に位置するところに家族連れがいたので注目してみた。
夫婦と5歳くらいだろうか小さな女の子の3人構成の家族だ。
夫婦は向かい合わせに座り奥さんの隣には娘さんが座る。
娘さんは注文した料理をたどたどしい手つきで食べていた。
奥さんの方は眼鏡をかけたインテリな雰囲気で小奇麗にされている。
旦那さんの方はガッチリとした体格でチカラ仕事をされている感じだった。
会話に耳を傾けると奥さんの方はどうやら地元の方ではないようでイントネーションが違った。
一方旦那さんの方は地元の方のようで、恐らく仕事納めとクリスマスが重なりこちらに帰省されたような雰囲気だった。
夫婦は大人の話だろうか夢中に夕飯を食べている子供そっちのけで何やら会話をしているようだ。
会話の内容はどうやら住まれているご近所の話題のようだったが大体こういう会話というは愚痴が多いものだ。
しかし、その夫婦からはそういった内容のことは聞かれず、むしろ会話の中に登場する人物を褒めたたえるような会話だったので夫婦の人の良さが会話からも伝わる。
幸せな日に幸せそうな家族ではないか。
もう随分昔のことだったから忘れかけていたけれど、僕にもこういった時間があったな。
なんて思っていると注文した料理が運ばれてきた。
セットにあった酢豚を食べようとすると、その夫婦の旦那さんの方が
旦那 「そうだ」
旦那 「ママ、コレ」
といってキレイにラッピングされたプレゼントを奥さんに渡した。
突然のプレゼントに奥さんは驚いた顔を隠せない。
そして旦那さんが
旦那 「ほら・・・」
旦那 「あの・・・」
旦那 「いつもお世話になってるから」
旦那 「こういときしか気持ち伝えられなくてゴメンね」
と不器用な感じで正直な気持ちを奥さんに伝えると奥さんは何も語らず
みるみると大粒の涙が眼鏡の隙間からこぼれ落ちている。
それをみた娘さんが心配そうに
娘 「ママどうしたの?」
娘 「パパ!」
娘 「ママを泣かせたらダメじゃない!」
というと旦那さんが
旦那 「パパね・・・」
旦那 「ママのことが大好きなんだよ」
旦那 「今日はクリスマスだからパパの気持ちを乗せてプレゼントを渡したんだよ」
と優しく説明すると今度は奥さんが
奥さん 「涙にはね、2つの涙があるのよ」
奥さん 「悲しい時に流す涙と」
奥さん 「もうひとつは」
奥さん 「嬉しい時に流す涙なのよ」
奥さん 「ママは今嬉しくて涙が出ちゃったのよ」
と娘を諭す。
そして旦那さんが娘さんに対して
旦那 「ほら」
旦那 「〇〇ちゃんも」
旦那 「今日はクリスマスだからいい子にしていたら」
旦那 「サンタさんからプレゼントもらえるだろ」
旦那 「楽しみだね」
というと奥さんがやさしい顔をしながら無言で娘さんを抱きしめた。
その光景に見惚れていた僕は食べようと思って箸が止まっていた酢豚を頬張った。
その味は甘さよりも少ししょっぱかったのは頬に流れるものがそうしたのかもしれません。
善子 「ん?」
善子 「これで終わり?」
善子 「何よコレ!」
善子 「ミステリーでも何でもなくて」
善子 「ただのいい話じゃないの!」
花丸 「ヨハネちゃんは気付かなかったずら?」
花丸 「こんなステキな日にステキな家族を目の当たりにされた」
花丸 「macさんだけが」
花丸 「このお店で」
花丸 「たったひとりずら・・・」
善子 「・・・あーっ!」
フッ!
Posted at 2016/12/25 05:00:09 | |
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