エスイチのブログ一覧

ゴールデンウィークもいよいよ終わりですね。私も既にやることがなくなったので、以前シビックに関するブログを書いたときに資料を探したのに、結局他が長くなりすぎて織り込めなかった部分を書きたいと思います。。

ある日、上司があなたに手付き台車で13.5kgの液体が入ったポリタンク大と、8.2kgの液体が入ったポリタンク小、ついでに約1.5kgのA4用紙1束（高さ3cm）を運ぶよう命じたとします。そのときあなたはどのようにそれらを台車に積んで運ぶでしょうか？

いや、これがオフィス内で、しかもホンの30mの距離ならどんな積み方をしても恐らく問題ありません。積み方なんか考える前に好き勝手ドサドサ積んでサッサと運べばいい。

しかし、これが「3丁目の倉庫まで」とか言われたら、賢明な方ほどその積み方をあれこれ思案すると思います。

例えばその3丁目の倉庫に辿りつくには、オフィスからエレベータで一旦地下駐車場に下りたあと、直角に曲がった急こう配スロープを一階まで上がり、ようやく外に出られたと思ったら次は視覚障害者の方のための黄色い凹凸が縦横無尽に埋まった歩道や路面から飛び出したマンホールが待ち受け、さらには人通りの多い下り坂までもクリアしなくてはならないとしたら、、

自動車は発明されてから今日に至るまで私が語るまでもなく目覚ましい進化を遂げましたが、エンジンやトランスミッションといった重量級ながら自動車にとって不可欠のコンポーネンツを乗用車用シャーシのどこに配置させるかは恐らくPrimitiveな要件で、コンピュータ解析なんかが導入されるかなり前、経験工学の段階である程度突き詰められていたように思います。

にもかかわらず、現在日本で300万円以下で販売されているような大衆乗用車の多くはそういった過去の英知を反故にして、「たくさん売れれば勝ち」とでもいわんばかりのコスト、生産性、多様化（派生車種が簡単に作れる）といった要件ばかりを追いかけているように思えます。最新の国産リッターカーが40年以上前のリッターカー、スバル1000より全方面で上か、といえば、まったくそうは思えません。

ところで、冒頭の台車の話、どこにつながっているといえば、、
エンジン横置きFFレイアウトを採用するアウディTT（車重1,320kg～）を例にとると、その主要コンポーネンツの重量は以下の通りです。

エンジン　135kg
→http://www.webcg.net/WEBCG/news/n0000018688.html

トランスミッション　82kg
→http://www.aisin.co.jp/pickup/com/product/detail.php?id=129&category=2

バッテリー　15.5kg（66-25Hがリプレース品）　　
→http://panasonic.jp/car/battery/caoswd/wd06.html

以上より、台車の半分より前右に13.5kgのポリタンク大、その左に8.2kgのポリタンク小、とその上部にA4用紙が乗っているかのような重量配分になっています。このような状態の台車を両手で押しても最初は真っ直ぐ動きませんし、すこしスピードが出ているときに不用意に左に舵をきれば遠心力で最悪右のポリタンクが落ちるも可能性すらありますね。

私なら、ポリタンク大（エンジン）を台車の一番後ろ中央に、その少し前中央にポリタンク小（トランスミッション）、A4用紙（バッテリー）は一番前の中央に置くでしょう。重量物が後ろだと遠心力による荷崩れが少ないですし、前が軽いことにより回頭性も期待できますから。（ポルシェ911式!?）

（画像は巷で人気のコーヒー豆/輸入食材のお店に置かれていた手付き台車）