
先日、仕事仲間から、電話が鳴りました。
「洗濯機、脱水がうるさいんだけど治せる?」
自分は電気屋でも修理屋でもないのですが…
「ダメなら買い換えるから・・・なんでも治せるじゃん」
ましてニュータイプの便利屋でもなく、訓練もしていません…
「ちぇ、気楽に言ってくれちゃって…」
正確にはなんでも壊していると言ったほうが適切な表現かと…
で、結局お預かりする羽目に…
とりあえず試運転…
「見せてもらおうか、全自動洗濯機の異音とやらを!」
脱水でガウ攻撃空母のような雄叫びを上げますね…いや、これはうるさい。
どのぐらいかというと、
ドレン
「なにー!?聞こえない!!」
ジオン兵
「ガンダムがいないそうです!」
となるぐらいです。
洗濯機の異音の場合、回転部分の切り替え不良による異音や、ベアリングの寿命による異音の他に、洗濯物のポケットから落ちた小銭やヘアピン、ネックレスなどが層内に転がり込み、中で当たっていることもありますが、綺麗な連続した回転音なので
「悲しいけどこれベアリング音なのよね」
ほぼ間違いなくベアリングです。
耳栓渡して終了としたいところですが、それではあんまりなので、とりあえず横倒し…
覗き込むと、どうやら下側のベアリングからサビの混ざったグリスが出ている模様…怪しいです。
しかし、ベアリングを抜くのにどこまでバラセバいいのでしょう?
結構めんどそう…
ベアリングとなると当然新しいベアリングが必要になりますが、バラして型番を確認せねばなりません。
以前、なんの機械だったか忘れましたが、やっとの思いで分解し、ベアリングの型番を調べ、付き合いのあるベアリング屋に注文したら、
「あーそれは特注で単品で出ないよ」
なんて言われたこともあります。
そうなると完全にバラシ損ですが、ま、勉強と思って、構造をまず確認します。
どうやら、中央についているオカマが変速機のようです。プラネタリーギヤが内蔵されておりオカマの外側についているバンドブレーキで、外側のリングギヤを制御し、オートマチックトランスミッションと同じ原理で脱水時の変速しているようです。
で、そのオカマの根元まで外さないとベアリングが抜けない模様…
ほぼ全バラです(T_T;)
「すまんな、君。なにぶんにも技術者が未熟なもので」
と、構成を考えながらばらしていきます…
ベアリングに対して、シャフト部分も圧入されているので、抜くのも結構硬そうです。
シャア
「圧入されて固くなるのはわかるが、せめて番号の確認ぐらいはさせて欲しいものだな」
と、隙間を縫って番号を確認すると
6005…
シャア
「6005?不思議と知っているようなベアリングだな…」
なぜか聞き覚えがあります…。
アムロ
「そう、知っている、僕はあなたを知っている…。」
なんだっけ…
ピキピキピ~ン!
思い出しました!
3輪車レースで2番目に作成したマシン、
FPON-W02において、リヤを両輪駆動にするときに作った自作デフのベアリングです。
そして、余分に買っておいたハズ…
ごそごそと探すと…
ありました!
と、手持ちが見つかった以上、交換するしかありませんな(^_^;)
しかし、ベアリングの交換にプレスなどはないので…
ブライト
「与えられた状況の中で最大限の努力をするんだな 」
と万力とハンマーと当て物で抜き取ります。
カンカンうるさいですが
シャア
「私、シャア・アズナブルが粛清しようというのだ、アムロ!」
アムロ
「エゴだよ、それは!」
シャア
「べアリングが持たん時が来ているのだ!」
周りに構わず作業します…
思ったよりすんなり抜け、いよいよ組み付けです。
シャア
「諸君、みずからの服を洗濯する為、静かな脱水を手に入れる為に、あと一息、諸君らの力を私に貸していただきたい。そして直った洗濯機は、知人のもとに召されるであろう!」
逆の手順で組み立てます。
別の仕事仲間も手伝ってくれます…
アムロ
「なんだ?どういうんだ?」
「やめてくれ、こんな事に付き合う必要はない。さがれ、来るんじゃない!」
ギラドーガパイロット
「洗濯機が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値ありますぜ!」
なんて会話はないですが、押さえてもらいながらどんどん組んでいきます。
ベルトもしっかり調整し、電源を入れ…
シャア
「洗濯機、動け!忌まわしい記憶とともに!」
まずは”洗い”…
問題ないようですね…
そして脱水に入ります。
オペレーターA
「蓋のむこう、水分が跳ね飛ばされています!」
ブライト
「もっとよく観測しろ!…何が起こっているんだ?」
いや、ごく普通に脱水のはじまりです…
アムロ
「離れろ、…脱水の力は!」
回転が上がってきました!若干洗濯機が揺れております!
シャア
「こ、これは、洗濯槽の共振。回転が高くなって脱水しているのか?なのに、騒音は感じない。むしろなめらかで、安心を感じるとは!」
問題ないようですね…
シャア
「そうか、しかしこの静かさを持った洗濯機がベアリングさえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、アムロ!」
アムロ
「わかってるよ。だから、洗濯機の容量を守らなけりゃならないんだろ!」
シャア
「ふん、そういう男にしては洗濯物が溜まっていたな、え?」
アムロ
「俺は専業主婦じゃない。毎日マメに洗濯などできない…だからか。貴様は洗濯物を詰め込み過ぎて!」
シャア
「そうか、洗濯機は分けて洗うことを求めていたのか。それで、それを私は面倒に感じて、洗濯物をいっぺんに洗ったんだな」
アムロ
「貴様ほどの男が、なんて洗濯容量の小さい!」
シャア
「冬のボーナスは大きい洗濯機を買えるかもしれなかったタイミングだ。この洗濯機を直したお前に言えたことか!」
洗濯物の詰め込みすぎは故障の原因です…
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家電 | 日記
Posted at
2012/12/19 17:58:03