
さて、前回続きです。
その1を見てない方はその1から見たほうがいいと思います…
ドライバーは自分、長男、娘、長男の幼馴染(女の子)4人です。
4人でどこまで戦えるか、現在置かれた
自分たちの状況を踏まえたうえで、グリッドに臨み望みます。
今回はオンボードカメラも装備です。
スターティンググリッドは”やる気順”ですので、先に場所をとった順なんですが、我がFPONーW03は車体が3輪車に比べ大きいので若干不利です。
しかし、うまくすり抜けつつ、比較的インよりのフロントロウをゲットしました。第一スティントは長男です。
そして、グリッドにはマクラーレンチームはまだ来ていません。レッドブルは若干後方の位置に…
そして緊張感が高まる中、レッドシグナルが灯りました(いや無いです、10秒前の放送・・・)
塩原アナウンサー(脳内出演)
「2012年最後の人力車レース、FSWのカート場に現れるのは、幸運の女神かはたまた極寒の悪夢か、すべてのドライバー、すべてのチームがそれぞれの思いを胸に…いま!
ブラックアウト!(いや無いです、スタートの合図だけ…)
各車一斉にスタートです!
全車、大きな接触もなく第一コーナーに飛び込んでいきます。
メルセデスは現在5番手、しかし、2コーナー、3コーナーと抜けるに連れ着実にオーバーテイクを繰り返し、1周目のコントロールライン通過は何と2位です!魅せてくれます!
トップはレッドブル(カラーはイエローですが…)、次元の違う速さです。おそらくアスリートでしょう…
3週目、長男はやはり寝不足が響いているのか、連続アタックがキツイようで、3周でピットでに入ります。
今回からチームラジオを装備し、ピットに入る前にマシン側からも信号を出せるようになりましたので、ピットでのドライバーチェンジも比較的スムーズです。
ちなみにピット側からピットを指示するときは音声で
”Box,box,box”
です(^_^;)
今回追加された新しいエンジン(女の子)は、わが娘と同様に瞬間的、絶対的な速さはないものの、きっちり仕事をしてくれる(真面目)ので、自分と長男の休憩には欠かせず十分な戦力です。
効率を考え、男女交互にチェンジして、ラップを重ねていきます。
最初の30分が通過した時点では、若干ポジションをおとし総合7位、6位(改造3輪車クラス)とのギャップは1周未満、しかし8位とのギャップもそんなになく予断を許さない状況です。
1時間通過後も、ほぼ同じような状況ですが、マクラーレンチームはまだ到着していない模様です。
しかし、自分たちのラップ数を確認すると前回より周回を重ねられておらず、おそらくトータルで20週ぐらい少なくなりそうな気配。まだまだ安心できません。
マシンはトラブルの予兆すらなく順調にラップを重ねますが…
このまま最大限のペースを保つことが重要になりそうです。しかし!
おーっと!メルセデス、ピット入口でクラッシュです!!!
Replay映像です。
ドライバーが両手を上げて助けを呼んでいる模様!
既にカクカクの膝にムチを打って、入口まで猛ダッシュです!
どうやら、ピット入口でウォール(パイロン&紐ですが)にヒットした模様、フロントウィングが脱落しています!
我がチームのマシンは接触時の被害を最小限に抑えられるよう簡単に外せるのでその場でウイングを外し、運営スタッフに謝ってパイロンを直してもらい、とりあえずそのまま、長男にドライバーチェンジ、ロスを最小限に抑えます。
長男がフロントウィングレスで走行中に自分はフロントウィングを修復し、次のピットでフロントウィング取り付けます(いらないという意見もありましたが…)。取り付けも簡単なので、さながらF1マシンのノーズ交換並みの速さでピットアウトです。
しかしながらやはり、順位は8番手に落ち、目標の一つであるシューマッハの最終レースでの順位が危うくなります。
ここで、各ドライバーへ監督からチームオーダー?です。
”なんとか、せめてミハエルと同じ7位フィニッシュを!”
と目標を再認識させます。
その後もマシンの調子もよく、レッドブル(黄色の4輪車)のマシンに肉迫する場面も見られます(相手はすでに何周もしていますが…)。
自分と長男は連続3周アタックでここまで重ねてきましたが、3周目のペースダウンを考えると、2周アタックの方がピットロスを考えても周回数を稼げるだろうということで、2周アタックで交代に作戦変更。
娘と幼馴染は変わらず1周交代です。
しかし2時間経過時も未だ8位、簡単には抜かさせてくれません。
ただ、マクラーレンチームがまだ出走しておらず、我チームは既に60週近く走行、このGPでの勝利は、確実になってきました。
問題は、どれだけ、間にほかのチームを入れられるか…そうなると8位フィニッシュでは、かなり厳しく、もっと上位を目指す必要があります。
ちなみに神の悪戯かピットの両隣、自分たちと両チームがほぼ同一周回6,7,8番手の様で、自然と追いつけ追い越せ追いつかれるなで、白熱しています…
そして3時間を過ぎたあたりでしょうか、運営事務局で、車検を受ける車両の姿が…
”やつだ、やつが来たんだ!”
マクラーレンチームの登場です!残り2時間、どこまで食い込んでくるでしょうか?!
マクラーレンチームのドライバーたちは、まだフレッシュエンジンなので、速いです。前回記録から計算すると40周ぐらいはいきそうです。
40周付近というとおそらくゴール時は25番手ぐらいでしょうか。
現状なら余裕がありそうですが、周りがへばっている中、マクラーレンチームの猛追が、余計に脅威に映ります。
またここで我がチームにマシントラブルがあれば、現周回数で100ぐらい、順位だと15番手付近に落ちるので、とにかくラップを重ねるしかありません。
F1レースのタイヤ戦略のごとく、直接のバトルはしていなくとも、遠い位置で熾烈な戦い(自分たちにとって)となってきました。
そして更に!意外な事実がここで我々を襲います!
レース途中、現在のポイントが発表されると、意外にもそんな余裕はないことが判明。その理由は…ポイントルールの⑥番にありました。
⑥ 開幕戦はボーナスポイントとしポイントを3倍で換算。
通常の3倍!?
どっかで聞いたことのあるフレーズが、まさかここで自分を襲うとは…
改めて計算すると開幕戦の5ポイント差が、3倍の15ポイントに計算されなおすので、10ポイント余分に必要になり、都合19ポイント今回のGPで多く獲得する必要になります。
我々メルセデスが8位だとマクラーレン27位でタイ、26位でポイントは上回られます。
現在のマクラーレンのレースペースだと、26位は十分届く勢いですので、あとは自分たちが如何にポジションを上げるかです。
しかしここでさらなる不運が!
娘が走行中に脚を引っ掛け痛めたとのこと、出走できないと言い出します。更に期待の幼馴染も、ここに来て疲労がピークに達した様子。我が子ではないだけに無理はさせられません。
やむなく長男と自分の2ドライバー体制となり、休憩も取れず連続のアタックです。
連続の休みないアタックに次第に長男のレースペースも落ちてきます。
ここで、滅多に出てこないククルス・ドアンが脳内に降臨…
「私は、子供達が見ている限り、戦い続ける」
周回数を少しでも稼ぐため、長男の休憩時間を少しでも長くするため、自分は連続三周アタックに切り替えです!
3周目には、1コーナの飛び込みでは膝が砕けんばかりですが、短い直線やピット内もKERSを駆使して、足の負担を軽くし、ギリギリの3周アタックです。
この戦略が功をさしたのか、長男のレースペースが戻り、終盤再び7位に浮上!チャンピオンシップで重要な1ポイントをもぎ取ります。
しかし、自分の体力も限界となり3周連続アタックがキツくなります。
また、バックマーカーを交わすときに不用意に力を使ってしまうこともあり、思うように周回を重ねられません。
残り20分、自分の思いを察したのか、娘達が再び出走を表明!そして長男から一言…
「お父さん、チェッカー受けたことないでしょ?今回のラスト、行ってきなよ!」
ヤバ、いま文字打っているだけで思い出して泣けてきます…子供達なりに、自分の熱い気持ちを汲み取って、この機会を与えてくれたのでしょう。
残り3週ぐらいのタイミングに合わせてもらって、万を持して最後のピット、ドライバーチェンジです。
すでに現在の順位もわかりません。7番手なのか6なのか、8なのか…
マクラーレンの現在のポジションももう分からなくなっています。
しかし、あとは全力でゴールを目指すしかありません。結果は神のみぞ知るです(運営側のタイミングモニター見てる人はわかっていたかもしれませんが…)
シューマッハの栄光を称えるために、自分たちの努力を形にするために…
あとは…往くのみ!
つづく…