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２月20日、ボルボ60シリーズ（S60、V60、XC60）に新たなパワートレーンが加わりました。2.0リッター４気筒直噴ターボエンジン、『Drive-E』を搭載したT5モデル。2000cc４気筒というパワーユニットはフォルクスワーゲンなど欧州車をはじめ、日本でもトヨタクラウンなどが採用し、今や世界の大きな流れになろうとしています。４気筒エンジンが注目されている主な理由は、コンパクトで低燃費を狙えるところ。
とはいえ、４気筒2000ccで、本当にパワーに不足はないのか。もしやパワーは諦めた？　さらに非力なエンジンが頑張っても高回転を実現させても、低燃費は望めないし、振動だって気になる。
「燃費は良いけど、運転を心の底から楽しめるのか？」
という疑問がわいてしまいます。
しかしボルボはこのエンジンを搭載したモデルで、BMW328をターゲットにすると明言しています。そこで、『Drive-E』搭載したXC60　T-5を試乗してみました。




●『Drive-E』とは

今回注目の『Drive-E』について、その概要は以下の通り。

排気量：1968cc、気筒数：４気筒、最高出力／トルク：245ps/350Nm（35.7kg-m）、JC08モード燃費：13.6km/L。



エンジンは従来からあるものを改良したのではなく、ゼロから設計を見直し、開発したもの。掲げた目標は高出力を維持し、排ガス・燃費の向上も図るという、従来の常識から言えば相反する要素の両立です。このエンジンの特性を存分に引き出すためにエンジンの構造はもちろん、エンジンオイルまで新規に開発した（つまり、オイル交換時には、その専用オイルを使うことがベスト！）と、徹底していました。また開発には、アイシン精機とデンソーという日本メーカーも深く関わっていました。



結果、2000cc４気筒の直噴エンジンでありながら、出力およびトルクは従来のT5エンジン（2000cc５気筒エンジン）に比べ、5ps/30Nm向上し、JC08モード燃費は23％も改善しています。一見して非力に感じるエンジンですが、スペックはすべてその反対。高出力と低燃費を両立しています。しかもXC60の車体とガソリンエンジンでありながらこの数値を実現することは、技術的な大きなブレークスルーがないと達成できそうにありません。


●パワーは充分、騒音・振動もほとんど感じない、不思議エンジン

早速、『Drive-E』エンジンを搭載したXC60に乗り込んでみました。エンジンをスタートさせても、そこまでの変わりはありません。ところがアクセルを踏み込むと、車体はするすると軽やかに加速。吹き上がりも良く、走行に違和感は感じません。高速道路での高速走行や、前方車の追い越しも試みましたが、むしろ加速時のスムーズさが際だています。
そして何より驚いたのが静かさ。エンジン音は静かで、大排気量エンジンを搭載しているような感じでした。

これまでの常識を打ち破った感じすらする、『Drive-E』搭載の新型XC60　T5。この2000cc4気筒エンジンは次のステップに向かっており、T6版の登場も控えているらしいです。しかもT6ですから、高出力に重点が置かれることは間違いないでしょう。
こちらも、楽しみです。しかし、UPが遅っ。