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2025年07月16日 イイね!

0W-20 勝手にランキング



これまでGRカローラで使ってきた0W-20のエンジンオイルを勝手にランキングにしてみました。
一部0W-25と0W-30も入ってますが、0W-20からちょっと粘度上げたい人向けでターゲットは0W-20と似てると思うので入れてあります。

0W-20指定ターボ車向けランキングと思ってください。
とは言え0W-20なのでここで高得点なオイルはNAエンジンやハイブリッド車でも安心して使える指標にはなると思います。
随時更新します。

一般公開するべきか迷っております。。(一般公開しました)



評価項目は以下の5つ

価格…1000円/L未満で☆5つ、250円ごとに☆1減、2000円/L以上で☆1
油圧…新油から20kPa低下毎に☆1減、80kPa減で☆1
油温…110℃以下で☆5つ、5度上がるごとに☆1減、130℃で☆1
新油…新油時のフィール、個人の感想
耐力…表記距離はこの程度はサーキット走りつつ性能維持可能

ベースオイルは記載しましたが、評価には無関係です。

コスパも重要なので単純に高性能だから高評価とはしていません。
価格はペール缶基準ですが、ペール買い出来ないものはボトル単価です。
2000円/L超えると高得点が難しいです。

油温と油圧はリンクサーキット走行中の油温と走行後の油圧低下具合です。
連続周回5周程度です。
FSWの1ヒート連続走行だと+5~10℃と思ってください。

耐力の距離は油圧が高くても振動が増えたり高回転のザラツキが増えたりした場合は性能が維持されているとはしません。
ポリマーがせん断され油圧低下が起きた場合や、エステルの加水分解が進んで滑らかさが無くなってしまったところまでとしています。


ブン回してもヘタらないオイルで安いやつが高評価です。
完全に独断と偏見で評価してますので暇つぶし程度に見てください。

下に行くほど低評価となります。



ではランキングです。
★1個4点計算です。100点満点



80点
モービル1 0W-20 SP(シンガポール製 国内正規品、アメリカ製含む)

価格 ★★★☆☆ 1300円/L
油圧 ★★★★☆ 490→470kPa
油温 ★★★★☆ 115度
新油 ★★★★☆ 特別スムーズでもない
耐力 ★★★★★ 5000km
ベースオイル GTL

安定のMobil1、誰にでも勧められる。
使っても変化が少ない
そこらの0W-30より強靭。
アルキルナフタレン AN15を5%添加するとかなり幸せ。
アメリカ製も違いは判らず。どちらを買ってもOK
国内向けはACEA-C5(21)適合なので国内向けがむしろいい。


80点
モービル1 0W-30 SP(日本製)

価格 ★★★☆☆ 1300円/L
油圧 ★★★★☆ 490→470kPa
油温 ★★★★☆ 115度
新油 ★★★★☆ 特別スムーズでも無い
耐力 ★★★★★ 5000km
ベースオイル GTL

Mobil1同士で0W-20との比較だと最初は0W-30の方が硬い。
けど意外とポリマーの持ちが悪い。
今の0W-30はPAO配合じゃないのでmPAO添加されなくなったのかも?
Mobil1の0W-20と混ぜて使えるので0W-25相当で使うのが良いかな?



80点
シェル ヒリックスウルトラ 0W-20 SP(タイ製)

価格 ★★★☆☆ 6000円(4L)
油圧 ★★★★☆ 490→470kPa
油温 ★★★☆☆ 120度
新油 ★★★★★ モービル1よりちょっとスムーズ
耐力 ★★★★☆ 3000km以上
ベースオイル GTL

Mobil1より劣化は早いが、その分ちょっとスムーズ。
どちらを取るかはアナタ次第。
今は国内製のECT C6 0W-20が出たのでそちらの方がいいかも?
BMW LL-17FE+認証オイルです。(GR SupraもこれでOK)



76点
Speed Heart フォーミュラストイックシリアス 0W-30

価格 ★☆☆☆☆ 12029円(4.5L)
油圧 ★★★★★ 500→490kPa
油温 ★★★★☆ 115度(鈴鹿)
新油 ★★★★★ 滑らか 
耐力 ★★★★☆ 評価中
ベースオイル POE

ポリオールエステルをベースにする化学合成油。
API SPからACEAから各社アプルーバルを網羅するオイル。
高いだけあって性能もハイエンド。
街乗りだとちょっと硬いかも?
サーキット想定ならちょうどいい。
同じフォーミュラーストイックの0W-20と混ぜてOKなので半々で使ってもいいかも?



72点
ペンズオイル ウルトラプラチナ 0W-20 SP(アメリカ製)

価格 ★★☆☆☆ 8980円(4.73L)
油圧 ★★★★☆ 490→470kPa
油温 ★★★☆☆ 120度
新油 ★★★★★ なぜかシェルよりちょっとスムーズ
耐力 ★★★★☆ 3000km以上
ベースオイル GTL

シェルヒリックスウルトラとほぼ同じ、シェルとの差は価格
ECT C6の方が総合性能は上なのでトヨタスープラ、シェルヒリックスウルトラ、ウルトラプラチナはシェルヒリックスウルトラ ECT C6で代替可ですね。
アメリカ製の方が…とか言ってる業者が居たらそれは罠です。
情弱を釣ってるだけなのでご注意を。



72点
LOVCA 0W-25 プレミアムレーシング SP

価格 ★★★☆☆ 1400円/L
油圧 ★★★★★ 490→490kPa
油温 ★★☆☆☆ 125度以上
新油 ★★★★☆ ほどほどにスムーズ
耐力 ★★★★☆ 3000km
ベースオイル エステル+PAO

ベースオイル粘度は柔らかい。
ポリマーで増粘している筈なのに恐ろしいせん断安定性。油圧落ちない。
ただ、高回転の滑らかさがちょっと弱い。

トライボフィルム(MoDTCかな?)で境界潤滑して油膜は薄目という今風オイル。
被膜が形成されると高回転スムーズになるが被膜有無でスムーズさに差が出る。
ターボ車だとこのトライボフィルムが安定しない場合があり、今回もあり。
一番保護して欲しいサーキット走行時に高回転でガサ付くのは減点。
トライボフィルムは全部剥がれているんでしょうね。
油温が高いのも気になりました。
G16E-GTSには合わない感じですが、ドンピシャはまるエンジンもありそうです。
GR86とかどうかな?



72点
トヨタ純正 GRモーターオイル エンデュランス 0W-20(エネオス)

価格 ★★☆☆☆ 1750円/L
油圧 ★★★★★ 490→480kPa
油温 ★★★☆☆ 120度以上
新油 ★★★★★ 新油時はウルトラスムーズ★6クラス
耐力 ★★☆☆☆ 美味しいのは1000km未満
ベースオイル VHVI+

新油時はエステルらしく素晴らしく滑らか。
300Vより滑らかかも?超気持ちよく回ります。
その分劣化も早いです。美味しいのは500km、2000kmでグズグズ。
油圧低下は非常に小さいのでベースオイルは非常に良い。
極性強いエステル入れ過ぎかな?
素人が作った感が凄くある。残念。



68点
日産純正 ストロングセーブX 0W-20(シェル)

価格 ★★★★★ 800円/L
油圧 ★★★☆☆ 490→450kPa
油温 ★★☆☆☆ 125度以上
新油 ★★★★☆ トヨタよりスムーズ
耐力 ★★★☆☆ 3000km以下
ベースオイル GTL

トヨタ純正より高レベル。純正にこだわる方にお勧め。
ポリマー添加量が多めのようで油圧低下はそれなりにあります。
せっかく耐久性に優れているベースオイルなのにポリマーの持ち悪い。
もっとポリマー少なかったら神オイルになれるのに…



52点
トヨタ純正 モーターオイル 0W-20 SN Plus(出光)

価格 ★★★★★ 700円/L
油圧 ★★☆☆☆ 490→440kPa
油温 ★★☆☆☆ 125度以上
新油 ★★☆☆☆ モービルの方が若干スムーズ
耐力 ★★☆☆☆ 2000km以下
ベースオイル VHVI or 鉱物油

いいとこなし、SN時代のモービル製GTLに戻して欲しい。
どうしてもディーラーで入れるならGRスープラ純正を入れましょう。(SP品)



44点
トヨタ純正 トムスモーターオイルプレミアム 0W-20(コスモ)

価格 ★★☆☆☆ 1600円/L (ディーラー専売品)
油圧 ★★☆☆☆ 490→440kPa
油温 ★★☆☆☆ 125度以上
新油 ★★★☆☆ 普通
耐力 ★★☆☆☆ 2000km以下
ベースオイル VHVI or 鉱物油

かなりポリマー、ターボ車には柔らか過ぎる
油温上昇も大きく油圧低下も大、ターボ車には勧められない。
トムスとは名ばかりでガッカリ。




トヨタ純正ならGRスープラ用が推奨、それ以外は非推奨。
モービルとシェルはどれを選んでもハズレ無し。


日産純正も悪くないです。
ベースオイルはシェル製GTLで純然たる化学合成油。
ポリマー添加が多いようでサーキット走行には向きませんが街乗りだけならターボ車もこのオイルでOKです。
ハイブリッド車とかNAにおすすめです。

日産ディーラーで入れてもらう場合はVシリーズじゃないことを確認してください。
ストロングセーブXと廉価版のVシリーズは中身が異なります。
Vシリーズはトヨタで言うキヤツスルオイルみたいな感じです。




【選び方】
○○はどう?□□はどう?とかこの他にもあると思いますが、ターボ車の場合は粘度指数が高過ぎないオイルを選ぶと良いと思います。

0W-20で粘度指数が200を超えるようなオイルはポリマーが結構入ってます。
増粘効果の高いPMAが大半だと思いますがPMAはせん断安定性が低いです。
簡単に言えば「持ちが悪い」。


【ポリマー】
ハイブリッド車などあまり高回転高負荷が無いエンジンはポリマー入りオイルでもいいのですが、ターボ車となるとそうも行きません。
特に増粘効果の高いポリマーは速攻せん断されます。
今のポリマーはせん断安定性が高いという話もありますが、せん断安定性が高いポリマーは粘度指数も低めです。
0W-20でポリマーが入っていても180は超えないでしょう。

粘度指数が200を超えるオイルは確認した限り日本と韓国しか販売していません。
欧米はロングライフなオイルが標準的なのでせん断安定性の低い高粘度指数ポリマーオイルは土俵にあがれないからでしょう。
3000km交換なんて日本独自の文化。
売り手に都合の良いオイル買ってませんか?


【エステル】
結構面倒なのがエステル
一般的にイメージするエステルはヌメヌメして超滑らかなアレですが、極性が強いエステルを使用するとこの滑らかさが出ます。(モノエステル、ジエステル)
金属に吸着するってやつです。
当然欠点もあって水やら添加剤にも吸着するので加水分解しやすく他の添加剤の効果を阻害する場合もあります。
エステル≒低寿命のイメージはここから。

ポリオールエステルやコンプレックスエステルは極性が強くないのでジエステルのような低寿命ではありません。
初期の滑らかさはそこそこに耐久性ある。
なのでジエステルと異なりベースオイルで使えます。

どのタイプのエステルが使われているか判らない?
「エステル配合」だとジエステルの場合が多いです。
ポリオールエステルやコンプレックスエステルをベースオイルで使っているところはベースオイルがエステルと表記されていますが、判りづらい場合が多いです。


【モリブデン】
必ず入っていますが酸化防止剤として添加されている場合は微量。
MoDTCのような摩擦被膜を形成する添加剤の場合は潤滑剤として配合。
摩擦被膜(トライボフィルム)の場合、条件によって被膜が生成されない場合があります、生成されても直ぐ剥がれてしまったり。
(剥がれる時に効果を出すので剥がれるのは正しいのだけど…)
個人的にターボ車での長期的な効果は懐疑的です。
剥がれたモリブデンはスラッジになります。
デロンデロンになった二硫化モリブデンの廃油を見るのが好きな方向け。


以上から0W-20をターボ車に使用するならばこれらは避けた方が無難です。
・高粘度指数(200以上)
・MoDTCやモリブデン高配合を謳うもの
・エステル配合品(ベースオイルがエステルはOK)


エンジンオイルはエンジンの気持ちになって選びましょう。
最初の500kmだけ気持ちよく回るけど残り2500kmは潤滑性が落ちてるオイルで回されるエンジンの気持ちになってみてください。
交換直前まで潤滑性能が安定している(体感で劣化が判らない)方がエンジンに優しいと思いませんか?
体感で振動が判るほど劣化しているオイルはエンジン内でどんな影響を受けているか?
考えてみると怖くなりませんか?




更新予定
モービル1 エクステンデッドパフォーマンス 0W-20 SP(アメリカ製)

価格 ★★☆☆☆ 7980円(4.73L)
油圧 ☆☆☆☆☆ 
油温 ☆☆☆☆☆
新油 ☆☆☆☆☆ 
耐力 ☆☆☆☆☆
ベースオイル VHVI


更新予定
トヨタ純正 GRモーターオイル スープラ C5 0W-20(シェル)

価格 ★☆☆☆☆ 2000円/L
油圧 ☆☆☆☆☆ 
油温 ☆☆☆☆☆
新油 ☆☆☆☆☆ 
耐力 ☆☆☆☆☆
ベースオイル GTL
Posted at 2025/07/16 16:10:50 | コメント(6) | オイル | 日記
2025年06月25日 イイね!

エネオス唯一の化学合成油

エネオス唯一の化学合成油
エネオスの化学合成油がここからラインナップされるとは…











GXディーゼル 0W-30というDH-2F適合オイルです。
DH-2Fなので商用大型ディーゼル向けですね。

X-Primeも鉱物油ベースの高性能オイルですが、本当の意味での合成油は現在はこれだけがラインナップです。


植物由来のベースオイルってことで出光やコスモでも似たようなオイルの発表はありましたが、売ってないので宣材商品だと思ってました。
やってますアピールだけのやつね。

ところがこのGXディーゼルはちゃんと販売されてます。
20Lペールで47300円と超高いですが販売しているのは良いですね。


「100%植物由来ベースオイルを採用」と書いてあったので、どうせ100%植物由来ベースオイルを「配合」だと思っていたのですが、SDS見てビックリ。
ちゃんと植物油由来ベースオイルがメインでした。
何と鉱油が5-7%しかないとは!

植物油由来の合成油だとするとNoackも相当低い筈なのでディーゼル用オイルとしてはベストな気がします。
残念ながらNoack情報がありませんが5%未満なら完璧。


これまでのエネオスのDH-2ハイエンドオイルはDXディーゼルグランドでした。


DXディーゼルグランドかつてはW-BASEがベースオイルに使われていた隠れ高性能オイル。
(今はX-Prime同様W-BASEの表記が消えたのでYubaseなのかも?)
ただ、エネオスの常で何故か0W-30のワイドレンジなんですよね。
粘度指数が200以上ですからポリマー入りです。
普通に10W-30で低ポリマーの方が商用ディーゼルにはマッチしていると思うのですが…

DXと比べて粘度指数が高いのはベースオイルの差でしょうね。
植物油とて合成油ですから粘度指数はちゃんと高い。
ここのやつとか137もあります。
Noackが他の合成油より低いのでオイルが蒸発しにくい→煤が出にくい特徴があります。
鉱物油より不純物が少ないので燃えた場合の煤もより少ない。
→DPF再生間隔が伸びるということになりますね。


大型トラックではありませんが、乗用ディーゼルでもGr.III鉱物油(VHVI)から天然ガスベースのGTLにオイルを変えるとDPF再生間隔は倍以上に伸びます。
ボルボV60だと300km間隔だったものが600km以上になりました。
再生中は燃料噴くので燃費も悪化しますから合成油と鉱物油の差は相当あります。



合成油という意味ではGTLベースのシェルリムラR6の5W-30が同じDH-2Fで20Lで2万円以下なのでGXディーゼルのコスパは悪いですが、ひとまずエネオスがバイオシンセティックオイルをリリースしたことに拍手。

この調子でX-Primeシリーズにもバイオシンセ使用したオイルがラインナップされて欲しいですね!
Posted at 2025/06/25 09:34:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年06月23日 イイね!

日産のディーゼルエンジンオイル

日産のディーゼルエンジンオイルルノーのエンジンオイルを調べていたら日産のディーゼルエンジンオイルが色々あったので先に書くことにします。

書くきっかけになったのはルノーのこの規格。
RN0720 Low-SAPS ACEA C4相当 5W-30 DPF付車








RN0720規格はM9Rエンジンなどが対象のオイルです。
M9Rエンジンはエクストレイルとか15年くらい前のディーゼルエンジン。
ルノー、日産、ダチアで使われていました。

このエンジンはDPF詰まり対策でLow-SAPS指定だったのですね。
硫黄(Sulfur)、灰分(Ash)、リン(Phosphorus)の含有量を低減したオイル。

なのでACEA規格はC3では無くC4という殆ど見ない規格。
ACEA C3とC4の違いはSPASだけです。
C3がMid-SAPSでC4がLow-SAPS。
エンジン保護性能はC3と同等性能を担保しつつLow-SAPSなのでC4の方が規格としては厳しい。


写真のユニオパール OPALPERF X-TRA 5W-40 ACEA C4は国内で販売されるRN0720 ACEA C4に適合する貴重なオイル。
PAO+エステルベースってことで化学合成油のようです。
(ユニオパールのSDS本国でも登録先行っても見つからない…)


そこで気になったのが日産純正オイル。
ルノーのM9RだとRN0720 ACEA C4指定なのに、エクストレイルディーゼル用のオイルはACEA C4適合品ですらありません。
何故かMid-SAPSのACEA C3が純正オイル。


純正がACEA C3オイル指定ですけどDPF大丈夫なんでしょうか?
Mid-SAPSは硫酸灰分が多いのでLow-SAPSオイルより先にDPF詰まらないのでしょうかね?
Low-SAPSエンジンにMid-SAPSオイルを使ってもDPFは20万km以上詰まらないだろうと私も普段から言ってますが、純正が自らそれをやるとは…

V37スカイラインの初期型でベンツ製の2Lターボエンジン搭載車がありましたが、あれは専用オイルでした。
日産純正エクストラセーブ・X Mスペシャル 0W-30(それ以外の場合MB229.5を指定)
リスクの高いディーゼルで何故専用オイルを設定しなかったのか…



この他、日産のディーゼルオイルがどうなっているか調べてみたら結構なカオスでした。
SAE30だけで5種類もあります。

・C3 5W-30
・DL-1 5W-30
・DH-2 5W-30
・E26スペシャル 0W-30
・DH-2 CF-4 10W-30


C3 5W-30 はエクストレイル専用かと思いきや2016年~2022年までのYD25DDTi搭載車はC3指定でした。
2012年~2016年までのYD25DDTiはDL-1とC3、C4が使用可。

アトラスなどZD30DDTi搭載車も2016年以降C3指定になってます。
2016年以前はDH-2が指定。

YD25DDTiとZD30DDTiがC3指定とは思わなかったです。
しかもYD25DDTiにC4も併記されているのとは意外。

日産純正のC4オイルなんて売ってなかったのにC4併記は謎ですね。


海外にはC4純正オイルがあったようです。




2022年以降のキャラバンの三菱製4N16搭載車は「E26スペシャル」というJASOでもACEAでも無い専用オイルです。
指定銘柄以外の場合は0W-30はDL-2で5W-30はC3というこれまた謎設定。



同じエンジンのトライトンは0W-30もDL-1という…



しかし、0W-30がDL-2で5W-30はC3という意図が判らないです。
どちらもMid-SAPSなので0W-30もC3指定でいいのに…
HTHS粘度がACEA C3(≧3.5)に届かない低粘度オイルなので0W-30だけDL-2にしたのでしょうか?
それならACEA C2(HTHS≧2.9)で良かった筈。

三菱はHTHS粘度が3.5以下でも良いので5W-30も0W-30もDL-1なのかな?
DL-1ならHTHS>2.9なので。


ACEA C2がマイナーだからDL-2にしたと言うならもっと意味不明です。
何しろJASO DL-2で登録されたオイルはまだありませんからね。
認証どころか適合品すらこの世に無い。
2021年に制定されたのに4年も出てこないということは今後も出ないでしょう。
各メーカー既にJASO規格は見放してACEAに移行済みですし。



それにしても、日産がディーゼルオイルに振り回されている感じが良く判ります。
ルノーはC4指定なのに同じエンジンの日産はC3指定。
三菱はDL-1指定なのに同じエンジンの日産はDL-2だったりC3だったり。


DL-1(Low-SAPS)でC3(Mid-SAPS)もOKなら、DL-2(Mid-SAPS)も可と言うのは一見理解出来ますが、DL-2はDL-1並みにエンジン保護性能がショボい割にMid-SAPSという3種の中ではオイル性能がもっとも低い規格です。

JASOがDL-2を新たに設定した意味も判りませんが、日産がDL-2とC3併記する意図はもっと判らない。
日産がホントにエンジンオイルの規格を理解しているのか不安になるレベル…
日産の中の人がDL-2の草案を作ったから何としても日の目を見たいと記載したか?



これだけ色々併記されると普通の人はどれを選ぶのが良いのか判りませんよね。
ディーラーとて対応出来ているとは思えません。


まとめ
エンジン保護性能
ACEA C3 ≒ ACEA C4 >> JASO DL-1≒ JASO DL-2

DPF保護性能
ACEA C4 ≒ JASO DL-1 > ACEA C3 ≒ JASO DL-2

エンジン保護性能とDPF保護性能を両立するのはACEA C4のみ。



どのオイルを選んだら判らない!
そんなアナタには最初に貼ったユニオパールのOPALPERF X-TRA 5W-40 ACEA C4をどうぞ。
DL-1とDL-2の記載はありませんがC4適合なので全てカバーしています。

ホンモノの化学合成油ですからDPF再生間隔も長くなるし保護性能はC3並みと考えうる完全体のオイルですね。
価格は高そうですけど。

ACEA C3でもいいかな?と思ったのですが、キャラバンにせよアトラスにせよ商用利用がメインなので30万km以上の想定が必要ですよね。
そうなるとC3使うとさすがにDPF詰まりの問題が無視出来なさそうで…



Posted at 2025/06/23 17:49:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年05月29日 イイね!

0W-20の難しさ

0W-20の難しさgoogleで「0W-20」と検索すると予測変換で「壊れる」とか「危ない」とか出て来ます。

本当にそうでしょうか?









0W-20の難しいところは超々低粘度から低粘度オイルまで色々あるところ。
これは5W-30より硬いオイルではあまり見られなかった現象です。

オイルが省燃費性能重視になり低粘度化したことが要因ですが、0W-20でも言う程低粘度では無いオイルもあります。

GRヤリスや400R、タイプRも指定粘度は0W-20です。
これらのエンジンに5W-30など「硬い」オイルを使うとパワーが落ちます。
硬いオイルは油温は下がっても攪拌抵抗は増えるので水温も上がります。

レスポンス重視の0W-30という逃げ道もありますが、あれもベースオイル粘度は0W-20と大差ありません。
ポリマーで保険掛けてるだけですね。
ちゃんと硬い0W-30もありますけどそれだと5W-30と同じ話で…


SAEの粘度規定は100℃動粘度なのでこれも事を複雑にする要因です。
例えば0W-30のオイルと0W-20のオイルがあったとして、100℃の動粘度は当然30の方が硬いですが120℃の時はどうでしょう?
ベースオイルに優れている0W-20とそうでも無い0W-30では100℃以上で動粘度の変化が大きい場合があります。
120℃になったら0W-20と大差無い0W-30意外とあると思います。

この場合は0W-20のオイルが優秀という話なのですが、30並みの性能がある20番もあると言うことです。

下の動粘度一覧からも読み取れますが、0W-20と言っても0W-8程度から0W-30程度の幅があると思ってください。
20はあくまでも100℃の動粘度です。

粘度指数の高いポリマーたっぷり0W-20だと新油時は20の粘度があっても劣化してくると16ないし12程度まで粘度低下する可能性も…



と言う訳で、0W-20でもどの程度粘度に差があるのかまとめてみました。
100℃動粘度はポリマーで変えられるので40℃動粘度[mm2/s]を基準にしています。
柔らかい順です。

23.7 トヨタ  GR サーキット
27.8 日産   ストロングセーブX
28.0 スズキ  エクスターF SN(シェル製)
28.1 ダイハツ アミックスエクストラ
28.3 エネオス X-Prime
28.8 出光   アポロステーション プレミアム
29.7 スズキ  エクスターF SN(出光)
36.0 トヨタ  モーターオイル
37.5 トヨタ  GR エンデュランス
38.5 MOTUL  SPECIFIC 508 00-509 00
40.3 トヨタ  GRスープラ C5 SP
40.8 モービル Mobil1 ESP X2
41.1 リキモリ トップテック
41.6 スバル  レ・プレイアードZERO
41.9 スピード NEXT STAGE
41.9 トヨタ  C5 for Diesel
42.6 カストロ EDGE
42.7 エネオス X
42.9 出光   アポロステーションオイル
43.2 スノコ  BRILL
43.4 ガルフ  ガルフアローGT20
43.5 ロイヤル ROYAL PURPLE HIGH PERFORMANCE
43.8 三和化成  Verity HYBRID SYNTHETIC
44.4 スノコ   Svelt
44.8 ペンズオ  プラチナム
44.8 中国興業  デイトナエボルブ
44.9 カストロ  GTX ULTRACLEAN
44.9 トヨタM キヤツスル
44.9 シェル  ヒリックスウルトラ(タイ)
46.3 中国興業 シーホースグラウドユーロ
46.4 ワコーズ EX-CRUISE SPECIAL
46.4 コストコ カークランドシグネチャー
46.4 モービル Mobil1 ADVANCED FUEL ECONOMY
47.1 コスモ  FILIO
48.8 ビリオン FA-020

【参考他粘度】
24.5 エネオス X-Prime 0W-8
26.4 エネオス X-Prime 0W-16
33.1 トヨタ  GRツーリング 0W-30
39.2 エネオス X-Prime 5W-30
45.9 LOVCA  プレミアムレーシング 0W-25
49.0 モービル Mobil1 5W-20
56.0 モービル Mobil1 0W-30
61.0 モービル Mobil1 5W-30
30~65 サラダ油



調べた中で一番低粘度な0W-20はGRサーキットでした。
低粘度品が多いエネオスX-Primeの0W-8(24.5)の動粘度をも下回る脅威の23.7です。
粘度指数は異次元の310です!(ほめてない)
調べた中で一番硬かったビリオンのFA-020は48.8ですから半分以下の粘度です。
GRサーキットはさすがにターボ車使用不可です。

これだけベースオイルが柔らかいので高温側は当然ポリマーで粘度を担保しています。
ポリマーがせん断されたらSAE8相当まで粘度低下が起こりうる訳です。
実際にはせん断されたポリマーのゴミが滞留するのでそこまで粘度低下は起きないと思いますが、それは本来のオイルの姿なのか…



そして次点は意外にも日産ストロングセーブXです。
これ動粘度27.8で粘度指数243というGLV-2規格を満たしつつターボ車にも使えるモンスターオイルです。(GLV-2はまだ未認証)
400RやRZ34指定オイルがこれですね。

ベースオイルがシェル製GTLなので組成の良さは判りますし、私も一度使用していますがミニサーキット位なら使える性能でした。
高粘度指数オイルらしく持ちは良くなかったですが。

正直なところこのオイルが無かったら低粘度な0W-20なんてダメだよ!
40℃動粘度40以上無いとね!
で結論付けるつもりでしたが、27.8でもターボ車で使えてしまった。
トヨタ純正がイマイチなのでむしろこれ推奨してた位で…

とは言え、このオイル、ターボ車で長く使うとスラッジだらけにならないか不安ではあります。
いくら化学合成油とは言え、ポリマーマシマシではスラッジは結構出るでしょうから…



想定回答だった動粘度40以上あれば安心か?
と言うとこれもそうとは言い切れない。

ベースオイルがホンモノの化学合成油でかつ粘度指数が低いものならそれはお勧め出来る0W-20と言えますが、Gr.II 以下の鉱物油が混じった0W-20も動粘度と粘度指数だけで見ると化学合成油と大差がありません。

流動点降下剤入れれば多少鉱物油でも0W満たせそうですし、-35℃の世界を検証出来る人もそうそう居ないから5W-20程度だとしてもバレないし…
ポリマーには流動点降下の作用もあるのでポリマー入れたら下から上までフォロー出来て一石二鳥。
鉱物油も混ぜられて一石三鳥!

売り手側にはメリットだらけですね。
安物鉱物油で0W-20が作れちゃう!
買い手側からしたら迷惑でしかないですが…



最後にトヨタだけ抜粋しますが、0W-20でも40℃動粘度がこんなに違う。
これを選べと言われても普通の人は判断出来ないですよ…
23.7 トヨタ  GR サーキット(エネオス)
36.0 トヨタ  モーターオイル(エネオス)
37.5 トヨタ  GR エンデュランス(エネオス)
40.3 トヨタ  GRスープラ C5 SP(シェル)
41.9 トヨタ  C5 for Diesel(モービル)
44.9 トヨタM キヤツスル(モービル)




【結論】
「0W-20でターボ車の油膜が担保出来るオイルは数値から判断出来ない。」


ふりだしに戻ってしまった…
タイトルの通り0W-20は難しいということですね。

強いて言えば、
「40℃動粘度40以上でかつ本当の化学合成油」
とは言えます。
これなら化学合成油リストと併せて見れば見つけられます。


もちろん指定粘度より柔らかいオイルはダメですよ。
5W-30指定に0W-20入れたら燃えてしまいます。
試す場合は自己責任でどうぞ~

Posted at 2025/05/29 08:09:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年05月28日 イイね!

本日もまたポリマー

本日もまたポリマー本日もポリマーです。
エンジンオイルでポリマーと言ったら粘度指数向上剤のポリマーです。








ポリマーとは高分子化合物の総称です。
対義語はモノマー(小分子)です。


エンジンオイルの粘度指数向上剤には色々ありますが、ポリマーの場合、材料は樹脂です。
つまり固体。


粘度指数向上剤のポリマーは低温では縮んでいます。
黄色がオイルで黒のグルグルがポリマーだと思ってください。
40℃のこの状態だと分子の物理的な大きさはどちらも大差ない。



次は100℃の状態です。
ポリマーは線状に伸びてオイルが運動する際の「抵抗」になります。
抵抗=増粘ですので見かけ上のオイルの粘度が上がります。
実際にこんなに綺麗に線状に広がるか微妙ですがイメージです。


例えば、黄色のオイルだけで作ったノンポリマーオイルが0W-20相当とすると、ポリマーを入れたオイルは低温の粘度は同じでも高温域での粘度が上がるので0W-30相当のオイルになります。
温度による粘度変化の少ない高粘度指数オイルが出来ます。
(硬いオイルは黄色自体が大きいです)

ただ、上のポリマーのように直線状(直鎖)に伸びるポリマーは増粘効果は高いですが、せん断安定性が低いです。
見ての通り金属の隙間に入り込んだら直ぐ切れそうですよね?


このポリマーにも色々種類があります。
上のポリマーは直鎖状でせん断安定性は低いですが、立体や円形状のポリマーは増粘効果は低いですがせん断安定性は高いです。

増粘効果とせん断安定性は反比例すると思っていいです。


ロングドレインオイルは耐久性の低い直鎖状のポリマーは性能が維持できないので採用しないようです。
ポリマー以外で増粘したり分子量の小さいポリマーを採用したり。
そのため粘度指数は全般低めです。高くても180程度。

高粘度指数オイルが大好きなエネオスだって欧州やアメリカ向けオイルは粘度指数は高くないです。
X-PrimeもACEA適合品の5W-40だけは粘度指数低い(180)です。


ポリマーの説明はざっくりこんな感じ。



ここで気になるのがポリマー自体の潤滑性です。
テフロンのような樹脂は確かにスベスベですがエンジンオイルのヌメヌメと比べて滑ります?
固体潤滑って意味での機能はありますがオイル程の潤滑性ってあるのでしょうか?
大して入っていないから影響は無い?


高粘度指数オイルはベースオイルは柔らかいので吹け上がりは軽いですが、イマイチ滑らかさを感じないです。
オイル自体が作れる油膜が薄い&固体が入りこむことからなのでは?とずっと思っていまして。


シリンダーとピストンリングの間にこの固体が挟まってるイメージ。
挟まっては切れ、挟まっては切れみたいな。
オイル自体の持つ油膜も薄いのでどうしても滑らかさが出ない。

ピストンクリアランスがミクロンオーダーでオイル分子量がナノオーダーなので大きさが違うだろ、というツッコミは判りますがオイルと金属が接するレベルまで拡大すれば最終的には分子同士の話です。

ポリマーはオイルに溶けているとは言え分子量はデカいです。
金属 VS 固体樹脂の対決にならないのか?


オイルに溶ける位なので私が思ってる以上に液体なのかもしれませんが、猫だって液体になる時代ですからね。
解釈によってはポリマーも液体になるのかもしれません。



加えてこれは誰も言ってませんが、樹脂は絶縁体ですが帯電はしますよね?
オイル自体も絶縁体ですけど帯電したポリマーはエンジン内でどういった振る舞いをするのでしょうか?

帯電しないと聞きますが周りが絶縁体だらけで放電出来ないだけで帯電してるのでは?
帯電していれば余計に抵抗になりそうですけどどうなんでしょう?

導電性の樹脂を用いれば解決しそうですがこれをやると油圧センサや油温センサーがオイル漏れした時にショートします。
流石にそんな樹脂は使わないと思いますが…



この辺りの知見お持ちの方是非コメントください。
この個人の感想文を知的で学術的なブログに昇華させてくださいw



粘度指数向上剤
Posted at 2025/05/28 12:03:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | 日記

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何シテル?   10/07 08:50
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