
GRカローラ用のオイルを作ってみることにしました。
とは言え、イチから作るのも至難の業ですしコスト的にも厳しいのでブレンドします。
要求仕様
・サーキット走行3回して油圧低下が30kPa未満
・サーキット走行含め5000km走行後に性能担保されていること
・LSPIに対応していること
・高粘度化による出力損失が無いこと
・2000円/Lを超えないこと
かなり厳しい条件です。
特に1個目。ダメオイルだとサーキット1回で50kPa落ちます。
ポリマーたっぷりだと街乗りだけ3000kmでも50kpa落ちたり。
サーキット3回+5000kmに耐えられればターボ車街乗り1万km楽勝のはず。
直噴ターボでオイルも汚れるのでそれ以上は宜しくないですけど。
GRヤリスやGRカローラのG16E-GTSは0W-20 API SP規格品が指定粘度オイルです。
5W-30やそれ以上の粘度帯のオイルは使用可とはなっていません。
ここがちょっと他のエンジンと異なるところです。
普通は他の粘度もユーザーマニュアルに使用可と記載されます。
GRヤリス、GRカローラは0W-20のみ
シビックタイプR(FL5)は0W-20から5W-30まで記載
何気にACEA A5/B5も記載ありますね。
とは言え、過去0W-20オイルを色々試してきましたが、やはり0W-20ではサーキット走行を含めると完全に性能担保するのは難しいです。
なので0W-20よりは硬く、0W-30未満の粘度を想定したオイルを作ります。
イメージ的には0W-25程度です。
あくまでも0W-20の範疇を超えない範囲での高粘度化。
混ぜるオイルは添加剤、ベースオイルが異なると効果が薄れそうなので今回はMobil1で作ります。
0W-20と0W-30を混合した理由は成分が似てるから。(GTL比率高)
5W-30だとVHVIが多く、ベースオイルの配合が結構違うので避けました。
また、LSPI非対応オイルだとノック補正学習値が下がると言う話も聞くので対応必須とします。
私はSP規格品しか使ってないですし、学習値があまり変化しないGRカローラですのでこの辺の差が判りませんが、前期GRヤリスはこの影響あるようなので必須要件にしました。
粘度計算ツールは
テンペラメントルブさんのサイトを使用しています。
入力する動粘度は100℃動粘度(カタログ値)を使用します。

0W-20を1.5L、0W-30を2.5L混合します。
これで100℃動粘度9.54cStなので0W-27相当の粘度。
次にアルキルナフタレンを配合します。

AN5とAN15は半々で150mLずつ配合します。
これで7.53cSt低粘度ANの出来上がり。
最後はMobil1とアルキルナフタレンの配合

4Lの0W-27相当のMobil1と300mLのANを混合します。
これで100℃動粘度が9.38となりましたのでだいたい0W-25程度の粘度になりました。
4.3LはG16E-GTSのフィルタ交換時のオイル容量です。
アルキルナフタレンを2種類配合したのはAN15だけだと高回転側の効果が大きく「中抜け」する感じがあったから。
高回転側だけやたらスムーズだったのでAN5を添加することで低回転から高回転までスムーズになるのでは?と想像。
以下レシピです。
Mobil1 0W-20 SP 1500mL
Mobil1 0W-30 SP 2500mL
AN5 150mL
AN15 150mL
最後に価格ですが、
Mobil1がペール缶で購入すると1250円/L程度なので5000円
AN5が150mLで1260円(250mLで2100円)
AN15が150mLで1500円(250mLで2500円)
合計7,760円となり1804円/Lとなりました。
この原価で実際に販売するとなると4000円/L位になりますよね…
このオイルでTC2000とFSW走って来ます。
結果は後ほど!
Mobil1 0w-20と0W-30のミックスは既にボルボで検証中ですがバッチリです。
期待通りの粘度になりました。
やはり組成の似たオイルで混ぜた方が良いですね。
同じレシピでの人柱も募集します。自己責任ですが(笑)
Posted at 2025/01/20 12:36:28 | |
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