
今年のマツダは来年以降のSKYACTIV第2世代のデビューに向けて、第2世代前夜の静けさ、みたいな様相です。既にCX-5は商品改良が行なわれていますが、今後はアテンザ、そしてCX-3の商品改良が実施されそうなことは、海外のモーターショーで新型が発表されたことで予想は出来ますが、その後は恐らく年明けに新型のアクセラが出るまでは大きな動きはなさそうです。
その新型アクセラ、否第2世代のSKYACTIVから採用となる「SKYACTIV Vehicle Architecture」が今回の話題。SKYACTIV-Xは解り易いが故に注目度も高いですが、ボクはこっちの方も大注目しています。
エンジンは人見さんが作ったこのチャート

の通りに進化を進めているのは非常に解り易いのですが、SKYACTIV Body、SKYACTIV Chassisの進化についてはこういった指針が無かったため、正常進化以上のことが想像出来なかったのですが、第1世代では独立していたボディとシャーシを、第2世代では統合する形で「Vehicle Architecture(自動車の構造)」としたところが新しい。
しかしながらどういった構造を取るかはあくまでも手段であって、その目的がどこにあるのか?マツダ車の乗り味の命は「人馬一体」ですから目的も当然「究極の人馬一体」が目指すところではありますが、その考え方は最早「
クルマをパワードスーツにしようとしているw」としか思えません(苦笑)。
その基本的なアプローチ、というか考え方は恐らく旧来のクルマの運動性能云々といったモノととは全く次元の異なる話です。
参考:
第2世代SKYACTIVシャシープロトタイプに緊急試乗 (2/5)
人間にとっての移動の基本は歩行であり、自動車が人馬一体を標榜するなら、そもそも走行は人間の歩行を模倣すべきだ、と言われてしまえばなるほどとうなずくしかありません(^_^;)。
参考:
第2世代SKYACTIVシャシープロトタイプに緊急試乗 (3/5)
そしてその歩行の模倣を実現するためにクルマのボディやシャーシに求められる機能を細分化したというワケです。
斬新というか画期的というか、非常に興味深かった点は、記事の中ではシートの例が紹介されていますが、恐らく従来のシートの開発って「乗り心地が快適」とか「コーナリング時のサポート性」みたいな観点で善し悪しを評価していたと思うのです。ところがこのアプローチでは
「路面からの力を骨盤へ伝達し、歩行時と同じ様に骨盤を規則的に連続的に滑らかに動かす」
ことが大目的なので、シートについては
・シートのレールやフレームは、ばね上と一体でズレ無く動くために必要な剛性
・座面の固さは(ドライバーと一体になるために)人体、特に筋肉の反発係数に合わせる
なんて話になってくるワケです。とにかくありとあらゆる点が従来のクルマ造りとは異なる評価軸で決められていくことが伺えます。「乗員に快適」とか「ドライバーの意のまま」なんて目先の話wではなくて、究極の人馬一体を目指すとは、
人間が本来持っているバランス保持能力を発揮できる状態を作ることというワケですから
と、ここまではイイのですが、そうやって出来上がるクルマには当然興味津々な一方で、それってどーなるんだろう?という疑問点もあります。別に懸念とかイチャモンwを今の時点で述べるつもりは無いのですが、試作車の試乗記などからうかがい知れる各記者の戸惑いとでも言いましょうか(^_^;)。
藤原大明神は「違和感が無いことの違和感」なーんて
インタビューで言っていましたが、その違和感って本当に無くても良いのか?というのがひとつ(笑)。
違和感という言葉自体が悪い言葉wなので、違和感が無いことは良いことと我々は素直に思いがちですが、本当にそうなのか?d(・・)、、、って、何を言いたいか解りませんょね?w
例えば!d(^_^;)
胃のレントゲンを撮るときに飲むバリウムがありますよね?ヨーグルトのような味を付けて最近は随分と飲み易くなりましたが、アレを飲み込むのが苦手という人は多いでしょう?素直に喉を通っていかないのは、飲み込むのに違和感が伴うからですよね?
では逆に何の違和感も無く飲み込める液体って、水とか、唾とか(笑)。
じゃぁそれ以外の飲み物ってどうでしょう?ジュース、ソーダ、日本酒、ワイン、etc.
そう、こうして飲み物に変えて違和感の有無(飲み込み難い/易い)に置き換えて見ると、違和感の正体ってバリウムのような悪wだけではなくて、それが「味」、つまりは個性に通ずる場合もあるのです。逆に違和感が全く無いって「無味無臭」というワケ(^_^;)。
勿論これがクルマに置き換わったときにどーなるか?は不透明な部分があって、それ故にボクには非常に興味深い点なのですが、どちらかというとマツダがやろうとしているクルマ造りの是非、というよりも多くのオーナーがどう受け止めるか?という反応に興味がある、、、のかな。
また、同じ考え方に基づいてどーもタイヤが専用設計になるようですが、これが既存のOEMやリプレースタイヤに比べてサイドウォールが柔らかくなる傾向のようです。
紹介した記事で記者は「足の裏の皮下脂肪や土踏まずのアーチ機能」と例えていて、それらの機能を模倣するためにサイドウォールの剛性を落とすという考え方にボク自身は異論も違和感もありません。
しかし試乗記のいくつかではこの柔らかいサイドウォールに起因すると思われる、
操舵に対する応答遅れや、
高荷重域での腰砕け感を指摘するモノもありましたし、旧来の価値観wに照らせば、高いサイドウォール剛性によって反応の良いタイヤの方が「スポーティ」と感じるのが一般的です(^_^;)。
ってな具合に、マツダが「違和感が無い違和感」と評するのが言い得て妙で、我々にとっては
多少~沢山wの違和感があるクルマが当たり前なワケで、その違和感が全く無くなってしまったクルマに一体どのような印象を持つのか?
なんらかの違和感が「味」とか「個性」と認識されるとするならば、全く違和感が無いとは「無味無臭」「無個性」とはならないのか?
なーんて妄想をしていると、やはり第2世代SKYACTIVは色々な意味で非常に楽しみです。
Posted at 2018/04/10 11:58:56 | |
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SKYACTIV | 日記