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タッチ_のブログ一覧

2015年02月11日 イイね!

マツダコネクト物語:あとがき

マツダコネクト物語:あとがき読者のみなんさん、こんばんわ。筆者です(笑)。

いやーーー、疲れました(^_^;)

こういった書き物をするのは実は人生で初めてだったんですが、いかがだったでしょうか?

ちなみに今のところ、然るべき関係筋からクレームも無ければ、出版関係から作家のお声掛かりもありませんけどね(苦笑)。

今回、あとがきと称して、一連の物語を書いた意図なんかをつらつら書いておこうと思います。

実はこの物語は、マツダコネクトに多少なりとも不満を持っているアクセラ、デミオのオーナーさんたちに向けて書きました。あまり好意的に感じて読んでくれた該当オーナーは少なかったようで、狙い通りにはいかなかったかもしれませんが(^_^;)

因みにですが、メーカーであるところのマツダを擁護する意図は、実は全くありませんでした。

経緯はどうあれ、こんなに品質が悪くオーナーに不評を買ったシステムを市場に出してしまった責は免れようもありません。

ただ、その点については製品の購買敬遠という形で社会的な制裁を自ずとメーカーは受けるものです。ボクのようなオーナーでもない個人が、改めて批判などを展開する必要はありません。

改めて、この物語が「不満や不安を抱えたオーナーのため」とはどういうことか?

不満とは、言うまでも無く製品の使い勝手の悪さや品質の悪さに起因する様々な不便です。

残念ながら、こういった製品を掴まされてしまった場合、文句を言おうが騒ごうが、直ぐには直らないのもです。実際にマツダコネクト・ナビの場合、抜本的な対策が打たれたのが5月と9月。アクセラ発売から10ヶ月以上も掛かりました。

不安とは、正にこの10ヶ月後の改善が図られるまでの間、「この不具合は治るのか?」「いつかは使い易くなるのか?」「そもそもマツダは直す気が有るのか?」といった、不満が将来解消されるかどうかが判らないことに起因します。

また昨年末に国産ナビが発表になった今となっては、アクセラやデミオのNNG製ナビから国産ナビに変更が出来るのか?という疑問も、不安のひとつにはなるでしょう。

そう、オーナーが感じる不安というのは、細かく分解すれば結局、現在の不満が将来どうなるかがわからない事に原因があるんですねd(^.^)。

更に言えば、そもそもなんでこんな品質の悪い状態で市場に出したのか?不満が直ぐに解消されないとすると、人はせめてその原因を知りたいと思います。教えてもらえなければ、そのことも新たな不満となります。

また、今回もそうですがこの手の製品の品質問題が生じると「マツダはリコールすべきだ!そうしないマツダはけしからん!!」なんて意見が必ず出ます。中には「返品に応じるべきだ」とか。こういった誤解、メーカーの義務でもなんでも無い事を義務だと思い込み、それを果たさないと勝手に解釈して腹を立てるというのも良くある話なんですが、ご本人が誤解と気付かない限り、こういった勘違いや、それを誘発するネット上の風評不満の原因になります。

では逆に、これらの不満や不安の原因を取り除くことが出来たらどうでしょう?

実際、これだけ評判の悪いシステムやナビでも、上手に付き合っているオーナーは居ます。ボクが過去にマツダコネクトに関してブログに書いたとき、そうコメントをくれたオーナーさんが居ましたし、ご自身のブログで「手間のかかる子ほどかわいい」などと発言しているオーナーも居ます。
一方で、色々な不満に辛抱がたまらずに車両を手放す事を決めたオーナーさんもいるようです。

両者の違いはなんなんでしょうか?

それはもひとえに「気持ちの持ちよう」以外の何物でもありません。

早い話が、様々な不満が生じたときにタイムリーに原因や経緯を教えて貰えたり、それに付随して将来その不満がどの程度、解消されるのかが知れていれば、人は意外に冷静に受け止めたり受け流したりといった"自己防衛"の手段を講じられるワケです。
ただ残念ながら、今回のマツダコネクトの場合もそういった情報は与えられませんでしたし、ボクが過去に体験したカロナビの不具合に関わるドタバタでも、やはりメーカーの内部情報は公開されませんでした。しかし、メーカーの中で起こっている事実は動かしようがありませんし、であれば正しく情報を整理して洞察すれば、もしかしたらテキトーな予想でも当たるかもしれません(笑)。

実際にボクは昨年の8月初旬に二本ほどブログを書いていますが、デミオにサービスキャンペーン後に更なる改良を施したバージョンを載せるだろうという話と、水面下で国産ナビの開発が進んでいる可能性という話、どちらもピタリ!近い未来を言い当てたワケです。

つまり、もしボクがBMアクセラのオーナーだったとしたら、現状の不満とその原因の洞察から導き出される、訪れるであろう未来はほぼ解ってしまっていましたから、将来の不安は何もなく、後は現状の不満とどう付き合っていくか?だけが問題だったワケですd(^.^)。

今、アクセラとデミオのオーナーさんがもし将来に不安を持っているとしたら、それはなんでしょう?

そのボクなりの答えは物語の第十四章に記載しています。勿論当たっている保障はありませんが、当たっている必要は最早ないのです。
これを読んだオーナーさんが「あぁきっとそうなるのか」となんとなく思えて、不安の解消に繋がれば(^^;)。

・恐らく、SDカードPLUSをアクセラやデミオにそのまま指しても、国産ナビは動かないでしょう。
・アクセラもデミオも、遠からずCX-5やアテンザと同様に国産ナビのみに切り替わるでしょう。

んじゃアクセラ/デミオの今のナビはどうなるの?

・3年間に地図更新は引き続き受けられる筈です。打ち切られる事は無いでしょう。
・バグの修正は行われるでしょうが、2014年5月のサービスキャンペーンのような大幅な機能改善はもう無いでしょう。

大体、販売されたソフトウェアの機能をタダで改善してくれたり、新しいソフトが出たら無料で交換してくれる事なんて普通はありません。他の製品ではどうか?と考えたら判るでしょうし、それをしてくれることが「当り前」と考えるのは世間知らずというものです(^_^;)。

となれば恐らく最大の関心事は、今のアクセラ/デミオで国産ナビが動くように出来るのか?なのでしょが、これはほぼ間違いなく出来るようになるでしょう。但し、、、d(^.^)

それに必要な費用の全てがオーナーの負担になるのか、マツダが負担軽減の何かをしてくれるのか、これがどうなるかは蓋を開けてみないとわかりません。

今の時点で云えることは、

①オーナーが費用を全部負担するとしたら、CMU(\65,500)とSDカードPLUS(\48.600)+工賃が最大
②マツダが一部補填してくれるとすれば、現行のSDカード(\36,000)を下取りしてくれるくらい?
③マツダが必要な部品を含めて無償で交換してくれる可能性は非常に低い


ってところでしょうか?少なくともボクがアクセラのオーナーだったとしたら、上記の②、③は期待薄と考えて、①に必要な費用の準備を進めているハズです。②をしてくれればラッキーだし、③までやってくれたらマツダにとっては英断で、大変ありがたいことだと思いますょ。

ってな感じで早い話がこの物語は、ボクがこの一年の様々な事実をどのように受け止めて原因や背景を洞察し、来るべき未来がどのようになるかを予想していた事を、登場人物などの尾ヒレを付けて膨らまして綴ったものなんですねd(^.^)。

2014年11月に国産ナビがCX-5とアテンザに載ると発表があるまでは、ボクも国産ナビの開発が進んでいる確証は無かったですが、進んでいるとするなら日本国内向けONLYという予測は見事に的中しました。そしてそのタイミングでNNG社製ナビをカタログから落とした事実は、今後の動きを予測する非常に重要な情報と言えます。

というワケで、ボクの予想ではアクセラ、デミオのオーナーさんが国産ナビを利用したいと思うなら、まぁ最大で12~13万くらいの出費を覚悟しときゃ良く、それが嫌なら現状のNNGナビと上手にお付き合いしましょう、という話(^_^;)。


こういった企画意図というのは、もしかしたら「はじめに」という形で記しておいた方が良かったのかもしれませんが、最初に種明しをしてしまうのもどうかな?というのもあって、最後にとっておきました。

もちろん、意図した効果を読者に与えられたかどうかは筆者の力量次第ですが。。。


実はこれは余談なのですが、マツダ技報2014が未だに公開されません(苦笑)。

ボクはマツダコネクトに限らず、マツダ技報からの情報をネタにブログを書いていたりしますが、もしかしてその事がなんらか影響して、あぁいった情報を広く公開するのは良し悪しがある、なーんて事になっているとしたら、ちょっとマズかったかなーなんて思ってたりします(^_^;)。

結構、毎年楽しみにしてたんですけどね(苦笑)
Posted at 2015/02/12 20:45:56 | コメント(7) | トラックバック(0) | フィクション | その他
2015年02月10日 イイね!

マツダコネクト物語:エピローグ

マツダコネクト物語:エピローグ※この物語はフィクションです。登場する人物、企業、製品、団体等は実在するものとは全く関係ありませんww

エピローグ

2015年秋の某日。

関西圏の某サーキットでマツダ車オーナーを中心としたファンフェスタが開催されている。

2015年2月にCX-3、6月にロードスターが発売となり、SKYACTIV技術と鼓動デザインをまとった新世代商品は既に6車種。パワートレインのみをSKYACTIVとしたプレマシー、ビアンテを加えて日本国内向けのほとんどがSKYACTIV塔載車となっている。

ファンフェスタに集ったマツダ車も、鼓動デザインの新型が多数を占めている。

小峰と田中は会場を歩きながら、とあるオーナーたちの会話が耳に入り立ち止まった。

オーナーA:もう発表を見た瞬間に一目惚れでね。週末にディーラーに行って速攻で予約したんだけどさぁ。納車されて直ぐ、ナビのバ●さ加減にビックリだったょ(-_-)凸

オーナーB:オレはディーゼル待ちだったから納車までちょっとあって、噂を聞いて覚悟はしてたんだけどねー。想像を遥かに超えたダメダメぶりでした。(T_T)

オーナーC:そうですかぁ?ワタシもちょっとドキドキしてたけど、全然普通に使えるじゃん?って思ったけど。

オーナーD:えー?、ボクのアクセラも最初からデミオと同じマツコネだったけど、このナビおバカって思うこと多かったけどなぁ。

オーナーC:\36,000のナビだったしw。過大な期待は禁物d(^.^)

オーナーB:デミオが出る頃までに随分と手が入ったからね。それ以前に比べれば相当良くなりはしたけどね。

オーナーD:ボクは国産に変った後のCX-5だから、以前のナビは知りませーん。

オーナーE:CX-3も国産ナビだけだから、前のナビみたいなヒドイことにはならないと思ってたけど、まぁ悪くはないけど、すごーく良く出来てるか、というとどうかな?と思う。

オーナーF:ナビもオーディオも、社外品に替えられないのは不満でーす。

オーナーC:そう?ワタシにはこれで十分だな。コマンダー使い易いし。

オーナーB:慣れれば確かに操作し易いってのは認めるけどねー。

オーナーA:変なルートを案内したり、ガイドが間違ってたり聞き取り難かったり、突然落ちたりって、そりゃ酷かったんだから、最初は。

オーナーD:今となっては貴重な体験だったんじゃない?(^m^)

オーナーB:そうそう。アクセラもデミオも国産ナビに切り替わった、今となってはね。



小峰と田中は顔を見合わせると、二人で軽く肩をすくめた。

会場内にイベント開始のアナウンスが流れ、参加者は仮設ステージの方に動きはじめた。

二人も移動する人の流れに乗って歩き始める。

この日は時期の割には穏やかな、イベント日和といえる良く晴れた一日であった。


Posted at 2015/02/11 21:40:00 | コメント(4) | トラックバック(0) | フィクション | その他
2015年02月09日 イイね!

マツダコネクト物語:第十四章

マツダコネクト物語:第十四章※この物語はフィクションです。登場する人物、企業、製品、団体等は実在するものとは全く関係ありませんww

第十四章:最後の難関

2014年12月某日、とある居酒屋の個室で田中、小峰の両技術者が上司の松本を待っていた。この店は今から約13ヶ月前、三人が密談したあの場所である。マツダコネクトの日本向けナビに大きな不安を密かに抱えていた彼らは、市場に出来るだけ早く日本市場に合った国産ナビを投入する事を画策し、約一年の奮闘の末、来月の正月明けに発売する大幅改良したCX-5、アテンザへの塔載に漕ぎ着けたのだった。松本はこの日もやや遅れて現れた。生ビールを頼んで、先ずは祝杯を上げる。

松本:年明けにはいよいよナビPLUSの発売だ。二人ともこの一年、本当に良く頑張ってくれた。ありがとう。まだ最後の難関が残ってはいるが、今日のところはこれまでの二人の努力を労わせてくれ。

田中:小峰君は良く頑張ったよな。

小峰:田中さんが影の功労者ですよ。ボクなんかより何倍も大変だった筈です。


三人はお互いを労い、この一年の苦労話に華が咲いた。しかし松本の言う「最後の難関」が三人に影を落としており、自然と話題がそれに及んだ。

田中:やはり、一筋縄ではいきませんかね。販売してしまったアクセラとデミオのオーナーさんたちへの対応は。

松本:先月の役員会でも話題にはなったそうだが、結論が出るには時間が掛かりそうだな。

小峰:マツダコネクトは!『古くならないシステム』という画期的なコンセプトを掲げてるんですっ!!一年経って国産ナビが出来てっ!「アナタのマツダコネクトはもう古くなっちゃったんで、このナビは使えないんです」なんて有り得ないでしょー!!!

松本:ちょっ・・・落ち着け!小峰君(苦笑)

田中:酔っ払ったか?(苦笑)

小峰:よっぱらってなんかいまへん!

田中:古くならないシステムがコンセプトと言っても、ナビプログラムを刷新することまでは、、、(苦笑)

松本:H/Wの交換も想定外だしなぁ。。。(苦笑)

田中:それがネックですか。。。

松本:いや、我々の素案に対して別に誰かが反対しているとか、そういうワケではないよ。色々とクリアしなきゃならん問題があるってことだ。

田中:じゃぁ、何がネックになっているんです?

松本:我々の素案は5月にやったのと同じサービスキャンペーンだが、そもそも今回の問題はリコールとかサービスキャンペーンには本来、該当しない。販売した車両は基本的にオーナーの所有物であって、メーカーが後からどうこう出来るモノではない。しかしメーカーの製造物責任に照らして、安全性に問題がある場合に法的根拠を与えて改善を行うのがリコール制度だ。今回の
(マツダコネクト・ナビの)問題は、クルマの安全性に直接関係しないからな。5月のサービスキャンペーンはある意味、異例の措置と言える。

田中:やはりそうですよね。もっとも、それを前例というか口実に、今回もやってしまおうという確信犯的な案だった筈ですが、、、

松本:今回、5月と決定的に違うのはナビソフトが全く違うモノになるという事だ。カタログ上も異なる製品ということになっている。こういった変更がリコールやサービスキャンペーンの内容として妥当なものなのか?という話。

田中:やはりダメ、、、ですかね。

松本;今、法務部が確認中だ。先ずは彼らの回答を待たなければ、サービスキャンペーンとして処理できるかどうかがわからない。

田中:他の部門からは何か言ってきていますか?販売部門とか。

松本:営業は基本的にサービスキャンペーンを歓迎してくれているが、異論も出ている。販売の現場ではお客様から相当にお叱りを受けていたからな。使い易いナビに無償で交換出来るならそうしたい、という声と、公平性に問題がないかを懸念する声だ。

田中:公平性・・・ですか?

松本:例えば既にアクセラやデミオを購入されたお客様のCMUやSDカードを無償で交換するとしよう。以前のSDカードは\36,000で、ナビPLUSより\12,600安い。一方で、ナビPLUSが使えるようになるまで待ってデミオやアクセラを購入したお客様がナビPLUSを使おうとすると、、、

田中:なるほど。\48,600払わないとナビは使えない。既にオーナーの方々が得をすることになりますね。じゃぁ差額をお客様に負担して貰うとすると、、、

松本:お客様に費用負担をお願いする時点で、リコールにもサービスキャンペーンにも該当しなくなる。であればナビPLUSへのアップグレードキャンペーンのような形にせざるを得なくなる。ただそうすると、希望しないお客様が出てくる可能性が出てくる。

田中:我々が懸念していた事態になってしまいますね。旧ナビが市場に残ることに。

松本:N社には引き続き製品サポートをお願いせざるを得なくなる。

田中:彼らはもう、撤退モードなんですか?

松本:それは無いよ。田中君なら良く解っていると思うが、彼らは社員も会社も誠実だよ。市場に製品を出した限りは、必要なサポートというか、義務を彼らの側から放棄する事は無い。ただ、今のバージョンに対して3年間の地図更新とバグフィックスはしてくれても、機能改善はもう難しい。

小峰:だからぁ!アクセラやデミオを購入されたお客様にも新しいナビをぉー!!

松本:落ち着け!小峰君(苦笑)

田中:こりゃ飲み過ぎたな(苦笑)

松本:この一年、ソフトの改善に努めてきた彼らだ。日本市場の評価も受けた。今後の可能性という意味では彼らなりの判断があるだろう。以後の新モデルのオプションリストに載せないことになった以上、市場に残る製品が全てナビPLUSに置き換わってしまえば、彼らも新たな利益を生まない製品を保守し続ける義務から解放される。先日発表があった新商品に(人的)リソースを集中出来る。こうなってしまった以上、市場から彼らの製品を回収してしまえれば、彼らにとってもメリットがある。

田中:なんとかお客様にご納得頂く形で、全てのナビを置き換える方法はないですかね?

松本:そもそもナビはオプションだからな。SDカードを購入していないお客様も少数ながら居るらしい。彼らに有償で交換をして貰うのは困難だろう。SDカードを購入したお客様でも、有償と知った瞬間に抵抗感を覚える人は居るだろうしな。

田中:感情的に「不良品を掴ませた上に、まともにするために更に金を払えだと?」なんてね。

松本:我々としても耳が痛い話だ(苦笑)。

田中:細かい話になりますが、有償交換を希望しなかったお客様の車両が数年後に中古車市場に流れて、それを購入したオーナーがナビPLUSを使いたい、となったらどうするんだ?とか。

松本:そういった細かな点をひとつひとつ詰めていくより、確実に該当車種を手当てしてしまうためのサービスキャンペーン案だったからな。

田中:他に障害になりそうな話は出ていますか?

松本:本社の財務部門は基本的に難色だよ。会社の業績に関わる話だから当然なんだが(苦笑)。

小峰:目先の利益を優先して、お客様満足を考えないなんてケシカラーン!これだから間接部門はっ!

田中:小峰!えーかげんにしろ!!

松本:やれやれ(苦笑)。サービスキャンペーンとなれば会社の利益に影響するからな。半期決算で過去最高益を記録したとはいえ、量販車種であるアクセラとデミオにリコールなりサービスキャンペーンとなれば、相応の負担は避けられない。

田中:ただ、小峰君じゃないですけど、会社の利益を守るために顧客を切り捨てるかのような発言をする人が居るとしたら、ボクも面白くは無いですね。

松本:ははは。誤解しちゃいけないよ。財務部門の連中は会社の業績に責任を持って職務を行っている。それ故の発言だよ。仮に今期末時点のアクセラ、デミオの国内累計出荷台数が10万台だったとして、1台当り5万円の費用負担が生じれば50億円。10万円なら100億円だ。部品代だけじゃなくサービスマンの工賃だってあるしね。会社の半期決算の経常利益がいくらだったか覚えているかい?

田中:あ、、、いえ(汗

松本:株主に業績見通しを発表している以上、下方修正は極力避けたいというのが彼らの思考だよ。これが本当に製品の安全性に関わる問題なら躊躇無くリコール費用を出してもくれるが、今回は我々開発部門の、言ってみればチョンボによる異例の対応という事になる。彼らからすれば、品質の悪い製品の販売に踏み切った挙句、異例の顧客対応で更にお金を使いたいって「ナニ考えてんだ?バ●ヤ●ー!」という話だな(苦笑)。

田中:ハハハ・・・返す言葉がございません、ってところですね(苦笑)。

松本:ひとつ聞かれたのは、実施は来期に入ってからではマズイのか?という話。4月以降であれば、こういった費用負担はこれから来期予算に組み込めるし、今期の業績に影響を与えない。

田中:あぁ、なるほど、そういう話ですか。

松本:そもそもこの話は、アクセラとデミオのオプションをナビPLUSに切り替えた後じゃなければ実行に移せない。サービスキャンペーンにしろアップグレードキャンペーンにしろ、製品を売った傍からキャンペーン適用というのも変な話だし。

田中:そうですね。

松本:財務部門が難色といっても、最終的に費用負担を決断するのは役員会であり議長のCEOだ。財務部門は彼らの観点で役員に対し判断材料を提供するに過ぎない。費用を掛けてお客様のために何かをし、それが巡り巡って会社のためになる、という判断が出来ればGOサインも出る。一方で、費用は掛けたが効果は限定的、多くのお客様が納得いかないというのでは、折角掛けた費用も無駄になる。要するに、何が最善かを判断する材料が、まだ揃っていないってことなんだ。

田中:なるほど。会社の中でも立場が違うと色々な意見というか、観点があるんですね。結論が出るまでもうしばらく掛かるってことですね。

松本:そういうことだ。

田中:まぁ、最低でもCMUを交換してSDカードを買えば新しいナビは動きます。小峰君がそこだけは守ってくれましたからね。

松本:そうだな。もし希望されるお客様はご自身の負担で、となれば不満を漏らす人たちも出るだろうが、そうならないように全力を尽くそう。ん?小峰君は轟沈か?(苦笑)

田中:みたいですね(苦笑)


座椅子の背もたれに寄りかかって首を垂れている小峰を見て、二人は微笑んだ。

エピローグにつづく
Posted at 2015/02/09 12:14:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | フィクション | その他
2015年02月08日 イイね!

マツダコネクト物語:第十参章

マツダコネクト物語:第十参章※この物語はフィクションです。登場する人物、企業、製品、団体等は実在するものとは全く関係ありませんww

第十参章:国産ナビの完成


2014年9月。新型デミオが発売された。塔載されたマツダコネクトはバージョン33。5月のサービスキャンペーンで提供したものが云わば、日本市場向けに大幅に機能を見直した版だとすれば、デミオの発売に合わせたコレは動作の安定性向上に重きを置いた版と言えた。また、スマートナビと命名されたK社製の社外品ナビも用意された。マツダコネクト非塔載のグレードでしか選べないとは言え、マツダコネクトに不安のあるオーナーへの別の選択肢である。

デミオの納車は9月中から始まり10月には本格化。バージョン33に対するお客様の声も徐々に届き始め、これが日本市場にどれだけ受け入れられているかも徐々に明らかになっていく。

2014年10月。国産ナビが開発試験をほぼ完了し、市販に向けた評価試験に入った。ナビ開発の反省や発売後のお客様の声を踏まえ、徹底的に日本のユーザーの使い勝手に配慮したナビである。国内ナビメーカーのトップブランドに肩を並べる、とまでは当然いかないだろうが、現状のマツダコネクトナビに比べれば相当に使い易く仕上げたつもりであった。

2014年11月。国産ナビの評価試験は継続中だが、概ね完成時期の目処が立ったタイミングで、マツダはN社に対してこの日本国内向け国産ナビの発売について打診する。但しコレは、N社製の現行マツダコネクト・ナビに対し、日本市場のお客様の使い勝手に配慮した上位バージョンと当初は説明した。デミオのナビカタログでも、K社製のスマートナビは「ナビの機能性に拘りのある方向け」という説明であり、どちらも標準となるN社のナビより日本市場に合ったナビを所望するお客様に、エクストラコストを負担して貰い提供する、というスタンスである。

マツダはこの時点で、今後販売するマツダコネクトのナビを全量、国産ナビに切り替えてしまうつもりは無かった。先ずはカタログに二つを並べ、お客様に選んでもらうというスタンスであった。

なぜなら、既にN社のナビが2万台以上のアクセラに載って市場には在り、その数倍のペースでデミオに載って販売され続けている。既に市場に出てしまったこれらの扱いを無視して、今後を考える事は出来ない。これらを使うオーナーが存在する限り、N社には引き続き製品のサポートをお願いしなければならない。しかし、、、

N社も、5月のサービスキャンペーンに向けた機能改善と9月のデミオ発売に向けた品質改善を経て、自社製品の実力と日本市場の評価について、理解するに至っている。

もしカタログに日本製ナビとN社製ナビが並べられ、日本製の方が多少高かったとしても、果たしてN社製ナビを選んでくれる日本のお客様は居るのだろうか?

過日、保守・サポート担当の田中が抱いた疑念だが、マツダからの国産ナビ完成の報を受けて、N社は否応無くこの命題と向き合わなければならない。

マツダとしては基本的に、自社製品のカタログに何を並べるかについてサプライヤーの意向に配慮しなければならない義務は無い。しかしビジネスを円滑に遂行するために、サプライヤーとの良好な関係を維持しなければならないのは当然のことだ。N社はグローバルでは重要なパートナーであることに変りは無い。日本市場に於ける販売台数は20万台強であり、全世界で100万台以上を売るマツダにとっては2割に満たない。8割弱の販売地域向けにはN社のナビは引き続き必要なのだ。

もし日本国内向けにN社ナビの販売を一方的に停止すると打診し、その他の地域のビジネスについても関係見直しを迫られればマツダも困る。更に、既に市場に出てしまったN社の日本向けナビのサポートが打ち切られる事も困る。N社への配慮は当然の事であった。

とはいえ、こと日本市場に付いては松本以下、マツダコネクト・チームの腹はこのとき既に決まっていた。しかしまだマツダとして機関決定したものではない。

つまり、日本製ナビの完成を受けて、N社がどう出るか?という事実も、今後の日本向けマツダコネクトをどうするのが会社にとって最善か?を判断するための重要な要素(条件)となるのだ。

N社との会談は開発部門の担当役員に松本も同席して、先方の責任者との間で行われた。その会議で交わされた内容など、仔細については社内にも暫らくは公開されなかった。

2014年11月20日前後、マツダはCX-5、アテンザの大幅改良と同時に、日本国内向けに限定して日本メーカー製と思われるナビを搭載すると発表した。世間では、やれパナソニック製だ富士通製だという情報が飛び交っていたが、それらは全てデマで、M社の協力を得てマツダが自社開発したものだという事は後に明らかになる。

そして、同月26日。N社は車載機器に向けて専用開発した次世代のナビコアソフトを開発したと発表。日本市場を含めた全世界向けて、自動車メーカーへOEM提供を進めていくとした。
今後のN社のビジネスに関する発表なので当然だが、マツダコネクトのナビに関する言及は無かった。

2014年12月。マツダはCX-5、アテンザの大幅改良モデルのカタログを販売店などに配布しはじめ、WEBカタログも新型に刷新されたが、オプションカタログには「SDカードPLUS」と呼称される国産ナビのみが掲載され、N社製ナビは無かった。

これの意味するところは一体、、、

第十四章につづく
Posted at 2015/02/08 14:37:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | フィクション | その他
2015年02月07日 イイね!

マツダコネクト物語:第十弐章

マツダコネクト物語:第十弐章※この物語はフィクションです。登場する人物、企業、製品、団体等は実在するものとは全く関係ありませんww

第十弐章:或る日の会議で

デミオの発売を控えた2014年8月中旬某日

マツダコネクトの開発、保守サポート、他、関係者の定例会。国産ナビの開発が決まり、保守サポートもサービスキャンペーン後にはある程度の落ち着きが出て、ようやく通常の組織運営的なことが定着してきていた。

定例会は各チームのリーダー・サブリーダー等、数名が集って仕事の状況や課題など、情報交換を通じて共有を図る。

この日は各チームからの報告に大きなトピックは無く、会議の最後に少し時間が空いたため、松本がサポート担当の大島に話題を振った。

大島:インターネットでちょっと面白いブログを見つけたので紹介します。

保守・サポートチームではマツダコネクトの不具合情報等が入手できないかという観点で、定期的にインターネット上の関係すると思われる情報を収集していた。そんな中で見付かったブログ等の記事で、特に好意的な意見等は、こうして会議の時間に余裕があったときに紹介し、まぁ雑談の種にしていた。

大島がスクリーンに投影したのは、とあるGJアテンザ・オーナーのマツダコネクトに関するブログであった。巷ではデミオから国産のナビが載るのでは?というデマが飛び交っているが、それに関連して私見を述べていたものだ。

『新型デミオ・デビューに向けて気になるマツコネの未来』

男性社員A:へぇー、結構当たってる。鋭いですね。

男性社員B:こういう切り口の意見というのは珍しいですね。

大島:もう一本あります。このブログの二日後に書かれたものですが、、、


『マツダコネクトの優れているトコロ』

男性社員A:これまた鋭い(苦笑)。なんか我々の動きを見透かされてますね。

男性社員C:技報から結構引用してますが、内容のみならずコンセプトとか設計の狙いなんかをかなり正確に理解しているようですね。しかも最後の一行。。。

女性社員D:実は国産ナビの開発は進んでいるんですねぇ。当たってます(笑)。

男性社員B:マツダコネクトにはかなり好意的なオーナーですね。技報の理解といいナニものですかね?関連会社の社員とか、業界の関係者とか?

大島:ご本人曰く、業界とは関係無いみたいですよ。

男性社員E:あ!このブログ!!このオーナーさんてもしかしてi-DMの?

女性社員F:i-DMのって?

男性社員E:アクセラの
(開発の)ときにi-DM担当のOさんに聞いたんですが、アテンザオーナーでどこを走っても5点満点っていう凄い人が居るって。

女性社員D:ど、どこでも5点ってマジで凄いわ!アタシなんか
(広島)市内走ると4点取るのも大変なのに。

男性社員E:i-DMを使って運転が上手くなる方法とかをブログに書いていて、i-DM担当の間では有名人らしいよ。書いている内容から、かなりクルマや運転には詳しいみたいで、i-DMをマツダに代わって宣伝してくれているようなもんだって。

女性社員F:へぇー、いいオーナーさんなんですね♪

男性社員E:先代アクセラからアテンザに乗り換えて、ずっとアベレージは5点らしい。

男性社員G:そういえば、パワートレインのPさんに聞いた話なんですが、アクセラからアテンザに乗り換えたオーナーさんのブログがヒントになって、モード燃費が改善できたって、同じ人かな?

男性社員C:なんで?

男性社員G:i-DMで5点しか出なくなったら燃費が1割上がったって話があったって言ってた。大体ほとんどのオーナーさんって、高スコアを出そうとすると燃費が悪くなるって言っているじゃない?

男性社員E:あ、きっとこのオーナーさんだと思うよ。

女性社員F:へぇー、凄いオーナーさんなんですね♪

男性社員B:でも、確かアテンザが発売になる直前、AWDがラインナップされないのはけしからん!って、なんか凄く厳しい事、書いてませんでしたっけ?

松本:あぁ、その話ならボクも聞いたな。
(アテンザの)前の主査のKさんが苦笑いしてたよ。フラッグシップのデビュー直前に、あれは参ったって。

男性社員A:AWDが欲しかったんですか。どんな主張だったんです?

松本:細かくは覚えていないが、クルマ造りの哲学がどうとか。。。確かに反論はし辛い内容だったような。

女性社員F:へぇー、厄介なオーナーさんなんですねぇ。

女性社員D:でも、結局アテンザに買い換えちゃったんですよね?なんかカワイイ。

男性社員B:いや、FFのDEモデルじゃ納得いかないってGEモデルを買ったんだよ。

女性社員D:???GEならAWDじゃなくてもイイんだ。。。

男性社員H:今、思い出したんですが、そのオーナーさん、アテンザのDEモデルにAWDが設定されたら買い換えるって書いてませんでしたっけ?

男性社員A:えーっ!今度の改良でアテンザにAWDって追加になるんじゃなかったっけ?

男性社員B:えーっ!ということは、このオーナーさんもマツダコネクト国産ナビ版の最初のユーザーになるってこと?

女性社員D:なんかヤバそうじゃない?マツダコネクトに好意的って、期待が大きいだけにガッカリしたらボロクソに書かれそう。

女性社員F:話を聞いていると怖そうなオーナーさんみたいですしねぇ。

松本:小峰君の責任は重大だな。おぃ、大丈夫かね?小峰君。

小峰:へ?


小峰はスクリーンに投影されていたブログを読みながら物思いにふけっていて、自分の名前と「大丈夫か」の言葉が辛うじて耳に入った。

小峰:あ、はい。大丈夫です。。。たぶん

一同:(笑)


小峰が何を聞かれたのかが良くわからずに答えたのを周りも理解していたため、その場に居た皆が笑った。

松本:小峰君の頼もしい言葉を聞けたところで、会議はここまでとしよう。今日もよろしく!

来月のデミオの発売、年末にはCX-5とアテンザの大幅改良と、まだまだ忙しい日々は続く。
Posted at 2015/02/07 21:29:32 | コメント(4) | トラックバック(0) | フィクション | その他

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