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2018年11月06日 イイね!

「マツダは欧州ディーゼル市場から撤退すべき」という話

「マツダは欧州ディーゼル市場から撤退すべき」という話先日、非常に興味深い記事を見付けました。

マツダ、欧州ディーゼル車から撤退すべきだ…ロータリー・エンジン過信で経営危機の二の舞(ビジネスジャーナル)

執筆したのはそれなりに名の通ってそうなビジネス評論家、経営コンサルタントで、ありがちな変なライターではない模様。

内容を読んで面白い!と思った理由は、書かれている事が至極真っ当だったから(苦笑)。

曰く、欧州のディーゼル乗用車市場は転換点を過ぎて衰退期に入っており、そこで残存者利益を狙うには一定のプレゼンスがあるプレイヤーとなる必要がある。このセオリーにしたがえば、現在のマツダのディーゼル車シェアは小さすぎる、というワケです。

彼のこの主張は独断でもなんでもなく、現状把握できる数字とプロダクト・ライフ・サイクル(PLC)のセオリーに基づいて導き出されているので、正しいのか間違っているのか、という視点で見れば確実に「一理ある」ものです。

そしてそれはかつてマツダの藤原氏がインタビューに答えていましたが、環境性能において大きな優位性を持つマツダのディーゼルではあるものの、市場全体がディーゼル縮小に動いたときに、その流れに引っ張られて売り上げが下ったこと、市場シェア2%の辛さを吐露していましたから、現実問題としても的外れな主張ではありません。

ボクが至極真っ当な意見と考えたのはそういうことです。d(^_^)

じゃぁこの記事が書いている通りマツダは欧州ディーゼル市場から撤退すべきなのかというと、ボクはそうは思いませんけどね(^_^;)。

この記事で一点、気に入らないのが過去のロータリーエンジン過信を引き合いに、ディーゼルエンジンの優位性という技術への過信を指摘しているところです。

今のマツダは別にディーゼル技術に過信している訳ではないでしょう。

マツダがかつて今後の自動車市場で生き残っていくためには「内燃機関に注力すべき」と選択と集中を行って、今現在そこに強みがあるのは事実でしょう。

他方で、そうは言っても内燃機関だけやっていれば良いというワケにはいかず、マツダの主たる市場のいくつかで電動化車両の需要が(それが例え、法規制に拠るものであっても)あるならば、マツダとして身の丈に合ったソリューションを展開しようとしている話もあります。

さて肝心のディーゼルですが、たとえ欧州で衰退期に入ろうとも相応の需要があり、日本でも今は乗用車市場で一定の需要がある以上、今持っているソリューション(SKYACTIV-D)で商売をしない手はありません。

問題は将来に向けて、、、ですが、ディーゼル直6開発の噂が示す通り、マツダはこの戦略エリアで追加の投資をしようとしていて、しかし残存者利益を得るための市場プレゼンス(平たく言えばシェア)が足りていないので、PLCのセオリーにプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)セオリーを援用すると「撤退」がマツダが採るべき道、というのが著者の指摘であり、追加投資などは愚の骨頂、、、というワケですが、、、(^_^;)

既に述べた通りでこの主張はけっして間違っては居ませんが、そのセオリーにしたがわないマツダは、自社のディーゼル技術を過信しているのではなく、別の未来を見ているようにボクは感じています。

おなじみのチャートですが、マツダが投資しているのはディーゼルエンジンだけではなく内燃機関であって、その究極の姿はガソリンもディーゼルもひとつ処に集約されていきます。

目的は言うまでも無くCO2の削減であり地球環境の保護が大命題ですが、そこに辿り着く道程に於いて、現実問題として化石燃料資源からガソリンと軽油が生成される以上、どちらも高効率で運用できる内燃機関が必要であるという考え方には、大いに共感できるものがあります。

更に、マツダはバイオ燃料の研究開発にも投資をしています。
バイオ燃料もバイオガソリン、バイオディーゼルと両方の可能性が想定されますが、ディーゼルエンジン技術を磨いていくことがCO2の削減に寄与すると信じるマツダらしい取り組みと云えます。

つまるところ、マツダ自身が生き残りを掛けて選択と集中をすべきエリアを何に定めて、それを追求していく中で思惑通りに生き残っていくために必要と思われる様々な打ち手を打っているだけ、という話で、特定技術領域への過信と云うのはアベコベな指摘にボクは思えます。

確かにPLCやPPMなんて手法に照らせばディーゼル車の撤退というのは、他の自動車メーカーがそうしたようにセオリーなのかもしれませんが、内燃機関に注力して生き残る前提のマツダにとっては、欧州市場でディーゼルが衰退期に入ったとして、そこで残存者利益を得ようとしたら

「プレゼンスを上げる」→「そのために直6エンジンが必要」

という論法になりますわな(^_^;)。その経営判断が当たるのか外れるのか?は今後のマツダ次第というワケですが、是非とも見事に当てて欲しいところです(笑)。
Posted at 2018/11/07 01:32:15 | コメント(1) | トラックバック(0) | マツダ | 日記

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