
昨年の11月に
豊川、
堺、12月に
東京と試験的にはじめたBe a driverなオフミ。
参加者に好評だったことから今年は3月から3ケ月毎に年4戦を開催しましたが、一年の振り返りを書こうと思います。
いきなり結論ですが、やって
大成功(大正解)でした。なぜならば、、、
参加者が
マジに
上手になりましたから(*^^*)。
年4戦をフル参戦したメンバーを中心に、その上達ぶりは目を見張るものがありました。
いやマジで(^_^;)。
図らずもその上達ぶりを最終戦の翌日にワィンディングロードで確認することになったのですが、ボクをして"ちょいと速め"と思えるペースで初めて走る峠道を下って上って、付いて来る
(そもそも付いて来れることも驚いたw)メンバーのi-DMスコアが下がりません(*^^*)。
しかも走ったシリーズトップランカーのメンバーたちは多少ペースを上げても「怖くない」どころか「凄く楽しい!」と言ってくれて、個人的には感無量といったところでした(T_T)。
事の発端は「運転が上手くなりたいと一生懸命努力している人たちに、日頃の努力の成果を披露できる場を提供して、
モチベーションを維持したり達成感を得られるようなイベントがなんとか出来ないか?」ということで考案したモノです。
「速さを競うのではなく上手さを競う」
実はこれとて簡単な話ではなくって、i-DMが付いていようがG-Bowlを使おうが、それらの評価システムが出す点数だけに着目してしまっては、単なる点取りテクニックに長けたドライバーが勝つというモノになってしまいます。「上手いヤツが勝つ」というルール作りはコース選定も含めて最初のハードルでした。
参加者に順位を付けるというのもどうなのか?これには良い面、悪い面と両方あって、成績が思わしくないドライバーを結果的に遠ざけてしまうリスクを伴います。
一方で人間「勝ちたい・負けたくない」と思えば努力もいとわないワケで、試験開催時の参加者の反応を見て思い切りました。
この"見切り発車"と"割り切り"が、実に想像以上の結果をもたらすことに繋がりました。
コース設定は基本的に単純な直角カーブの組み合わせ。埋立地の碁盤の目のような道路を使いました。ここで減速→旋回→加速を伴うコーナリングをしてi-DMとG-Bowlのスコアを組み合わせて順位を競います。走行ペースは旋回Gが0.2Gと0.3G。概ね20km/h弱と30km/h弱ですから、あくまで道交法の範囲内の遵法運転となります。コーナーの数が11~12となりますが、どれも同じような交差点、曲がり角なので、目標Gにピタリと合わせた減速→旋回でボールを回すこと、これをどこのコーナーでも同じように、機械のように繰り返す運転が求められます。

極めて単純なルールですが、実はこの中に
運転の上手さや
上手に運転するための
基礎となる要素が全て詰まっていて、この競技で好成績を収めようと考える参加者は、結果的に
運転の基礎を徹底的に磨くことになりました。
第3戦に至っては簡単な(ペースが遅い)目標0.2Gに於いてTOP4のコーナー平均スコアは9.3以上に達し、8点台後半のコーナリングが"失敗"になってしまうというハイレベルな戦いとなります。
その一方で目標0.3Gでは平均9.0点前後だったりi-DMが5点でなかったりといったところで、走行ペースが上がってくると運転の精度が若干落ちるというレベルではありましたが。
参加者は皆i-DMの今回のスコアで5点を出すことなど造作の無いレベルではありましたが、本質的に加速度の大小を評価対象から外している(走行ペースを制約しない)i-DMのスコアは、速度を落としたりゆっくり操作したりといった運転でスコアが取り易くなる側面があります。平たく言えば「速度が落ちれば運転は簡単になる」という話なのですが、多くのオーナーがi-DMのスコアを下げないために走行ペースを落としたり、逆にそれを嫌ってi-DM無視を決め込むといった事が起こるのは、
i-DMが運転と言う行為の本質を良く捉えたシステムであることの証左でもあります。
であれば、上手くなりたければ
ゆっくり走っても速く走ってもスコアが出るようにならなければイケないワケで、G-Bowlの目標Gを高低(0.3Gと0.2G)両方定めて競うこのルールは、ドライバーの走るペースを敢えて縛る効果を狙ったものでした。
当然、ゆっくり走る方が運転は簡単なので、0.2Gでスコアが頭打ちになるのが先というのは予想通りではありましたが、
第3戦でここに達するドライバーが四人も現れた事は主催者としては喜ばしい事でした。
また、この競技を通じて取得したG-Bowlのログを分析し、各ドライバー毎に
詳細なカルテを作って渡していたのも特徴の一つです。i-DMもG-Bowlもスコアだけを見てしまっては各ドライバーの悪い点が見えてきません。なぜスコアが低いのか?或いはスコアが出ても悪癖や甘さは無いのか?G-Bowlもi-DMと同様にスコアが出る事を面白いと感じる人は居ても、意外にログの見方、果ては理想的なログの形がどのようなモノかを知らずに使っている人も多いです。
コースが単純であるが故に、理想的なログとご本人のログを比べながらどこが悪いのか?どうしてそのようなログになるのか?といった解説や、それを理想的な形に変えていくための運転の修正点、トレーニング方法などのアドバイスを記して、希望する参加者全員に配りました。


シーズン途中から初参戦したyasu03さんとヴィラなべおさんのカルテ
因みにこの二人、初参加の時点で最も上手かったドライバー
ヴィラなべおさんは目標0.2G、yasu03さんは目標0.3Gの走行が非常に上手かった
このカルテのアドバイスを率直に受け止め、愚直に課題解決に取り組んだドライバーが次戦で好成績を出し、改善できなかったドライバーは成績が果々しくないという結果となって、試験的に開催した昨年暮れには大きな差は無くほぼ横並びだった参加者たちは、シーズンが進むにつれて徐々に差が付いていく事になります。
手前味噌ではありますが、参加者の詳細なドライビング分析と改善点、トレーニング方法の指南といった内容のこのカルテ、こんなのが貰えるドライビングレッスンは、ボクの知る限り
世の中には存在しません(^^;)。しかも
タダだし(爆)。
実際このカルテ欲しさに参加してくれた方もいらしたくらいですが、残念ながらカルテを貰ったからといって、改善の努力が成果となって現れなければ運転は上達していきません。そしてその努力は、実は極めて地味で根気の要る、とても時間が掛かる作業なのですが、成果に繋げた参加者が数名表われてくれたことで、ボクの苦労も報われたと言えます。
個々人向けにカルテを作るって、これ相当に大変なんですょ(^_^;)。
シリーズを牽引したのが
みんこりー&ちぇんご夫婦ですが、この「AT限定免許の主婦」と「アクセラを買うまではほぼペーパードライバー」という夫婦が、もの凄い勢いで上達していきます。
初戦と
第2戦で順位を入れ替えながらご夫婦でワン・ツーフィニッシュを飾り、連勝ストップを期してボクが
芸名で出場せざるを得ない状況になってしまいましたから(^_^;)。
実は
みんこりーさん、いつからかはボクも知らないのですがかなり本気で「タッチ_さんに追い付き、追い越す!」という目標を掲げていて、それが彼女のモチベーションの源でした。更に幸運
(不運かもw)なことに、アクセラ購入以前はほとんど運転をされなかったご主人のちぇんさんの方が少し早く半歩先を行く状況になってしまって、既に火が点いていた向上心に更に油が注がれることとなります(^^;)。
また
みんこりーさんと同じ日にボクの
オフミに参加した
poyoyon2さんが「AT限定免許の主婦には負けられない!」とこれまた闘志を燃やすこととなり、まさに芋づる式にこの3人がボクを目標に運転技術向上に邁進していきます。
そんな状況になっているとは露知らずにノホホンとマイペースで居た東海メンバーは、6月の
第2戦に遠征してきた関東勢に圧倒され、横並びだった昨年末時点からたったの半年で決定的とも云える差を付けられてしまい、一部メンバーは尻に火が点きます(苦笑)。
また春先に見つけた
RYUSUさん、お定まりのパターン
*1でi-DMについてブログを書き始めた彼を
プチオフに呼んで
みんこりーさんのクルマに乗せたところ、その実力差に愕然となってこれまた向上心に火が点くのですが、
第2戦で惨敗してカルテを渡した後からようやくまともな上達のための道筋に気付き、練習の鬼となって優勝争いに加わってきます。
*1:マツダ車購入前からi-DMに興味津々ながら、購入後は暫らく音無しで、i-DMが3rdステージでアベレージが5.0になってから、おもむろにブログを書き始めるというパターンw。
この
RYUSUさんも
みんこりーさんと同様に、9月の
第3戦でボクを打ち負かすことを密かに胸に秘めていたのですが、多少の思惑違いはありつつも予定通りに実力の違いを見せつけて(爆)、更なる上達の糧にして貰うことになりました。
みんこりーさんや
RYUSUさんが今年中にボクに追い付き追い越すという目標自体は身の程知らずも甚だしい話なのですが(^_^;)、運転に限らず人間この「高い目標を掲げる」事が大変重要です。
ボクを慕ってくれる東海メンバーの
hanautaさんなどはボクを「神様」と呼びたがったのですが、ボクは厳しくそれを禁止しました。神様と思ってしまえば「彼には追い付けない」という無意識の壁を作ってしまいます。逆に言えばボクを「いつか追い越す目標」と定めたからこそ、
みんこりーさんや
RYUSUさんは短期間でもの凄い上達を果たせたとも云えます。
余談ですが「タッチ_さんを追い越す」という目標は果たして身の程知らずなのか?
参加者が競技メニューの0.2G、0.3Gのコーナリングをどのように捉えているかは聞いたことがないのですが、公道で行う前提という事もあって走行速度は実はとても遅いのです。0.3Gであっても。 コースも直角コーナーのみですから極めて簡単です。
仮にスキーに例えれば、緩斜面をゆっくり滑る、或いは少しスピードを出して滑る、という世界です。しかしスキー場には中斜面もあれば急斜面、コブ斜面なんかもありますよね?(^^;)
緩斜面を一緒に滑っているその姿だけを見ていれば、いつかは追い付き追い越せる、と思い込んでも仕方ないかもしれませんが、じゃぁ中斜面では?急斜面では?どうなんでしょう?(^^;)
ボクはサーキットの走行経験があって、0.8~1.0Gという世界を知っています。その世界でクルマを操りそれなりのタイムを刻む実力はあるんですが、これがスキーでいう処の急斜面。そもそも急斜面(サーキット)を滑った(走った)ことが無い二人ですし、ボクだって持てる実力の全てを見せることは出来ません。当り前ですよね?公道(緩斜面)なんだから(^^;)。人間は知らないことは理解出来ません(苦笑)。自分の目で見た範囲内でボクの実力を量って、いつか追い付きたい!と思ったのは立派なことなのですが、簡単に追い付けたら大変です(^^;)。
ただ逆に言えば公道という限られた条件の範囲内であれば、追い付くことも追い抜くことも不可能じゃありません。ただ仮に追い付かれたとしても、ボクにはまだまだお二人に教えてあげられる事は沢山持っています。実際最終戦の中でも、色々と教えてあげられることがありましたよね(^-^)。
みんこりーさん、ちぇんさん、
poyoyon2さん、そして
RYUSUさんが加わった四人に引っ張られる形でシリーズは進み、最終戦はクローズドコースを走ることになったワケですが、ボクが見せたかったのは次の世界。その一方で参加者の皆がボクに見せてくれたのは、
この一年で身に付けた実力というか成果でした。ボクが仕組んだと言えばそうなんですが、正直なところ参加者が見せてくれた実力の高さには、ボク本人が一番ビックリしたと思っていたんですが、参加者のブログでも何人かが「自分にこんな走りが出来るなんて知らなくて驚いたw」なんて書く人が複数居て、それがそのままボクが一年を掛けてやってきたことの正しさを証明したと言えます。
i-DMはとかくステージやスコアばかりに話題が集中しますが、これを上手く使えば本当に運転は上手くなる、とボクが
約3年前に得た結論を、ボク以外の何人かが証明してくたと思っていて、この一年に掛かった時間、労力、そしてお金wが無駄では無かったと、今は心の底から思っています。
願わくばこれを運転が好きな人、上手くなりたいと思っている人にもっと広げていきたいと思うのですが、それは来年以降の宿題という事で(^_^;)。