
この週末、
日経Automotive7月号を購入して人見さんのインタビュー記事をはじめ、自動車メーカー各社の近未来(今後2~3年)の動向に思いを馳せました。
人見さんのインタビュー記事は、誤解を恐れずに言えば新しい情報は何もありませんでした(苦笑)。
しかしこれって彼が主張してきた事が未だにブレていない事を示すモノです。

自動車メーカーにとってエンジンは競争力の源泉であり、しかし開発には膨大なお金と時間が掛かる事から、方向性を一歩間違ってしまうとメーカー自体の死活問題にすらなりかねません。
他方、ボクのクルマ選びに魅力的なエンジンと言うのが凄く大きな要素で、エンジン単体の出来/不出来もさることながら、メーカーの開発姿勢など愛車のエンジンが生み出される背景も、実はボクにとってはクルマの魅力を左右する重要な要素だったりします。
ボクが初めて買ったクルマはマツダのRX-7(FC3S)で、もう25年以上も前ですが社会人一年生の若造wにとってはとても高い買い物でしたが、未だに後悔は微塵もなく、とても良い思い出です。
そしてその選択に拘った理由が実は、この本で語られたロータリー開発秘話でした。

まだクルマのことは何も知らない無知なヲタクwを感動させるには十分で、なんとしてもロータリー搭載車のオーナーになるんだ!と無理をしてFCを買ったワケですが、愛車には大変満足していたものの、確かにレシプロエンジンより燃費もレスポンスも悪かった(苦笑)。
その後、そのロータリーが敵わないと言われ続ける自然吸気レシプロエンジンのレスポンスとやらに初めて出会ってコロッとホンダ党に鞍替えしてしまったワケですが(爆)、実は二輪時代はホンダに乗っていて、そこでエンジンのホンダという企業姿勢については十分に理解はしていたワケです。
同じ排気量で2サイクルエンジンを4サイクルエンジンでやっつけるとか、乗用車の量産エンジンでリッター100psを出すとかw
で、ずっとVTECエンジンの愛車を乗り継いで20年ぶりにマツダに回帰したワケですが、やはりポイントとなったのはエンジンで、SKYACTIV-Gとマツダがそれを生み出した背景や、今後目指す未来というものへの共感が、やはり選択に大きく影響したことは、人見さんのインタビューが掲載された雑誌を読んで再認識したのでした(^_^;)。
ロータリーに続いてレシプロでも他社とは異なるアプローチを採るのはもうマツダのDNAなのかもしれませんが(苦笑)、かつてのロータリーと今のSKYACTIVが決定的に異なるのは、ロータリーが世界で唯一のエンジン(形式)であったのに対し、SKYACTIVが世界一のレシプロエンジンを目指している点です。ただこの世界一って馬力やトルクなどの出力では無くて"効率"です。
つまり燃料をもっとも無駄なく(多くの)仕事に変えることに於いて世界一、という話で、それは燃費という形で現れはするのですが、単に燃費の良いクルマを造るという話ではありません。
内燃機関は燃料が本来持っているエネルギーの40%未満しか動力に転換出来ず、残りは色々な形で捨てています。それを捨てずに動力に転換する割合がもっとも高いエンジンが「世界一高効率なエンジン」という称号を得るワケで、マツダはそこに注力しています。
一方で、例えばハイブリッドなどは勿論エンジンの高効率化は図るものの、エンジンが捨てている60%以上のエネルギーの一部を電気と言う別の形に転換して動力化する話です。方法論が異なるだけで、結果的に燃料の持つエネルギーをエンジンとモーターという合わせ技で動力化し、結果として効率を高める試みということになります。
ただこういう捉え方をすると、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)ってハイブリッドとは似て非なるモノということになります。PHEVは燃料以外のエネルギーを外部からクルマに蓄えて(充電)、或る領域では
燃料を使わずにクルマを動かすというワケですからね。プラグインではないハイブリッドと同じ技術も使うわけですからクルマ造りという点では全く別物ではないものの、「燃料の持つエネルギーを出来るだけ多く動力に転換する」のと「そもそも燃料を使う場面を減らす」という試みですからね。見方を変えるだけでこうして違うモノに見えたりするから面白い。
いずれにしても化石燃料の枯渇懸念や、温暖化ガス排出削減などの社会的な要請も背景にあって各社、技術開発に余念がないワケですが、マツダが採る戦略(エンジンの効率を
極限まで高める)にはとても共感するものがボクにはありました。
別にハイブリッドやPHEVがダメとか、燃料電池に懐疑的と言うワケでは決してありませんが、マツダが数年前「なぜSKYACTIVなのか?」という企業の取り組みを説明する中で様々に示された自動車動力源の電動化に対する疑念は、確かにここ数年の世の中の動きを見事に言い当てていました。曰く
・ハイブリッド車が普及してもエンジンは無くならない。
・高価な電池やモーターは車両価格を押し上げて普及には阻害要因
・電気自動車やプラグインハイブリッド車が普及したら充電のための電気が足りない
・電気自動車は充電に時間が掛かり実用性に難点
・燃料電池車は燃料供給や燃料補給などのインフラ整備が課題
etc...
これらの主張はその言葉尻だけを捉えると「電動化自動車否定」に見えてしまいますが、勿論マツダにそんな意図は無く、各自動車メーカーやメディア、市場が注目する電動化に対して、マツダがなぜそういった取り組みをせずに内燃機関の効率化に注力するのか?その企業戦略に至る理由を説明しているに過ぎません。トヨタとホンダが市販した燃料電池車とて、誰かが先駆者となって切り開いていかなければならない重要な技術開発であることは間違いありません。
しかし世の中が変わっていくには時間が掛かり、その間の自動車需要も待ってはくれません(苦笑)。
冒頭紹介した雑誌では「人見さんの読み通りに世の中が動き始めた」みたいな言い方をしていますが、ボクは別に現時点で「マツダの主張は正しかった」などと言うつもりはありません(^_^;)。
ハイブリッドもダウンサイジングターボも、SKYACTIVも各社が各社なりに知恵を絞って開発した技術ですから、横並びに比較すれば良し悪しの性能差はあっても、正しい・誤りとは一概には言えないものでしょう。
ただ、マツダと言うか人見さんが示した究極の内燃機関に対するロードマップは未だにブレることなく、一方でVWを筆頭に欧州メーカーが推進したダウンサイジング過給コンセプトは昨今、ライトサイジングという言い方で方向修正が図られている事実は動きません。
このことは、ダウンサイジング過給には一定の成果はあったものの既に限界が見え始め、更なる効率化を目指すには軌道修正を図らざるを得なかったことを示しています。
一方マツダのSKYACTIVは現行第一世代で圧縮比の最適化を達成し、次のターゲットとなる制御因子は比熱比です。理想空燃比より更に燃料を薄くして空気過剰率を高め、着火し難くなる問題はHCCIで解決するという方向性は数年前に示されたまま。
結局ボクは、マツダがロードマップで示したガソリンエンジンの進化の姿に非常に強い興味を覚えて、マツダ車を愛車にしているってことなんですね(^_^;)。
勿論それだけじゃなく魂動デザインも人馬一体も重要なんですが、、、A^_^;)
Posted at 2016/07/04 14:20:34 | |
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