男30 ＧＴアゲイン

マンガの中のクルマの話――

近年『擬人化』というジャンルが盛んだそうで、艦船を美少女化した「艦隊これくしょん」、刀剣を美男子化した「刀剣乱舞」、動物を美少女化した「けものフレンズ」といった著名な作品名が思い浮かぶ。

自動車の擬人化はあるのだろうか・・・と思って検索してみたら「車なごコレクション」や「ウチのクルマがこんなに可愛いわけがない!?」という作品があった。

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今回とりあげるのは『枯葉の街 / 柴田昌弘（1980年）』という短編ＳＦマンガ。
特定車種の美少女化ではなく、女性が自動車のように商品化されている世界が描かれている。

作中の社会での人間は男性だけ。　女性は遺伝子操作でデザインされたプロトタイプを急速クローン培養して知識教養をプログラムされた「ギャル」という商品で、男性は17歳になると「ギャル」を購入できる。　中古車店ならぬ中古ギャル店もある。

男子高校生たちは休み時間に「ギャル」のカタログを眺めながら盛り上がる。


英語の先生がドイツ製の高級ギャル「メルセデス」を連れて登場。


「男30 ＧＴアゲイン！」は初代カムリ（1980-1982年）から。　購入したらどうなるんだろう（笑）
「ツインギャル」は「ツインカム」のもじりで２代目セリカ（1977-1981年）から。　今の時代ならインターネットを介した通信で同期だが、テレパシーの方が凄い技術だ。

ちなみに初代カムリは「セリカ・カムリ」という名前でセリカの４ドア版という位置づけ。　カリーナのカローラ店版とも言える。

こちらは２代目セリカの後期型。　当時DOHCエンジンを持たなかった日産への攻撃。


クライス社のディーラーの向かいの喫茶店にて。　ここでの「ビッグ２」とは「KOYOTA」と「NESSAN」。

作品発表の1980年ならトヨタと日産が国産２大メーカーとして、まだ「ＴＮ戦争」を行っていた時代だろうか。　クライスラーの政府機関公用車はともかく、当時の事情が反映されているようで振り返って見ると興味深い。

物語の方は、主人公のシローが存在するはずのない人間の女の子と出会い、やがて二人で逃避行をはかるが悲しい結末を迎えるのであった・・・