８６のルーフがもげる死亡事故

2021/12/29の午前6時20分ごろ、神奈川県茅ケ崎市の新湘南バイパス下りの茅ケ崎海岸IC付近でトヨタ８６が車線減少用に設置されたガードレールに衝突する事故が発生。　８６の乗員は１名だけで、運転していた藤沢市の男性(25)が死亡した。


８６のルーフとリアガラスがなくなっており、ガードレールが持ち上がって載っている状態。　ガードレールはコンクリートのブロックを土台として路面に置かれているが、８６の後方はガードレールの支柱がなくなっていたり、前方にも支柱が落ちている。

フロントノーズが低いクルマがカーブを曲がり切れなかったときなどにガードレールの下にノーズを突っ込むことはあるが、この状況は珍しい。

画像はGoogle ストリートビューで、事故現場は２車線から１車線に車線が減少している。　８６は右車線を走行し続けてガードレールの端部から突入したようだ。


視聴者提供のドラレコの映像。　最初の支柱でボンネット（アルミ製）やルーフがもぎ取られたのだろう、画像の右下に車体と同じオレンジ色の物体が見える。


８６のすぐ後ろに支柱が落ちている。　ガードレールのみならず何本かの支柱が８６の車内を「通過」する様子を想像すると恐ろしい。

ガードレールの重量に圧し潰されたと言うよりは、ガードレールの支柱にルーフをもぎ取られて支えるものがなくなったという状況だろう。

後続車両のドライバーは「まっすぐガードレールに向かっていた」と証言しているので、回避のためのハンドル操作は行われなかったようだ。
前方不注意で車線の減少を見落としたか、カーナビやスマートフォンを注視していたか、冬の早朝の出発で居眠りしてしまったか・・・


突入した位置はナンバープレートの右隣のあたりのようだ。


クレーンでガードレールを持ち上げた場面。　ハンドルを操作しなかった場合も「ハンドル操作を誤った」と表現すべきなのかは迷うところだ。

ところで「車高が低いため 下の隙間に挟まった可能性」が考えられるが、８６ではなく一般的な2BOXカーや3BOXセダンの場合はどうなるだろうか？

2016/06/12に兵庫県宝塚市のR176で発生したホンダ フィットの自爆事故では、中央分離帯の地面に設置されているガードレールが持ち上がってフロントガラスの下部からルーフの方へ貫通していた。
８６の事故はコンクリートブロック置きだから持ち上がりやすいのかと思ったが、そうでなくても持ち上がるものである、という事か。

http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51958018.html
https://response.jp/article/2016/06/17/277034.html

今回の事故は「下の隙間に挟まった」のではなく「ガードレールを持ち上げた」と表現すべきだが、それはさほど重要ではない。　ランクル級ならともかくヤリスやカローラやクラウンでもルーフをもぎ取られるか貫通するかで、いずれにせよ深刻な被害に及んでいたと思われる。

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