• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2022年11月11日

いろは坂ヴェゼル立ち往生多発事件

いろは坂ヴェゼル立ち往生多発事件 日光「いろは坂」の上り専用道路「第二いろは坂」でホンダの初代ヴェゼルなどのハイブリッド車の立ち往生が多発していたという、2022/10/30のツイートが話題になっていた。
https://twitter.com/nikomiiii__/status/1586651183858388992
https://togetter.com/li/1966432




初代ヴェゼル (2013-2021)のハイブリッドは「SPORT HYBRID i-DCD」という方式で、3代目フィット (2013-2020)で初登場。 「高出力モーター内蔵 7速DCT」により、高い伝達効率とMT車のようなダイレクト感のある加速を実現している。

モーターは1個だけで駆動または発電を行うが、両方を同時には行えない。 コンパクト化のためモーターの内側に遊星歯車方式の1速をレイアウトしている。

ホンダのHPの解説によると、i-DCDは3つの走行モードと回生ブレーキがある。
  1:モーターのみ(発進時や市街地など。発電不可)
  2:エンジン+モーター(加速時など。発電不可)
  3:エンジンのみ(発電可)
  4:減速時の回生ブレーキ(発電用)
通常の発進時や走行時は1番か2番で発電不可。 3番は発電可能だが20km/h程度以上の車速が必要という。 4番はアクセルオフやブレーキで減速時の発電。

今回の「第二いろは坂」のように長距離の上り坂で微低速の渋滞が続くと電気を消費する一方で発電ができず、やがてエンジンだけの走行になる。 トルコンを備えたAT車なら普通にエンジンで走るだけだが、モーターが使えなくなったi-DCDで半クラッチ走行が続くとクラッチの温度が過度に上昇して警告が表示されて停車を促される。



この「第二いろは坂」をトヨタ 86 (6MT)で2019/11/4に通ったことがあるが、渋滞中は4km/h程度での低速走行が続いた。
1速でクラッチを繋ぐと8km/hぐらい出てしまうので「半クラッチで動力走行」と「ニュートラル(または全クラッチ?)で惰性走行」を手動で1時間ほど繰り返すことになった。 この時は停止することがなかったので極短時間の休息もとれなかった。

i-DCDに限らずDCTやAMTでは「半クラッチで動力走行」を自動で続けるのでクラッチが過度の温度上昇に陥ってしまうようだが、運転手がDとNを手動で頻繁に切り替えながら走れるのかは知らない。



こちらの画像は4回目のリコール作業を受けたときに配布されたリーフレットの一部。
「① (A) 坂道で時速4km程度のノロノロ走行」でクラッチ温度が上昇すると書かれており、バッテリー残量がなくなると半クラッチが続くことがわかる。


「1速でのエンジン走行」はギヤ比が低いため通常は使用されないらしい。 ギヤ比は1速が4.418 / 2速が2.007 / ステップ比は2.20。 フィットにはi-DCDの他にMTがあるが、そちらは1速が3.461 / 2速が1.869 / ステップ比は1.85。

この低い1速を手動で選択できたら案外よかったのかもしれない(1速で走った場合が、前の画像にある「②の時速7km」だったらダメだけど)。


他のストロングハイブリッド車であれば低速で余裕のある走行状況なのでエンジンで発電して何も起きないと思うがi-DCDは読みが甘すぎたようだ。 外国車が日本の渋滞に耐えられないという話は旧世紀から見聞きするが、2010年代の日本車が耐えられないとは・・・
 


▽2022/11/12 09:00 追記
現役モデルで最後のi-DCD車、フリード ハイブリッドの色付き取扱説明書がHPで閲覧できた。 Pレンジで停車するとアイドリングによる充電ができることがわかった。
https://www.honda.co.jp/ownersmanual/webom/jpn/freedhybrid/2023/details/136177090-32183.html

こちらはトランスミッションの温度警告表示。


「ITmedia ねとらぼ 交通課」にはホンダ広報部からの回答が載っていた。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/09/news131.html

これによると「停止時にブレーキではなくアクセルを少し踏んで発進・停止を繰り返したため」発生し、「ブレーキを確実に踏んで発進・停止を繰り返せば、今回の事象は回避できる」という。
しかし前述の、私が86 (6MT)で半クラッチ~ニュートラルでの走行を続けたときは停止することがなく、(バッテリー残量がなくなった場合の)i-DCDではクラッチが半クラッチを続けることは変わらないので、この回答は回避策になっていないと思う。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2022/11/12 05:54:37

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

こんばんは、
138タワー観光さん

091【とろろごはん】グルメレポー ...
とも ucf31さん

九州縦断☆岬巡りツーリング
KURIO☆3988さん

スーパーGT rd2富士スピードウ ...
yukijirouさん

ランチはお寿司を♪
kuta55さん

純正マフラーバルブを制御したい
fun 2 driveさん

この記事へのコメント

2022年11月12日 6:28
おお、これはわかりやすい。他のプロが書いた媒体の記事では内容が書いていないので理由がさっぱりわかっていなかった。日本の報道はもはや存在意義が殆どなくなった。
コメントへの返答
2022年11月12日 10:10
プロの書いた物は殆んど見ていないのですが、私自身が理解するために書いたところが大きいです(^^);

通常はモーターで発進するのでクラッチの弱さ云々のみならず、電気がなくなったのに発電してモーターを使えない理由も重要だと思うのですが、そこを明快に書いた物はまだ巡り合えていません。 なお『3番は発電可能だが20km/h程度以上の車速が必要という』という記述は、今回の騒動よりも以前にオーナーさんがテストしていたYouTube動画から拾いました。
2022年11月12日 9:57
こういう記事を目にするたびに「クルマはやっぱりMTに限るっ!」って思っちゃう。足太くなるけど。
コメントへの返答
2022年11月12日 10:18
MTなら変速に油圧も電気も不要なのでクルマ全体のエネルギー消費が少なく経済的です!
ドライバーのカロリーを消費しますが現代人はスポーツジムで使うほど余っているので事実上ゼロです(笑)

プロフィール

「京阪電車から見えるエクセディの本社エリア。手前は車両基地。」
何シテル?   05/03 09:41
「shiro13(略称:しろ)」です。 文章を書くのが得意ではないので黙々と写真をアップロードすることが多いです。  まだMT車しか所有したことがありま...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

川を渡って隣県へ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/06/07 08:22:05
86のルーフがもげる死亡事故 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/20 09:06:27
Coppa di Koumi 2019 (4/20-21, 29th) #20 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/01/20 08:53:39

愛車一覧

トヨタ 86 トヨタ 86
GT (FR, 6MT / FA20 207PS)。 2017/01/07納車です。 前 ...
スバル レガシィ スバル レガシィ
RS (4WD, 5MT / EJ20R 280PS)。 1996/11に新車で購入。  ...
トヨタ 86 トヨタ 86
GT (FR, 6MT / FA20 200PS)。 2013/12/01納車~2016 ...
トヨタ セリカ トヨタ セリカ
GT-FOUR RALLY (4WD, 5MT / 3S-GTE 225PS)。 クロス ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation