元書店出版業界に居た者としては気になる報道ではあります。出版物販売の金額の落ち込み幅が前年より約5%減の1兆5200億円程度で、過去最大の落ち込み幅だそうで。市場規模の最大は1996年(平成8年)の2兆6563億円ということで、その当時と比較すると約57%程度の金額にまで落ちた事になります。インターネット経由での情報入手手段の普及とか、消費税増税にかかる販売の落ち込みなどが響いている模様。今度10%に消費税が上がったら、さらに販売数は落ち込むだろうと思います。出版物が電子系の物だけでいけるかというと、個人的にはやはり紙の媒体も欲しいと思いますね。特に図鑑の類とかは。小説等の文章が中心の物であれば、電子媒体系でもまあいいかと思えなくもないですが、それでも紙媒体であれば電池等の電源も必要ないですし、長期保存も普通に出来ますからね。電子媒体になると、肝心なデータを再生出来る機器が駄目になれば、せっかくデータを持っていても意味がなくなってしまいますのでね。なので、そういう電子媒体で出すのであれば、長期保存やデータの移行等についての配慮がぜひとも欲しいところです。悲観的な観測ですが、恐らくこの業界はそんなに復活する事はないのではないかと思ってます。この業界に居た者としては、楽観視出来るような状況でもないですし。当時、関わりのあった人達は今頃どうしてるんだろうなあ、と気にもなりますが。居なくなった人もいれば、まだ続けてる人も居るし、続けてる人には大変かもしれないですが、踏ん張って欲しいところです。難しいでしょうが。いずれにせよ、この業界が今までと同じやり方でやっていても、未来はないだろうというのは、誰もが思っている事ではないかな、と考えてます。これからさらに大変になるでしょうね。