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AuO2のブログ一覧

2013年04月10日 イイね!

雪道 (18)

「雪道」 (18) Copyright (C) 2013 AuO2

 相変わらず路面は雪に覆われている。そんな道路を走りつつ、感心した事もある。それは、車に装着していたスタッドレスタイヤだった。
 急ブレーキではさすがにスリップするが、普通に走る分にはそんなに滑ったりする事もなく、すんなり雪の上を走れるのだ。少し気を付けていれば、普通の道路を走る感覚で走る事が出来るのである。
 当たり前の事であるが、普通タイヤではこうはいかない。又、タイヤチェーンを付けているわけでもないので、走っている感覚は全く普通のタイヤとそう変わらない。
 大山パーキングエリアを出て、すぐに溝口インターチェンジが近付いてきた。この次の江府インターチェンジが最後になるのだ。
 さすがにここまで来ると雪の量も多い。江府の次が蒜山であるが、蒜山は高原である。高原でもない溝口インター付近でこの雪の量という事は、果たして、蒜山高原はどんな雪の量なのだろう。見てみたい気はするが、この状況で行きたいとは思わない。
 溝口インターチェンジに辿り着きはしたが、ここで降りても仕方がないので、通過するだけである。
 さあ、次はいよいよ最後の江府インターチェンジだ。本当に覚悟をしないといけない領域なのだ。
 それにしても、米子から江府までという距離は、米子自動車道の三分の一にも満たない距離でしかなかった。その米子自動車道の残りの距離、すなわち、通行止めの区間を一般道で行かなければならないのだ。
 そこから先は私にとって、まさしく未体験ゾーンだったのだ。
 江府インターチェンジはどんどん近付いて来る。
 未体験ゾーンはすぐそばまで来ているのだ。
 それでも、トンネルの中だけは安心出来た。トンネルの中に雪はなかったからだ。出入り口付近には若干雪が入り込んではいるが、外の雪の多さに比べればたかがしれている。
 ただ、初めの頃にも書いたことだが、長いトンネルを抜けた場合、入る前と天候が違う場合があるので、トンネルの出口は要注意である。この時のような場合だと、トンネルを入る前はたいして雪が降っていなかったのに、トンネルを抜けると雪がすごく降っていた、なんてこともあるのだ。
 途中、走っているだけではヘッドライトの光が届く範囲程度しか、周囲のはっきりとした様子はわからない。というのは、道路に照明がないからである。
 道路の照明はインターチェンジの付近くらいにしかないのだ。
 だから途中の道路は、ヘッドライトがなかったとしたら、すごく暗いところになる。なんせ、山間部なのだから。街の明かりはほとんどないし、天気も雪なので、月明かりもない。都心に近ければ町の光が雲で反射して、意外に明るいという事もある。
 溝口インターチェンジから江府インターチェンジまではいくつかトンネルがあるが、ぜいぜい、トンネルの中を走っている時だけ、少し気が休まるくらいのものである。
 そしてついに、もうすぐ江府インターチェンジというところまで来た。
 いよいよ通行止めによる終点なのだ。
Posted at 2013/04/10 19:53:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 随筆 | 日記
2013年04月09日 イイね!

雪道 (17)

「雪道」 (17) Copyright (C) 2013 AuO2

 途中で道路情報を表示する電光掲示板も通行止めを示していたように思う。少なくとも、いいことは表示していなかったはずである。
 唯一の救いはこれが帰りだった事くらいだろう。行きであれば、訪問店への到着など、予定が大幅に狂ってしまう。しかし、帰りで、作業も済んだ後なので、到着時刻などを気にする必要がなかったからだ。
 とはいえ…。
 ほどなくして米子自動車道の入口に到着。電光掲示板を見ると江府インターから先が通行止めの表示。
 ゆっくりと車を料金所のゲートまで進めた。自動発券で通行券を受け取り、走り始めた。
 ここまで来たら、もう後には戻れない。行くしかないのだ。
 通行止めとわかっているはずなのに、意外に走っている車が多い。行けるところまで行こう、という事なのだろう。事実、私もそうだった。
 除雪されているからましだとはいえ、道路の両端には雪が積み上げられている。それに、まだ走り始めてすぐなので、まだ市街地に近いため、そんな無茶苦茶に雪が多いわけでもなかった。
 しかし、米子自動車道の市街地に近い領域なんて、わずかな部分にすぎない。
 すぐに山間部に突入した。
 雪の量は遠慮なく増える。
 まるでシャーベットの上を走っているようである。ヘッドライトに照らされて、見えている白い道路が雪の多さを物語っていた。
 アスファルトの黒い部分は見えず、白い道路がずっと続いていた。

 しばらく走ると大山パーキングエリアに差しかかった。
 通行止めの江府インターチェンジまでにパーキングエリアはここ以外にない。江府インターチェンジの次にある、蒜山インターチェンジを過ぎてすぐの蒜山高原サービスエリアが次の場所となる。
 途中、どんな状況になるか分からないため、ここでトイレ休憩をとるしかなかった。
 珍しく車が多かった。携帯電話で話している人もいた。バスが何台か停まっていたようにも記憶している。覚えているのは、この先通行止めでどうなるかわからない、というような話を電話でしていた人がいた事である。
 それはこっちも聞きたいところだった。
 気合を入れ、車に乗り込んだ。そして、私は珍しく、車に対して独り言を言った。
「頼むで、走ってくれよ」
 今の私にはこの車以外に頼るものがない。それどころか、おかしな場所で車が動かなくなってしまったら…。考えなくてもいい妄想が頭をよぎる。
 心配を抱えつつ、私は車を発進させた。
Posted at 2013/04/09 20:31:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 随筆 | 日記
2013年04月08日 イイね!

雪道 (16)

「雪道」 (16) Copyright (C) 2013 AuO2

 この出張での最後の店だった。この店は分岐からそう遠くないので、すぐに到着した。
 他の店と同様、すぐに作業にかかるが、通行止めの情報が頭から離れない。
 この店の在庫数はそう多くはないので、作業自体もそんなに多くの時間はかからない。
 何らかの決断をしなければならない時間が容赦なく近付いてくる。
 頭の痛い問題だった。
 在庫チェックが終わり、結果の出力も済んだ。あとは店の人に渡すだけである。
「米子自動車道、通行止めになってしまいましたわ」
 私は出力した結果の用紙を渡しながら、世間話をするように店の人に話をした。
「今晩はこっちに泊まっていった方がいいと思いますよ」
 店の人は心配そうに、そう言ってくれた。
「まあ、行けるところまで行ってみますわ」
 私は軽く答えた。
 内心、不安はかなりあった。雪が積もっていて、しかも、夜の走った事のない初めての道。高速道路が通行止めになるくらいの雪である。一般道も相当な雪を覚悟しないといけないのは目に見えていた。
 高速道路はそれなりに除雪もする。それでも通行止めになるのは除雪が間に合わないからに他ならない。それだけ雪がたくさん降っているという事なのだ。
 私は挨拶も程々に店を出た。
 車に乗り込んで、すぐにエンジンをかけ、暖房を入れた。さらに、天気予報や交通情報がいつ聞こえてきてもいいように、ラジオもつけた。
(通行止めの区間はどのくらいなのか)
 そう思った私は早速地図を調べた。
 江府から湯原インターチェンジまでというのは、米子自動車道の半分以上の距離を占めていたのだ。これは大変な事だ。
 米子自動車道はその大半を山間部を貫いて通っている。その米子自動車道を使わず、比較的近くを走っている一般道を走るとなれば、相当な距離を走らなければならない。その上、峠もある。どんな山道を走らなければならないかと、想像するだけでも頭の痛い事だった。
 実際、地図で見ても分かるように、江府インターチェンジから一般道の国道181号線を走って中国自動車道に向かう。中国自動車道の近くまで来ると国道313号線と合流し、しばらく走れば、中国自動車道の落合インターチェンジに辿り着く。
 地図を見てもらえれば分かるが、米子自動車道のように、まっすぐというわけにはいかず、かなり曲がりくねったルートになっている。しかも、ざっと見ただけでも、峠が三つくらいある。その内の一つは首切峠と名が付いているのだ。先行きに不安を感じさせる名前だった。

 私は松江市から米子自動車道に向かって車を発進させた。いよいよ、恐怖の雪道に向かっての出発である。
 時間は20時半頃だったろうか。20時台だった事ははっきりと覚えている。
松江から米子自動車道までは山陰道を走ればそんなに時間はかからない。雪の影響で多少、ゆっくり目に走らなければならないとはいえ、そこらの道と違い、走りやすさは全然違う。
 ラジオから聞こえてくる情報は相変わらず、通行止めのままだった。さすがにもう通行止めの解除はタイミング的に無理だろう。通行止め解除などという甘い考えは捨てるしかなかったのだ。
Posted at 2013/04/08 20:37:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | 随筆 | 日記
2013年04月07日 イイね!

雪道 (15)

「雪道」 (15) Copyright (C) 2013 AuO2

 12月中旬だったこともあり、この出張から帰ったら購入することを考えていたのだ。雪のピークは1月や2月に来ると考えていたのである。
 大抵の場合、冬用タイヤ規制までで、チェーン規制まで行くことは少なかったからだった。
 しかし、帰る頃には規制解除ということもあるだろう。そうも思っていた。
 高速道路のインターチェンジの名前を全部覚えているわけではないので、江府から湯原までと聞いてもすぐには位置関係が頭に浮かばない。その時すぐに頭に浮かばなかったので、事の重大さに気付かなかったのも事実である。
 江府インターチェンジは米子側から二つ目で、湯原インターチェンジは岡山側から二つ目である。
 つまり、米子自動車道の真ん中の部分をものの見事に規制されたわけである。
 不安を覚えつつも、松江に向かって走っていた。
 やがて、山陰自動車道に辿り着き、一般道ののろのろ状態から開放され、松江に向かう速度は加速した。
 山陰自動車道を走っている段階ですでに日は沈み、暗くなっていた。夜の到来である。
 こうなってしまうと、雪が融ける事はまずあり得ない。という事は、あのガタガタで走りにくい道路はそのままになってしまう事を意味していた。それどころか、再び雪が降ろうものなら、余計に状況が悪くなってしまう。
 チェーン規制の解除は絶望的かもしれないと思った。
 松江市までは、山陰自動車道を走っているのでたいして時間はかからない。
 そんな道中、ラジオを聞きながら、帰りの道路の状況はどうなのだろうと、漠然と考えていた。
 そんな中、ラジオから再び交通情報が流れてきた。
「米子自動車道、江府インターから湯原インターまで雪のため、通行止め…」
 とうとう、最悪の状況はやってきた。チェーン規制を通り越し、通行止めになってしまったのだ。
 悪い情報はまだ続いた。中国自動車道も東行きの途中が通行止めだったのだ。区間は津山か美作インターチェンジから滝野社インターチェンジあたりまでだったと思う。この辺の記憶が少し曖昧なのだ(少し間違っているかもしれない)。
 少なくとも、この中国自動車道の通行止めも、相当に頭の痛い問題だった事は間違いなかった。
 すなわち、中国自動車道と米子自動車道の分岐である落合ジャンクションから少し東側(つまり大阪寄り)の場所から西脇市(もう少し走れば西宮というところ)までの区間が通行止めだという事である。これは、あとで調べて分かる事になるのだが、私が走ろうとしている中国自動車道の半分以上の距離を通行止めにされたという事だったのだ。
 米子自動車道の大半が通行止めになり、中国自動車道の帰路の方向も半分以上が通行止めなのだ。
 さて、どうしたものだろうか。考えはまとまらない。
 やがて松江市に入り、松江市内への分岐に入って行った。
Posted at 2013/04/07 21:29:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 随筆 | 日記
2013年04月06日 イイね!

雪道 (14)

「雪道」 (14) Copyright (C) 2013 AuO2

 データ転送や印刷等の処理をしている間も、霰は容赦なく車にぶちあたっていた。おかげでうるさくて仕方がなかった。
 結果の出力が済んだので、車から出て店に行こうとしたが、まだ霰は降り続いていた。すぐにやみそうになかったので、やむを得ず車から出た。
 霰は僕の体に容赦なく当たる。当たって痛いとまではいかなかったが、結構衝突の衝撃があった。凄いと思った。
 雨と違って当たってもはじくので、濡れるような事はほとんどなかった。濡れるとすれば服のどこかに引っかかった霰が溶けたりした場合くらいである。
 走って店の中に入り、出力結果を渡した。
 大きな霰が降っているので、少し店の人と話をしたが、やはり近年は雪が少ないそうである。以前のように目茶苦茶に雪が積もるとか、道路が完全に凍ってつるんつるんなんてことも、随分と減ったらしい。
 それでも、私のように雪の少ない地域から来た人間にしてみれば、これでも十分多いと思うし、大変である。
 店の人との話も切り上げ、次の店に向かう。実は近所にあるのだ。
 行ってみると、ここの狭い駐車場も真っ白であった。
 正直なところ、この店はあまり長く居たくない店なので、さっさと仕事にかかる。
 棚がいい加減なので、見るのも嫌なのである。
 在庫数もそんなに多いわけではないので、とにかくさっさと作業をして終わらせるのだ。
 そんなわけでさっと終わらせた。ここの店の人とはほとんど話をしないので、出力結果を渡せば終わりである。
 私はプリンターで印刷した出力結果を渡してすんなり店を出た。
 次はいよいよ最後の店である。行き先は朝出発した場所である松江市だ。
 つまり、元に戻るわけである。
 再びガタガタになった道路を松江に向かって走り出した。
 相変わらず通行量は多い。速度も、のろのろのままである。
 夕方近くの時間になっているので、踏み固められた道路の雪は泥のような色で非常に汚い。かなり車が踏んで行っただろうから、わからなくはない。その一方で、道路以外のところに目をやると、案外綺麗な雪景色があるのだ。これが仕事ではなく、行楽であったらと思う一面だった。
 やがて、神立橋を越えた。出雲市を出たことになる。
 そんな間にもラジオ放送で道路情報を聞いたりしていたのだが、あまり嬉しくない情報が耳に入った。
「米子自動車道、江府インターから湯原インターまでチェーン規制…」
 まずいと思った。タイヤは確かにスタッドレスタイヤに替えてはいたが、タイヤチェーンまでは持っていなかったのである。
Posted at 2013/04/06 21:04:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 随筆 | 日記

プロフィール

「TEMUの広告うざすぎ。相当しつこいな。」
何シテル?   07/21 20:08
AuO2です。 長年トヨタ車に乗っていましたが、2010年にシビックハイブリッドを購入、2018年にグレイスハイブリッドに買い替えました。 大阪府南部の泉州...
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