
体温計需要の増大で非接触体温計も売れているみたいですが、前にも書いたように非接触
温度計も、紛らわしいですが、販売されています。
単純に考えると放射温度計なのですが、それに体温測定モードのような機能を追加したものですね。
本式の非接触体温計もそうですが、放射温度計としても使えるようになっている物がほとんどだと思います。
つまり、体温ではなく、物体の温度を測定する機能です。
測定自体は簡単で、測定したい物体に温度計を向けて、スイッチを押すなり何なりでその機種の測定方法で測定するだけ。
しかし、物体によって放射率が違うので、物によってはうまく測定できない物もあります。
実験に何か適当な物はないかなあと、手持ちの物を色々を測定してみたら丁度いいのがありました。
電池式のカイロです。
このカイロは発熱面が金属なんですが、艶消しとかではなくて、鏡面になっています。
放射温度計はこの鏡面になっている物は放射率を変えないとまともに測定出来ません。
標準状態のままで測定するとどうなるかやってみました。
まずは、ステンレスプローブ温度センサーになっている温度計で、温度センサー部を直接金属面に接触させて測定してみます。なんでこんな温度計を持っているんだ、という突っ込みは無しで。(^^)
その結果がタイトルの写真。
大体になりますが、38.5℃。この後、まだ少し温度が上がったけど、まあこんなもんです。
熱が逃げると測定しにくくなるので、専用のポーチに入れてます。
さて、ポーチから出して金属面を放射温度計で測定してみます。
結果は以下の通り。
シンワ放射温度計E

17.4℃。
バイオエコーネットHD30B(物体温度測定モード)

18.0℃。
日本精密測器MT-500(物体温度測定モード)

16.5℃。
まるで室温か、というような結果になっています。
ちなみに、この問題を回避するには鏡面でなくなれば大丈夫だったりします。
黒いマーカーのような物を塗ったりする、専用のオプションとかがあった気もします。
正確な測定ではなくなりますが、ティッシュペーパーの2枚重ねになっているのを剥がして薄い一枚にして、あの鏡面の部分に密着させたりするだけでも、それらしい測定が出来るようになります。
というわけで、放射温度計も万能ではありませんので、特徴を理解して使いましょう。
それと、物体の温度は測定出来ても、空間の温度は測定出来ません。
いわゆる室温(空気)は測定出来ないんですよね。
その部屋においてある物体の温度を測定することで間接的に測定は出来ますが。
上記のようなセンサー部分が棒状になって外部に出ている物であれば、空間の温度も物体の温度も測定出来ます。測定可能範囲でね。
ですが、普通、家庭用であんな温度計はないですね。大概は業務用です。
あ、料理用とかであったかな。(^^;
結論。
測定機器は正しく使いましょう。(^^)
Posted at 2021/02/08 21:23:15 | |
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