日本語というのはひらがな・カタカナの二種類の表音文字と漢字という表意文字を併用している。
日本語を学ぶ外国人には漢字の勉強が大変らしい。まあ、確かにそうだろうとは思う。
しかし、かな文字だけでもとりあえずは何とかなるのも事実である。
一方で、中国語の漢字は既に形が簡略化されていて、実質的に元の形で使っているのは日本語の方だったりする。
日本人ですら、漢字は難しいものである。
ちょっと話がそれたので、元に戻そう。
日本語の文字の正しい形を表している書体は教科書体と呼ばれる書体が一般的ではないかと思う。
筆書きを基本として、止め・撥ね・払いといった表記を正確に表現しているからだ。
私が子供の頃、小学校の教科書は2年生まで教科書体だった記憶がある。
3年生から明朝体に変わったように思う。今はどうか知らないが。
一般的に印刷物等で多いのは明朝体である。次にゴシック体といったところだろうか。
新聞や雑誌、書籍といった文字を中心とした印刷物はほぼ間違いなく、明朝体を採用している。
辞典ですら、明朝体だったりする。
問題はこの明朝体にある。
明朝体(ゴシック体)は文字の形がややデザイン化されていて、正確な形になっていないのだ。
学校の先生ですら、間違って教える事があるので、要注意である。
分かりやすいサンプルを提示してみよう。
上の段に「女」という漢字、下の段に「比」という漢字を表記してある。
どちらも、左から明朝体・ゴシック体・教科書体である。
「女」という漢字はくノ一と書くが、ノの書き初めの部分は一の上に少し突き出るのが正しいのである。
これは漢字検定の参考書等にも書かれている。
教科書体では突き出ているが、明朝体・ゴシック体では突き出ていない。
次の「比」である。
画数をご存じだろうか。この漢字の画数は4画である。
恐らく間違いやすいのは左側の「ヒ」の部分だろう。明朝体とゴシック体では3画で書くように見えるが、教科書体を見ていただきたい。
2画で書くのである。
漢字辞典で画数を調べてもらってもいい。「比」の画数は4画なのだ。
止めや払い等の形がデザイン化されているためにこういう事になっているのだと思われる。
こういう問題に取り組んだ書体としてGT明朝という書体もあるが、興味があれば調べていただきたい。
この二文字は学校で習う漢字である。にもかかわらず、学校の先生ですら、間違って教える事がある文字でもある。
手描き文字の手本として、明朝体やゴシック体を見るのは注意が必要だ。
辞典は全て教科書体で印刷して出版してくれないだろうか。特に漢字辞典は。
Posted at 2013/07/10 21:32:13 | |
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