2013年09月09日
録画機器がビデオテープからディスクになってそこそこの時間が経つ。
そのディスクもDVDからブルーレイに移行しつつある。
しかし、ビデオカメラなどを見ていると、メモリ記録も普及しつつある。
デジカメの動画記録(録画)など、完全にメモリによる記録である。
家庭用の録画機器は実質的にUマチックから始まったといってもいいだろう。
3/4インチのビデオテープである。
ここから1/2インチテープのベータマックスが生まれ、少し遅れてVHSも登場する。
ベータマックスはその後、高画質化と高音質化を達成するために5.6MHzハイバンド,6.0MHzスーパーハイバンドへと記録帯域を拡大。
音声記録は固定ヘッドによる録音から回転ヘッドによる記録とし、ベータハイファイ音声規格を導入する。
最後に、9.3MHzまで一気にハイバンド化しメタルテープを採用してEDベータを誕生させた。
アナログ記録媒体でありながら、現在のDVDと同等の水平解像度500本を達成していたのだ。
一方のVHSは互換性を維持する事を優先し、画質改善にHQ技術を導入、音声はVHSハイファイを開発・導入した。これもベータハイファイと同様に回転ヘッドによる記録である。
ただし、ベータハイファイが映像信号帯域の一部を使って混ぜて記録し、再生時に分離する方法であったのに対し、VHSハイファイは最初から別の独立したヘッドを使い、深層記録方式を採用していた。
深層記録というのはテープの表層に通常の映像信号が記録されているさらに下の層にハイファイ音声を記録するというものだった。
VHSはその後、記録帯域を7.0MHzまで拡大したS-VHSを開発・投入された。この規格の水平解像度は400本だった。
S-VHSにはその後、デジタル音声記録を追加したが、あまり普及せずに消滅。
W-VHSやD-VHSも登場したが、VHS末期のD-VHSがまあまあ販売期間があった程度だろうか。
なお、ハイファイ音声に関してはどちらも利点欠点がある。
この間に8mmビデオが登場。
その後、Hi8という上位規格へ移行し、末期にはソニーが独自にデジタル8を投入した。
デジタル8は簡単に言うと、DV規格のビデオ信号を8mmビデオテープに記録するものだった。
消耗品である生テープはまだある程度売っているが、機械本体はもう売っていない。
カセットテープはノーマルテープだけになったとはいえ、まだ売っている。ラジカセもまだ新品が存在するし、機種が減ったとはいえ、デッキもまだある。
しかし、MDは事実上無くなってしまった。
さらに上位規格であるHi-MD機器はもう売っていない。売っているのは生ディスクだけである。
MDとほぼ同時に登場したDCCはとっくの前に消えてしまった。
MDやDCCの登場でカセットテープは無くなるとまで言われたが、無くならず、逆にMDやDCCが無くなってしまった。
DVDもDVD-RWとDVD+RW,DVD-RとDVD+Rというように、二種類あったが、今はほぼ-RW/Rが主流になっている。
DVD-RAMというのもある。
パソコンの世界が一番極端である。
フロッピーディスクはもう無くなってしまった。
8インチから5インチ、3.5インチへと変わっていった。
記録容量も2D,2DD,2HDというように記録密度も向上。
昔は1Dや1DDというのもあったのだ。
さらに高密度化した2ED,2TDというのもあったが、あまり普及しなかった。
光磁気ディスク(MO)も5インチと3.5インチとあり、民生用としては3.5インチディスクが普及したが、これも現在ではDVD系の記録ディスクに置き換わってしまった。
実は今でも光磁気ディスク系が書き換え回数や信頼性が一番高いといってもいいのだが、あまり知られていないと思う。
種類が違うが、MDも実は光磁気ディスクの一種である。
640MBまでの光磁気ディスクの書き換え回数は1000万回とされている。
ハードディスクですら、100万回以上とされているので、桁違いである。
ちなみに、DVD-RWの書き換え回数は1000回以上。
DVD-RAMで10万回である。
BD-REもDVD-RWと同様に1000回以上とされている。
DV規格のビデオテープも商品寿命が短かった。VHSよりは早く消えてしまった。
DVDやBDはあと何年続くだろうか。
DVDはいずれBDへと統合する様に移行していくだろう。
そして、肝心なBDはいつまで現役でいられるか。
こういう変遷を見渡してみると、デジタル記録媒体よりもアナログ記録媒体の方が商品寿命が長いのである。
Posted at 2013/09/09 22:23:29 | |
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