2014年05月19日
ハイブリッド車はエコカーではないという論調があります。
エコと言っても、エコロジーとエコノミーのどちらの意味かでも異なりますが。
まあ、環境負荷の点で言われるので、エコロジーではないと解釈していいでしょうね。
理由の一つが、モーターや駆動用のバッテリーのニッケル水素電池とかリチウムイオン電池等に稀少金属が多く使われているから、というものです。
中国のレアアース等の精製に関する環境汚染とかが念頭にあるんでしょうね。
さもありなん、という気もしますが、本当にそうでしょうか。
問題の論点がずれている事と、別の問題を無視しているので、本当にそうなのか疑問です。
まず環境汚染についてですが、まともに環境に配慮した廃棄物等の処理をしていれば、あんな汚染問題は起こらないはずです。
大量に掘り出した土から取れる量が少ないうえ、精製過程も手間なので、色々言われるんでしょうが、鉄やアルミの精製に関しても、言及して比較するべきでしょう。
鉄やアルミの環境負荷がどの程度のものなのか、何も言われないのは不思議に思いませんか。
また、リチウムイオン電池に関しては携帯電話等、ハイブリッド車で使われるようになる以前から大量に製造され、使われていたわけですから、そちらの電池は環境負荷はないの? とも言えます。
一個一個は小さいですが、製造数が膨大ですし、歴史も長いですから相当なものだと思うんですが、そういうことには触れないんですね。
値段というものは色々なコストの積み重ねですから、基本的に、値段が高いという事はそれだけコストがかかっているわけです。
となると、普及価格帯の車の環境負荷と、高級車といわれる値段の高い車の環境負荷の違いはどの程度なのか、と言う事も比較して欲しいところです。
ハイブリッド車は普通の車と比較してモーターや駆動用電池が追加されているので、その増えた分に関しての追求なんでしょうが、それより値段の高い高級車との比較もしたらどうなるんでしょうね。
そして、これは前にも少し書いた事があったと思いますが、ガソリンや軽油の燃料製造にかかる環境負荷です。
自動車評論家等はこの点には触れません(少なくとも私は見た事がない)。
ハイブリッド車は燃費で元が取れない、という計算はよくされますが、元が取れるとか取れないとか考えない部分での話は出そうとしません。
その点は何かというと、排気ガスの排出量と燃料消費量です。
燃料消費量は燃費に直結します。排気ガスの排出量も同じです。
同じ車格のハイブリッド車とガソリン車であれば、概ね、燃費は倍近い差があります。
私のシビックハイブリッドだと年間平均20km/L位ですので、ベース車のガソリン車だと10km/L程度です。
駆動用電池やモーターは最初の製造時にその車一台については一回の環境負荷になりますが、燃料は車を使い続ければ消費し続ける事になります。
燃費の差が倍であれば、燃料製造の負荷も倍々ゲームで差が付いていきます。
当然、排気ガスも倍です。
倍でなくても、差は開いていきます。
排気ガスを多く吐き出すのはいいの? という点は話に出てきません。
規制に適合していても、排気ガスそのものは有毒ですから、出ないのが理想ですが、出ても可能な限り少ない方がいいに決まっています。
是非とも自動車評論家の方々には厳密に数字を出して比較した論証記事を書いて頂きたいものです。
無理かな。(^^;
Posted at 2014/05/19 09:22:01 | |
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