Tough TG-6のテスト撮影を行いました。
比較対象が必要なので、同一環境で1インチセンサのDSC-RX100M2とスタンダードスマホarrows Be3でも撮影しました。TG-6がどの程度RX100M2の代替になるか、またBe3がコンデジ比較でどの程度の実力かを見極めたかったです。
スペックは下記の通り。
RX100M2 1インチセンサ F1.8 5472×3648ピクセル 28mm~100mm
TG-6 1/2.33インチセンサ F2.0 4000×3000ピクセル 25mm~100mm
Be3 1/2.5インチセンサ F1.9 4032×3024ピクセル 22mm
TG-6とBe3はセンササイズと画素数がほぼ同じです。RX100M2は高級コンデジの代表格です。
RX100M2の画像は4000x2666にリサイズし、TG-6とBe3は縦サイズの2666部分を切り出して比較しました。
最初は広角比較です。上からRX100M2、TG-6、Be3で、RX100M2とTG-6はPモードで撮影しています。Be3はAIシーン認識が動作した状態です。
RX100M2と比べるとTG-6は明る目かつやや派手目ですが、Be3はAIシーン認識のせいか緑がかってもっと不自然な色調になっています、
広角の中央と左右の等倍画像です。これも上からRX100M2、TG-6、Be3です。
RX100M2はやや暗めに見えますが描写は自然で電線も綺麗に写っています。解像度も良いです。
TG-6とBe3、特にBe3は輪郭強調が強いようで不自然な印象を受けます。周辺解像度はTG-6が最も悪いです。Be3の解像度が案外良いのは単焦点レンズで設計に無理がないからなのでしょう。
次は望遠側。上側が記念塔の4段目あたりまで入るよう撮影してみました。Be3は光学ズームが無いのでデジタルズームです。
この比較ではTG-6が最も明るく派手目で不自然。Be3は光学ズームでボケたせいか不自然な輪郭強調が効いてないようです。
望遠側の中心部等倍画像です。流石にRX100M2が最も高精細です。Be3はデジタルズームなのでボロボロです。私は設定可能ならデジタルズームはオフにしてますが、Be3はそういう設定がなかったのでこう言う写真が撮れてしまいました。
続いてRX100M2とTG-6の広角側での撮影モード別の比較です(Be3にはモード設定がありません)。
左がRX100M2右がTG-6で、上からオート、風景モード、Pモードです。TG-6のPはナチュラル設定です。
RX100M2は全般的に大人しめの色調(デジイチはもっと大人しい)でモードによる違いが比較的少ないです。オートも「自動でシーンを認識」するので風景モードになっていると思われます。
TG-6は明る目かつやや派手目。特にオートが派手な色調です。TG-6のオートは「自動的に最適なモードで撮影」となっておりピクチャーモードも「i-Finish(撮影シーンに合った印象的な仕上がり)」に固定されています。Pはピクチャモードを選択できますが初期設定通り「Natural(自然な色合い)」で撮りました。料理などはオートで良いかも知れないが風景はPが無難かも(風景モードはメニュー操作が3段階必要で少々面倒)。
最後にパノラマ画像です。Be3にはパノラマ撮影モードが無いので、代わりに全天球カメラTHETA Z1の画像の対応部分を切り出して比較してみました。上からRX100M2、TG-6、Z1です。
RX100M2は各画像中央の縦長画像を数十枚接続していて綺麗な仕上がりです。TG-6は3枚の画像の接続ですが接続がうまくいってないようでした。恐らく端をぼかして重ねただけと思われます。Z1はこの範囲は1個のセンサで担当しているので接続の問題はありません。
パノラマの中心部等倍画像です。元画像サイズはRX100M2:5536x2160、TG-6:3376x1440、Z1:2480x1034(6720x3360から切出し)で、ここではリサイズせずに中心部の等倍切り出しを行いました。
RX100M2は画像サイズも大きく情報量が最も多いです。TG-6は撮影方法により画像サイズが変化するようでしたが、4032×3024画像を3枚合成した割には随分と小さな画像が出力されます。またTG-6は撮影後の処理で数十秒待たされました。TG-6のパノラマはちょっと利用価値が無いかな。Z1は全天球の一部分の切出しなので最も解像度が低いです。
参考のためZ1のオリジナル画像。6720x3360を1200x600にリサイズしたものです。全天球カメラは文字通り1枚で全天球を記録できるので解像度が低くても価値があります。
TG-6は水中撮影機能とマクロ撮影機能(特に顕微鏡モード)が2大特長なのでマクロ撮影用のフラッシュディフューザーと言うものを購入してみました。フラッシュの光を円形に拡散させ、かつフラッシュ位置の光量は多めにして陰影も付けると言うものです。
しかし使い方が難しいです。ちょっと離れて小物を撮影する場合は光量が弱いのか環境光の方が支配的になります。
接近して対象がカメラ自体の影に隠れてしまう場合には威力を発揮しますが、コインなどは角度をうまく調整しないと一部分だけが光ってしまうことがあります。
顕微鏡モードでは光学ズームを使うと1cmより小さい範囲を写せます。30cmの竹尺の目盛です。なおあまり近づくと対象が暗くなってフォーカス合わせが難しくなります。
結論としてはTG-6は高解像度を求める用途には向かないが、PモードであればSNS投稿用途には使えそうです。風景写真などデジイチの代替のRX100M2のそのまた代替は無理ですね。しかし真価を発揮するのは、やはり水中やスキー場での撮影、顕微鏡モードでの撮影(細かい部品や昆虫)でしょう。
Be3については色調や輪郭強調に不自然な点があるものの、解像度が案外良く一般的なコンデジと同等の性能はあるのでカメラを持っていない時の撮影全般には今まで通り使って問題ない事がわかりました。その気になればレタッチでの色調調整も可能ですし。
なお画像ファイルサイズは設定可能な最高画質で、RX100M2:5~6MB、TG-6:6~7MB、Be3:2~3MBといったところでした。TG-6は画像サイズの割にファイルサイズが大きく解像度もさほどではないので、圧縮率はSuper FineではなくFineが妥当そうです。
Posted at 2022/10/01 10:54:59 | |
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