納車から1万キロ弱を走ったアウトバック、走行時にはほぼ毎回アイサイトをONにしています。
以前にもアイサイトについては書きましたが、当時よりも使い込んだので、試乗では分からないところもあろうかと、詳しく書いてみます。
なお、プリクラッシュブレーキは、アイサイトのON/OFFに関わらず、常に監視状態で動作しています。
【アイサイトを使うと運転が下手になるか?】
上手い人はいかなる状況でも上手い。基本が出来ているから。下手クソは何やっても下手。上達しようという意識がなければ、アイサイトがあろうがなかろうが関係ないでしょう。何事もそうですけど、道具の問題ではなくて使う人の意識の問題ですね。
追従走行では先行車の加減速をコピーすることになりますが、人によって加減速度が異なるのが明確に分かります。こんなにも前を走る人の運転振りが分かるものだとは想像だにしませんでした。下手クソの後ろにつくと、ソイツの精神構造を見てしまったかのような気持ち悪さがあります。
というのを感じて、自分の運転を反省すれば上手になると思います。G-BOWLで高得点を取る方に追従走行してみたらどんな感じなるかやってみたいところ。達人は後続車をもコントロール下に置くか?
結局、
・発進/停止の加減速は自分でやる
・定速走行の領域で追従走行ON
・可能なら大型トラックや観光バスの後ろにつく
・先行車の運転が気持ち悪かったら、感染する前にOFF
・停止時は
先行車がいれば停止間際にONにして停止保持
となりました。大型車の後ろをついていくと、概ね加減速度が一定なのと、まず後ろから煽られない。うまさんやしかさんは前方を塞がれていると認識するのか私にも近寄ってこないみたい。
アイサイト任せにしていたことに気付かれていたという経験もあり、機械なのでやはり自分の意思で使わないとダメですね。
【プリクラッシュブレーキの作動】
三段階になっています。
警報(衝突の可能性あり)
↓
一次ブレーキ(衝突の可能性が高い)
↓
二次ブレーキ(衝突の可能性が非常に高い)
プリクラッシュブレーキの作動はこれまでに2回ありました。
1回目:
前方を郵便局のバイクが走行、配達のため路肩にエンジンをかけたまま停まったので、その横を20km/h程度で通り抜けようとしたら
「がん!」
とすごい衝撃でブレーキ。二次ブレーキの作動かな?
バイクは先行車と認識して追従走行もするので、先行車が停止したと認識したのだと思います。
2回目:
高速道路を巡航中、前方から大きなごみ袋がふわふわと漂って来ました。これは反応するなと思ったら、案の定でした。警報後に一次ブレーキ。予測できたので、ブレーキ作動と同時に自分でもブレーキを踏んで解除。
警報は何度かあります。多いのが左折して進路に無理に入り込んできた車が現れたとき。他は、道路脇を走る自転車を追い抜こうとしたときに1回。
おっと思ってブレーキを踏もうとするくらいの時に警報がなります。警報のタイミングが絶妙で、
「今の危ないもんねぇ」
と思わず同乗者と納得しあう感じ。この辺りは、製品化の時期が早くて実走も積み重ねてきたメーカーに一日の長が有りそうです。
【アイサイトによる加速】
現在車速とセット車速の差が大きければ、当然強く加速して車速回復を図ります。20~30km/hでノロノロ動く道で80km/hにセットしていたら、先行車がいなくなれば次の先行車を捉えるまでは80km/hまで加速しようとするのは当たり前。急加速して怖いという方は、状況に応じた車速にセットしてはどうでしょうか?
セット車速まで一直線に加速ということはせず、セット車速に向かって加速度が徐々に緩やかになってピタッと合わせてくれるので、車速の差が少ければ加速が緩やかになります。
高速道路では、走行車線と追い越し車線を認識してそれぞれで加速度が違います。説明書には「加速応答性が異なる」と記載されていますが、実際にそうなる。追い越し車線を詰まらせたり走行車線の先行車に急接近する懸念がないため、安心感があって走りやすいです。
【ユーザーインターフェース】
右手の親指だけで操作できます。車速のセットはスイッチが二段階になっていて、一段目は1km/hずつ増減、二段目は10km/hずつ増減します。いずれも長押しで押している間は増減。
二段目は、一回目は一の位が0になるようにセットします。例えば、81~89km/hのいずれかにセットされている場合、+の方は90km/hになり、-の方は80km/hになる。中途半端な速度をセットする意味は感じないので、この仕様は使いやすくて気に入っています。
高速道路では一度セットしちゃえば変えないかというとそうでもないです。80km/hにセットしていて、先行車が遅いとき。90km/hにセットして追い越し車線の安全を確認して車線変更すれば、追い越し車線を認識してしっかり加速して追い越しが出来ます。前述の加速の話のときとは逆に、速度差を大きめに設定してしっかりと加速させるのがポイント。で、走行車線に戻ったら80km/hに戻すなり、先行車がいればそのまま追従するなりする。ウィンカーとハンドル操作以外は確実にやってくれます。
自分でアクセル踏めばいいじゃんて、それもまぁそうなんですが、機械の操作が適切ではないと思ったら自分で操作してます。
【車間距離】
アウトバックは4段階選べます。いつもは短い方から3段目にしてます。このときの車間は、説明書によれば40km/hでは約25m、100km/hでは約50mで、速度に応じて連続可変です。
つまりは、速度上昇と共に車間が空いていくので必然的に加速度は先行車よりある程度緩やかになるはずです。
車速に応じた車間距離を空けるという意識がない人は、先行車においていかれると感じる→加速が「もっさり」しているだの制御が遅れるだのと言い出して話が噛み合わない、ということがありそう。
次の信号が赤でも2000rpmくらいエンジンを回さないとついていけないような加速をする人が意外といますが、足りてないのはエンジンの回転ではなくて頭の回転ですよね。
もちろん、あまり車間を空けては迷惑かなというときは詰めます。
【機能一時停止】
カメラを使うゆえに弱点とされる豪雨や濃霧、逆光での走行もあるのですが、幸いにこれまでに機能停止となったことはありません。
そのような状況になれば必然的に速度を落として機械に頼りきった運転はしないのですが、机上で比較する人には目につく弱点になるのだと思います。
カメラの前にはフロントガラスという強力なシールド(英語ではWindshieldという)がワイパーとウォッシャー付きで存在するので、センサーへの着雪が激しいといったような場合に強いときもある。カメラ式もレーダー式もどちらも100%ではないでしょう。
以上、ユーザーにはメリットのあるシステムだと思います。カメラだと歩行者、自転車、バイク、自動車を明確に見分けて制御するので、たまの悪天候/悪条件に強いことよりも、価格の安さも含めてメリット大と感じました。
一度のプリクラッシュブレーキの作動に対して全ての自動ブレーキが年中誤作動を起こすかのごとく騒ぐ方がいますが、短絡的。
100%任せておける何かが欲しいのなら、残念ながら及びません。あくまでも運転時に「支援」してくれるシステムなので、特性を理解して自分で使いこなす(ときにはキャンセルする)必要があります。
特性を理解出来ない少数のうまさんしかさんのために機能制限や規制が出来てしまって、一般的な使用者が不便を被るというケースはいろいろとあると思います。
ネットで自らがその少数であることをつまびらかにする前に、何故だろうとちょっと考えれば違ってくると思うんですけどね。
その2へ続く
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Posted at
2016/01/24 15:02:00