納車から3ヶ月弱、3千キロ超を経た
シエンタ(3代目10系、5人乗り、FF、ハイブリッド、Zグレード)の初期インプレッションです。
執筆時点で総走行距離3,145キロ、そのうち高速道路走行距離は1,258キロ(40%)です。走行や視界に関して純正と違うところは以下のみです。
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タイヤをオールシーズンタイヤに交換
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ルームミラーを自動防眩ルームミラーに交換
■第一印象
5人乗りモデルをふたりで使う分には長距離移動も余裕でこなすめっぽう便利なワゴン。一方で、後席は素っ気ない荷物載せ用ベンチ感が強く、長距離を乗せられる人にはどうかなという感じです。Bセグメントなのでかけられるコストには自ずと限度があり、それを理解して割り切るととても実用的な車です。
■乗り味/乗り心地
乗り心地は悪くは無いです。ミニバンだからやわやわなんてことは全くなく、GA-Bプラットフォームの脚周りは結構締まってます。
大きめの段差や荒れた路面では安っぽい振動が入り、そこはコストのかけ方とボディ形状によるところだと思います。もちろん内臓に響いて辛いとかはまったくありませんが、快適なときとそうではないときの差が大きいようには感じます。
高速走行では前車アウトバックにネオ・チューンを施した乗り味よりも上を行きます。FFモデルのリアサスはトーションビーム式ながら
アウトバックのマルチリンクよりよっぽどマシ。
■ドライバビリティ
TNGA以降の(かな?)ハイブリッドシステムは、かつて売れたプリウスのときとは異なるようで、アクセル/ブレーキ操作への応答が良く、かつ素直です。とくにブレーキは操作しやすく、よくできていると感じました。
エンジン/駆動モーターからタイヤまでの間にトルクを断続する機構が無い故に加減速がまさしく無段階で、シリーズパラレルハイブリッド(THS II)に期待していた通りのスムーズさです。
ハンドルはかなり軽い割には手応えがあり、接地感もあって安心して運転できます。
■音
高速走行時に一番大きい音は風切り音で、エンジン音やロードノイズはほとんど気になりません。風切り音も会話を妨げるようなものではなく、意外や目立ってうるさいところがありません。とはいえ、アクセルを深めに踏み込んだときは3気筒ならではの音質がそれなりの音量で聞こえます。まぁ実用コンパクトカーならこんなもんだねという感じ。
暖機/発電や低速走行のエンジン音はわりと静かで、音量的にはEVモード時の「車両接近通報装置」とそれほど変わらないくらいな気がします。
一番気になる音は、たまに聞こえる駆動用バッテリーの冷却用と思われる吸気音です。エアコンとは異なる音、しかも走行音で打ち消したいのか速度に応じて可変なのが余計に悪目立ちして、どこかに隙間でもあるのかと思うような音です。もうちょっと何とかならなかったの? という感じ。
■運転支援システム
レーダークルーズコントロールと
アドバンストパークは別記事を。シエンタに乗ってACCとアドバンストパークを使わない時はないくらい使いまくってます。
それらよりも驚いたのはPDA(Proactive Driving Assist)です。交差点の右左折時に対向車や歩行者がいなければ右足はアクセル操作のみで曲がれます(
ソフトウェアアップグレードの機能かも)。書くと長くなりそうなので気が向いたら別記事で。
▼アダプティブハイビーム
可変配光式で作動条件は色々あるようですが、夜間はほとんど遮光ハイビームでの走行になり、渋滞で無ければロービームで走る時間の方が短いです。
前走車がいても視界の左右がハイビームで明るくなるので夜間に視野が広がったような感じで見易く、歩行者を視認するには効果ありそう。高齢者にこそ要るんじゃなかろうか?
今のところ対向車からパッシングを受けたことは一度もなく、運転席から分かる範囲では正確に遮光しているように見えます。作動時は左側の歩道は常に、右側も対向車がなければ常に遮光ハイビームで照らしているような感じなので、歩行者には眩しかったりするかも。
このアダプティブハイビームにACC+レーントレーシングアシスト+自動防眩ルームミラー(DIYで換装)の組み合わせは夜間走行がものすごく楽です。
■EVモード
自宅で洗車や外構の手入れ時に駐車位置をちょっと移動するとか、モールで別の店舗に移動するとき等にエンジンをかけずにすみます。
エンジン環境に良くないよなぁという心の負担が減ります。
■その他気付いたこと
▼屋根の頂点の位置
雨天のブレーキ時に屋根からフロントガラスへ意外な量の雨水が流れてきます。なぜだろうと思ったら、屋根の傾斜の頂点が後席頭上(Cピラー)あたり。これまでの車はそれが前席頭上(Bピラー)あたり。分水嶺の前後面積の違いによるのでしょう。もちろん危険を感じるようなものではありません。
▼後方への雨の巻き上げ
雨天時にこれまでのどの車よりも後ろの窓が汚れないし、後方に巻き上げる水しぶきが少ない気がします。バックドアは窓も含めてほぼ垂直でスポイラー的なものも無いのですが、それが返って良かったりするのかもしれません。エアロなんとかというアレも効果あり?
↓コレ
↓コレも
■余計な機能
▼エコモード、パワーモード
メーカー限らずほとんどの車種にこういうのあるけど、一度試したら存在忘れちゃうヤツ。これに開発・テスト工数使うくらいなら、他にコストかけることあるんじゃない?
■まとめ
言うことをよく聞いてしっかりやってくれるし、報告(レスポンス)も分かりやすい働き者という感じです。
シエンタの走行に関する挙動や制御(ソフトウェア含めて)は、私の感覚には合っているようで、
前車アウトバックのように気持ち悪く感じるところが見当たりません。
それと、電子プラットフォームの刷新でセグメントをまたいでソフトウェアの共有がされているであろうことは、コンパクトカークラスではおいしい話です。
という感じで、今のところは気に入って乗っています。
Posted at 2023/12/17 19:25:46 | |
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