
つーこって今日はちとまじめな話を。。。
最近世間が騒いでいるのは・・・
築地市場移転問題と豊洲市場の盛り土問題。
その中で、私の現職にも関係のある盛り土問題についてです。
ウチの会社は設計事務所業界の中でも電気設備や空調・換気・
衛生設備を設計する会社ですので、箱物(=建築物)自体の設計者ではないのですが。。。
まず、今回問題になってる件を簡単に書くと。。。
① 現地の土壌が汚染されている
② 土壌を一部取り除き、取り除いた上から盛り土をすれば汚染物質が表面化することはない。
③ 本来なら盛り土をしたその上に建築物を建てなければならなかったのに、
「空洞」が建築物のしたにあってその部分は盛り土されてない。
といったところでしょうか。。。
でもですねぇ。。。
まず言われている空間の件。
これは専門用語でピットと呼ばれてます。
ここにはテレビ等でも言われてるとおり、電気や上下水道などの配管や、配線を通すための
ラックと呼ばれるものが通ってます。
このような設備ピットがない建物もありますが、大規模な建物になればなるほどピットを
設置する傾向にあります。
それは、建物全体に上下水道や電気を行き渡らせるためです。
もちろんこのような配管類は天井裏とか屋上を使って水平展開してもよいのですが、
重量物が上にあると、それだけ建物の耐震性や強度を増す必要があるため、重量物は出来るだけ
下のほうに設置するのがベストです。
また、ピットなどの専門の配管などの通り道がある方が美観的にも作業性、メンテナンス性
それにコスト。どれをとってもピットがあるほうが有利です。
以上がおおまかなピット設置の必然性の説明なのですが。。。
上のきったない手書きは左が現状で、都知事がなぜこのようにしなかったのか?
ってのが右の図です。
まず、大前提として大規模な建物は一番下にピットを設置することが望ましいと説明しました。
が・・・
一番下にピット階を作るとどうなるか。。。
それが右の図なのですが。。。
こうすると本来の一階が数メートル高い位置になってしまいます。
で、、、
出入りするためには。。。
坂や階段を作るか(①)、さらに盛り土をしてに入り口の高さまでかさ上げするか(②)の、
2つの選択が考えられます。
でも・・・
この建物って市場なんですよねぇ
物流のためトラックが頻繁に大量に横付けする。。。
そんな建物への搬入・搬出に階段や急坂は・・・使いませんよねぇ・・・
一方盛り土をする案では・・・
盛り土の費用が嵩む上に、周りの道路等との高低差が出来てしまいます。
と言うわけで、東京都の担当者と施工者、設計監理者は現状の方法をとったのでは・・・
そのように業界の端っこにいるものとしては考えます。
でも・・・
どこの会社が設計して、どこが施工したかは存じませんが。。。
ピットに水が溜まるってのはまずいんじゃないかな。。。
それが有害物質層からのわき水(湧水=ゆうすい)だったら完全にアウトです。
もっとも、、、
そんなのはピット全域に防水コーティングすれば済む話ですので、今回はピット内の水を抜いて
防水塗装をして解決すると思います。
まさか今から建て替え・・・ないよね?
そうなると、その補償でゼネコンと設計事務所が数社飛ぶでしょうねぇ。。。
ともかく。。。
何が言いたいかというと・・・
マスコミや都知事が一方的に言ってること。。。
設計者ならちゃんと反論しなさい!
ってこと。
同業界のものとしては憤りを感じずにはいられない。。。
ってことで。。。
でも、有害物質封じ込めのための盛り土。。。
それを無視するかのような(=コストカット≒手抜き工事)仕上がりは。。。
やはり納得できないという感情も理解できますし、現に(有害かは判明してませんが)湧水が
あると言うことがさらに世論を騒がせることになってると思います。
でもまぁ使い勝手とさらなる数メートルも盛り土かさ上げコストを考えると、設計者としては
方向性は間違ってないのでは・・・と考えます。
さて、この問題。。。
どのような決着を見るのでしょうねぇ。。。
ウチはノータッチな案件なので推移は見守るだけですが。。。
以上、ちょっとまじめな話でした。
Posted at 2016/09/12 22:29:55 | |
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