今年の3.11のときにあげたブログ 「見る」より「聞かせる」
その「聞かせる」を体験すべく、語り部バスツアーに参加してきました
宿泊した「南三陸ホテル観洋」で実施している語り部バス
1時間の通常コースと1時間半の高野会館特別コースがあり、通常コースは宿泊しなくてもじゃらんで申し込めます
被災地各地で語り部ツアーなどを行っていますが、個人で対応してくれるところは少なく、また料金も割高となってしまいますがこちらのツアーは1人からでもOK
参加者1人でも催行してくれ、また料金も変わらず500円とリーズナブルです
実際参加したときは、私たち夫婦含めて4人の参加
大型バスではなくワゴン車で、ドライバーさんと語り部のかた2名で案内してくださいました
参加したのは1時間半の高野会館特別コース
震災遺構の高野会館の内部に入れる特別ツアーです
初めは戸倉地区へ
戸倉中学校のあった場所へ(現在は戸倉公民館となっています)
高台にあるこの場所
多くの人々が避難してきたそうです
高台であるがゆえに、安心して海の様子を観察している人が山のほうからきた津波に巻き込まれてしまったという話
複雑な地形ゆえに水の流れがあらゆる方向から
また高さも高くなり、高台にある中学校も1階部分は浸水してしまったそうです
校舎にある時計は当時のまま
地震発生は2時46分 その2分後に停電で時計が止まったと思われます
次に戸倉小学校のあった場所へ
地震発生当時、学校に残っていた91人全員が無事だったとのこと
しかし校舎は屋上まで津波に被災したにもかかわらず…
震災・小学校というと石巻市立大川小学校の事が思い起こされます
避難の在り方についていろいろ考えさせられた事例です
しかしこの戸倉小学校の事例は知りませんでした
大きなニュースにもならず
犠牲者が出なかったので、ニュースにもならなかったのでしょう
でも防災・減災ということではこちらの方が重要・語り継がれるべき事例ではないでしょうか
震災前、避難場所は校舎屋上か高台、判断は校長が行うとされていました
屋上はすぐに避難できるが、水没した際に孤立する
高台への避難は屋上より時間がかかり、避難途中で津波に飲み込まれるリスクがある
実際、震災の2日前の大きな地震の際には屋上に避難しました
しかし地元の先生から本当に屋上で大丈夫か?の意見が強く、実際翌3月10日には高台への避難訓練も行われたそうです
震災発生時は、1次避難も省略し即高台へ避難、そしてそこにも津波が迫りさらに上の神社へ
学校に残っていた生徒91名は全員無事だったとのことでした
当時の校長先生の報告書
校長先生へのインタビュー番組
NHK 学ぼうBOSAI
その夜、寒さに震えるなか6年生は励ましあいながら歌った「旅立ちの日に…」
卒業式で歌うはずでした
その新聞記事を読んだ川嶋あいさん、半年遅れの卒業式に駆け付けたそうです
川嶋あいさんの公式ブログ
次は高野会館へ
ここは震災前は結婚式などを行うブライダルパレスでした
震災当日は地元お年寄りの演劇会が行われていました
しかし地震のあと、戸倉小学校のように歩いて避難できる高台はなく、職員の方は屋上に避難誘導しました
津波は屋上近くまで到達
波は被りましたが、327人とワンちゃん2匹が助かりました
防災庁舎のように津波が屋上まで来てしまったら、また違ったのかもしれませんがその時できるベストの選択をした結果、会館に残った人は助かったのでしょう
このコースは建物の中に入ることができます
館内は片付けられているものの、被災した当時のままです
中に入って説明を受けたのですが、なにもかも破壊し尽くしたに見える津波の威力ですが、鏡状のものは被害が少ない
壁紙なども引っかかるところがあると根こそぎ剥いでしまう津波もツルツルの鏡のようなものは引っかからずスルーしてしまったようです
屋上のさらに上にある機械室などがあるフロアー
そこへ上がる階段は当日南京錠がかけられていたそうですが(部外者立ち入らないようには当然のことですが)スタッフさんなどで抱きかかえて上の階へ避難させたそうです
屋上から見た南三陸町志津川の景色
かさ上げ工事もほぼ終了し、街の骨格が出来上がった志津川
しかし津波に被災した海沿いは住むことができず、きれいに整備された土地はまだがらんとしたまま
商店やスーパーなどがぽちぽちできてきましたが、にぎわいが戻るのはまだ先のこと
海沿いの旧市街地に買い物や学校・職場などの拠点ができないと難しいのかな
高台から人を海沿いに降ろす工夫をしないと、旧市街地は空き地のままになってしまうのでしょうか
整備された震災遺構う何か所か訪れましたが、ガラス越しまたは柵越しに当時の様子を見ることができますが、やはりそれは展示物として見てしまう
そのまま残すのは劣化したり、見学中の事故など危険も多いので非常に難しいと思いますが、こういう施設を見学できる機会を残してくれてるのは非常に有意義だと思います
今回語り部ツアーというものに初めて参加し、多くの人が助かった事例を聞きました
このブログを書くにあたって、戸倉小学校のことや高野会館のこともさらに詳しく調べました
今までは記事になったような被害の出た場所を尋ねることが多かったのですが、防災の観点からは助かった事例を見聞きし伝えていくことが大事だなと感じました
ブログ一覧 |
日記 | 日記
Posted at
2021/05/29 22:45:02