
名義変更が完了し、書類上も自分の車になりましたのでそろそろ紹介したいとおもいます。
まず、今回納車されたY31セドリックは2台目のY31となるため、シルバー塗装の1台目と区別するため、黒セドと呼ばせていただきます。
グレードは最廉価グレードのオリジナルで、ベンチシート・コラムMT車です。
塗装は純正のスーパーブラック(KH3)になります。
当車は2008年7月製造で、8月に長野県のS観光タクシーに新車導入されました。
当時既にクラウンコンフォートのコラムMT車は廃止されており、この年式でMT車はかなり珍しい存在だったと思います。
雪が降りやすい地域柄、発進ギアが選べるMT車は有用性があり、会社も小さく高齢ドライバーしか在籍していなかったと思われ、AT車でなくとも問題無かったのでしょう。
同社には他にもコラムMTのクラウンコンフォートや2015年頃までギャランΣの在籍も確認しています。
普通車以外ではE24キャラバン後期型のジャンボタクシーや100系ハイエース前期型の福祉車両が在籍していました。
同社は減車して規模を縮小し、2017年秋に廃業されてしまいました。
台数は最終的に普通車5台にまで減ったものの、2017年8月に最後の事業用車検が取得されており、廃業はかなり急だったことが予想されます。
タクシー放出当時、走行距離はまだ22万km台でした。
抹消後、茨城の中古タクシー販売業者を経て同年12月に個人オーナーに渡り、2万km弱走行した後諸事情で手放された車両が同じ業者に戻ってきて、たまたまそのタイミングで問い合わせていた私が購入することになりました。

2015年の改良でフロントバンパーのウインカーはクリアー化され、サイドターンランプは形状が変更されてフロントフェンダー後方へ移動しています。

オリジナルはフロントグリルとテールランプの縁、トランクモールがシルバー塗装となります。
グレードエンブレムとCピラーエンブレムは同グレードは元々非装備ですが、2007年の改良で全車非装備となり、日産フリート(後の日産自動車販売)販売車のみ従来のエンブレム装着車にはそれらを模したステッカーが装着されています。
長野ではハイヤー用途を想定してか黒塗り中型車には行灯を載せない事業者が結構あり、当車も現役時代は行灯非装備でした(なぜかルーフウインカーはありましたが)。
カーテンは前オーナー時代に装着されており、リアカーテンは日産純正ですが、サイドカーテンは設定が無いため、トヨタ車用が流用されています。
当車が販売された茨城は日立製作所の関連施設が多数あり、同社が日産コンツェルンの一員だったことからかつては日産車しか敷地内に入れず、日産党の事業者が比較的多いことから、この車も茨城出身かと思っていたら、業者によるとさすがにこの年式だとみんなAT車とのこと。
クリアウインカー世代のY31MT車が入庫したのは当車が初めてらしいです。
(その後2018年頃に同一事業者の同型車が1台入庫し、個人に販売されています。こちらはカスタム用ホイールキャップ装着)

ワイパーはフロントガラスの清掃性に優れた跳ね上げ式が採用されています。

フェンダーミラーは黒色で手動式です。
調整は車外に出ないと出来ませんが、基本的に私しか運転しないので一度合わせれば変えることはありません。

ホイールキャップは本来非装備ですが、タクシー時代にクラシックSV用が装着されています。
タクシー装着の割に綺麗なので新品購入と思われます。
タイヤはタクシー放出時、タクシースタッドレスが装着されていましたが、前オーナーが夏タイヤを購入しています。

燃料充填口です。
LPGはセルフ充填不可のため、フューエルリッドオープナーはトランクルームに装着されています。

エンジンルームです。
エンジンは直列4気筒SOHCのNA20Pで、ガスミキサー(ガソリン車で言うところのキャブレター)方式のLPGエンジンです。
当車は現状渡しで購入しており、とりあえずバッテリーだけは納車後交換しましたが、ガスミキサーやベーパーライザーの清掃も必要になってくると思います。

クラウンコンフォートだと廉価グレードはボンネット裏の遮音材が省略されていますが、セドリックは全グレードに装備されています。
ただし、ボンネットの形状が変更された2009年以降は省略されている模様です。

銘板(コーションプレート)です。
車体番号の下に日産車特有の18桁のフル型式が記載されており、これでグレードやオプションなどが判別可能です。
下5桁がハイフンで続いているため、出荷段階でメーカーオプションが一切装備されない個体となります。
積雪地でも寒冷地仕様でないのは少し意外でした。
タクシー上がりらしく車体は傷だらけで塗装はがれもありますが、既にボロボロなので1つや2つ傷が増えたところで全く気にならないのは大きなメリットです。
綺麗な車のように外装に神経を使わなくて良いので気楽に乗れます。
ベースグレードなので快適装備が少なく、不便ではありますが、その分故障リスクが下がりますし、趣味車なので不便さを楽しむという考え方もできます。