
BMW i3が我が家に来てからもうすぐ1年が経ちます。
実際のところEV車どう?とチラホラ聞かれますので、所有してみて感じた事を書き残したいと思います。
[走行性能]
日本の電気自動車のイメージから考えると見た目に反して随分とスポーツカーな仕上がりだと感じています。
カーボンボディと電気モーターの組み合わせは今まで体感した事が無いようなレーシングカーのような加速感とコーナーリングが楽しめ、その代わり乗用車としては足回りは締め上げられ、市街地や路面の凹凸などは結構硬く、一般的には乗り心地は良く無いと感じられると部類。
首都高速やワインディングを走ると非常に気持ちの良い走りを味わえます。
また電気自動車特有のシビアなアクセル操作もあり運転の丁寧さが極端に表れ、人によっては街乗りは乗りにくい印象を持たれると思います。
ただ、個人的にはアクセルワークの練習にとても適しているような印象を持ち、最近自分の運転がイマイチで納得いかないな...という心境の時に乗ると気づかされ細かで丁寧なアクセル操作を思い出せれるので、そういう意味では教習車としてオススメかもしれません♪
ただ、そんな素晴らしい走りも空力が悪いのかトラックからの乱気流や横風には非常に弱く高速道路などでフラつき、徐々に運転するのが嫌になってきます。
また高速域での再加速や速度の伸びは苦手な印象で…
BMW i3はワインディングスペシャリストなのかな?
という印象。
ただそう即答はできない理由が…
[バッテリー問題]
これは電気自動車全般に言える事だと思いますが…
"バッテリー残量が気温に左右され易い"
寒すぎても暑すぎてもバッテリー容量が減り、走行距離の減少に繋がります。
もちろん冷暖房設定による影響も強いこともありますが、BMW i3は面積の大きい素ガラスと樹脂製ボディパネルの影響か室内が非常に暑くなる傾向があり、春先から冷房必須かと思います。
連日真夏日が続く現代の日本においてはカタログ記載にある本来の走行距離は難しいのではないでしょうか。
またEV車のバッテリーは高速域も苦手なようで80キロ辺りまでは変わりないように感じますが、100キロを超えていくと残量の減りが早くなります。
私は遠出する際はレンジエクステンダー(発電エンジン)を起動させて乗るようにしています。
これでプラス170km程は走行距離が伸ばせる印象です。
i3は完全にバッテリーが完全に0になってしまうとレンジエクステンダーを用いても発電せず、レッカー移動が必要になると以前営業マンでi3オーナーの方から聞いていましたので、バッテリーの傷みも考慮して近場以外では早めにレンジエクステンダーを使用するようにしています。
またバッテリーの傷みは20%以下だと激しいようなので、長期的に考えると充電するタイミングも考慮しなければなりません。
その結果、バッテリー残量少ないから近場だけど他のクルマで出掛ける必要が出てきたり、EV1台では難しさを感じます。
[充電]
ちなみに高速道路やお店にある急速充電器。
これは30分充電で会社によって色々プランはあるようですが、月々3〜4000円の会費が掛かり1回充電辺り約数100円、非会員ですと1回1500円が相場となっています。
また急速充電器も様々な種類があり、充電時間はまちまち。
自宅で充電する場合には200vで専用コンセントを設置する工事が必要で5万〜10万円ほど工事費が掛かり、自動車メーカーの充電器を設置するのは高額なので一般的には汎用コンセントを選ぶ方が多いようです。
私もメーカー製ではなく、PanasonicのEV車用汎用コンセントを設置しています。
電気会社の契約プランや充電時間にもよりますが、初期型i3の場合は大体5〜7時間充電で満タンになり100〜200円位だと思います。
バッテリー容量の大きいEVなら走行距離も増えますが、その分充電時間も長くなる傾向がありテスラやポルシェなどが実施している高ワット数の急速充電器とそれに対応したクルマでないと、自宅での夜間充電は難しいのでは?と感じます。
また稀にエラーを起こして充電されない事があり、その場合は再度充電し直しになるので乗りたくても乗れなかったりします。
私は1度だけ経験しました。
[i3はワインディングスペシャリストなのか?]
上記バッテリーの件もあり、近場にワインディングがない場合は乗って行くのが難しいと感じます。
ちょっと箱根を走りに行こう!
辿り着いて充電、走って充電、帰宅する為に充電…
どんな場合も近くに充電器があれば可能でしょうが、意外と郊外には充電箇所は少なくあっても順番待ちも…
[EV車は普及するのか]
EV車ならではの静かで滑らかで気持ちの良い走り味は非常に魅力だと思います。
ただ現在の日本で普及させようとするのは色々と難しいのでは?と所有してみて感じました。
皆が皆、駐車場に充電器を設置は難しいですし、毎日使用する方は充電時間やバッテリー残量とのバランスが難しく…
先ずは議員さんが実際に所有して使用したり、官庁で運用するなどして実態を知らないうちは、来る近い未来にEV車のみにすると言う事は現実的な選択にはならないでしょう。
EV車が普及していけば今の電力事情では困難でしょうし。
現実的には…
近場用にEV車、長距離用とスペアカーとして内燃機関車やHEVなど1台の、計2台は所有しなければオススメは出来ないと感じました。
大容量バッテリー搭載のPorscheタイカンや Audi e-tron、BMW iXやテスラなどを所有するとまた違った見解になるかもしれません。
さてさて。
BMW i3はワインディングスペシャリストなのか?
この答えは
Yes!
でもそのステージまで乗って行くのは難しい。
独特でシビアなアクセル操作に慣れてしまえば意のままに動き街乗りでも走りが楽しめる良いクルマなので所有してみての満足度は高いです♪
[オマケ]
この車格からは考えられないくらい車両保険が高いです。
台数はそれほど多くはないと考えられるので、修理の際にカーボン骨格なコトが関係しているんですかね🤔