いつもの病院に行った

処方されている薬が少なくなってきたので、いつもの病院に行った。
病院の玄関入り口には体温を測るカメラがあり、入室前にカメラを覗き込む事になっている。
覗き込むと「マスクをして下さい」と言われワンアウト。
しかし、マスクはしている。
「もう少し近づいて下さい」と言われた。
チョコ父はニューっと近づいた。
次に「体温が高いです」と言われツーアウト。
チョット待て〜。
熱はないぞ。
家で測ってきたんだぞ。
何度も測り直す。
ナースが来た。
マスクの色で反応が変になっちゃうんです。
手首で測りましょうか。
カメラ「正常です。」
ナース「良かった」
診察券を受付に出して待合で待つ。
程なく検査室から呼び出される。
新しいナースだ。
後ろにはいつものナースがいる。
新人ナースは美人だ。
この病院は美人揃いなのだ。
そして、クールビューティー。
新人ナース「指から血を採ります。チョットチクッとしますよ」
チョコ父「さっき、入口でカメラにマスクしてね。体温が高いって言われてツーアウトなんです」
新人ナースは手を止めた。
後ろのナースは「チョコ父さん、そんな事を言っても採血しますよ。さあ。」
新人ナース「あっ。そうなんですか。えいっ」
チョコ父「うっ。予告なしですかぁ。コレでスリーアウト」
いつものナース「ナイスっ」
検査室を出ると室内からキャッキャと笑い声が聞こえる。
いつものナース「診察が始まったら見に行くわよ。先生との掛け合いが面白いのよ」

診察室に入る。
医師「変わりはありませんか？」
チョコ父「なんだか、ギャラリーが多くないですか？ってか、前より増えてる」
医師「そーですねぇ。このナースは先月、入りました。ご挨拶を」
チョコ父「ここって、そーゆーシステムでしたっけ？」
ナース「いいんです。どうせ、今の時間は暇なんです」
チョコ父「先生、大丈夫なんですか？暇だって
言ってますよー」
医師「まあ、良いんです。皆んなが楽しく働いてくれれば」
チョコ父「なんか、今、俺って良い事言ったみたいな感じですけど、楽しくって言ってもねぇ。ここは病院ですよ。待合には患者さんがたくさん待っているんですよっ」チョット声が裏返った。
ナースはケラケラ笑ってる。
チョコ父「玄関のロボットにマスクしてないとか体温が高いって言われて、もうツーアウトなんですよ。あのロボットは修理した方が良いですよ」
医師「あれはあれで良いんです。信用してないから」
チョコ父「信用してないのに置いてあるの？」
医師「体温とマスクのチェックをしろって言われて買ったんだけど、今、どうして良いのか分からないんだ」
チョコ父「分からないんだって」
医師「そろそろ診察しましょう。今回の検査の結果は悪いですよ」
チョコ父「なんだか、嬉しそうですねぇ」
医師「そんな事はないですよ。暑い日が続いてますからね」
チョコ父「そう。ビールが美味い！」
医師「だから」
チョコ父「ビールをゴクゴクと、プハーッ美味い。もう一本」
医師「白状しましたね。ビールは控えましょう」
チョコ父「控えめに飲みます」
医師「飲むのね。お薬出しておきます。お大事に」

病院から出る時にすれ違ったお客さん。
背後から「マスクをして下さい」「体温が高いです」と聞こえた。

そして、帰りに町中華。