
シーサイドラインの事故。一般の方のTwitter投稿画像を勝手に借りてます。
【この一枚で判る事】
点灯している赤いライトは後部標識灯(テールライト)で、その下の消灯しているのが前部標識灯(ヘッドライト)。
点灯消灯がこの組み合わせになるのは、この運転台が列車の最後尾になる方向設定がなされている証。
その最後部から車止めに衝突しているので、"発車時に後退運転した"のが最終的な原因ですね。
【鉄道の無人運転】
線路とか軌道の上しか走らない鉄道系は、制御の観点だと一次元の乗り物。停止加速惰行減速の制御だけで自動運転が成立します。衝突防止とか速度超過対策としては強制的な速度制限が行われ、その最少速度が時速0km/h。加えて絶対停止というのもあります。
ATOという自動運転方式の場合、車両側が基本的な走行パターンをデータベースで持ってるケースもありますが、地上からの速度規制がより低い場合は、当然低い側優先です。
【信号系】
その規制速度は常に地上から送信されていて、信号ロストは絶対停止扱い。前に別の列車とかポイントがどっち向きとか全部加味した速度を受け取ります。
【防護系】
終点みたいに更に念を入れるべき場所では追加の防護系もあって、ホーム入口と中央・停止位置直前・オーバーラン部分でスピードチェック。万一超過したらフルブレーキ発動。
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【想定外】
"始発駅発車時に後退運転"するとブツカルだけで必要性が全く無いので、システム設計で「想定外」、つまり設計要件に含めていないのではなかろうかと。
オーバーランしないのが自動運転で、トラブルで後退の必要が発生したら運転手派遣し、手動運転に切替る手順前提だと思われます。
後退運転自体は車両の機能として出来るはずですが、昨日駅でなぜそうなったのか、人為的な間違いか故障なのかは事故調査委員会の仕事。
ただ、一旦全列車運転手乗せる事になると思われます。とわ言っても鉄道用の免許(国家資格)が必須で養成期間も必要なので、本日現在人居るのかは謎です。
運転手が乗ってれば、逆走した瞬間に「異常を感じて」非常ブレーキ入れたと思いますが、こういう異常検知と対応も全部設計しないといけなのが全自動の世界。
原発事故で流行った「想定外」。人が設計するモノは必ず「想定範囲」があってそれ以外を「想定外」と言うのは単に日本語。当然に想定すべき事を意図的に除外しても「想定外」と言えますが、それは手抜きであり結果に対する責任は問われます。
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大阪のニュートラムがやらかしたのは、"停止しきれずに衝突"で制御の不具合。コノ事故とは全く違う内容です。自動車の自動運転に至っては地上との連携が今のトコロ全く無いので、さらに次元が違います。
でわ。
Posted at 2019/06/02 13:14:37 | |
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鉄ヲタ | 日記